もっとまろやかで短くなるはずだったのに長くなってしまったので初投稿です。
今日もごきげんTS転生者の神田美琴ちゃんです〜。ってなわけでね、絶賛授業中でございまして、真面目に授業を受けています。
なんでかっていうと、この超生物昨日めっちゃ雰囲気悪くしたのに平気な感じで話しかけてくんの。しかも昨日かよりもうるさいし。結局寝れないから、現在に話は戻るわけです。
てか昨日大体寝てたからって授業受け始めたらみんなの視線が痛いのなんの。なんかこう、驚異的なものをみるというか、信じられない物をみるというか、そんな視線を感じる。感じまくる。
とかふざけた思考をしてたら休み時間になったし。ただ、クラスのみんなは私には話しかけてこようとしない。たぶん隈でひどい顔してるからだと思うんですけど(名推理)
誰でもいいってわけじゃないけどとりあえず渚くんと話しに行こう。ボッチを脱却するためにはこれも必要な心労だ。てなわけでこんにちはー渚くーん。クラスで一番やさしい(当社比)の彼ならきっと私とずっともになってくれるに違いない。
え…うわ、なんか顔引きつってる。そんなに話しかけられるのが嫌だった?それとも顔が変だった?まじ?神田さん泣いちゃうけど(顔面はピクリとも動かない)うおおおおおおこういうとこだぞポーカーフェイス。少しそう少しでももっとやさしいところとか人間らしさとか出せよ!とかなんとか自分の顔に言っても変わりなく…。
え?茅野まじ?友達になってくれるって!え!カルマもふぁ〜人気者はつらいわ。え、やっぱり渚も?今日は吉日だな。勝ったな風呂食ってくる。あっあっウソです調子に乗ってすいません。
脳内で取り乱しているうちに私の口はご機嫌にペラペラと会話してる。すごい(自画自賛)。ん?まって今聞き捨てならない言葉が、今日放課後遊ぶ?はぁ…今日用事あるんだわほんと。てかいつも用事あるんだわ。月一くらいしか暇な放課後なんてないし。ほんとにクソブラック企業ですわ。殺しますわ。
あーあさらば私のアオハル。青春の1ページ。もう絶対許さんからなあいつら。粉微塵まで粉砕してやるわ。まぁいつもしてるんですけどね。初見さん。
そうして私が悲しみに暮れている中でチャイムが鳴った。はぁ〜(クソデカため息)放課後まで憂鬱だ…いや、放課後も憂鬱だ……。
ようやくキーンコーンカーンコーンという放課後を告げる鐘によりかろうじて生き返ることに成功した私は、そのままバックを持って速攻教室を退出し、靴を履き替えそのまま帰路につく。これが私が鍛えた奥義陰キャ式即時帰宅なのだ!ワハハハ。
とかいってもなんか悲しくなるわ。奥義と行ってもただの高速で帰る準備を終わらせて、放課後にある友達との会話とか全てぶった切って帰ってるだけだし。ああ無情。
てか私に彼女ができないのも、放課後暇にならないのも、すぐけがをするのも全部転生特典っていうやつが悪いんだ!あと殺せんせーとかいうやつ!
ところでさっきからずっとつけてきてる三人組はどうしましょうかね。友達特典で許そうにも渚くんはちょっち改造が必要ですかね。危ない気配がします。だいたいこれプライバシーの侵害って一番言われてるから。まぁ消そうにもそんなことする意義も時間もないんですけど。
こうやって、友だちに後をつけられるって実は青春の1ページって感じがして、ちょっと楽しんでいる。いや、そんな青春はないだろって?うるせぇ!神田ちゃんが言ったらそれは青春なんだ!誰がなんと言おうと青春なんだぁぁぁ!!!
はい。急に落ち着いて悪いけど、現実問題適当な通路で巻いてもいいけどここはちょっと説教しなくてはなりませんね。神田ちゃんをつけるなんて外患誘致罪くらい重い罪だから。
あっとちょうどよい曲がり角発見、急いで入りましょう。ここで入らないと何かが起きて神田ちゃんは死んでしまいます(一敗)一体何が原因なんだ…。
それはさておき、お誂え向きに行き止まりだし。なんのためにあるんだ…この場所。Uターン専用通路かよ。サザエさんの堀川くんが存在しない友達とボール投げてた場所みたいだし、なにか良からぬものがあるかもしれないなぁ。
とりあえず場所は揃ったのでまず、幻覚を茅野にかけて路地に入ってきてもらいます。うーんやっぱりこの幻覚は即効性があるなぁ。凄まじい速度で茅野が入ってきたわ。
残念ながらキミが求めているものはいないんだなぁこれが。まぁ欲しいものはもう死んでるんですけどね初見さん。(人の心ないんか?)
とにかく、茅野を追いかけてきたほか全員揃ったところで転生特典発動!
後ろから声をかけるとめっちゃビビってるの。ちょっと笑ってしまった。だってあの澄ました顔しているカルマくんが一瞬でもビビった顔したくれたんだもん。渚はあぁやっぱりって感じだったし…やっぱりってなんだよ!こちとら転生特典使ったんやぞ。なんでそんな見透かした態度取れるんや。てか茅野がめっちゃビビってる風の演技が迫真過ぎて爆笑だったね。さすが名女優。カメラ持ってくりゃよかった。
謝られちゃったし、悪いと思っているならなんでやるんですかね(呆れ)でも一応反省しているみたいだし、注意だけして開放しようと思ったら、カルマが私のこと暗殺者とかいってんの。
まじで笑えない。ほんとに冗談でも言っちゃいけないことがあるって今までの人生で学んでこなかったのかな。だいたい優秀なはずのそのご立派な頭の中には消しカスでも詰まってるのかよ。人間未満の下等生物か?ぶっ殺すぞ。
人をあんな金の為なら何でもする精神異常者といっしょにしないでくれってのまったく。っておっと悪い悪い、めっちゃ殺気漏れてるやん。殺気記録更新したかも。うーんこれ碌な記録じゃねぇな。
それよりさっさと止めてはいおしまい。30分で5万になります。なんの時間と金なんですかねぇ。たぶん私の時間を喰った代金だと思うんですけど。まぁガキだし失礼なこと言われてもキレたりしないから。うん。てかここ住宅街だから近所迷惑とかになってないかな?まぁなってたらまってたで住民が飛んでくるだろうし、ヨシ!(現場猫)
うんうん、多分集団幻覚だから大丈夫だって安心白よぉ(適当)。てかやばぁ友達怯えてるじゃん嘘噓、嘘だから。うーん無理そう、なら秘技、転生特典による戦線離脱じゃーい。
てことでさらば〜友よ〜。とか言ったけど逃げただけなんだよなぁ。明日からの学校生活どうしよう、時間が解決してくれるさなんて言えねぇー。
だいたい下手に記憶いじると廃人になるのが悪いんだよなぁ。だから私じゃ簡単にはできないし。明日からはきっと噂されまくってまたボッチ生活が始まるんだ〜(泣)もう私友達消失RTA世界王者だろ(絶望)
フフフフフフフフもう怒っちゃったわ。筋違いとか関係ねぇ。今夜はちょっとハードなことをしますよ。待っていろよ愚者どもめ。ぶっ殺してやる。
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僕は今夢を見ているのかもしれない。だって、神田さんが、ちゃんと授業を受けているんだから。正直なところ他のクラスメイト達も驚きを隠せていないようだった。あの殺せんせーですらビックリして、神田さんの体調を気にしていたし。
それから休み時間中、驚くべきことになんと神田さんが声をかけてきた。
「やぁ、渚くん。よかったら僕と友達にならないかい?」
この人は本当につかめない。天才という枠組みにはめてしまえば理解も可能だろうけど、どんなんだろう。というかなんて言ったらいいのかな。彼女と話しているとなにかこう不思議な嫌な感じがする。多分言語化するなら根源的恐怖って言葉が合っていると思うんだけど。だからかな、僕はその返事に言い淀んでしまった。
「………神田さんが、僕と友達に?」
「そうだよ。まぁ全然断ってくれても構わないよ。人間には自由意志があるのだからね。節度さえ守っていれば私は何も言わないよ」
「いや、嫌とかじゃなくて、単純に驚いただけ。うん。これからよろしくね神田さん」
なんとか言葉を繋ぎ、話す。嫌な感じはするがきっとそれは思い違いだと頭を振り、了承した。
「そうか。ありがとう」
僕の返事を聞いた彼女はいつもの声色で答えた。そして、そのように僕らが話していると、茅野が話しに割り込んで来た。
「えー渚と友だちになったの?なら私とも友だちになろうよ!私の名前は茅野カエデ!趣味はお菓子作りとカラオケ!よろしくね!」
「これはこれはご丁寧にどうも。私の名前は神田美琴。趣味は特にない。どうにも長い1年になりそうだからね。どうぞこれからよろしく」
そして早速と言わんばかりに茅野がいつものおしゃべりを始めた。内容は当たり障りのないものだったけれど、話していると不思議とさっきの考えは嘘のように消えていき、しかも逆に彼女といるとどこか安心できた。
少し経って、殺せんせーを暗殺し飽きたのか、カルマくんがこちらへとやってきた。
「やっほー。あの神田さんが人と話してるって聞いてやってきたよ」
「やぁカルマくん。あのというのがちょっと気になるが、誰でも大歓迎だ。君も私と友達になりに来てくれたのかい?」
「ん?へぇ〜以外だなぁそんなことしてたんだ。いやぁ本校舎のときから孤高の存在を気取っているものだとばかり思っていたから、てっきり1人こそが至高!って思っているんじゃないかと感じてたけど、なんで今更友達なんて言い始めたんだい?」
「いやいや、なんでも挑戦というだろう?振り返ってみれば友達というものを作ったことがなくてね。それでやってみようと思ったのさ。後、キミが思っているような崇高な考えは持っていないよ。でだ。キミは友達になってくれるるのかい?」
いつも通りのカルマくんらしい発言だ。トゲトゲしい。でも彼女に対してそんなに切り込んで話せることも凄いし、神田さんも神田さんで簡単に受け流しているのも凄い。
それからしばらく話してみてわかったのだが、意外なことに神田さんは案外普通の人だった。話し始めて僕達はだいぶ打ち解けてかなり距離が近くなった気がする。カエデに至っては名前呼びまで始めてるし。
「ねぇ〜美琴〜。今日放課後一緒に遊ばない?」
「うーん。悪いね茅野。今日はちょっと用事があってね。またの機会にお願いしようかな」
「そうなんだぁ。残念」
茅野がすごいしょんぼりしてる。でもすぐに持ち直していた。たぶん用事なんだししかたがないと納得したんだろう。そんな茅野の茅野に意識が持っていかれていたがカルマくんは用事について聞き出そうとしているみたい。
「人には知ってても話さなくていい権利がある。私はそれを行使しているただけにすぎないよ」
「なるほどね。流石神田さん。さぞ重要な機密を取り扱うなんて、まさかどこかの国のエージェントだったりしてね」
「機密なんてそんなだいそれたことじゃないよ。ただの中学生ができる範疇のことしかしないし、いうなればただのおつかいでしかないからね。ついていても面白いものなんてないよ」
カルマくんがまたおちょくりだしてる…。神田さんはこの手の話には全く乗らずに自分のペースで話を広げるから、こう言ってはなんだが、カルマくんは攻め手に欠けてる様子。だからかちょっと不貞腐れてる。
あっ訂正しなきゃいけない。カルマくんめちゃくちゃ悪い顔してる。これは何か企んでいる顔だ。
それにしても神田さんがする用事はちょっと気になるかも、まぁでも本人がおつかいって言っているんだからそれを詮索するのは野暮ってものだ。ちょうど予鈴も鳴ったし、急いで次の授業の準備をしなくちゃ。
そして放課後、彼女は真っ先に荷物をまとめて出ていってしまった。よほど大切なおつかいなのだろう。僕も彼女と同じように直ぐ帰る準備をしていると、カルマくんに声をかけられた。さっきの悪い顔だ。嫌な予感がする。
「ねぇ渚。今日神田さんの後をつけてみない?」
やっぱり当たった。たいていカルマくんがあの顔をしたときはろくなことがない。さすがにそれはどうかと思い、僕が断ろうとすると横から声がした。
「神田さんの跡をつけるって?私もまぜて!あれだけ可愛くて神秘的な神田さんだもん!ただのおつかいじゃないって。探偵茅野は興味津々です!」
「茅野ちゃんも来る?オーケー。で?渚はどうする?早くしないと行っちゃうよ?」
「ね!渚も神田さんがなにするか気になるでしょ!行こうよ!」
気になるといえば気になるけど…どうしよう。よく考えなくてもこの二人だけだと暴走しそうだし、とくにカルマ。僕なんかでもストッパーがいたほうがいいとも思うし…。うん、行くしかない。
「うん。わかった。行くよ。でも遠くから見るだけだからね。あとほどほどのところで帰るからね。」
「おっけーおっけーわかってるよ。ほら早速行くよー」
カルマくんに押されて僕は急いで教室を出た。出ていく瞬間寺坂くんがこっちを睨んでいたのがとても印象に残った。
もう随分歩いた気がする。山を降ってからだいたい30分くらい。歩いているだけとはいえ疲れてきた。流石にもうそろそろ限界だ。
「ねぇ。カルマくん。きっと思い描いているような面白い光景は見られないだろうし、そろそろ帰ろうよ。というか僕はもうすぐ門限だから帰らなきゃいけないし」
「まぁそうだねー。そろそろ飽きてきたし、今回はこのくらいにしておいて次の機会に回そうかな。茅野ちゃんは?」
「うーん。私も疲れたけど、もうちょっと追ってみたいかな〜」
カルマくんのまるで二回目があるかのような言い方には引っかかるが突っ込む気力もない。それにみんな疲れてるみたいだし、カルマくんに頼んで茅野も説得して帰ることにしよう。
そうして僕が話そうとした瞬間、急に神田さんが走り出して路地を曲がっていった。たぶん僕たちがつけてるのがわかったんだと思う。申し訳ないことをしてしまったな。あと茅野を引き止めてちゃんと話をしないと。
「ねぇ、茅野…」
そう言って隣を見るとなぜか正面をじっと見たまま停止している茅野が目に入った。彼女の視線の先を見るも、先程神田さんが曲がった路地以外に特段目立つものはない。疑問を持ちに声をかけようとした途端。彼女も急に走り出した。
「ごめんー渚とカルマくん。私の探偵の感があそこの角の先になにかあるって言ってるから先に見てくるね!」
いままでにない剣幕で言い切り、例の角に猛ダッシュで駆けていく。
「あっちょっと!待ってよ茅野!疲れてるかもしれないけど、カルマくん、一緒に追いかけて」
「誘ったのは俺から出しね。全然いいよ」
そうして茅野を追いかけ、路地を曲がるとそこには……何もなかった。そう。なにもなかったんだ。特に何があるわけでもない。あるのはただの行き止まりの壁とぼーっと佇む茅野のみ。
「ちょっと茅野!おいて行かないでよ!」
「ごめん、ごめん。いやー上手く巻かれちゃったなぁ。たぶんこの塀の上を登って行っちゃったと思う。でも今日はもう疲れちゃったし、帰ろうか。渚も付き合わせちゃってごめんね」
そう茅野が言った瞬間後ろから声がかかった。想定内だけど想定外だった。
「やぁみんな。どうしたの?こんな辺鄙なところまで来て。ってそんな小芝居は必要ないか。随分長くつけてくるものだから驚いたよ」
やはり神田さんだ。横を見るとカルマくんと茅野は驚いている。
こう言ってはなんだけど、僕は驚いていない。全く驚いていないと言ったら嘘になるけど、きっと心構えができていたんだと思う。とりあえず、謝罪からだ。
「ごめんなさい。神田さん。実は放課後何をするんだろうと思ってしまってつけて来てしまったんだ」
悪かった、ごめん。と言うカルマくんと茅野。それに対して神田さんはやれやれと呆れていた。一瞬、休み時間のときのような雰囲気が漂った。けれどそんな雰囲気はカルマくんの一言で消え去った。
「流石に驚いたよ。声をかけられるまで全く何も音が聞こえなかったし、もしかして神田さんって、暗殺者だったりする?なんてね」
そうカルマが言った瞬間空気が一気に重くなった。感じたのは純粋な殺意。それは今まで平和な日本で生きていた僕たちにはいささかそれは重すぎた。足が震えて立てなくなる。満足に息が吸えない。
この地獄のような時間は数秒だったかもしれないし、数分だったかもしれない、しばらく黙っていた彼女がようやく口を開いたかと思えばそれはいままで聞いたことのなかった声色と口調だった。
「おい、おいおいおいおいおいおいおい。お前さぁ。今俺のことを金を積めば誰だって殺すヒトモドキと俺を同一視しただろ!なんであんな奴らと一緒にされるんだよ!クソが!お前は冗談でも人に言っちゃいけないことがあるということを義務教育で学ばなかったのか!」
明らかな怒声だった。髪をむしり地団駄を踏む彼女にはいつもの面影は一切存在しなかった。既知が未知に変化する。わかったはずの彼女のことが分からない。怖い。今の僕には純粋な未知への恐怖心しか存在しなかった。そして、粗方暴言を吐きかったのか、突拍子もなくいつもの彼女へと雰囲気や言葉遣いが戻る。殺気もどこかに消えていた。
「おっと悪い悪い。久々に取り乱してしまった。すまなかった。暴言は全て訂正させてくれ」
とそんな言葉を吐いて、カルマくんに手を差し伸べた。本当にさっきまで生きた心地がしなかった。茅野は僕と同じくらいの症状みたいだけど特に酷いのがカルマくんだ。今まで見たことがないほど顔を歪ませ、腰が額からは脂汗が滲み出ている。結局カルマくんが手を取ることはなかった。
次に神田さんは僕たちにはもすまなかった。と言って手を差し伸べたけど、とてもじゃないけど取る気にはなれなかった。
誰も取らなかったからか、彼女は少しため息を溢し、じゃあねと一言言った後、僕達が見ている眼の前で完全に姿を消した。
もはや限界だった。彼女が消えた瞬間、それを異常な現象であると認識する前に、僕たちは意識を手放した。
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「…ここは…」
僕はどうやら玄関前で立ち尽くしてたみたいだ。今日はカルマくんと茅野以外にも神田さんと一緒に帰ることができてよかったな。
会話していて、やっぱり普通の女の子なんだなって思えたし、きっと昨日の出来事は僕の勘違いなんだし、忘れよう。
「母さん。ただいま」
神秘的なほどきれいな夕日がマンションを照らす中。その様子を観察していた、邪悪な何かはその姿を消した。
次回は未定