FGO最終章最高でした。10年にも及ぶカルデアの旅楽しかったです。
ホームを出てしばらく歩き大通りに出る、大通りに出るとそこかしこに酒場が開いており大いに賑わっていた。
そういえばオラリオに来てから一度も夜に出歩いた事はなかったと改めて思う、ダンジョンに遅くまで潜って帰る頃には夜だった事も多々あったが真っ直ぐ帰っていた為寄り道などしていなかったな。
寄り道しなかった理由としては外で食事をする考えがあまりなかったから、リオンの頃は国にいた頃は食事は屋敷で取っていたし。任務の際も野営時には携帯食料や狩りをしたりしていた。
街で宿に泊まった際も宿から提供される食事で済ましていた、部下の騎士達は街に繰り出していたりしていたが僕は行かなかったからな。
カイル達と旅をしていた時も変わらなかったな、野営の時はリアラやナナリーが作ってくれていたしな。
なので酒場や大衆食堂などで食事をとった記憶はない、ベルが居なければ来る事も行くという選択肢も僕には無かっただろう。
「えーと、あっ。ここみたいだよジューダス。シルさんが働いてるっていう豊穣の女主人。」
隣を歩いていたベルに言われ顔を向ける、そこには大勢の客の賑わう声が聞こえてくる。まだ中に入っていないから推測になるがどうやら人気の店のようだ。
「じゃあ、入ろうか?」
ベルがそう言って店の中に入っていく、僕も少し遅れて店の中に入る。店の中は意外と広く多くのテーブル席が設けられ厨房近くにはカンター席もありウェイトレス数名が忙しなくホール内を走っていた。
隣に立つベルは働いているウェイトレスの姿を目で追い小さな声で、「うわぁ・・・。」とうわ言のように呟いていた。
どうやら見惚れていたようだ、なんとなしにベルが見惚れていたエルフのウェイトレスの姿を目で追ってみるが。
(んっ?)
その姿に違和感を感じた、そしてその違和感を感じたウェイトレスがエルフの店員だけではないことにも気付く。
(猫人の2人とヒューマンの1人、そしてベルが見惚れていたエルフが1人。この4人強いな。)
僕が交流のある冒険者はうちのレベル1のベル、ミアハファミリアのレベル2のナァーザ。そしてヘファイストスファミリアのレベル5の椿だ。
少なくともベルやナァーザよりは数段強い、だが椿と比べると少し劣っていようにみえる。椿自身は本職の冒険者と比較すると同じレベル5でも勝てるか怪しいとのことだが。
それでもウェイトレスの4人よりは強いだろう、となればあの4人はおそらくはレベル4かもしれない。
普通に考えてレベル4が酒場でウェイトレスをやるなど考えつかない。そもそもレベル4は間違い無く上澄みの冒険者と言っても過言ではない、金銭面の問題があるならここでは無くダンジョンに行った方が稼げる。
それ以外に理由があるとするならば・・・。
(訳あり、ということだろうな。)
まあ、これ以上は好んで関わるべきではないだろう。そう思い席を探そうと視線を動かすと。
「あっ、ベルさん。ジューダスさん。来てくださったんですね。」
今朝遭遇したシルがこちらにやって来た。
「シルさん、はい。折角なので来ました。」
「はい、御来店ありがとうございます。ミアお母さんご新規2名様カウンターで」
シルがそう言うと厨房の方から大声で返事があった、少しするとミアと呼ばれた人物が顔を出した。
女性にしてはかなり大柄だ、体格ではコングマンにも負けていない、見かけだけで無く中身もともなっているようだ。
先程の4人のウェイトレスよりも遥かに強い、もしかしたら椿よりも上かもしれない、となればこの店主レベル6か?
なんでこんな酒場にいるんだと思わず愚痴りそうになる、誰が予想出来るこんな事態。
内心文句を垂れていると不意に目が合う、その瞬間ミアと呼ばれた人物の目が細く、そして鋭くなり真っ直ぐ僕のことを見る。その視線を受け思わず冷や汗が流れる。しかしそれも一瞬の事次の瞬間には。
「あんた達がシルの言ってた冒険者達かい、見かけによらず大食漢らしいじゃないか。腕がなるねぇ。」
「・・・へ?いやいや、シルさん!?僕らの事なんて伝えたんですか!?」
「冒険者の方ですからきっと沢山お食べになると思ってミアお母さんに伝えたんですけど・・・ダメでしたか?」
「ぐっ・・・か、可愛く言ってもダメです!!」
「むう、沢山食べてもらって私のお給金アップの計画が破綻してしまいました。まあでもミアお母さんのご飯は絶品ですので常連さんになってくれればオールOKですね。」
「私情にまみれてますよシルさん!?」
漫才の様やり取りをしている2人を尻目に僕は案内された席に座る、その瞬間。
『アンタの事情は詮索しないよ、その代わりあの方も詮索は止しておくれよ。』
小声でだがはっきりとした物言いで店主が釘を刺しに来た、まあ。僕としても願ったりだが。
『・・・分かった。其方も約束を違えるなよ』
『分かってるよ、隠し事があるのはお互い様さね。』
「ほら、どんどん注文しな。腕によりをかけてもてなしてやるよ。」
そう言ってメニューを渡して来る、メニュー表にざっと目を通す、酒場に来ること自体初めてな為どれを頼むか悩むおすすめのメニューとやらも有るだろうしそれを頼むか?
メニューと睨めっこしていると隣に案内されたベルが座り僕と同様にメニューを見ると。
「さ、300ヴァリス・・・。」
値段を見て固まっていた、僕が休日に行くカフェなどと比べれば安い方だ、ベルが何故困惑しているのか分からずにいる。
「ベルさん値段は少し張るかもしれませんが味は絶品ですよ、じゃんじゃん頼んじゃってくださいね」
「いやいやいや、じゃんじゃん頼める値段じゃないですよね!僕がオラリオに来た時に食べてたご飯ってだいたい一食40ヴァリスくらいでしたよ?!」
「そうですねぇ〜、大体50ヴァリスもあればお腹は満たせる食事は取れますからね。でも安い分お味はあれですよね。その点うちは値段に見合ったクオリティですよ?」
「うっ、うーんどうしよう。」
どうやら金銭感覚がおかしいのは僕の方だった様だ、これはヴァリスの使い方も少しは考えないといけないのだろうか・・・。
いや、わざわざ他人の金使いを見る奴もいないだろう考えすぎだ。そろそろメニューと睨めっこしているのもあれだな。
「ベル値段のことは気にするな、お前より長く冒険者をやっているんだ。貯金はしてある遠慮するな。」
「えっ、そ、そうなの。えーっとだったらこ、これを」
そう言ってベルが指したのは300ヴァリスのパスタであった、メニューの中では安い方の品だった。
「はいベルさんはパスタで、ジューダスさんは如何しますか?」
「僕はこのおすすめで頼む」
「えっ!?おすすめって・・・は、850ヴァリス・・・!!」
「はーい、ミアお母さんパスタ一つとおすすめ一つでーす」
注文を受けたミアが返事し厨房に行く、シルも客に呼ばれその場から離れると。
「ジューダス本当に大丈夫?1000ヴァリス以上の出費だけど」
「お前より長く冒険者をやっているんだ蓄えくらいある、いちいち気にするな」
「そ、そうなんだ。そういえばジューダスって僕が入団するまでソロで何階層まで潜ってたの?」
「ソロでか・・・。」
なかなか答えづらい質問が飛んできた、ベルにステイタスを見せたことがない為誤魔化すことはできるだろうが。
(さて、どう答えたものか。)
答えに困っていると。
「ほら、白髪の坊や注文のパスタだよ。」
店主のミアがベルの目の前に料理を置く、見計らった様なタイミングだったが助かった。ベルの意識が料理に向けられたからである。
「仮面のアンタのはもうちょい待っておくれよ」
そう言ってミアはまた厨房へと戻って行った、ベルは目の前に置かれた料理に目を輝かせると。
「えっーと、先に食べても?」
「構わん、冷めるぞ」
そう言って食事を始めた、料理が来るのを待つ間僕は店内を見渡す。多くの冒険者が卓につき酒を飲み交わし笑い語り合う姿が目に入る。
この光景が冒険者としての日常風景というものだろうか、店内の様子を伺っているとテーブル席が幾つか空いているのがあった。しかも空いているのは一つ二つでは無かった。
新規の客もその空いてるテーブル席に案内せず別のテーブルに案内していた、予約席かそれにしては席の数が多い。なにやら嫌な予感が拭えないそんな時。
「はいよ、今日のおすすめメニューだよ」
僕の前に料理が置かれた、席のことは妙に気になるが一先ずは料理を楽しむことにしよう。そう思考を切り替え料理を楽しむことにする。
その後は食事を楽しみつつ会話などに花を咲かせていた、料理の方は値段に見合ったクオリティと味で満足だった。ミアから酒も勧められたりしたが断った。
ベルは積極的にシルに話しかけられていた、気に入られたのだろうか。グイグイと来られてベルは困惑しており、その様子を遠巻き眺めて・・・いや観察しているエルフ。
あの目は品定めをする目だ、シルのことを随分と気にかけている様だが。
「どうだい食事の方は、腕によりをかけさせてもらったよ。」
「堪能させてもらった、値段以上のクオリティだった。」
「ハハハッ、そう言ってくれてありがとねこっちも腕を振るった甲斐があるってもんさね」
「そうか、そう言えばあの席は予約席か?随分多くの席が空いているが」
「ああ、そうだよ。ご贔屓にしてもらっててね。たくさん金を落としていってくれるからねウチも大助かりだよ。もうそろそろ来る頃だね。」
「ご予約のお客様ご来店ニャー」
ミアの言葉のあとすぐに猫人の店員がタイミングよく予約客の来店を知らせる、その予約客の先頭を歩く人物を見て僕は目を見張ることになる。
(ロキファミリア団長、勇者フィン・ディムナ!!ということは予約の団体客はロキファミリアか!)
そのことに気付くが時すでに遅し、次々とロキファミリアの面々がテーブルに着き始める。エイナから極力接触は控えるよう言われていたのにまさかこんな事になるとは、この場面をどうやり過ごしたものかと頭を悩ませる事となった。
《スキットオブオラトリア》
「神々の酒宴」
「かぁ〜、店員くんお酒おかわり!」
「おいおい、ヘスティア飲み過ぎじゃないか?」
「タケミカヅチの言う通りだ、少しは加減をした方がよいぞ」
「今日は飲み明かしたい気分なんだ!!うぅ〜ベル君の浮気者〜、ジューダス君の薄情者〜。」
「やれやれ、真面目な話支払いの面で大丈夫なのか?」
「そこは大丈夫だ安心してくれても良いぞ」
「例のグミとやらか?ウチも極東の食文化で何かしてみるか?」
「ほう、例えば?」
「お前のところのグミと魚のすり身で作るカマボコを掛け合わせたカマボコグミなんかどうだ?」
「・・・」
「ダメか?」
「・・・」
「ダメか〜。」