今朝は、いつもより早く意識が覚醒した。
ふと違和感を感じ、自分の現状及び隣を見た。
……昨日ナニがあったのかを思い出した。
「 」
「……」
何やってんだ俺と叫びたいところだが…とりあえずここで叫ぶのはやめよう…
そうだ…とりあえず落ち着こう。
服を着て、リビングへ降りて、ライオットブラッドを開けて…うん。完璧だ
そうして諸々済ませてリビングへ降りた。
「でもライオットブラッドあったっけなぁ…」
冷蔵庫を漁りながらつぶやいた。
「おっ、あったあった。」
もしかしたら切らしてるかもと思ったが、最後の1本が冷蔵庫の中で鎮座していた。
「…クァンタムか」
バックドラフト辺りがあると思ってたんだが…。最後の1本は発光する危険物かよ…まあいいや。
プシュッ…
ライオットブラッドのプルタブを開け、一口飲む。
うーん…相変わらず不思議な味…
「ふぅ…」
そして一息つく。
「マジで何やってるんだよ俺は…!」
紅音の願いに応えて、半ば勢いのまま…
「あんなだったけど…俺、本当に紅音の恋人になったんだよな…」
遅かれ早かれこうなっていたんだろうが…流石に付き合った初日て
「頭ん中であの変態がうるさいな」
脳内ディプスロが騒ぎ立てる。『やっちゃったねぇ…サンラクくぅん』じゃねえんだよ!うるせぇ変態!燃え尽きやがれ!
俺は脳内で騒ぐ変態を焼き尽くした。でも炎の中から復活しそうだな…って不死鳥かよ
そんなこんな考えてると、瑠美が降りてきた。
「お兄ちゃんおはよう」
「おはよう瑠美」
「…ねぇ、お兄ちゃん」
「なんだよ?」
「紅音と過ごす夜はどうだった?」
「ブフッ!」
俺は瑠美からの一言に思わずクァンタムを吹き出した。
「ちょっ、汚いじゃん!」
「ばっか…!いきなり何言い出すんだよお前は!」
「そりゃあ気になるじゃん!紅音を送り出したはいいけど、行ってそのまま戻ってこないし!こりゃお兄ちゃんと何かあったなって特に干渉しなかったけどさ!」
「マジかよ…」
「マジも何も承諾しちゃってるお兄ちゃんもお兄ちゃんだと思うんだけど?」
「ま、まぁ…それは…」
「はぁ…紅音がねぇ…」
「は、はい…?」
「!!?」
「あっ、紅音おはよー」
瑠美とリビングで話していると、そこに紅音もやってきた。
「おはようございます瑠美ちゃん」
「お、おはよう紅音…」
「ら、ら、楽郎さん…!おはようございます!」
「あ、紅音…その…」
「は、はい…!」
紅音の顔がとても真っ赤になってる。かく言う俺も多分そうなってそうだが…
「そこの付き合いたてのお二人さん、私も居るのにそういう空気にしないでって。私が気まずいの」
「ごめんなさい」
「すみません」
瑠美の顔がガチだった。
「私は紅音がお兄ちゃんと何しようが知らないし聞かないけど、今度からは、私やお母さん達が居ない時にいちゃついてよね?」
「は、はい…」
「……!!」
瑠美の言葉に、紅音は顔を真っ赤にして俯いていた。
今度から時と場所は考えよう…。
* * *
「瑠美ちゃん!楽郎さん!本当にありがとうございました!」
「次は、私の家にも遊びに来てください!」
「うん!紅音、また学校でね!」
「紅音、その…またな」
その後、3人で朝食を食べ、その後紅音が帰るので、玄関で紅音を見送る。
正直に言うと、紅音と離れるのはちょっと寂しい。まぁ、シャンフロなり便秘なりですぐ一緒になれるのだが…。それでもやはり、寂しさを感じる。
「あっ、そうだ。お兄ちゃん、紅音の事を駅まで送ってきたら?それならもう少し一緒に居られることだし」
「え?ま、まぁ…それもそうだな。えと、紅音はそれでも良いか?」
瑠美、ナイスタイミング!
「は、はい!私も、楽郎さんともう少し一緒に過ごしたいです…!」
そう言って、紅音が微笑んだ。
「そうか!まだ紅音と一緒に居られるんだな…!」
「はい!」
「じゃあ、二人ともお幸せにね」
「私は撮影があるから準備してくる!」
そう言って瑠美は部屋に戻って行った。……ただ、気のせいだと思うのだが、瑠美の独り言の中に、あの外道鉛筆の名前が聞こえた気がするんだが…。今日の撮影はアイツと一緒とか…?だとしたらなんか嫌な予感がするな…
「楽郎さん?」
「いや、ごめん。なんでもない」
「じゃあ、行こうか。」
「はい!」
きっと気のせいだ、うん。
* * *
「あ、あの…ら、楽郎さん…!その、て、手を…!」
「え? お、おう」
駅に向かう道中で、俺は紅音と手を繋ぎながら、その歩みを進める。
恋人同士だから、これくらい普通にするものなのか…?
「楽郎さんの手、とても温かいですね…!」
「っ……!その、紅音も…だぞ。」
互いに握り合っている手から、互いの温もりを感じる。
こうやって手を繋いでいると、緊張からなのか…さっきからドクンドクンと自分の心臓の鼓動がうるさい。止まれとは言わない。せめて、このドキドキをなんとかしてくれ…!
「あの…楽郎さん」
「なんだ?」
「その…また、テストの時みたいに楽郎さんに勉強を教えてほしいです」
「もちろん良いぞ。今日以外だったら、言ってくれればいつでもな。」
「本当ですか!ありがとうございます!」
「私、楽郎さんと同じ学校へ通えるよう頑張ります」
「ああ!俺も応援してるからな」
紅音が合格したら、こうやって一緒に学校へ行くことが…って俺は歩きだし、行きは無理だな。でも、途中まで一緒に帰ることは出来るな。なんなら紅音は俺と違って部活があるけれど、その気になればいつでも校内で会えるしな。
「なぁ、紅音」
「はい!」
「機会があればなんだが、ちょっと会わせたい人が居てな。」
「会わせたい人…ですか?」
「ああ。俺の行きつけのゲームショップの店長なんだが、クソゲーの事で話したり、いろんな相談に乗ってくれたりする人でな」
「そうなんですか!私も是非会って見たいです!」
「そうか!…まあ、今週は閉まってるけど、時間がある時に行こうか」
「はい!」
岩巻さんには、相談に乗ってもらった恩があるからな。せめて報告的なものはな…。多分、あの乙女ゲー大好きな岩巻さんとThe.光属性の紅音なら、きっと馬が合うだろうしな。
っと、もうすぐ駅だな…。楽しい時間というのはあっという間に過ぎ去るものだなと…
「楽郎さん!」
「ん?どうした紅…ンッ!!?」
「プハッ…」
「え…!?ちょっと!?紅音さん!?」
紅音に呼ばれ、どうしたのかと聞こうとした刹那、紅音が俺にキスをしてきた。あまりにも突然すぎる行動に驚愕した俺は頭が真っ白になり、考えていた事が全て吹き飛んでしまった。
「その…外で、しちゃい…ましたね…!」
そう言った紅音は妖艶に微笑んだ。
「あ、ああ…」
とりあえず返事をしなければと思いながら、俺は空返事を紅音に返した。
「も、もうすぐ駅ですので…。ら、楽郎さん!本当にありがとうございました!大好きです!」
「あっ、紅音…!」
そう言い残して、紅音は駅に向かい、走り去って行った。
「…またな。」
こうして紅音と別れたが、多分早ければ数時間後くらいには、ゲームの中で紅音と再開してるんだろうなぁ…。
「紅音も帰ったし、俺も帰るか。」
とりあえず帰ったら何やろうかなどと考えながら、家まで歩き始めた。
side楽郎 終
* * *
side瑠美
「やあやあ!瑠美ちゃん!久しぶりー。あの時の電話以来だね」
「と、トワ様…!お、お久しぶりでしゅ…!」
「相変わらず面白いね、瑠美ちゃんは」
「そ、そんな滅相もありません…!」
「うんうん。とりあえず、今日の仕事が終わってからになるんだけどさ、ちょっと聞きたい事があるんだけど、予定とかって大丈夫?」
「は、はい!!予定なんてありません!あったとしてもトワ様の為ならば空けます!!」
「それなら良かった。まあ、聞きたいことっていうのは君のお兄さんの事なんだけどね。」
「兄の事…ですか…?」
「うんうん。ちょっと話すと長くなるから、話は後でね」
「は、はい!」
* * *
「瑠美ちゃんお疲れ様」
「あっ、お疲れ様ですトワ様」
「良かったよ瑠美ちゃん!また一つモデルとして成長したね!」
「ほ、本当ですか…!?」
「うんうん、本当だよ」
「あっ、そうだ瑠美ちゃん。さっき言った話なんだけど」
「は、はい!!兄の事で聞きたい事がある、でしたよね?」
「そうそう。実はねぇ…」
トワ様が言うには先週、お兄ちゃんがゲームの中のグループでメンバーの一人とデートをしていた上に、そのメンバーの人はお兄ちゃんを好きだと言っていたけど、あれからどうなったか教えて欲しいとの事だった。
なんか聞き覚えがある…。ゲーム、同じグループ、告白……。
まさか。そのメンバーって紅音だったりして…。
「多分、その好きと言ったメンバーの人は、私の親友…かもしれません…」
「そうなの!?」
「は、はい。お話を聞かせてもらって、ちょっと思い当たる節がありまして…」
「そうなんだ、ちなみに結果は?」
「き、昨日…!くっ付きました!」
「へぇ…。これは面白くなりそうだねぇ…」
「大体わかったよ。ありがとう、瑠美ちゃん!」
「い、いえ…!こちらこそ…!!」
「あっ、そうだ。瑠美ちゃんに一つサービス」
「は、はい!?」
「今後も何かあったりしたら、私の連絡先に言ってね。相談に乗るから」
「ひょえ!?」
「ちょっ、大丈夫?瑠美ちゃん」
「ひゃ、ひゃい!!大丈夫です!今ならアメリカ大統領でも一本取れそうです!!」
「なら良かった!ちなみにそのお友達にも、楽郎君の事で相談があったら言ってね」
「は、はい!!絶対に伝えましゅ!!」
あ、あまりの緊張に噛みまくりだ……!!
* * *
「じゃあ瑠美ちゃん、お疲れ様!」
「は、はい!トワ様も、お疲れ様でした!!!」
トワ様とお話しが出来た!! トワ様も仰られていたし、紅音に伝えないとね。
* * *
「さて、これはとても面白い事になるねぇ…サンラク君に秋津茜ちゃん」
とても邪悪な笑顔を浮かべたペンシルゴンであった。
いつも読んでくださりありがとうございます!!! 次回、外道達の宴