【裏社会の悪魔の転生先は、完璧で究極のアイドルの子でした】(本編完結) 作:Woudy
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推しの子最新話。45510の人物はやはりニノの可能性高そうですね。厄介信者っぷりが凄かった。これはマリア(城ヶ崎)の圧倒的恐怖で荒療治するしかないですね……
俺の名前は星野アクア。
「おいルビー、自分のがあるだろ? そっちを飲めよ」
「ざんねーん、もう飲んじゃってまーす」
「ったく、しょーがねーな。じゃあお前のドリンク貰うぞ?」
「良いよー、どうぞおにいちゃん♡」
「おう」
ソファーに腰を下ろし、妹のルビーといちゃつきながら読書に耽る、前世医者の高校生だ。
「仲良いわねー、貴方たち」
そんな俺たちを視界に捉えたミヤコさんの若干呆れたような、感心したような声が事務室に響く。だがそれを聞いても俺とルビーは首を傾げるだけだ。
「そうか?」
「お家でもこんな感じだもんね、私たち」
「実妹を膝に乗せて、互いの飲みかけのドリンク飲み合う男子高校生なんて見た事ないわよ」
ミヤコさんからすれば家族でもこの距離感は異様だとか。しかし俺達としてはコレくらいのスキンシップは日常的だ。ルビーとの恋人関係を抜きにしても。マリアとだってベタベタと引っ付きあって過ごす事も少なくないし、アイとは……我が最推しが相手だと多少の緊張感と羞恥は湧き出るが、それでもやらない選択肢は無い。
「ただいまー……ん、どうしたのみんな?」
そこへモデルの仕事から戻ってきたマリアが状況説明を求めてくる。
……お前、今度は花柄のワンピース着て此処まで来たのかよ。また例の女性カメラマンに乗せられたのか。全然違和感ねえな。
「おかえりなさいマリア。恰好については色々ツッコミたいところだけど、それは良いとして。ご覧の通り、この超仲良しな兄妹に『もう少し遠慮なさい』って遠回しに伝えてるところよ」
「別に仲良しなのは良いんじゃないのミヤコ? 険悪な関係よりは遥かにマシだと思うけど」
「そりゃそうかもしれないけど……」
マリアはミヤコさんが何を懸念しているのか全く分からず、ポカンとした表情を浮かべたまま立っている。彼女からすれば、このまま俺とルビーが兄妹の枠を超えた先へ進んでいくのではないかとか、そんなところだろう。
確かに俺とルビーはマリアの後押しを受けて、実母であるアイも公認するカップルへ至った。だが一線を超えるつもりはまだない。高校生に成りたてだし、アイからもその辺は釘を刺されているし、何より妹はこれからアイドルになろうという身だ。一線を超えた事によるリスクを考慮すれば、アイドル卒業までは清い関係でいるべきである。
……最も、実の兄妹で最終的に行くとこまで行くつもりの時点で、俺の思考も世間一般から相当ズレているが。まあ、それによって発生する弊害への対策は今後考えるとして。
「マリア、こっち来い」
「ほらおいでーマリアー? お姉ちゃんやお兄ちゃんと一緒に寛ごう?」
俺は隣の空いたスペースをポンポンと叩き、ルビーもマリアを手招きする。そんな俺等を見たマリアは少し呆れ気味だ。
「全く二人とも。おれたちはもう高校生なんだよ?」
と言いつつ荷物をソファーの端に置き、俺の隣に座ってスススと寄るマリア。
「しょうがないなー♡」
「言葉と行動が全く一致してないじゃない……」
ミヤコさんが何かもう色々と諦めた様子で溜息を吐いた。申し訳ないが長年染み付いた性みたいなものだ。多分、最早俺たちだけじゃ改める事なんて不可能だろう。というより大して問題だと思ってないしな。慣れというのは恐ろしい。
「ほらよマリア、喉乾いただろ? オレンジジュース」
「ありがとう、お兄ちゃん」
「おにいちゃんズルいー! マリア、お姉ちゃんのも飲みなさい」
「はーい」
「そのジュース俺のだけどな」
「いや二人とも、どっちも飲みかけ……」
俺はルビーの、ルビーは俺のドリンクをマリアの前に出す。マリアは躊躇なくそれぞれのストローに口を付け、顔を綻ばせながらチューチューと飲み下す。兄弟間での間接キスなぞ何時もの事だ。子犬みたいなカワイイ反応の弟を間近で見れて、俺もルビーもご満悦である。
「たっだいまー! 予定より早く撮影が済んだよー」
「今戻ったぞ」
「「「「おかえりなさーい」」」」
そんなこんなで兄弟仲良く過ごしていると、アイと社長がドラマ撮影の仕事から帰って来た。アイは俺達を見るや否や目を輝かせ、女神のような慈しみの笑みを浮かべる。この世のものとは思えない推しの美しさに、俺とルビーは目を奪われる。
「3人とも仲良しだねー。お母さん嬉しいぞ?」
「お、おう……」
「うん……」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんだけじゃ寂しいよ。母さんもこっちに来てくれる?」
「オッケー♪」
マリアがそう懇願するとアイは女神から一転。少女の如く無邪気な笑みを携えて俺等の間に飛び込む。俺とマリアの間に設けたスペースに腰を下ろした彼女は、そのまま俺等兄弟を抱き寄せる。
「いやー、3人とも大きくなったねー! 成人するまで後5年かー。20歳になったら一緒にお酒を飲もうね?」
「うん、楽しみだよママ!」
「もう15年も経つのか……時の流れってのは早いもんだな」
「お兄ちゃん、また年寄り臭い言い方になってるよ?」
「つっても、コレばっかりはどうしようもない」
「あ、また女の子の服装なんだねマリア。凄く似合ってるよ、キャワイイッ!」
「ありがとう母さん。褒められたくて着てきたから嬉しいな」
「……ホント、仲良し家族ねー」
「ま、幸せそうで何よりじゃねえか」
俺達家族の遣り取りを社長が微笑まし気に眺める。さっきまで呆れていた筈のミヤコさんもだ。
「あ、そうだ。折角家族全員揃ったんだし、写真撮らない?」
唐突にアイからそんな提案が出てきた。
「――よし、これで良いだろ」
社長がスタンドを取り付けたスマホを仕事机に置き、位置を微調整した後セルフタイマーのセットを完了させる。そして30秒経過するまでに社長とミヤコさんが俺等を挟むように両サイドに座った。
「えへへ」
みんなでシャッターが切られるのをジッと待つ間、マリアの嬉しそうな笑い声が響く。
「楽しそうだな、マリア」
「そりゃ楽しいよ。大好きな家族とこうして一緒に過ごせる毎日が」
前世がずっと生き地獄だったマリアにとって、この何気ない日常はどんな宝よりも価値のある、掛け替えのないものに違いない。アイと同じように、彼もまた憧れの”家族”を得られてとても幸せそうだ。
「だからみんなと過ごす明日もきっと楽しくて幸せなものなんだろうなって、何時も思ってる」
マリアが天真爛漫な笑顔を俺等に振り撒く。4歳の頃までの時々見せたどこか不安そうな、警戒心の籠った固い笑顔ではない。俺等に対する信頼の証を表情に込めて俺等に見せてくれる。自然と俺達の顔もより良いものへと変わっていった。
アイがマリアを抱き寄せ、己の頬を彼の柔らかな金糸に当てる。
「――これからもいっぱい幸せになろうね?」
「うん」
そろそろ30秒だ。マリアが音頭を取って号令をかける。
「はいみんな、チーズ!」
「「「「「チーズ!」」」」」
各々好きなポーズを取った直後、シャッターが切られる軽い音。写された6人の楽し気な姿は、何処にでもいる平凡な幸せ家族そのもの。
(そうか、これが普通の家族ってヤツなんだな)
前世の祖父母ような溝は存在しない。互いを信頼し受け入れ合うこの関係は、俺にとっても凄く心地良い。
(……この人達と家族になれて、良かった)
マリアの言葉を借りるが、俺も”明日”というものが楽しみで仕方がなかった。
おまけ:『葬送のフリーレン』の投げキッスを真似てみた。
アイ「こうだっけ?」チュッ♡
アクア「こうか?」チュッ♡
ルビー「こうかな?」チュッ♡
マリア「こう?」チュッ♡
ミヤコ「超エロいか超カワイイかのどっちかね(アクアエロい♡ マリア可愛い♡)」
スタッフ&タレントs「きゅ~……」バタンッ!
壱護「コレ見ちまった苺プロスタッフ&タレントが壊滅状態なんだが……」
今後はどんな番外編を書いて欲しいですか?
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