あれ……?僕寝てたっけ……?ていうか、ここどこ…………?え?いやマジでここどこ!?暗くてなんも見えないんだけど!?ほんとにどこだよここ!?えぇ……体の感覚すらないし…うん、これは夢だ。だから寝よう、そうしよう。そうと決まれば!早く寝よう!
何か聞こえる?誰かが呼んでるような?というか、目が開けれそう?僕の前に誰かいる。誰だろうか?
目を開けて確かめてようとする。全体的に白っぽい部屋。明らかに僕の住んでいたとは思えない大きなリビングにソファ。窓から差し込む強い日差し。
そして、目の前に佇む大きなおっ○い。
は?おっ○い?
え?ちょどゆこと?は?え?てかこれって!?
「
あれから約4年。
どうやら僕は知らぬまに転生していたらしい。と言っても、前世の記憶は殆どないに等しいけど……。
そしてどうやら、僕は物語の世界に転生したらしい。あるとき、テレビで彼女を見かけたのだ。星のような笑顔で皆を魅了し虜にする彼女を。
その時、この世界が『推しの子』という作品の世界であると気がついた。
実際にこの目で見た彼女は漫画で見た彼女よりもとても輝いて見えた。
しかし、困ったな……。前世で当時放送されてたアニメを数話見た程度でしか僕は『推しの子』という作品を知らない。けれど、画面で観ることのできた彼女は確かドーム公演の日に殺されるというのは知っている。
そしてそのドーム公演は明後日であることも。
彼女を救えるなら、救いたい。
彼女が殺されるってわかっているのに僕には彼女を救うことができない。今の僕にできることはただ願うだけ。
彼女が死なないことを。
だけども、現実はいつも非情である。
二日後、彼女は殺された。
心のどこかに罪悪感が広がる。まるで目の前で人を見殺しにした気分だ。
僕には何もすることができなかった。彼女が殺されることをわかっていながら僕には何もすることができなかった。
彼女を見殺しにしたせいか、夢にはいつも彼女が出てくる。ただ、こちらを見つめるだけの彼女が。
「……僕にできることなんてなかったんだ」
僕はこれ以上自分が圧迫されないように自分に言い聞かせる。
僕は悪くない。これは決まっていた運命。僕はまだ4歳だからどうすることもできないのだと。
「レー君、今暇?」
すると、母さんに呼ばれた。
母さんの服装を見る感じ、何処かに出かけていたらしい。
「暇だけど、どうかしたの?」
「あらぁ、それは良かったわ」
「今からお隣に引っ越してきた方ご家族と交流会をするんだけどね?向こうのご家族にレー君と同い歳の娘さんがいるらしくてねぇ?流石に1人だと可哀想だからとレー君も連れて行きたいんだけど、いい?」
「それぐらいなら全然いいよ、今暇だし」
「ありがとぉ〜!そうと決まればすぐ行くわよぉ〜!」
「え?ちょ、母さん?!」
母に引っ張られながら隣のお家に着いた。
にしても、この家デカいな。我が家もデカい方であるが、この家はそれよりもデカい。
……同世代の娘かぁ。正直、今世では女性は母としか接したことがないためまともに話せるのか心配である。
「あらぁ!その子が零君よね?零君も来てくれたのね、いらっしゃい!」
扉を開けて出てきた女性が母と親しげに話しながら僕を見て喜ぶ。
見た目はかなり若く、まだ20代前半にしか見えない。いくら子持ちとは言えど、まだ子を産んでから4年程度だ。あながち、おかしなことではないかもしれない。
「ほらレー君、自己紹介しないと?」
母に急かされ自己紹介をする。
「天宮 零です。えっと…よろしくお願いします?」
「ふふっ、なんで疑問形なのかしら?あ、自己紹介がまだだったね?私の名前は星野 愛奈、よろしくね?」
「あ、はい…よろしくお願いします」
星野ってアイも同じ苗字だよね。
最近ちょっとしたことがあるからつい気になってしまった。僕はまだ彼女のことを忘れられないみたいだ。
……まぁ、星野なんて苗字結構いろんなところにいるか。
「ほらアイ?挨拶しなさい?」
え?
「えっと、星野 愛です…」
名前を聞いて、思わず顔を見上げた。
目の前にいる彼女に見覚えがある。この世界に来てから何度も観た。この世界に来る前にも何度か目にした。紫がかった艶のある伸びた髪。こちらを見つめる綺麗な瞳。
目の前にいたのは、紛うことなきアイだった───
あの後、互いに軽く挨拶をした。
それ以降のことは何も覚えていない。ふと、気がついた時には自分のベッドにいた。
「…ありえない」
僕は思わず口にする。
彼女という存在を目の当たりにした僕はまだ、現実を上手く受け入れられていないようだ。
「はぁ…転生した僕に、アイそっくりの愛」
まるで二次創作のような展開じゃないか。
もっとも、今の状況をそんなふうに捉えられたらきっと楽なんだろけど、僕には中々この状況を受け入れるだけの冷静さはなかったようだ。
「そもそも、それだと僕が主人公のポジションじゃないか………」
これはただの偶然だ。
彼女の容姿と名前も偶然なだけ。きっとそうだ。彼女は死んだのだ。あの日、ストーカーにナイフで刺されて死んだのだ。
───だが、俺や主人公である星野兄妹は転生者である。
「はぁ、考えれば考えるほど頭がこんがらがる……」
今日の出来事でまだ幼い僕の頭には少し負担が大きいかったようだ。ベッドに入るとかなり強めの睡魔が襲ってくる。僕はその睡魔に耐えきれずベッドに倒れ込むと瞼が重たく感じて、次第に閉じ始める。
──そして、僕の意識は眠りについた。
小説って難しいですね……。
思いついてることとか、まとめ上げた設定はちゃんとしてるのにそれを文字に起こすと上手く行かないんですよなぁ…‥。