恋愛かぁ……。
正直、恋愛がどういうものかはわかっていない。だってしょうがないじゃないか。僕は転生者ではあるけども、前世の記憶は何となくでしか覚えていないんだ。親しくしていた友達とか趣味、好きな食べ物などは結構覚えている。
けど、僕自身の性格については殆ど思い出せていない。こんなんで僕に恋愛なんかできるのだろうか。
「俺自身の性格かぁ……」
「なーんもわかんないんだよなぁ、どうしたもんかね……」
「僕なりに、アイを好きになれるよう頑張ってみるか……」
なんて意気込んでいると、母さんとアイの話し声が聞こえてきた。
もう来たのか。予定では10時過ぎぐらいに家に来るって聞いていたんだが、今の時刻は9時半。ちょっと早いなんてもんじゃないぞ?………。
「レー君ー!アイちゃん来たわよー!」
「少し待って!すぐ行くよ!」
僕は急いで着替えてリビングに向かう。
リビングに着くと、アイがソファに座りながらテレビを観ている。
「ごめん、待たせた」
「ううん!私こそ早く来ちゃってごめんね?早く会いたくて会いたくて仕方なくて……」
「犬かな?……」
「わんっ!………なんてね?」
「……かわいい」
かわいい。
「えへへっ!」
「貴女たち本当に仲良いわねぇ〜?アイちゃんがレー君を貰ってくれてもいいのよ?」
「いや母さん、それ普通逆だよね?」
「てかまだ4歳児なんだけどこっちは……」
流石に4歳児に将来の話はまだ早いんじゃないか?
いや、よくある結婚の約束みたいな感じならわからんでもないかもだけどさ。
「レー君と結婚…………えへへ」
いやだから可愛いなぁちくしょう!?
この娘可愛い過ぎない??? 本当に僕でいいのか少し心配になってきたんだけど?
にしても、この娘いつまでトリップしてるんだ?
「なぁ母さん、アイが戻ってこないんだけど?」
「愛の言葉でも囁けば戻ってくるんじゃないかしら?」
「………なんだそりゃ」
なんてことを話している間にアイが現実に戻ってきた。
アイの周りにハートが飛んでるように見えるし、心なしから目にハートが浮かんでいるように見えるんだが?
「……俺なんかのどこがいいんだか」
「えっ………」
「ん?なした?」
「え、うん……なんでもない」
何かを隠すように別の方向を見るアイ。
何故なのかが全くわからない。僕、何かしたっけ?
「あ、そういえば」
「どしたの?」
「いやぁ〜?アイちゃんのお父さんが、出張でしばらくいないらしいの」
「うん?」
「それで愛奈ちゃんが着いて行きたいけど、アイちゃんが最近レー君と凄く仲良くなったのもあるからどうしようか迷ってたらしいの」
「だから、しばらくうちで預かるよって言っちゃった⭐︎」
「は?…………はぁ!?」
「だからしばらくうちでアイちゃんがお世話になるから〜」
「いやいやいやいやお母様!?いくら何でも急じゃ!?!?」
「別にレー君は嫌ってわけじゃないんでしょう?」
「いやまぁ………そうだけどさ……」
嫌なわけではない。
ただ、あまりにも急だから困っただけである。
「それに、アイちゃんだって嫌ではないでしょ?」
「うんっ!」
うん、すごくいい笑顔。
まぁ、アイがいいって言ってることだし別にいいか。
「レー君と同棲っ!同棲っ!」
………中身が大人だからか、発言が少しまずい気がするが気にしないでおこう。
何故だろうか、このやり取り前もしたことがあるような気がするのは気のせいだろうか。いや、あの時はアイではなかったけど。確かあの時は………
……あの時?俺は何を言ってるんだ?
『──君は、どこの大学に行くの?』
『─────────────』
『そっかぁ、──君らしいね』
『─────────────』
『え〜?そうかなぁ?』
『そ─だよ─俺は──取──もな─男─よ』
『───俺なんかが─────────だろ?』
『澪くんは世界一カッコいいよ? だから安心してよ、君は私にとっては誰よりもカッコいい王子様だから』
………………?
………………………ー?
………………………………君ー?
「レー君ってば!!!!」
「うわっ!?」
「どうしたの?そんなにぼーっとして?」
「え、いや………なんでもない」
「そっかぁ………?」
「あぁ、本当に何もないよ」
「ならいいんだけど………」
「もぅ……無視されてるのかなって心配したんだからね?」
「俺が無視するわけないだろ?………ごめんな」
「許す!」
「ん、あんがと」
「それはそうと、俺になんか用か?」
「………まただ」ボソッ
「……アイ?」
「………あ、ごめん考え事してた」
「それで、どうしたの?」
「いや、呼んでただろ?なんか用があったんじゃないのか?」
「あっ、そうそう!お義母さんがご飯できたって!」
「んー……?今少し変だった気が……?」
「何言ってるの?早く行こっ!」
「あ、あぁ……」
俺はさっき、何を考えていたんだ?
「ねぇ、レー君?」
「ん?どうした?」
「レー君の服で余ってる服貸して貰ってもいい?」
「服持ってくるの忘れちゃったんだけど、取りに行くのめんどくさくて……」
「えぇ、自分の服ぐらい持ってきなよ……」
「お願い!………だめ?」
「もう……僕の服でアイが違和感なく着れそうなやつあったっけな………」
「えへへ、ありがと」
「んーと………」
「……………………」
おかしい。
レー君はいつも自分のことを『
なのに、さっきから時々『
「ん? あ、見つけた」
「この服ならアイも違和感はないかな」
「にしても俺の服をアイがかぁ………」
「僕が普段着ている服をアイが着るとか、ちょっと恥ずかしいな」
なんとなく、鏡に映る
まるで、お前を逃さんと言わんばかりに。
己の
何故だかわからないけど、そう言われてる気がした。
この物語はシリアス3でコメディが7の割合です。なのでこの雰囲気もすぐ終わります!うん、多分。