【裏社会の悪魔の転生先は、完璧で究極のアイドルの子でした】(本編完結) 作:Woudy
やはり登場可能性のあるキャラを判明前、または完結前に出すのは悪手でしかない・・・・・・
というより、原作見直すとやっぱ今更感な言い訳にしか聞こえなくて……愛してるのは本当なんでしょうけど、だったら実子に色目使うキモイ男の方を捨てろと言いたくなってくる。
アクアが終始祖母に塩対応なのも仕方ない。城ヶ崎の死に際の台詞を借りるなら「一人で生きろ、それがアンタの選んだ人生だ」な事をしてしまった訳ですから。
私の名前は斉藤ミヤコ。芸能事務所『苺プロダクション』の社長夫人兼マネージャーだ。
現在私は――――、
「ミヤコー、こっちの書類が出来たから確認してくれる?」
「ありがとうマリア。じゃあ次はアイの今月分のスケジュール調整をお願いね? 通した案件は別で纏めてメールで送っといたから、それを見ながら上手くやって頂戴」
「うわ、多! 流石母さんだ。りょうかーい」
念願だった美少年と一緒の仕事に幸せを噛み締めています。
(壱護と結婚して17年! この時をどれ程待ち望んでいた事か……)
思わずガッツポーズ! あれ? 目から涙が……
ウチの事務所には2名の美少年タレントが所属している。その正体は大女優にして我らがエースであるアイの息子たち。一人はアクア、もう一人はマネージャー見習いとして私から教示を受けているマリアで、二人とも出来たてホヤホヤの高校生だ。
この二人は同じ美少年でも毛色が全く違う。アクアが格好良い系美少年、いわゆるイケメンなのに対し、マリアは女の子みたいな可愛い系に分類される。前者が頼りがいのある子なら、後者は庇護欲を唆られ力になりたいと思わせる子だ。両者とも相手を虜にする魔性の魅力を持ち合わせているところは、流石はあのアイの子供である。
「ミヤコ?」
そうそう。この美しさの中にある子猫みたいな愛らしい顔と仕草が堪らな……って。
「わひゃあっ!!?」
「できたから送ったよって伝えたのに全然反応してくれないね。どうしたのさボーっとして?」
「ん、んん! 何でもないわ、今確認するね!」
おおっと、いけない。ずっと考え事をしてたみたいね。私は己の中の邪念を振り払うと、送られてきたメールに添付された資料を開き目を走らせる。
「――うん、これなら問題なさそうね。……それにしても随分早く済んだわね? かなり濃密な内容だったと思うけど」
「? 何か問題でもある?」
「いいえ、仕事が早いに越した事はないわ。ただ教え始めてそんなに経ってないのに成長が凄いなって思っただけ」
「そこまでかな? 頼まれてから15分くらいしか経ってないし」
「……いや、この段階でこの出来なら十二分に凄いわよ」
マリアが予想以上に優秀過ぎて舌を巻いた。だってこの子、この手の仕事は長年やってきましたって勢いで次々と仕上げていってしまうもの。それどころか明らかにベテランよりスピーディかつ正確で、正直弟子入りする必要があるのかすら疑問である。私要らなくない……?
「戻ったぞー」
「「おかえりなさーい」」
其処へ某大手事務所との”外交”を済ませた壱護が帰社した。挨拶もそこそこに私はコーヒーを淹れ、疲れた様子でソファーに腰掛ける壱護に渡す。マリアと自分の分も用意すると、そのまま休憩タイムに移った。
「あぁ、社長。戻ってきてすぐで悪いけど、少しだけ良いかな?」
「どうしたマリア?」
「前に参加したパーティーで知り合った人からさ、母さんたちに是非ともウチの番組に出ないかって声を掛けられちゃった。はい、これは先方から送られてきた関係書類」
「ん~?」
とその前に、マリアが自分の仕事机に置いてあった書類を壱護へ手渡す。少し眠そうな目で中身を流し読みしていた壱護はすぐに硬直し、そして勢いよく立ち上がった。手はガタガタと震えてるし、何をそこまで動揺してるのかしら?
「こ、こりゃお前! これ程の大物からどうやって仕事を貰ってきたんだ!? この人、業界じゃ相当気難しくて有名なんだぞ……?」
「別に、ただ楽しくお喋りして仲良くなっただけだよ? コネ作りの意図は確かにあったけどさ」
私も書類を覗き見して開いた口が塞がらなかった。業界でもトップクラスに知られた敏腕プロデューサーからのお誘い。アイを含むウチのタレント数名を人気番組にゲストとして出さないかという内容だった。受ければ苺プロにとって大きな躍進へと繋がる事は間違いない。
「母さん以外の参加者に、おれはお兄ちゃんとお姉ちゃんを希望したいな。特にお姉ちゃんは凄く喜びそうだし」
「あ、あぁ……アイたちの意思を確認してからだが、俺としては是非と言いたいところだ。……先方は何人までなら可能だって?」
「母さん含めて4人だね。だからあと一人」
「ならお前も出ろ。周りには言えないが、初の家族共演だ。存分に楽しんでこい」
途端、マリアの顔がパーっと明るくなる。
「やった! 元からそのつもりだったからね、嬉しいよ! ありがとう社長、帰ったら早速母さんたちにお願いしてみる!」
まるで休日に家族と遊園地に赴く事になった幼子みたいだ。マリアはとても無邪気そうで、今にも跳び上がって喜びを表現しそうな様子である。
それにしても……
「本当に恐ろしいくらい優秀ね貴方は……そう遠くない未来にウチの事務所乗っ取られるんじゃないかしら?」
なんて冗談を溢してみれば、壱護が面白いくらいに焦り出した。
「お、おい。何言ってやがんだよミヤコ……」
「冗談よ、冗談。真に受けないでよね壱護」
この反応から見るに壱護も薄々分かってるのでしょうね。自分よりマリアの方が経営者としての素質が高い事に。そんな彼の心情を知ってか知らずか、マリアはコーヒーを啜りつつ暢気そうに笑った。
「あはは、母さんにも言われたよ。おれは芸プロの社長になるんじゃないかなって。母さんたちを支えるなら、それも良いかもねー」
「マリア……まさかお前本気で」
「でも社長になるつもりはないよ。モデルとしても人気が出てきてしまったし、少なくとも今はそれとマネージャー業務に専念するつもり」
意外な事に芸能事務所のトップになる意思は無いらしい。マリアの性格的に、てっきりアイから言われたらその通りに動くものだと思ってたけど。
因みに壱護は分かりやすいくらい安堵している。
「それに社長という役職は忙し過ぎる。母さんと一緒に過ごせる時間が減っちゃうじゃないか」
「マザコンかよ」
「あとシスコンでブラコンです」
「聞いてねえよ」
うん、やはりマリアはマリアね。何よりも家族第一なのは変わらずだわ。
「おれとしては社長が社長のままの方が母さんにとってはプラスだと思うし、兎に角おれは別の方向から母さんたちを支えさせて貰うよ」
「それ、俺がアイにとって不利な事しちまったら即自分が成り代わるって言ってるようにも聞こえるが……」
「んな事しないよ、信用が無いなあ。社長に対して恩義があるから、事務所を大きくする手伝いをしてるだけだってば。だからこうして大物と仲良くなって仕事貰ってきてるでしょ? ――疑うよりも先に素直にお礼を言うべきところじゃないの?」
「あ、あぁ悪い……あとありがとな」
「どういたしまして」
マリアから軽く説教されて頭を下げる壱護。その立場が逆転しているような光景が、何故か違和感なく自分の脳内で処理されていた。
本当にこの子といい、アクアやルビーといい……あのアイの実子である事を勘定に含めても、それだけでは説明が付かない不思議な子たちである。
「ねえマリア。ちょっと気になる事があるのだけど良い?」
「なに、ミヤコ?」
……可能ならその訳を、この子の口から直接聞きたい。
「この間、マリアがお世話になったって言う女性の葬儀を開いたでしょ?」
「……うん、それがどうかしたの?」
「何故彼女の事を”母さん”って呼んだのかしら?」
「――――」
その時マリアの顔が一瞬だけ強張ったのを、私は見逃さなかった。
Q:本当に壱護を蹴落として苺プロの社長に成り上がらないの?
マリア:しないってば。社長には母さんをスカウトして、自分みたいに破滅へ進む事を阻止してくれた恩があるって言ったでしょ? 稲村のバカとは状況が全く違うよ。
稲村:ゆみりん声で言われるとショックデカい・・・
今後はどんな番外編を書いて欲しいですか?
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