【裏社会の悪魔の転生先は、完璧で究極のアイドルの子でした】(本編完結)   作:Woudy

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因みに作中で誰もツッコミを入れてませんが、今のマリアの姿は黄色基調のレディース・ジャケットに黒短パンの、いかにも活発そうな印象のツインテール美少女です。
袖の中や長い靴下の中、腹と胸の前面に甲冑を装備しています。


68話

不審な男の人達に連れ攫われたウチとあかねちゃんは、後ろ手に縛られ、目隠しをされた状態で何処かの室内に軟禁されていた。

 

「あかねちゃん、其処にちゃんと居ります?」

「うん。みなみちゃんこそ大丈夫? 何処か怪我したりしてない?」

「おおきに、問題あらへんで」

 

視界が塞がれた中でウチ等は寄り添い合い、声を頼りに互いの安否を確認し合う。

 

……離れ離れで軟禁されたり口まで塞がれたりしなくてホンマ良かったわ。ただでさえ意味不明な状況なのに意思疎通の手段まで奪われたら……流石のウチも不安で普段のような振る舞いは出来へんかったかもしれんし。

 

「ごめん、私の所為でみなみちゃんまで巻き込んじゃって……」

 

そして炎上の影響で心身ともに疲弊しているあかねちゃんなら、尚更やろう。今でこそ、こうしてウチと一応は会話出来とるけど、目を覚ました時点では半ばパニック状態に陥っていて落ち着くのに時間が掛かったわ。

 

「あかねちゃんの所為やあらへん。あの人達、ウチの事も最初から狙っとったさかい、あの場に居らんでも遅かれ早かれ誘拐された筈ですから」

「でも、台風の中へ飛び出した私を探しに来てくれたからこうなっちゃんだよ……? 仮にあの人達に捕まらなくても、あの台風なんだから怪我したっておかしくないのに……」

「飛び出したくなるくらい辛い思いをしてたって事やん。……寧ろ逆に申し訳ないわ。もう少しウチやみんなであかねちゃんの側に居ってあげたら、飛び降りなんて真似すらさせへんかったのに」

「……ごめんなさい」

「だから謝らんでええって。無事でホンマ良かったです」

 

悪い人に誘拐されとる最中やから真の意味で“無事”とは言えへんけど、まだこうしてあかねちゃんは生きとる。今はその事実だけで十分やと思った。

 

「それにな、本当に悪いのはあかねちゃんを叩いてた人達やないか」

 

ネットの人達が心にも無い事を言う所為で、あかねちゃんの心はボロボロになってしまった。この子は真面目やから、きっと全部真に受けて追い込まれてしまったのだろう……自殺を考えてまう程に。

 

仮にあかねちゃんが飛び降りたらどうなってたんやろう……? 安全圏から暴言を吐くような人達が、一人の少女が犠牲になったところで自分事のように後悔するだろうか。申し訳ないと思う人も出てくるかもやけど、更に彼女を冒涜するか、すぐに興味を失って忘れる人も多いと思う。

 

そんな最悪なIFを想像して、怒りが湧き上がってくる。仲間を侮辱する自称正義の味方連中に。

 

「あかねちゃんの事、何も知らへん癖に好き勝手ばっかり……」

「ッ」

 

自然と溢す言葉に強い感情が籠る。それを感じ取ったあかねちゃんがビクリと震え、ウチの肩を揺らした。

 

「あ、ごめんなさい。怖がらせてもうたな」

「ううん、大丈夫。……でもちょっと意外。みなみちゃんがそこまで怒るなんて」

「そりゃあウチかて普通の人間やさかい、友達を傷付けられたら腹が立ちます。あかねちゃんの代わりに自分名義で訴えてやりたいくらいやわ」

「友達……友達か……えへへ」

 

あかねちゃん、分かりやすいくらい嬉しそうやな。ウチは更に彼女を元気付けようと言葉を紡いでいく。二度と自殺を考えさせない為に。

 

「ウチだけやない。今ガチのみんな、家を飛び出したあかねちゃんを必死に探し回っとったんや。あかねちゃんには、こんなにも大事に想ってくれてる友達が沢山居るんやで?」

「みんなが、私の為にそこまでしてくれてたの……?」

 

あかねちゃんは信じられないと言わんばかりの声を漏らす。視界を塞がれてなければポカンと可愛く口を開けたままウチを見ていただろう。

 

「あかねちゃんは幸せ者や。優しい友達が仰山居るんやから。……前にも言うたやろ? あかねちゃんは一人やないって」

 

この数週間、彼女は世界中の全てが敵に見えていたのだろう。でも、それは正しくない。何故ならあかねちゃんの側には、あかねちゃんの事をちゃんと見てくれている人達も大勢居るんやから。

 

「……うん、ゆきちゃんを傷付けた時だって、ゆきちゃんもみなみちゃんも私に優しく寄り添ってくれたよね……嬉しかった」

「ウチやゆきちゃんだけやない。MEMさんもケンゴくんもノブくんも。アクアくんもマーくんも。みーんな君の味方で、友達や」

「……あはは」

 

あかねちゃんが渇いたような声で笑い、ウチの肩に顔を埋める。何時の間にか彼女が溢した涙が目隠しを濡らしていて、布越しにその熱を感じた。

 

「本当に馬鹿だなあ、私……遠くばかり見てて、すぐ近くにある大事なものに全然気付けなかった。炎上中もみんな私に沢山LINEを送ったり、ずっと心配してくれていたのに」

「でも、あかねちゃんは気付けた。 ホンマに手遅れになる前に」

「うん、自殺なんてしたら、友達みんなを不幸にするところだった。みなみちゃんが気付かせてくれたお陰だよ、ありがとう」

 

埋めていた顔を上げたあかねちゃん。目隠して見えてないけど、口角を上げて笑ったような気がした。

声色もさっきよりずっと明るくなったようで、ウチは漸く胸を撫で下ろした。

 

……とは言うものの、危機が完全に去った訳やない。ウチ等を攫った男の人は生かして帰すとは言うてたけど、それを鵜呑みには出来ない。

 

(なんとかして脱出せんと……何時までも此処にいるのは危険過ぎる)

 

スマホを没収されたのはかなり痛かったなあ。今の段階じゃ外部に助けを呼ぶ事すら不可能や。なら連れられた建物の何処かにある固定電話の使用も検討してみたが、犯人に出くわす可能性が高い以上、無防備に電話を掛ける余裕もあらへんかもな。

何より彼等の会話を聞いた限りでは、扉の前に見張りが二人程いるらしい。ウチとあかねちゃんの拘束を解いて、見張りの目を掻い潜って抜け出せるのか。

 

(……いや、やるしかあらへん)

 

ウチにもあかねちゃんにも夢がある。こんな訳の分からない事でそれが潰えるなんて……絶対認めない。まずは周囲を把握する為に視界の確保に動こう。

 

「あかねちゃん、失礼するで?」

「みなみちゃん?」

「そのままジッとしといて。目隠し外すさかい」

「う、うん」

 

ウチはまずあかねちゃんの目隠しを外そうと、彼女の目元に口を近付けようとした。

 

「な、何だお前等ぎゃッ!!?」

「ごへへッ!」

 

「「!!?」」

 

その時扉越しに聞こえてきた男の人達の断末魔が、何か重い物がぶつかる衝撃音が、ウチ等の体を硬直させた。

 

「な、何、今の……?」

「わ、分からへん……」

 

一瞬の静寂の後、身構えていたウチ等が次に耳にしたのは扉が乱暴にスライドする音やった。

 

「いた!」

「みなみちゃん、あかねちゃん!!」

 

え、この声、まさか……

 

「アクアくん、ルビーちゃん……?」

「うん、そうだよみなみちゃん! 大丈夫、何か酷い事されてない……!?」

「う、うん。縛られてるだけや」

 

なんとアクアくんとルビーちゃんやった。二人はドタドタとした足取りでウチ等に近付き、目隠しを取り払ってくれた。それにより見知った親しい友達二人の血相変えた表情が目に入る。

 

直後、ルビーちゃんが目に涙を溜めながらウチに抱き着いてきた。

 

「良かったー!」

「ルビーちゃん……」

「昨日からみなみちゃんと全然連絡着かなくって! 何かあったんじゃないかって、すっごく不安で夜も眠れなかった……!」

 

涙をポロポロと流してウチ等の無事を喜ぶルビーちゃんに、ウチはアクアくんによって解放された腕を動かし、彼女の頭をポンポンと撫でてあげた。

 

「心配させてホンマごめんなさい」

「うん! 物すっごく心配した!」

 

ウチとルビーちゃんが遣り取りしている横では、丁度アクアくんがあかねちゃんの縄を解いてあげてるところやった。

 

「あかね、遅くなって済まなかったな」

「アクアくん……そっちの女の子って、もしかして」

「妹のルビーだ。あと別の所でマリアも戦ってる」

 

……なんやて?

 

「ま、マーくんも来てるんですか!?」

「ああ」

「マリアったら二人を誘拐した奴等に、そりゃあもう鬼か悪魔かってくらい怒り狂ってたよ!」

 

そんなに怒ってくれたんか……ウチ等の為に。好きな子にそこまで想われてると知ったウチは、胸が熱く脈打つのを感じた。

 

「でもマーくん、今”戦ってる”って……またあの巨人さん時みたいな無茶しとるんとちゃいますの? 一体ウチ等は誰に攫われてたんや……?」

 

15歳の夏休みに、ウチはマーくんが戦う姿を目の当たりにしている。マーくんも襲って来た巨人さんも、まるでバトル漫画の登場人物のような人間離れした動きをしていた。

マーくんの強さは知っとるつもりやけど、あの巨人さんに追い詰められ殺されそうになった事を思い出すと、不安で仕方がない。

 

「え、え、何? 巨人? マリアくんが戦ってる? どういう事なのアクアくん、みなみちゃん……?」

 

当然、ウチとマーくんが共演した時の事件を知る由もなかったあかねちゃんはもっと混乱している。

そんなウチ等にアクアくんは掌を見せ、待ったを掛けた。

 

「詳しい説明は道中でする。今は此処から移動しよう。何時敵の増援が来てもおかしくないからな」

「そ、そうやな……」

 

ウチとあかねちゃんはアクアくんとルビーちゃん兄妹に連れられ、軟禁されていた部屋を後にする。

廊下には、白目を剥いて泡を吹いてる男の人が二人転がっていた。ウチは勿論、あかねちゃんもギョッとする。

 

「これ……まさかアクアくん達が?」

「そうだ」

「えへへー、実はすごい師匠の所で鍛えてるんだ! ヤクザの一人二人くらいなら余裕だよ!」

「や、ヤクザやったの、ウチ等を攫った人達は……!?」

 

嫌な汗が流れてくる。裏の世界なんて物騒なイメージしかない。血生臭い何かの犠牲にされかけてたと察して、身の毛がよだつ感覚を抱いた。

 

(マーくん……)

 

アクアくんとルビーちゃんは弟を一人にして此処へ来た。無論、それだけマーくんに対する信頼の現れでもあるんやろう。

 

それでもウチは、今まさに裏の人とぶつかっている最中の彼の身を憂いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――行くぞ? 悪く思うなよ」

 

佐和田が畳を強く踏み込む。それだけで摩擦による煙が深緑の畳から立ち昇った。

 

「盛大に吹き飛びな、少年!」

 

瞬間、佐和田が一気に加速、電光石火の如く距離を潰してくる。

 

「ほう? 中々のスピードじゃねえか」

 

まるで巨大な岩が丸ごとぶつかってくるような勢いである。俺は上から目線で感心しつつも、注意深く観察を続ける。

そしてあっという間に俺の眼前に迫った奴はその場で立ち止まる事なく、予め引き絞っていた剛腕を突き出してくる。

 

なんて速さだ、素晴らしい。とはいえ、それでも俺の目は奴の拳を追う事が出来ていたが。

 

「お返しだ、同じく腹に喰わせてやる」

 

「ボオオオオオオオオオッ!!?」

 

それでも敢えて腹で受け、吹っ飛ばされてみる。ちょっと興味が湧いてな、威力は如何ほどのモノか喰らって確かめてみたかったんだよ。

 

「いてて……パワーも申し分ない。人を殺せる良いパンチだ」

 

予想以上の威力に、俺は大破した襖の上で倒れたままニヤリと笑う。この佐和田という極道、あの高城に匹敵する猛者だ。こんな規模もやってる悪事もショボい組に籍を置き続けてきた人間とは、到底思えない。

 

「ッ……この野郎、今の態と喰らいやがったな? 目でしっかり追えてるのを見たぞ」

 

すると殴った筈の右拳に痺れを覚えた佐和田が左手で押さえながら、此方へ忌々しそうな視線を向けてくる。

 

「おまけに腹になんか仕込んでやがるな。生身の腹を殴ったにしては違和感があった」

「……お陰で丁度良い具合に威力を調整出来た。ありがとう、少し眠気が残ってたから一気に目が覚めたよ」

 

すくっと立ち上がり、前世の癖で眼鏡の位置を治す動作をする。

 

俺の装備品はスタンガンや煙玉だけにあらず。腹や手足には防刃ベストや甲冑を着込んである。本当に肉になるつもりは微塵もないからな。保険は何重にも掛けとかねえと。

 

「大人を舐めるのも大概にしろよ坊主……」

 

一応は真剣に相手にしているつもりの佐和田にとって、俺の余裕綽々な振る舞いは見ててイラつくものだったのだろう。

 

……でもね。

 

「子供を食い物にする大人なんて舐められて当然だろうが」

 

直後、俺は冷徹な眼差しを佐和田にぶつける。

 

「!」

 

(……なんだ? さっきより戦闘力が練り上がってる。力を隠してたのか?)

 

「真面な大人ってのはな……子供を守りこそすれ、傷付けたりはしねえんだよ」

 

息子を虐待し、挙句酒代をうかす為に殺そうとした前世の父。

間接的に母さんを殺しかけ、俺達の心に消えぬ傷を入れた今生の父。

幼い母さんに女として嫉妬し、虐待して施設に追いやった彼女の母親。

母さんの意思を無視し、己等が望む偶像を強いて弱音の吐露も認めなかった周囲の人間達。

少女の才能を安く買い、都合よく使い潰そうとした事務所。

高校生の少女を儲けや数字の為に悪人に仕立て上げた番組に、自身の身に起きた憂さ晴らしも兼ねて彼女を叩くネット住民。

そして未来ある少女達の内臓を奪い、一生消えない傷を抱えさせて生かそうとする貴様等。

 

大人がしっかりしないから、バグった人間が生まれ続ける。増殖し続ける。そしてソイツ等がバグったまま成長し、次世代の子供に不幸を強いてバグらせる。一個人では終わらせられない負の連鎖だ。

 

「今のテメエ等は大人として尊敬に値しないんだよ」

 

俺が母さんを”強い人”と尊敬しているのは、正にそれが関係している。弱くてダメで馬鹿なところも多々あれど、己の不幸の八つ当たりを子供達には決してしない。少なくとも星野家限定で言えば、母さんはその負の連鎖を断ち切ってみせてるのだ。

 

不幸を振り撒くばかりだった嘗ての俺とは正反対である。所詮、俺はあの人より長く生きてるだけの餓鬼に過ぎなかった。

 

そして、それはお前等も同じ。

 

俺は凄まじい加速を見せる。

 

「むうッ!!?」

 

(コイツ、サイドの動きがやたら速い……! まずい、側面に回られたら防御が――)

 

さあ、再び紅林直伝の信念と魂を込めた一撃を喰らいな。

 

「年齢重ねただけの野郎が――一丁前に大人ぶってんじゃねえッ!!」

 

「ぐおおおおおおッ!!!?」

 

子供を傷付ける大人なんてな、大人とは呼ばねえんだよボケが。

 

「くうううううううううう!!」

 

佐和田は防御が間に合わず、サイドから一瞬で距離を詰めた俺の打撃を脇腹に喰らってしまう。その威力は障子を突き破って破壊し、広々とした庭の池へ奴を叩き付ける程であった。盛大に水飛沫を上げ、奴の姿が見えなくなる。

 

「……お前等も俺も”子供じゃない”だけだ。”大人”の成り損ないなんだよ」

 

決まった――そう思いたいところだが、残念ながら倒しきれなかったらしい。

 

「……そんな事、君に言わるまでもなく百も承知だ」

「あの威力のパンチを喰らってまだ動けるのかよ……やっぱ強いなアンタ」

 

高城の奴も割かし打たれ強い方だったからな。もっとも、紅林のような出鱈目なパワーを持つ猛者と戦ったとは聞かなかったが。

 

池から上がってきた佐和田は濡れた顔を手で拭いつつ、庭に降り立った俺に対して拳を構える。

 

「本当は女の子を傷付ける真似なんてしたくなかった。……だが、それでもやる他ないんだ」

「……どういう意味だ?」

「君は知らないと思うが、極道界では親の言う事は絶対。逆らう事は出来ないんだよ」

 

成程、親の命令で渋々従ってると。フンッ、下らん言い訳だ。

 

「果たして攫われた少女達がその理由で納得してくれるかねえ?」

「する訳ないさ。だが俺は命令に従ってはいても、親父には全く賛同していない。任侠を取り戻す為に任侠に背く……正気とは思えなかった」

 

風見組の動機。それは暴対法による資金難を解決し、任侠道へ返り咲く事。その手段として少女を攫って内臓を奪い、海外へ販売して活動資金を得ようとしていたのだ。

 

「抗議はした。だが、貧乏なままでは極道が極道らしく振る舞えなくなるから……親父はそう言って聞く耳を持たなかった」

「……お前等の親、かなりの馬鹿だろ? 仁義を取り戻す為に仁義外れに手を染めるなんて、本末転倒だ」

 

こんなアホみたいな動機で仲間が酷い目に遭ったのかよ。俺は完全に軽蔑しきった目で佐和田を見詰めていた。

 

「なら今からでも降伏するか? 任侠者を名乗るなら、仁義外れなシノギに付き合う道理は無い筈だろ? こうして俺とお前が戦うのすら無意味だ」

「……それは出来ない。任侠者だからこそ親の命令に従い、親の目的を達成しなければならないんだ――どれだけ人の道に外れたものだったとしても」

「訂正。お前も馬鹿だったのか」

「そうさ、俺は馬鹿だ。――さあ、続けようじゃないか」

 

ハッキリ言って俺は今でも極道は嫌いだ。暴対法で雁字搦めの貧乏だし、親や上の兄弟に服従させられ、最低な命令も遂行しなくてはならない。

衰退していく訳だよ。今時の人間がNOと言えない環境下に置かれて耐えられる筈がない。龍珠組はよくやれてる方だよ。

もっとも、半グレやマフィアだって似たような環境だけど。

 

佐和田自身も認めている通り、コイツはとんだ大馬鹿野郎だ。しかし……同じ馬鹿でも”奴等”とは毛色が違う。

 

「俺の知ってる極道なら、どれだけ貧乏で惨めな思いしても馬鹿正直に任侠を貫くだろうけどな」

 

佐和田へ向けて全力で駆け出す。その際俺の脳裏に一瞬だけ浮かんだのは、前世の俺と激しく争った男達の姿だった。

 

 

 

サツの到着まで、残り1時間。

 




「ボオオオオオオオオオッ!!?」

↑これを ゆみりんボイスで脳内再生したら吹き出しそうになった。




次回、天羽組。
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