長くても残り6話以内に完結させたい……。
卒業式から2日が経ち、ついにこの日がやってきた。
「おはようございます楽郎さん」
「紅音、おはよう。緊張してる?」
「はい…!とても緊張してます」
「そうか……。俺もだよ…」
今日は、紅音と瑠美の入試の日だ。紅音は俺の通う学校で距離的にウチの方が近いため、輝朝さん達にお願いし、前日に家に泊まり翌日の入試に行くことになっていた。
瑠美に関しては受ける学校が別のとこであり、少々距離があるため既に家を出ている
「とりあえず、落ち着こう」
「はい!」
「紅音は沢山頑張ってきたんだろ?諦めないで努力し続けてきたんだろう?」
「……はい」
「じゃあ、大丈夫だ!紅音なら絶対に合格する!そんで陸上部での活躍を見せてくれ」
「楽郎さん!ありがとうございます!頑張ってきます!」
紅音の緊張をほぐす為にハッパを掛けてやると、紅音はいつもの落ち着きを取り戻して頷いた。
「じゃあ、時間も時間だし行こうか」
「はい!行きましょう!」
* * *
「紅音…行ってらっしゃい…!」
「はい!行ってきます!」
会場である学校に到着し、紅音に最後の発破をかけ送り出した。これで今日の任務は終わりだ。まぁ…終わるまでとんでもなく暇だし、一旦帰るのもアレだからロックロールにでも行こうかな?なんか新しいクソゲー入荷してそうだし
* * *
「ちーす」
「おっ、陽務君久しぶりー紅音ちゃんとは仲良くしてるの?」
「お久しぶりです、岩巻さん。紅音とはいつも通り仲良くやってますよ。」
「まあ、前に二人でイチャイチャしながら店に来たのを見てたし、そんな事だろうとは思ってたわよ」
「あはは…そういえばそんな事もありましたね」
今思えば、場所はもう少し考えるべきだったなと思う…
紅音と手を繋いで、ロックロールに行き、イチャコラしながらゲーム探して…うん。これ以上思い出すのはやめよう…。
この先を思い出したらきっと、俺は悶絶するだろうから
「それで?今日は1人みたいだし、新しいクソゲーでも買いに来たの?」
「そうですね。今日は学校が休みなので、何か新作でも無いかなと思い」
「だったら今の君が探し求めるクソゲーがあるわよ?」
「え、マジですか」
「マジのマジよ。タイトルは、桜の館っていうんだけど」
「あー…なんか聞き覚えがありますわ。なんか、謎解き要素があまりにも理不尽だのクリアさせる気が無いだの攻略サイトは悉くデータが消えただのと言われてるやつですよね」
「そうそう。そんな感じのやつだから、陽務君ならきっと買うかなって」
「まあ、追うか迷ってましたし未プレイですから買いますよ。ハウマッチ?」
「お買い上げありがとうございます」
* * *
「さてと…紅音の試験が終わるのはまだ時間があるし、少しプレイしてみるか」
先程、ロックロールで購入した桜の館を取り出し、VRシステムに挿入、紅音を迎えに行くまでの時間まで結構あるので、少しプレイしてみる事にした。
* * *
「とんでもねえなオイ…」
あまりの理不尽さや初見殺しのオンパレードについ叫んだ。少しやってみたら感想は、幕末のような蛮族の蔓延るタイプの理不尽ではなく、どちらかと言えば危牧の災獣共に畑を荒らされた時のような理不尽さを感じた。でもこれ、ギャラトラみたいに好きな人は好きなタイプのクソゲーなのでは…?
ただ、これ以上プレイすると多分約束の時間をすっぽかす気がしたので、一旦辞めておこう。
とりあえず、昼飯食ってその後の事は時間見て考えようか。
* * *
「おーっし到着」
紅音の試験が全て終わる時間帯になり、紅音を迎えに学校まで来た。これじゃあ、平日の学校となんら変わりないが…まぁ、紅音と帰れるので良しとしよう。
キーンコーンカーンコーン
終わったみたいだ。10分も経たないうちに出てくるな
「あっ!楽郎さん!」
「お疲れ様、紅音 試験はどうだった!?」
「ありがとうございます!多分、大丈夫です!」
多分かぁ…。ちょっと怖いけど、紅音ならきっと大丈夫かな? まあ、推薦だし、そうそう落ちないか。
「紅音、本当にお疲れ様」
「はい、ありがとうございます。楽郎さん」
ふと紅音を抱きしめたくなったが、流石に学校の前だし、教師に見られると後々何言われるかわかったもんじゃないので自重しないとな…。夕方だし早く帰らないと
「そんじゃあ、帰るか!送ってくよ」
「はい!」
学校から家までの帰り道、俺たちは自然と手を繋ぎながら歩いていた。
道中、この手に伝わる紅音の温もりを感じながら、俺は今後の事を考えていた。
紅音の合格発表と、そして──紅音の誕生日 まずは、すぐに控える合格発表 紅音が合格したら、毎日一緒に通えるようになるって考えると、きっと楽しいだろうって考えてしまう。まだまだ気が早いのかもしれないが、恋人と過ごす時間が増えるって考えたら楽しみだな
* * *
「そんじゃ、紅音またな」
「はい!楽郎さん、今日まで本当にありがとうございました!」
「気にすんな、またシャンフロで会おうぜ」
「はい!さようなら!」
「じゃあな」
無事に紅音を家まで送り届けて、俺は帰る。明日が終わればまた週末だからまた紅音と遊べるな
合格発表は来週だしな。その日は俺も春休みだからすぐ確認が出来るからちょうど良かったぜ。今週末は桜の館の集中攻略だな。
* * *
紅音の入試から1週間、遂にその日は訪れた。
合格発表の日である。
「楽郎さん…とても緊張してきました…!」
「そうだな……俺もだよ……。」
発表日当日 俺は今、家に居る。学校が休みなのと、紅音とは電話で確認し合っているからだ
あと…10分くらいか?むっちゃドキドキしてきた
自分の事では無いはずだけど、恋人の進路の事となると自分の事と同じくらい緊張するんだな…。俺も来鷹の受験頑張んないとなぁ
改めて思ったが、10分って長いのな…まるで永遠のように感じてるよ。
10分後
「……来た」
「……はい」
遂に発表の時間が訪れた。大丈夫だ、落ち着け…。
紅音との通話はそのままで、学校のサイトを開いた。
「良し…見るぞ、紅音」
「はい…。」
結果を見る。紅音の番号は…。
────あった
あった!!
「ありました!!ありましたよ楽郎さん!!」
電話越しからでもわかる。紅音が喜んでいる姿が目に浮かぶ。
「ああ!!おめでとう紅音!!」
「ありがとうございます楽郎さん!!」
結果は合格だった。紅音が頑張った成果が出たんだ。これで…俺も一安心だ…。
本当に良かった…!!
* * *
「あの…岩巻さん、ご相談よろしいでしょうか」
「今日はどうしたの?」
「はい…。実は、もうすぐ紅音の誕生日なんですが…紅音に渡すプレゼントで悩んでまして……」
紅音の合格発表も終わり、本当にすぐのところに控えた誕生日 プレゼントに何を渡そうかで俺は、とても悩んでいた…。
「君がくれた物ならなんでも喜ぶでしょうに」
「紅音ならきっとそうでしょうけど…だからこそ選びきれなかったんですよ…」
ちなみに候補はクソゲーだったが、流石に自重した。流石に彼女の誕生日にクソゲーあげるのもな……。
「君のことだからクソゲーでも選ぼうとしたんじゃないの?」
「まぁ…そうですね。」
うーん見抜かれてる。
「そうねぇ…確か、君の妹さんの影響でファッションの方も心得があるんでしょ?」
「そうですね。となると…?」
「そっち方面も良いんじゃないの?例えば髪留めとか」
「!!」
なるほど、それがあったか! 俺も当初は、瑠美や鉛筆に相談しようかと考えたが、外道と邪教徒なので相談したら間違いなく煽られると判断したので、除外してた。
だが、そうだな…それがあったよ!岩巻さんのおかげで天啓が降りてきた…!
「なるほど!!良いですねそれ」
「そう?なら良かったけど、ついでにゲームもプレゼントしたら?」
「クソゲーはちょっと……」
「何を言ってるのよ君は……今だったらアレがあるじゃないの」
「アレ…ですか?」
「──ギャラクシア・ヒーローズ:カオス」
「え、」
「どうしたの?」
「いえ、なんでも…。でも、確かにありですね。紅音はGH:C持ってないらしいので、タイミングとしては、ちょうど良かったですね。」
だがなぁ…プロゲーマーの事は紅音に言ってるけど、顔隠しの事はまだ言ってないんだよなぁ…。まぁ、なるようになるか…。
「じゃあ、買っとく?」
「はい!買います!」
「ご購入ありがとうございます!そんじゃ、陽務君、頑張ってね!」
「はい!」
岩巻さんに相談乗ってもらって良かったぜ。しかし…GH:Cか…。まぁ、その辺もそのうち言う事になるし早いか遅いかってだけだな。
* * *
「紅音!お誕生日おめでとう!!」
「紅音、誕生日おめでとう!!」
「楽郎さん、瑠美ちゃん!!ありがとうございます!」
遂にその日は訪れた。───3月25日 紅音の誕生日だ。
あれから、数日 なんとかプレゼントに渡そうと思ったものを見つけ、購入してその日を待つだけであったのだが……前日になり、瑠美に見つかった。ちくしょうめ…。
紅音の誕生日は翌日であったため、口止めもへったくれも無かったが、あの外道の邪教徒らしくとことん弄られまくった。だがまあ、それだけ俺が紅音の事が好きだって事だがな!
「紅音、これ私からのプレゼント!」
「わっ!瑠美ちゃん、ありがとう!大切にするね!」
「うん、それ着てお兄ちゃんとのデート楽しんできてねぇ…」
「!?」
「おーい瑠美さーん?」
瑠美からのプレゼントは、瑠美らしく、洋服だった。俺は、そっち方面は特に興味が無いのでアレだが、読モの名に恥じない物を選んだんだと思う。うん。しかし、ここでデートの事ぶっ込んでくるか…。嬉しいんだが…絶対可愛いと思うんだが…。くそッ!外道め……。
「紅音、俺からのプレゼントだ。」
紅音にプレゼントを手渡した。中身は───
「ありがとうございます、楽郎さん!中を開けても良いですか?」
「おう!中を見て驚くなよ?」
「はい! ……兎の髪留め!」
「紅音ならきっと似合うと思ってな! それと、プレゼントはもう一つ入ってるから見てみてくれ」
「あっ、そうですね……このゲームって……!」
「ああ。去年の冬辺りに発売された格闘ゲームだよ」
「楽郎さん、ありがとうございます!!そういえば、去年テレビで見たことがあります!確か、アメリカの強い人とカボチャの頭を被った人でしたよね」
ん!?ちょっと待て!俺が大暴れしたアレ見てたんか…!?いやでも……紅音は気付いてないみたいだし、まだ隠してるから黙っておこう……。
「楽郎さん?」
「あ、ああいや、なんでもない。そうだな、去年テレビで全米2位に勝ってたよな!俺も見てたんだ」
「ん?お兄ちゃんって確かその時……」
「瑠美ステイ!」
「?」
「楽郎さん?」
「あー……紅音、誕生日おめでとう!」
「ありがとうございます、楽郎さん!大好きです!」
「俺もだぞ紅音!」
あっぶねぇ…なんとか無理矢理、誤魔化したけど、危うくあの時、俺が家にいなかった事がバレるとこだったわ……。
その後、プレゼントも渡し終えた俺たちは、みんなで紅音の誕生日を祝福した。
書くペース早めないとな…。