久々の更新なのにタイトルがこれしか思い浮かばなかったです。
ベルにとっては散々だった最初のダンジョン探索より一週間が経とうとしていた、僕を置いてホームに帰った件については多少の説教で済ませた。
翌日からのダンジョン探索は順調そのものだった、一対一の状況も何ら問題なく対処出来ていた。特訓の成果出ている様で一先ずは良しとしよう。
それと複数のゴブリンに囲まれた際の対処も危なげながらも対処出来た、最初は苦戦していたが持ち前の敏捷を生かしてヒットアンドアウェイで翻弄しながら一体一体確実に仕留めていた。
流石に時間をかけすぎたため終わった後は疲労を隠せていなかったが、今度は持久力を上げる訓練をしようか。
さて、今日の予定だが今日僕は私用がある為ベルは一人でダンジョン探索に向かった。ヘスティアが心配だ、心配だと少々煩かったがゴブリン程度なら一人で問題ないと伝え納得させた。
だが少し懸念もある、言い方は悪いがベルが少々調子に乗っている事だ。数日前からもう少し下の階層に行こうと言ってきている。
その度にベルのステイタスが基準に達していない為無理だと言うが珍しく食い下がってくるのが面倒だ。
普段素直な分こういう時は厄介だ、そんな中今日一人でダンジョン探索に行かす為事前にエイナに釘を刺す様にお願いしている。
流石にエイナに言われては大人しくしてくれるだろう、彼女を怒らせると怖いというのはベルも知っているだろうし。
こうして多少の不安要素はありつつも僕は目的地へと向かった。
ホームの廃教会を出てオラリオを歩く、人通りの多いメインストリートから外れた道を行くと徐々に人気が少なくなっていく。そしてしばらく歩くと目的地に辿り着く。入り口の扉を開くと。
「いらっしゃ・・・ああ、ジューダスか。そういえば今日は約束してた日だっけ?」
「ああ、久しぶりだなナァーザ。早速で悪いが・・・いつものグミの詰め合わせを頼む。」
僕が訪ねたのは青の薬舗、ヘスティアがファミリアを結成する前から交流があった神ミアハのファミリアの拠点である。
そしてそんなところを訪ねた理由は初めに言った通り僕の世界にあった回復アイテムであるグミに関してだ。
僕がこの世界に来てまだ一月経ってなかった頃回復アイテムでポーションがある事を知りそれを購入し使った事があるのだが。
味が物足りなかった。今まで回復アイテムといえば甘いグミだった為回復アイテム=甘い。その構図が出来ていた僕にとって少しショックな出来事だった。
なのでその事をヘスティアに告げると。
『なら、自分で作るってのはどうだい?力を貸してくれそうな神友も居るし。僕から話してみようじゃないか』
そう言ったが即日ヘスティアファミリアの手狭なホームに二柱の神とその眷属一名ずつがやって来た。
一柱はオラリオ唯一の農業ファミリアを運営するファミリアの主神である神デメテル。そして薬品製作専門のファミリアの主神である神ミアハだ。
役者が揃った事でことの次第を説明する、すると両名共々想像以上に良い反応をしてくれた。
神デメテルとしては新たな食文化の発達のきっかけとして、そして神ミアハの方も良い反応を示してくれた。
しかし、どちらかと言えば神ミアハではなく眷属のナァーザの方が強く反応していた。
これは後から知った事だが神ミアハのファミリアはナァーザを助ける為同じく医療系ファミリアのディアンケヒトファミリアに多額の借金をしているそうだ。
その為少しでも借金を完済する為に今回の話にとても意欲的になっているとの事。
今までの回復アイテムはポーションやエリクサーや特別なスキルによって製作可能となる回復効果のあるマジックアイテムなどがある。
しかし、固形の回復アイテムは存在していなかった。それにグミは回復だけでなくお菓子として食べることもできる為冒険者以外の客も狙えるとあって両ファミリアともやる気だ。
それからはとんとん拍子に話が進みわずか二週間でグミが完成した。
その後販売の内訳はデメテルファミリアがお菓子としてのグミの販売を、そしてミアハファミリアの方では回復効果のあるグミとお菓子のグミの両方の販売となった。
それからは速いものだった、デメテルファミリアが主体となって作られた新しいお菓子であるグミは瞬く間にオラリオに広まった。
グミは予想以上の売れ行きだった。特にオラリオに住んでいる住民たちの反応は良かった。
ただやはり回復アイテムとしてのグミは中々売れなかった、けれどそこで諦めるナァーザではなかった。
彼女はかねてより模索していた二属性回復薬『デュアル・ポーション』と同様の効果のあるグミを作ると言い僕に素材確保の依頼を出してきた。
特に断る理由もなかった為僕はその依頼を受けた、そもそも今まで作れたグミは定番のアップルとオレンジ。それからレモンとパイン、更にはピーチとグレープであり。
ミックスグミとミラクルグミの二つは何故かお菓子としては作れたが、回復アイテムとしては作る事ができなかった。
僕としてもグミのバリエーションが増えるのはありがたかったので素材探しに奔走した、結果から話すと一応グミ作りは成功した。
更に言うとナァーザが作ろうとした二属性回復薬も完成した、しかし。グミの方はミックスグミは出来たがミラクルグミは出来なかった。
これはナァーザ曰く材料となった二属性回復薬の効果が弱く、僕の理想とするミラクルグミの効果に届いていない為だそうだ。
この事を受けナァーザは更なる二属性回復薬、高等二属性回復薬の製作に着手した。
そして残念ながら今現在でも高等二属性回復薬は完成していないがナァーザによると、ディアンケヒトファミリアの主神である神ディアンケヒトが苦虫を噛み潰した様な顔をしながら借金の取り立てに来るようだ。
どうやらグミの売れ行きやディアンケヒトファミリアでも完成させれなかった二属性回復薬を完成させた件で恨めしいやらなんやらで一方的に僻んでいるようだ。
「最初はどうなるかと思ったが順調で何よりだな」
「確かにね、最初は新しいアイデアに思わず食いついちゃって後に引けなくなって少し不安だったけど結果オーライだったよ。」
「それは何よりだ、ところで・・・」
「はいはい、わかってるよ。何時ものグミの詰め合わせね。というか最近来る頻度が高くなってるけど」
「新しくファミリアに入った奴がいてな。そいつがかなりグミに嵌ってな気がつくとほとんど無くなってるんだ。」
「ああ、確かベルって子だっけ?兎みたいな子だって聞いてるけど。はい、何時ものグミの詰め合わせね。」
会話しながらも商品をテキパキと用意するナァーザ、商品の入った袋を受け取り代金を支払う。
「はい、丁度ね。これからもご贔屓にね。」
「ああ、また来る。」
そうして短い挨拶を交わし僕は青の薬舗を後にする。
大通りに出ると少し騒がしかった、何かあったようだが僕は気にせずギルドに向かう。するとその最中住民たちの話し声が聞こえて。
「いやー驚いたねぇ。あの子冒険者だろう?全身血塗れだったけど。」
「ああ、ありゃ多分返り血だな。じゃなきゃあんな元気に走れないだろう。」
「けどよ、なんであんな笑顔だったんだ?」
「さあな。」
などの会話が聞こえて来た、その会話に妙な胸騒ぎを感じ僕はおそらくその血塗れの冒険者が向かったであろう冒険者ギルドに急足で向かった。
(嫌な予感がする、まさかな。)
その嫌な予感があたっていない事を祈りながら。
しかし、その祈りは儚く潰える事を今の僕は知る由もなかった。
原作と漫画でグミって出てなかったはず。
アプリのメモフレとバトクロで出てない事を祈ります。
《スキットオブオラトリア》
「バクチグミチャレンジ」
「がああぁぁぁぁハズレ味やぁぁぁぁぁ!!」
「うるさいぞロキ、静かに出来ないなら出て行け!!」
「ああぁぁん、そんないけず言わんといてぇなリヴェリアマッマ。ゴーヤ味なんてハズレ引いてんから慰めてぇな。」
「ん?なんだそのグミは?ゴーヤ味のグミなど売ってたか?」
「んあ?リヴェリアマッマ知らん?これバクチグミちゅうて見た目はおんなじやねんけど味がバラバラやねん」
「何でそんな物を買ったんだ、普通のアップルやオレンジで良いだろう。」
「いやいや、リヴェリアマッマ娯楽に飢えたうちら神々を侮ったらあかんで。そこに面白そうな娯楽があったら嬉々として飛び込むんがウチら神っちゅうもんや。」
「理解できんな。」
「リヴェリアマッマも理解できる日が来るで、次は当たりを引くでぇ。ぐうぇぇぇぇぇ、じゃ、じゃが丸くん味やぁ。」
「やれやれだな。」