女海賊【泣跡の鬼神】   作:なゆさん

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2話

 出航から数日、私はグランドラインに入るために、リバースマウンテンにやって来た。

 

「ここがリバースマウンテンか」 

 

確かに高い。

船が滝を登っていく様子は、まんま水上ジェットコースターだ。船が傷つかないようにだけ注意して、私は山頂に到着する。

 

「思ってたより急だ――っな!?」 

 

船が急降下する。

急な浮遊感に、思わず動揺してしまった。大丈夫とは分かっていても、びっくりするものはびっくりするのだ。

 

 

リバースマウンテンの先には、灯台があった。

もうあんまり覚えていないが、実際に訪れると少し思い出す。原作で、たしか灯台守のクロッカスとクジラのラブーンがいた場所だ。ジジイにもクロッカスのことは聞いたことがある。

 

 

せっかくだし、少し上陸してみることにした。

陸地に上がると、白い灯台に強い気配が一つ。

 

「誰か居るか!」 

 

大声で叫ぶ。すると、

 

「大声で叫ぶなやかましい!! 誰だ!?」

 

キレながらも、クロッカスが登場。ただ、原作より随分若いな。でっかいクジラも居なかったし。

 

「私はモー・D・アマナ。海賊だ。少しここで休息をと思ったら強者の気配がしたのでな」

 

「……ガキが海賊? しかもひとりでか?」 

 

「悪いか?」

 

「別に悪かねえが……いや、見聞色も使えるようだし、覇気も相当のもんだ。お前さん、悪魔の実の能力者か?」

 

「フッ。悪魔の実など食っていない。歳は見た目通り6歳だ。」

 

「……の割には強えし、随分大人っぽいんだが」

 

「何なら海で泳いでやろうか?ジジイに鍛えられたから、海王類一匹程度なら水中でもイケるが」

 

「――どうやら嘘って訳でもねえようだな」

 

「嘘を言って何になる? 灯台守のクロッカス」

 

「……俺を知ってたか」

 

「ジジイにグランドラインの話は散々されたからな」

 

「そうか」

 

その後、クロッカスと少しだけ話をした。

クロッカスは酒、私はまだ飲めないのでジュースを片手に、以外と話は盛り上がった。

 

「そうか。モードレッドの野郎、隠居なんてしてたのか」

 

「やはりジジイは有名なのか?」

 

「おう。国落としのモードレッド。一度世界政府加盟国を落として、かなり大物として名が売れている男だ」

 

「モー・D・レッドだがな、正しくは」

 

「……そうか。やつも【D】か」

 

「時々居るらしいな。名前にDってあるやつ」

 

主人公もそうだ。確か、物語に深く関わっていた気がする。

 

「ああ。俺も詳しくは知らねえけどな」

 

「おい、ジジイの黒歴史とか知らないか? 里帰りしたときに馬鹿にしてやりたい」

 

「おう、もちろんあるぞ。例えばな―――」

 

途中からラブーンも混ざり、人数は少ないものの楽しい時間だった。

 

 

「おい、本気でグランドラインをひとりでいくのか?」

 

翌朝。出航の準備をしている私にそう聞くクロッカス。

 

「そのつもりだ」

 

「仲間は?」

 

「いらん。私は仲間に縛られたくない」

 

「……ログポースは?」

 

「予備含めて三つ。航海術も医術もジジイに仕込まれてる」

 

「見張りは?」

 

「寝ている時も見聞色が使える体質なんだ。生まれてからいつも敵意に晒されてたからな。私の索敵範囲ならおそらく問題ない」

 

「……そうか。気をつけろよ」

 

「ああ、もちろんだ」

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

クロッカスと別れ、次の島に向かう。

道中、雑魚海賊団を3つ程壊滅させ、海王類2匹を食料に捕まえた以外は特に何もなかった。

 

 

最初の島は中々に豊かな島だった。

私の信条として、自由は自由でも自分から一般人に迷惑をかけるようなことはできるだけしたくない。

だから、普通に食料を買い、民間人には手は出さなかった。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

次の島は貧困の酷い島だった。そして、海軍支部があった。

一応警戒すべきかと思い民間人に話を聞くと、海軍支部のトップであるリーグ大佐という人物が幅を利かせ、好き勝手しているらしい。その恩恵を受けている海兵も賛同しているようだ。

私は自由が好きだ。そして、自由とは自分の気持ちに嘘をつくことは絶対にない。苛つくものは叩き潰すのが、私の自由だ。

 

 

「――この程度か」

 

海軍支部への殴り込みは拍子抜けするほどあっさりと終わった。

リーグ大佐とやらも口程にもなかった。どうやら一昔前は武闘派として名を馳せる程度には強かったようだが、私腹を肥やす事に夢中で研鑽などしていなかったのだろう。流石に雑魚海賊団よりかは強かったが海軍支部の長としては余りにも弱かった。

 

「ひはは(きさま)!!ほんはほほひへははへふふほほほふはほ(こんな事してタダで済むと思うなよ)!!」 

 

私の打撃でパンパンに膨れ上がった顔で、リーグ大佐が何かを言う。まあ聞き取れないが。随分と能天気な脳みそをしているらしい。反省の色もない。

 

「……お前、生きてても懲りないタイプだな?」

 

「――へ?」

 

次の瞬間、私はリーグ大佐とやらの首を断った。

こういうゴミは殺すに限る。

後は、汚職していたにも関わらず懲りない無能の海兵を残らず叩き斬り、手を染めていないであろう海兵は気絶させて、村人達に終わった事を伝えに行った。

 

 

その後は、村人達から感謝され、色んな物をもらってしまった。

貧困なのだから自分達の為に使えと何度言っても聞かず、勝手に私の船に御礼の品を置いていったのだ。

 

「こんなもの……。自分達の為に使ったほうがよほど有意義だろうに」

 

御礼の品を一つ一つ見ていく。非常食、お金、医療器具、食器などなど、統一性のない、航海に必要そうな物を素人が考えたのが丸分かりの品ばかりだった。

 

「まったく……ん?」

 

ふと、一つの品に目が止まる。それは、古びた本だった。

 

「なんだコレ………………は?」

 

私はあまりの衝撃から思わず声を上げてしまった。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

「……あの島、大丈夫か?」

 

私は次の島に向かって船を進めながら、御礼の品の中にあった本を読んでいた。その内容は、考古学の研究。しかも、この世界で禁忌とされる、ポーネグリフの研究だった。

あの島唯一の考古学者であったこの本の著者は、海軍憎しの一心で、嫌がらせのつもりで禁忌の研究を始めたという。

だが、偶然ポーネグリフの写しを手に入れてしまい、思った以上に研究が進んでしまったようだ。

何でそんな間抜けにここまでの研究が出来たのかは謎でしかないが、天才とはほぼ変人であるというし、まあその手の才能があったのだろう。あの島には、ポーネグリフを読める者が居るということになる。

 

「……まさか私が、ポーネグリフを読めるようになるとはな。」

 

この身体は頭が良い。彼の本が分かりやすかったのもあるが、一度読んだだけで、ポーネグリフの読解について完全に覚えた。

――政府にバレると相当面倒事になるし、百パーセント自由が侵害されるので、できるだけ隠そうと思う。バレたら地の果てまで追っかけてきそうだ。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

あれから幾つか島を巡った。

春島、夏島、秋島、冬島、島それぞれに独自の特徴があって面白かった。

船に海賊旗をつけているものの、あの貧困の島以降船は隠してるし、私はまだ懸賞金もかけられてないから、行く先々で住人達が良くしてくれるのも、旅を楽しめる一因である。

特産品とかも普通に子供サービスで無料なのだ。子供でよかった。余った金を貯金出来る。

 

 

さて、今来ているのは、医療大国ドラム王国。

原作開始時点では確かそんな風には呼ばれてなかった気がする。あんまし覚えてないが。

そんな医療大国に私が何をしに来たのかというと、医療技術、医療知識の向上のためだ。というのも、私の知識や技術は、ジジイに仕込まれたこの世界では基本程度の事と、前世のクソ親のおありがたいご教育の賜物である近代医療の知識である。

 

前世の記憶の殆どが朧げなのに、ムカつく事にあいつらが私にしてきた教育だけはしっかりと覚えている。

家事とか、音楽とか、武術や剣術、射撃、もちろん勉学も。体罰込み込み警察も賄賂で黙らせる。

世界一の子供を造るとかほざいていた。それで加減を誤って一回子供を殺した癖に、それはあの子供が出来損ないだったせいとか言って私にもっとキツい教育(笑)を与えてきた。

あんなもの絶対に教育じゃない。だいたい……あ、ゴホン。

 

話が逸れたがとにかく、この世界の医療について、もっと深くまで知らなければ、何か大変なことが起こって後悔すると思っていた頃、丁度次の島が医療大国だったということだ。

 

 

「――という事で、私に医療を教えてくれ」

 

私は事情を話し、眼の前の女性に頭を下げる。齢90を超えるこの女性はドクターくれは。この島でも腕は立つと評判の医者だ。

 

「……あたしの評判を聞いてここに来たのかい?」 

 

「ああ。()()()()と」 

 

()()って、それ以外は?」

 

「もちろん聞いた」

 

「その上で来たと。フン! 物好きだね嬢ちゃん。……払えんのかい?」

 

「半年で2億ベリーでどうだ?」

 

「へぇ~……フフフ、気に入った! 良いよ! それで手をうとうじゃないか!」

 

所持金の3分の2が消し飛んだが、知識は大事、必要経費だ。

こうして私は、ドクターくれはの元で医療の勉学に励むことになった。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

それから4ヶ月。

 

「改めて凄いねあんた。もう通常の5年分の知識が頭に入ってる。」

 

「ドクターの教え方のお陰でもある。効率よく知識と技術を蓄えれる。」 

 

私は、この国でも有数の腕利きの医者に成長していた。

――そしてもう一つ、

 

「……それで? あえて聞いてこなかったが、昨日のアレ、どうすんだい?」

 

「とりあえずドクターも含め、誰にもレシピは教えない。完全品の事も、できるだけ使わない。」

 

「ああ。それがいい。」

 

二人して話しているアレというのは、昨日私が偶然実験で作ってしまった薬の事だ。

その効能は、若返り。記憶はそのままに、若い身体へ戻れるのだ。塗り薬と飲み薬があり、塗り薬は塗ったところだけが、飲み薬は身体が丸ごと若返る。副作用で病気などは悪化してしまうが、何度使っても効能は同じ。

健康体で、処方法さえ守って飲み続ければ不老となるということだ。

 

「ハア。面倒くさい。」

 

「自業自得さね。これに懲りたら、あまり考え無しに研究はしないことだね。今の医術で十分なんだから。失敗続きのアイツとは、別の意味で危なっかしいよ。何作るか分かりゃしない」

 

「アイツと同類扱いは心外だぞ」

 

私達二人の頭に、ここ数日実験しては爆発音を響かせている自称医者の男が浮かぶ。

なんでも、この冬島に満開の桜を咲かせるという馬鹿げた目標を掲げているらしい。

 

「アイツなりに一生懸命やってるんだろうがねぇ。」

 

「フン。一生懸命というのは実力が伴って初めて実を結ぶ。実力に沿わない努力など、無駄だというのに」

 

「あんた、そういうところドライだね」

 

「当然だ。私は海賊だぞ」

 

「……ああ! そうだった。あんた、賞金首になってたよ」

 

「ん? やっとか。幾つか海軍支部を潰しているというのに、呑気な連中だ」

 

「ハハハ。無理もないさ。連中も新世界の事案で忙しいんだ。いちいちこっちの対応に出張る事なんてないよ。連絡が行く前に頭をあんたが殺すせいで、随分と連絡に時間がかかったようだね」 

 

「そこまで分かるのか?」

 

「まぁ年の功みたいなもんさね」

 

「それで? 私の額は?」

 

「初期の価格では異例も異例だね。【賞金1億7000万ベリー 泣跡の鬼神 モード・アマナ】だと。ハハハ! 奴らそんなに【D】を表に上げたくないのかい!」

 

「……この島に居てもいいのか?」

 

「あんたの人となりは、十分良く知れた。残り2ヶ月程度なら、問題ないさね。金は前払いでもらったしね」

 

「ありがとう」

 

そして、約束通り残り2ヶ月を有意義に過ごし、私はドラム王国を後にした。




多少のキャラ崩壊は許して下さいお願いします!
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