「さてと…紅音もログインしたみたいだし、俺も行きますか」
紅音には、幕末での俺のアバターの見た目や名前は教えてあるので、多分すぐに合流出来るだろう。それはそれとして京極のやつも居たりしてな。
* * *
「そこだっ!!天誅!!」
「な、なぜだ…!?なぜここが…」
「んなもんわかりきってるんだよ。ログボ天誅狙いのお前らが待ち構えてそうな場所なんざ」
「せめて刀は質に…!!」
いつものようにログボ狙いのバカ共を襖越しに刺しながら、宿を出た…って危ねえ!!
「ほう…今のを避けますか。流石は祭囃子」
「マジかぁ…なんでお前がこんなとこ居るんだよ…刀雨」
宿を出たところに待ち構えていた刀剣の雨。言わずもがな奴──『刀雨』だ。
「またストックが心許なくなってきたのでね。運良く祭囃子を見つけたので、ついででランカー報酬を手に入れて投げようかと」
「そうかよ。だが簡単にはやられないぞ。近くに居た連中はお前の刀で天誅されたみたいだから、今んとこ空中肉盾式は無さそうだ。」
「まあ、しのごの言わずやりましょうや。」
「上等!」
* * *
「天誅!!」
「この恨み…次は勝ちます…祭囃子」
「無縁仏に沈みやがれ!」
ちょっと危なかったが、なんとか刀雨の奴を天誅する事に成功した。でもこれ絶対漁夫の利狙いのやつ来てるだろ
「とりあえず逃げる」
「逃すな!追え!天誅するんだ!」
おっと、これは人数増えるかもな。近くにランカー居ないかな…。そして紅音はどこだー!!
* * *
「では、ログインしますか!」
楽郎さんにオススメされて購入した、─辻斬り・狂想曲・オンライン─ 楽郎さんからは、とても面白いとの事だったので、今からとても楽しみです!
* * *
「名前は…イトトンボとオニヤンマから取って糸鬼 シキで…所属は…維新軍にしよっと。」
こうして光属性は、楽郎とゲームをするために、修羅の世界へと足を踏み入れた。
しかし、この時は誰も知らなかった。
光属性を修羅の道へ取り込もうとするとどうなるのかを……
* * *
「じゃあ、チュートリアルを…」
「ウェルカム天誅ァーッ!!」
「へ?」
糸鬼はあっさりと斬られた。
「ようこそ幕末へ…歓迎するぞ」
「余韻天誅!」
「うぎゃっ…!ま、祭囃子!!」
自分を斬ったプレイヤーが背後から般若面のお面を付けた聞き覚えのある声によって刺されたのを確認し…糸鬼の意識は途切れた。
「わっ!?いきなりキルされてしまいました!」
「天誅!」
「そこですっ!!」
リスポンした糸鬼は、またもや襲いかかってきた幕末志士の一撃を自らの刀で弾いた
「なっ!?もう対応しただと!?」
「えーと…天誅?です!」
「この恨み…は、はらさでおくべき次は勝つ…せめて刀は質屋に入れて…」
そう言い残し、糸鬼 シキが初めて天誅したプレイヤーはリスポンした…。
「わっ!刀と銃を落としました!」
「という事はこの人も維新軍なのでしょうか?」
「詰めが甘いな新人よ!ここでは気を抜いた者から消えるのだ!余韻天誅!」
ドロップ品を拾っていると、今度は屋根から飛び降りてきたプレイヤーが襲いかかってきた。
「楽郎さんは…空には気をつけろと言ってました!」
「やぁっ!!」
「なんで新人がこれも防げるんだよ!!」
「天誅」
「あっ…」
上空奇襲天誅を防いだまでは良かった。しかしここは幕末
乱戦裏切り不意打ち上等の世界だ。
空中に対処した糸鬼は、後ろまでは意識が行かなかったようで、背後から襲撃したプレイヤーに刺されてリスポンした。
「すまないな。天がやれと言ったんだ…。」
天…お空の事でしょうか?
そんな事を考えながらリスポンした。
* * *
「天誅です!」
「ぎゃっ!」
「天誅です!」
「せめて刀は…」
「また乗り越えました!っと…上空や後ろには特に注意しないと」
それから約30分程、修羅の世界で切った張ったの大乱戦を繰り広げた。
「銃の火薬も集まりましたね」
ドロップ品も大量である。しかし何度か天誅されてるのでその都度天誅して補給だ。
「!?」
「すみません!天誅です!」
「させぬぞ!」
「わっ!」
「エマ!やれ!」
「はい、一心様」
「くっ…刀だけじゃないんです!これもあります!」
「くっ…!」
突如かち合った二人組に襲いかかった糸鬼であったが、幕府側の片割れの男の方に迎撃され、その隙をもう片方の女に狙われた。
「火縄銃か」
「はい!結構当たりますよ」
糸鬼は一心と呼ばれた男との鍔迫り合いの最中、蹴って距離を取り、火縄銃で女の攻撃を迎撃した。
「これは…なんとも厄介ですね」
「二人相手でここまでやるとなると…周りの奴らもこんなのばかりだろう。新撰組のプレイヤーよ。団体が来たようだぞ」
「わっ!本当ですね」
「ここは…一度迎撃しなければ、勝負を着けられませんね。」
「そうだな。ここは一度停戦して、周りの奴らを斬るとするか。」
「それでよろしいですか?糸鬼と名乗るお人。」
「はい!賛成です!えっと…」
「エマです。そしてそちらは一心様」
「わかりました!エマさん!一心さん!」
「では、行こうか」
『『『天誅!!』』』
そして、三人は自分たちを天誅しに来たプレイヤーの集団に襲いかかった。
「天誅!」
「空中は警戒してます!」
「天誅!」
「はい!」
空から飛び掛かり、背後から斬りかかり、それをなんとか迎撃しようと奮闘している糸鬼達であるが、やはり数の暴力 ランカークラスでなければ厳しい人数を少しずつ減らしていく。
「もらった!天誅!」
「あっ…」
これは…躱わせません…!
躱すことが出来なくても…諦めたく無い!
「天誅」
「え?」
ここでキルされ、またもやリスポンするかと思われた瞬間、自分を斬ろうとしたプレイヤーの首が飛んだ。
「糸鬼 シキ…だっけか。真っ直ぐ突き進んで更に諦めない。ここまで一緒なら実は他人でした。なんて事は無いだろ?アカネ」
「!?」
そこに居たのは、般若のお面を被った二刀流のプレイヤーだった。しかし、ただのプレイヤーではない。自分をアカネと呼んだ。つまりは…
「サンラクさん!!」
「すまんな、遅くなったわ。いやあやっぱ幕末だよ。この幕末に光が降り立ったなんて噂が流れてたから、情報集めて天誅してたらなんとか辿り着いたわ」
「んで、そこの二人は?天誅する?」
「ま、待ってください!この二人は一緒に戦ってるんです!」
「そうか。なら仕方ない」
サンラクさんが来てくれたなら…きっと楽しくなります!
「何が仕方ないのだ!?そこの二刀流!」
「おっと聞かれてたか、んじゃまあやるか」
「天誅!!」
* * *
「オラァ!」
「うわっ!」
「ほらほら行くぞー!!」
「行きます!天誅!」
どんどん周りの数を減らしている時でした。
「なっ!?レ…」
「おっとマジかよ!!」
「えっと…あの人は一体…?」
「これは…マズい気配がするぞ。エマ」
「わかっております」
「あっ、祭囃子」
「レイドボスさん…」
「ねぇ、そこのオオカミの人」
「はい?」
「名前」
「糸鬼 シキと言います!」
「そうなんだ。じゃあやろうか」
「わっ!?」
「やばやばいやばい!!」
「糸鬼!!その刀はクリティカルさえ外せばダメージは無い!!」
「わかりました!!」
私の首を狙って来る神速の斬撃をなんとか避けようとしてみました。
「わっ!!」
「へぇ…」
「見てる場合じゃないな!行くぞお前ら!」
「応!」
「わかりました」
「天誅!!」
幕末総合ランク1位レイドボス:ユラの乱入により、突如として戦いは始まった。
だが、この場には、俺達の勇者:当千などの他のランカーが居ない。つまり
「ぎゃっ…!」
「クッソ…」
「私だけですか!?」
「あとは、きみひとり。辞世の句」
「わかりました…!次こそは絶対勝ちます!またやりましょう!」
「字余り。天誅」
糸鬼の首は、錆光により切断された。
この出来事を機に、幕末には、とある噂が立った。
『ウェルカム天誅を2回目で迎撃して、天誅しても次には対応して、更には、あのレイドボスさんとまともに会話をして、戦闘になって最後まで粘った新人が居る』と。
そして、狼のお面を付けた少女──糸鬼は、後にこう呼ばれ恐れられた。
─光を纏いしオオカミ─と
今はまだ仔犬だが、いつか成長し狼になるだろうという意味で名付けられた。
そして紅音は幕末にハマったそうな。
一緒にプレイした京極曰く
『僕たちを浄化する光を纏った幕末志士ってそれもう幕末専用の劇毒なのでは?』
だそうだ。
一応時空が本編と似たようなもんなので、付き合って最初のクリスマスはボスドゥニーネですわ(それ以降は改変しまくる)