アキアカネ   作:三奈木イヴ

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アキアカネ第6話 楽×慧だけど攻めとか受けとかそっち方面じゃありません!!


バグと未来と外道コンビ

「ただいまー」

 

学校で雑ピのポエム朗読会を終え、今日は特にロックロールに寄ることもなく家に帰ってきた。

 

「…今日は居ないか」

 

玄関を見て、紅音が来てない事に気づきふと出てきた一言だった。

 

「瑠美もバイトかな?」

 

多分瑠美も居ないみたいだ。まぁいいや。

 

「ゲームでもすっかあ」

 

とりあえずどのゲームをやろうか考えながら俺の部屋へ向けての1歩を踏み出した。

 

* * *

 

「今日の便秘は人が居るのかねぇ…」

 

今日は格ゲーの気分だったので、ログインしても人が居ないことがザラなクソゲー 便秘にログインした。

 

* * *

 

「まぁ平日だし居ないわな…」

 

やはりと言っていいのか、居てもみんな知り合いな便秘だが、今日は誰も居なかった。

 

「んー何もせずログアウトするのもなんだしストーリーボスと戦うか?」

 

人が来るまで待っても良いのだが、このゲームだと何時間待っても誰も来ないなんてのもあり得るのでウェザエモン戦のスパーリングに使ったラスボスとの再戦しようと決めた。

 

「と、思ったけど誰かログインしたな」

 

はてさて、誰が来たのやら

 

「紅音だったりしてな…」

 

日曜にリアルバレしてから今日までのたった数日ではあるがほぼ毎日会ってる妹の友人を思い出しながらそう呟いた。

 

「おっ、サンラクじゃん」

 

だが、ログインしてきたのは紅音ことドラゴンフライではなく、シャンフロではユニーク自発出来ないマンであり、リアルでは外道プロゲーマーのモドルカッツォであった。

 

「なんだお前かよ」

「なんだよいきなり。……あぁ、ドラゴンフライじゃなくて悪かったな」

「ばっ…!?」

 

そう言ったカッツォの顔はとてもニヤニヤしていた。クソ…外道め…。

 

「いや〜まさか二人がそんな関係だとは思わなかったよ?」

「いや、まだ返事してないからそういう関係じゃねぇよ」

「アレでまだだってのかよ。だけどその事が鉛筆にバレたら面白い事になりそうじゃない?」

「いや、あいつまで参戦したらどうなるかわかったもんじゃねえよ。」

 

アイツなら瑠美を使って情報を探るとか平気でやりかねないからな。

 

「まぁなんだかんだ言っててもアレだしとりあえずやろうか」

「そうだな…バーグトゥードだろ?」

「おう!」

 

試合開始のゴングが鳴った。

 

「互いにこれってキモいな」

「全くだ」

 

ゴングが鳴ると同時に、俺とモドルカッツォのアバターがバグった。

 

「初めてやったけどとんでもねぇ感覚だなオイ」

「だよな。俺も初めてやった時はそうだったよ」

 

へぇ…これはもしかして…イアイフィストと混ぜれそうじゃね?

まあ、試しにやってみるか。

 

「食らえ!R18触手アタック!!」

「お前で実験させてもらうぜ!」

 

モドルカッツォがバグって伸びた手と首を触手の如く攻撃を仕掛けてきたが、それを俺はイアイフィストの要領で弾きながら、奴の後ろへ攻撃を仕掛けた。

 

「マジかよ…これもイアイフィスト使えるのかよ」

「やっぱりイアイフィストは無敵の流派だな」

 

結果は大当たり。なんとこの触手みたいになった状態でもイアイフィストが使えた上にガラ空きの背後へ拳を当てることもできた。

 

* * *

 

「並行世界!!」

「流石に何度も食らわねえよ!!」

「やっぱ外されたか」

「食らえ!!パイルバンカー!!」

 

互いに1ラウンドを取り、勝利をかけた第3ラウンドでモドルカッツォの奴が勝ちを急いだのか並行世界を撃ってきたが、流石にドラゴンフライからラウンドを取られた経験もあってタイミングは掴めてるので食らわずに避けた。そしてその隙を突くように俺が放ったパイルバンカーで決着が着いた。ストレートでは勝てなかったが、なんとか勝利することができた。

 

「何度やっても思うけど、お前の反応速度はバケモンだよ。隙をついたと思ったけど避けられてパイルバンカー当てられるし」

「いや普段のお前なら避けれただろ。どうしたんだ?」

「……ちょっと隣人がね…」

「あぁ…察したわ…」

 

要するに全一のおかげで少しパフォーマンスが落ちてると

 

「んであのリアルミーティアスとはどうなんだよ」

「どうもこうもボコられまくってるよ」

「ってそんな事は置いといて…なぁサンラク」

「なんだよ」

 

珍しくモドルカッツォの顔が煽る時のそれではなく真面目な顔つきだった。

 

「頼む、爆薬分隊に入ってくれ…!!」

「えぇ…」

 

GGCの後にも勧誘されたけど…まさかこんなクソゲーの中でまた言われるとは思わなかった。

 

「なんでここでやってるんだ?リアルのメールとかでも良かっただろ?」

「幸い今日は人が居ないからな。だとしてもマナー的にあんまり良くないのは百も承知だけどさ…万が一にもシルヴィアに見られたらそっちにスターレインのスカウト送られかねないからな。」

「えぇ…いや来たとしてもまだならないよ?」

「マジかよ!」

「親との約束があるんだわ。趣味で好き勝手させてもらう条件として大学は卒業するってな」

「そうかよ。んじゃ大学卒業したら受け入れてくれるのか?」

「そりゃそん時にならねぇとわかんねえよ。」

「ドラゴンフライが居るからか?」

「っ……」

 

コイツめ…痛いとこ付いてくるな。

 

「確かまだ返事してないんだよな?お前がどうするかは知らないけど、もしも付き合う事になったら将来見据えてプロゲーマーの道も考えてみて欲しいんだ。そうすりゃドラゴンフライと一緒に居る時間も増えるだろうからな」

「……」

 

確かにそうだな。仮にプロゲーマーという職業に就ければ、おそらく将来は安泰だろう。それも電脳大隊のような大きなプロゲーミングチームとなれば尚更だ。それにもしも紅音と付き合ったとして、その先まで行くのならば、俺は紅音に苦労をさせたくない。

 

「まだそっちの道を進むと完全には言い切れない。だけど将来を見据えて考えるわ。」

「本当か!もしも本当になるってんならウチのスカウトに連絡してくれ。俺からってのと顔隠しって言えばわかるはずだ」

「了解…ってかやっぱ俺=顔隠しなのな…」

「そらシルヴィアとの試合であんだけ大暴れしたんだからな。まあなんだ。もう一戦やるか?」

「上等!今度はストレート勝ちしてやんよ!」

 

* * *

 

「クソが!!」

「さっきのリベンジだぜサンラク!!」

 

もう一戦した結果、ストレートは防いだが最終ラウンドで敗北した。クッソ油断した…。次こそストレート勝ちしてやる…!

 

「じゃあ、俺はログアウトするわ。そろそろシルヴィアがうるさくなりそうだし」

「お前あの全一とのユニークは自発出来てるんだなぁシャンフロでもユニーク自発しろよユニーク自発出来ないマン」

「うっせ。お前の方のこそドラゴンフライとの関係の報告待ってるからな」

「うるせ、あばよ」

「おう」

 

そう言い残し、モドルカッツォはリアルに戻って行った。

 

「……俺も戻るか。」

 

俺もプレイヤーの居なくなったクソゲーからログアウトした。

 

* * *

 

「プロゲーマーねぇ…」

 

あいつとの話を思い出しながら呟いた。

どのみち大学を卒業するまではどうしようもないので今は関係の無い話だが、おそらくは外堀から埋めて来るだろう。まあ、ひとまずは来鷹に受かる所からだな。

そんな話をしたとはいえ、まずは大学受験に合格しなければ意味がない。

 

「まだこの事は紅音には内緒だな。」

 

確定してない事なので、まだ関係者以外に安易に伝えるべきではないはずだ。

 

* * *

 

「お兄ちゃん、ちょっといい?」

「なんだ瑠美」

 

夜になり、バイトから帰ってきた瑠美からとんでもないことを尋ねられた。

 

「正直に言ってね。紅音の事、どう返事するつもりなの?」

「え?」

「え?じゃなくてさ、お兄ちゃんは紅音に告白された時に保留にしたじゃん?」

「あ、ああ…そうだな」

 

どう返事…か。

 

「昨日の感じだと、お兄ちゃんの紅音への気持ちは少なからず好意的だと私は感じたんだけどさ、もしかして紅音が泊まりに来た時に返事するつもりなの?」

「ん…まあそのつもりだな」

 

これは本当だ。どういう答えだろうと、来週の金曜日に自分の答えを出すつもりだ。

 

「わかった。じゃあ金曜日は面白い事になりそうだね」

「面白い事?」

 

なんか嫌な予感が…

 

「金曜のお楽しみにね」

 

ニヤニヤしながら瑠美はそう言った。

 

「来週の金曜日ねぇ…」

 

まだまだ先だと思ってるけど、こういう時の時間の流れってあっという間だからなぁ…。

 

まあそれはその時にならないとわからないって事で、今日はゲームでもするか。

 

まだまだ先の事だろうなどと考えながら、クソゲーのカセットをVRシステムに挿入した。

 

「天がやれって言ったからな。」




次回こそお泊まりイベントに…
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