ジューダスがダンまち世界へ   作:帰ってきた

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新年あけましておめでとうございます。昨年もあまり更新できず申し訳ないです。


去年はじめてFGOフェスに行きました、凄かったです。


視線

翌日早朝、目覚めた僕はダンジョンに向かう準備を整えていた。今日はベルが発現した例のレアスキルの検証も兼ねている。

 

 

事を知らぬはスキルを発現させた当人のみであるというのがまたあれであるが。

 

 

ダンジョン探索の準備を整えているとソファーで寝ていたベルが目を覚ました。あたりを見て僕を視界に捉えると。

 

 

「あっ、おはようジューダス。今日も早いね」

 

 

「ああ、ベル。お前も早く準備しろ。それとそいつを起こさない様にな」

 

 

「へっ?あっ!か、か、神様!!な、なんで!?」

 

 

朝の挨拶もそこそこにベルは自身の寝所に潜り込んで来たヘスティアに気付くと慌て始め顔を真っ赤にし、上げた両手をわたわたとさせる。

 

 

器用な事にヘスティアを起こさない様に静かにそして素早くソファから抜け出した。

 

 

手早くなれた手付きで準備を整えると。

 

 

「じゅ、準備できたよジューダス」

 

 

「そこまで慌てなくとも良かったんだがな。それとお前の分の昼食だ」

 

 

そう言って僕は布の包みを渡す、因みに中身は昨日の夕飯の残りのじゃが丸くんをパンで挟んだサンドイッチだ。

 

 

「ありがとうジューダス。それじゃ行こう」

 

 

そう言って僕らはホームを出発しダンジョンへと向かった。

 

 

ホームからしばらく歩くとメインストリートに出る。早朝ということもあって人通りはかなり少ない。

 

 

開店の準備をする店員や僕ら同様にダンジョンに向かっている冒険者達、この世界に来て早数ヶ月もはや日常的な光景とかしてきている。

 

 

そう思い少し物思いにふける。

 

 

(僕も随分この世界の暮らしに慣れてきたな)

 

 

初めは訳がわからないままこの世界にやって来て戸惑い焦ったが今ではダンジョンに潜りつつ平穏な暮らしを過ごせている。

 

 

(早く金を貯めて新しいホームを買うなり建てるなりはしたいが)

 

 

あの教会の地下室はあまり広くない為、三人だけとはいえ手狭だ。それに個人のプライベートもあったもんじゃない。僕は一人でゆっくりできる空間が欲しい。

 

 

椿に貰い受けた武器の金の支払いで貯蓄も心許ない、早いところ深層に潜りたいのだが潜ったとて一人では持ち帰れるドロップアイテムの量も限られる。

 

 

トータルで見ればプラスだがそれも微々たるものだ。グミの利益もあるがグミ自体高価なものでは無いためこれも微々たるものだ。

 

 

(先はまだまだ長いな)

 

 

内心ため息をつきながらダンジョンに向かう、その時だった。突然背後から強烈な視線を感じたのは。

 

 

「・・・っ!!」

 

 

街中で感じる事のない異質な気配に反射的に剣を抜きそのまま剣を横薙ぎに振るう。

 

 

「きゃ!?」

 

 

振り切る寸前に聞こえてきた悲鳴に咄嗟に剣を止める。すると視線の先に居たのは尻餅をついていた一人のウェイトレスだった。

 

 

銀と灰色が混じった様な髪色で容姿も優れておりどこか愛らしさも感じる。

 

 

「あ、あの。大丈夫ですか?!」

 

 

隣にいたベルがウェイトレスの元に駆け寄る、ウェイトレスの少女はベルの手を借り立ち上がりベルに礼を言うと今度は僕の方を向く。

 

 

「えっと、すみません。驚かしてしまった様で。やっぱり黙って背後から近づくのは良くなかったですよね」

 

 

申し訳なさそうな表情をしながらウェイトレスの少女は言う。しかし、僕の心の内は目の前のウェイトレスの少女に対し僅かな警戒心を抱かせた。

 

 

異質な視線を感じ、振り返ると少女がただ一人そこにいた。とても無関係とは思えないが僅かな時間でしかないが見たところ素人。

 

 

本当にどこにでもいる様な町娘といった風体。僕の考えすぎだろうか。

 

 

そうこうしているうちにウェイトレスの少女はベルに弁当のようなものを渡し、夜は酒場をやっている自分が働く店である豊穣の女主人の宣伝をやっていた。

 

 

ベルが寄りますと伝え、僕らはその場を後にした。結局あの視線の正体は分からずじまいだった。

 

 

妙な胸騒ぎを感じつつ僕らはダンジョンにと向かった。そういえば名前聞いてなかったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「卑怯だぞぉ!?」

 

 

「生存競争に卑怯もくそもないだろう、抗って見せろ」

 

 

「チクショー!!」

 

 

(叫ぶ余裕はあるようだな)

 

 

数匹のコボルトに追われるベルを尻目に僕も僕に襲いかかってくるコボルトに視線を向ける。

 

 

向かって来ているのは五匹、殺意を隠そうとせずまさしく獣の如く本能のままに襲いかかって来る。

 

 

武器を抜きそのままコボルトに向けて走り出す。先頭のコボルトとすれ違いさまに剣を横一文字に切り裂く。

 

 

胴と体が切り離されそのまま霧状となり消滅する。先頭のコボルトが死んだ事により残りのコボルトたちの動きが止まる。

 

 

その隙を見逃さず再びコボルトとの距離を詰め一番近くにいたコボルトに左手に持つ短剣を首に突き刺しそのまま切る。

 

 

間髪入れずに固まって動かずにいるコボルトたち向けて晶術を放つ。

 

 

「デルタレイ!」

 

 

3つの菱形の結晶がコボルトに向けて飛んでいく。躱そうとするコボルトたちだったが距離が近かったこともあり躱す間もなく3匹に当たりそのまま魔石を落とし消滅した。

 

 

「まあ、こんなものか」

 

 

 

やはり中層より下のモンスターに比べるとやはり呆気なかった。中層より下の層のモンスターは狡猾で知性を感じるモンスターも多い上に強い。

 

 

(全く、良くできてるなこのダンジョンは)

 

 

武器を鞘に納めコボルトに追われていたベルを探す、すると。

 

 

「やってやるよこんちくしょーーーーー!!」

 

 

先程より数が増えたコボルトにヤケクソ気味に突っ込んでいくところだった。

 

 

後にステイタスを更新した際ベルが驚きの声を上げる事になるのは言うまでもないだろう。




《スキットオブオラトリア》


「弁当」


「あのさジューダス、相談があるんだけど・・・。」


「断る。」


「早いよ!!もっと話を聞いてくれても。」


「そのカラフルな色の弁当についての相談なら断る。」


「うっ、そこをなんとか!」


「好意で貰ったんだ、貰ったお前が責任を持って食べろ。」


「は、薄情者〜。」
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