青い春、死の境界   作:ニゴリエース

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 久々に空の境界読んでPV2弾観たら書きたくなった。反省も後悔もしていない。


彼らの青い春
クソガキ4人の入学式


 

 

 「悟ってさ、なんで部屋の中でもグラサンかけてるわけ?しかもそんな色濃いやつ。何も見えないんじゃないの?」

 

 「あん?ああこれ?いやあ見えすぎるってのも疲れちゃうんだよね。俺ってば繊細だから」

 

 「なるほどね。じゃあ……お仲間だ」

 

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 

 2005年4月。春の陽気に包まれる中、都内某所にある呪術高専東京校では入学式──とは言っても極々小規模なものが行われた。まあ新入生が俺含めたったの4人しかいないのだからさもありなんと言ったところか。これでも例年よりは多い方なのだから呪術界の人手不足がうかがえる。

 

 「お前たちの担当になることになった夜蛾正道だ。お前たちにはこれから4年間呪術を学びながら呪術師としての任務をこなして貰うことになる。任務でお互いに協力することもあるだろう。ということで親睦を深めるために各自自己紹介をしてもらおう。まずは五条、お前からやれ」

 

 「なーんで自己紹介なんてガキくさいことしなきゃなんねえんだよ、パスパス」

 

 うーわいきなり生意気じゃん。いくら五条家の坊っちゃまとはいえ、というより五条家の坊っちゃまだからこそその辺ちゃんとしないといけないんじゃないの?これでは呪術師に品性を求めるのは絶望的だな。

 というか他の2人もやる気なさげだし。おいこらそこの前髪、まじめくさった顔して内心めんどくせ〜って思ってんのバレバレだからな。女子の方は隠そうともしてないし。いいのかこんなんが呪術界の未来を背負う呪術師の卵で。

 

 仕方ない、ここは常識人たる俺がなんとかしてやりますか。

 

 「五条くん、仮にも先生に対してそういう態度は良くないと思うな。というか──」

 

 「は?何お前、何様?」

 

 う〜わ腹立つ。お前が何様やねんクソガキ。

 

 「そうやってすぐに人に噛み付く方が“子供っぽい“と思うのだけれど、ね。そうとられたくなかったら自己紹介程度素直にするべきだと思うのだけれど?」 

 

 「はあ〜?自己紹介くらいできますぅ〜。……五条悟。最強です。よろしく」

 

 はい俺の勝ち。つ〜か自己紹介すら腹立つなこいつ。

 

 「はい俺の自己紹介終わり!じゃあ次お前やれよメガネ」

 

 お前もグラサンしてんじゃん。まじ腹たつこいつ。○ねよ。

 

 「まったく……両儀累(りょうぎしき)です。何卒よろしくお願いしますね」

 

 俺が自己紹介すると、五条が驚いたような顔をした。なんだよいきなり。

 

 「両儀ィ〜?何お前、両儀家出身?」

 

 ああそうか、まあ五条の人間だし両儀家(ウチ)のこと知ってるのか。だから驚いたのね。

 

 「そうです。といっても跡取りとかでは全然ないし、苗字が一緒なだけで実質分家みたいなものですけどね」

 

 まあ別に俺は二重人格ってわけでもないし、当主は式さんに決まってたから俺は呪術高専に放り込まれたわけだけどね。……式さん元気してっかな。パンピーと結婚して子供もできたのは聞いたけど。

 

 「じゃあ私も自己紹介させてもらおうかな。夏油傑です。一般人上がりですがどうぞよろしく」

 

 「同じく一般人あがりの家入硝子、よろしく」

 

 俺がまっとうな自己紹介をしたおかげか、前髪と女子も素直に自己紹介した。ふーん、パンピーあがりか。にしては落ち着いてんな。夏油と家入ね、覚えた。

 

 そのあとは夜蛾先生からの簡単な説明があった後、解散になった。なんで自己紹介にこんな手間取るんだよ……。

 

 

 

 

 「やあ、少しいいかな」

 

 「あ〜夏油だっけ、どうした?」

 

 それからしばらくして。割り当てられた部屋でくつろいでいると、前髪もとい夏油が訪ねてきた。その前髪なんだよ。

 

 「いやすまないね。君の実家……両儀家について教えてくれないか?自己紹介の時に気になって、悟に聞いたけど当人に聞けと言われてしまってね」

 

 あーなるへそ。パンピーあがりだからその辺よく知らないのね。やっぱこいつ根は割と真面目だな。じゃあ先生の話はきちんと聞きましょう。

 つーかなんだ悟って。そんないきなり仲良くなったのか?

 

 「構わんさ。とりあえず座れよ」

 

 そう言って椅子を薦める。俺はその辺気の利く人間だからな。

 

 「ありがとう……そっちが素かい?」

 

 「まあね。同級生の前で猫被る必要もないだろ」

 

 実家行った時とかは礼儀作法きちんとできてねえと色々面倒だからな……切り替え大事。

 

 「そんで?両儀家(ウチ)の話だったか。御三家はわかるな?それとは別に『退魔四家』ってのがあってな。浅神、巫浄、七夜、そして両儀。遡ること平安の世、呪術全盛であった当時は呪霊や呪術師以外にも俗に『魔』と呼ばれるやつが跋扈していた。かの悪名高い両面宿儺なんかがそうだな」

 

 あと酒呑童子だとか、土蜘蛛だとか。魔境すぎんだろ平安。

 

 「まあそんなのがうじゃうじゃいるもんだから、当然そいつらを殺すことを生業にする人間も出てくるわけ。呪術師とはまた別の人種だな。ほら聞いたことない?頼光四天王とか」

 

 「歴史の授業で習ったことはあるね。あとは漫画とかでも。渡辺綱や坂田金時だろう?」

 

 イエス。でも碓井貞光と卜部季武のこと忘れないであげて……

 

 「そそ。まあその辺と両面宿儺の活動時期は微妙に噛み合ってなかったらしいけどね。まあそういう奴らが集まってできた家系が退魔四家ってわけ。両儀家はそのうちの一つ。各家ごとに特色があったりするんだけど……その辺は機密だったりそうじゃなかったりするから内緒」

 

 ちなみにウチは二重人格者がうんたらかんたらで式さんはその完成形だとかそうじゃないとか。俺実質分家みたいなもんの出だからその辺あんま詳しくないのよね。

 

 「なるほど。ありがとう、勉強になったよ。……しかしなぜ君は呪術高専に?話を聞く限り呪術師の家系ではないんだろう?」

 

 あーそこ聞いちゃう?聞いちゃいます?

 

 「理由としては大まかに二つある。一つ目は俺に呪術師としての才能があったこと。まあこりゃ当然だな。なかったら入学できねえし」

 

 ちなみにちゃんと術式もある、教えないけど。先生が言うにはセンスもあるらしい。やったね。

 

 「そして二つ目の理由だけど……世知辛い話、もう退魔四家、なんて言っても名前だけかそれ以下、没落しまくってんのよ。ウチは一番マシな方で、確か他の家は本家筋は完全に途切れたんじゃなかったっけか。まあそりゃそうだ。呪霊と違って、魔の者なんて時代が過ぎれば消えていく。そうなりゃそれ専門の家系も廃れるのが道理だ。当主レベルならともかく、ほぼ分家の子の俺みたいなのは家とは関係ないとこで働く必要があったってわけ」

 

 悲しいなあ……まあ呪術界も退魔四家のことを笑えるような状況じゃないらしいけどね。

 

 「なんともまあ……ロマンがないね」

 

 「だろ?」

 

 その後、夏油はさっさと自分の部屋に戻って行った。なんでも頭に入れることはまだたくさんあるのだとか。真面目ちゃんだねえ。

 

 ちなみにもう1人のパンピーあがりこと家入はどうしているのかと思い様子を見に行った(隣の部屋だった)ところ、普通にテレビを見ていた……のだが。

 まあタバコ吸ってたよね。一応匂いは誤魔化してたっぽいからバレやしないだろうけど、俺は鼻がきくからすぐわかった。

 そしてそれを指摘すると開き直って目の前で吸い始めた。こいつが一番不良じゃね?

 口封じにコーラをもらった。もはや何もいうまい。

 

 まあ割と薄着の家入の姿も拝めたことだし黙っといてやろう。Nice Body.

 

 

 ちなみにこの翌日、俺は人前で堂々とタバコを吸う家入に大いに呆れることになる。ええんかお前それで。

 

 




 高専五条はいくらクソガキにしてもいい、広辞苑にも書いてある。

 というかできる限り大雑把にしたはずなのにそれでも説明が多すぎる……(わかりにくかった人は空の境界や月姫を買おう!作者のガバガバ説明なんかよりもよっぽど詳しくて正確な情報が手に入るぞ!)



 キャラ紹介
 両儀累(りょうぎしき)
 本作主人公。タイトルやあらすじでモロバレだが目にとある秘密がある。猫被り系クソガキ。
 名前はぶっちゃけ適当、「しき」って読めればそれでいいみたいなとこある。というか読みまんまだけどいいのだろうか。
 ちなみに初恋は式。


 両儀式(りょうぎしき)
 奈須きのこ著『空の境界』の主人公兼ヒロイン。
 詳しくは空の境界を読もう!(ダイマ)

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