青い春、死の境界   作:ニゴリエース

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 大変お待たせしました。ついに過去編です、どうぞ。
 アニメ……人の心とかないんか?


懐玉・玉折
懐玉-①


 

 

 「や、庵先輩に冥冥さん、こんにちは」

 

 「おっと、両儀くんじゃないか」

 

 「えっ累!?なんでここにいんの!?」

 

 新入生を歓迎したのもずいぶんと昔、いつの間にか8月。夏真っ盛りの今日、俺は静岡県浜松市のとある屋敷に来ていた。ちなみに近くにはいないけど五条夏油硝子ちゃんも来てたりする。

 なぜこんなところに来たのかと言えば……

 

 「いやお二人の捜索ですよ。もう二日も帰ってこないってんで、後輩一同で探しにきました」

 

 「なるほど、って二日!?」

 

 「どうやら結界の中と外で時間のズレがあるようだね」

 

 とまあ、そういうわけ。到着次第五条がすっ飛んでいきそうだったのを押し留めて来たのは正解だったようだ。

 

 「まあそういうわけで、助けに来ました」

 

 「本当?助かったわ〜ありがとう〜累」

 

 「でもどうするのかな?中に入ってしまったから君も閉じ込められてしまったわけだけれど」

 

 「そりゃあ……こうするんですよ」

 

 雑談もそこそこにして、俺は懐からナイフを取り出し、メガネを外す。

 

 「さて、と……──直死」

 

 そして床に存在する“死の点“にナイフを突き立てた。

 瞬間、突き立てた点から死の線が廊下中に広がり……バシッという音を立てて砕け散った。

 

 「これで結界は問題ないです。外に出ましょう」

 

 「了解。相変わらずすごいねえ“直死の魔眼“」

 

 「そう便利な物でもないですけどね」

 

 冥冥さんからお褒めの言葉をもらいつつ、屋敷から脱出する。外に出てホッと一息ついた瞬間、開いた玄関から呪霊が飛び出してきた。

 

 「やれやれ、お出ましか」

 

 おそらく庵先輩も冥冥さんもだいぶ疲れているだろうし、とっとと俺が解体(バラ)そうとした、その瞬間。

 

 「飲み込むなよ、後で取り込む」

 

 突如地面から現れたもう一体の呪霊が、屋敷の呪霊を咥え込んでしまった。こりゃあ夏油の使役する呪霊か。

 

 「ナイスタイミングだ夏油!」

 

 「ほっとくと悟が突っ込みそうだったんでね」

 

 そう言いながらこっちに歩いてくる夏油。隣には五条もいる。

 

 「しねえよ!……だいじょぶ歌姫?泣いてる?」

 

 「泣いてねえよ!てか敬語!」

 

 ま〜た始まった。この2人マジで仲悪いんだよなあ、冗談抜きで。一回ケンカップルって煽ったら半殺しにされたし……あれは“ガチ“の目だった。今思い出すだけでもちょっと怖い。庵先輩がキレるのはともかく五条も若干キレてた結構意外だった。照れ隠し?って聞いたらマジトーンで「ナイワ〜」って言ってたし相性悪いんだろうなあ

 

 「まったく……弱いものイジメは良くないよ悟」

 

 「バッカお前、強いやつイジメる奴がどこにいんだよ」

 

 「夏油お前そういうとこあるよな……」

 

 「君の方がナチュラルに煽っているよ夏油くん」

 

 「あっ」

 

 「夏油お前ェ!」

 

 だからお前は普段の態度はいい方にもかかわらず硝子ちゃんにクズ認定されるのだ。常識人ぶってるけどナチュラル畜生だよなお前……。

 

 「歌姫センパ〜イ、無事ですか〜?心配したんですよ二日も連絡ないから」

 

 「硝子!」

 

 そんな話をしていると硝子ちゃんもやってきた。途端に庵先輩の表情が明るくなる。そのまま庵先輩が硝子ちゃんに抱きついた。おお〜眼福眼福。

 

 「硝子!累!アンタたちはあの2人みたくなっちゃダメよ!」

 

 「なりませんよあんなクズども」

 

 「いや〜自分で言うのもアレですけど俺も大概……」

 

 いや五条夏油よかマシだとは思うけどね?少なくとも人様に胸張れるような性格はしてないと思うというかある意味では夏油とかよりタチ悪い気がするというか……

 

 「本当のクズは自分でそうは言わないのよ、夏油見ればわかるでしょ」

 

 「累は別にクズじゃないと思うけど……」

 

 「えっ」

 

 えっ?

 

 

 

 えっ?

 

 

 

▼ ▼ ▼

 

 

 

 「見て見て累、グラサン」

 

 「……ん?五条のやつ?案外似合うね、可愛い」

 

 そんなこんなで無事冥さんと庵先輩と連れ立って帰還した俺たちは、高専の体育館で遊んでいた。五条と夏油はバスケ、硝子ちゃんは五条から預かったサングラスで遊んで、そして俺はというと……

 

 「ん、ありがと。……てか累は何してんのさ、写真?写真見てんの?」

 

 「あーまあうん、そうっちゃそうだね。あんま気にしないで」

 

 言えない……!正月に帰省した時に一緒に撮った式さんとのツーショット写真眺めてたとか言えない……

 というか未だに吹っ切れられてないのが我ながら情けない。俺の終わった初恋は俺の心に消えない傷を残し、いまだに悶々とした欲望を毎夜持て余している。おかげさまで幹也さんと顔を合わせづらいことこの上ない。いや向こうはなんも悪くないんだけどね、どうしてもこう醜い嫉妬心がね?

 

 ……やっぱつれえわ

 

 

 「ふーん?ちょっと見せて」

 

 「あっちょっ!?」

 

 そんなことを考えていた俺は、硝子ちゃんの突然の動きに対応できず、あっさりと写真を奪われてしまう。やっべマジやっべ、写真に見惚れてたのバレちゃう。

 

 「……累と女の人?すごい美人、親戚の人?どことなく累に似てる気がする」

 

 「あー、まあ、うん。両儀家(ウチ)の現当主の式さん」

 

 まだ大丈夫……!まだバレてない……!

 

 「式さんっていうんだ、おんなじ名前なの?珍しいね」

 

 「か、漢字は違うけどね。数式の式の字だよ」

 

 「そうなんだ、それでも珍しいと思うけどね」

 

 これは……切り抜けたか?助かったのか?

 

 「ふーん……累はこういう女の人が好きなんだ」

 

 「ゑ゛っ」

 

 (うあああああバレた!おしまいだ!俺が人妻に欲情する変態だって思われちまう!ほぼ事実だけど!硝子ちゃんにドン引きされる!)

 

 と、思ったのだが。硝子ちゃんはジトっとした目でこちらを見てくるだけで特に何も言ってこなかった。どことなく不機嫌な感じもするが……というかこれはこれで気まずい……

 

 「あ、あのー硝子s「ポジショントークで気持ちよくなってんじゃねえよ。オ゛ッエ゛ー」

 

 「ってやっば。にっげろ〜」

 

 恐る恐る尋ねようとした瞬間、背後から一触即発の気配がしたのを感じ取り、硝子ちゃんが立ち上がる。そして俺に写真を乱暴に突っ返すと、すごい速度で体育館から出ていった。

 

 「外で話そうか、悟」

 

 「さびしんぼか?一人で行けよ」

 

 ま〜たこいつらは……若干折れ曲がってしまった写真を丁寧に伸ばし、内ポケットに丁寧に仕舞い込んで、俺も面倒だし逃げようかと思ったところ、突然体育館の扉が開いた。

 

 「いつまで遊んでる!硝子はどうした!」

 

 ナイスタイミング夜蛾先生!危ないところだったぜ……

 

 「さあ?」

 

 「便所でしょ」

 

 そしてこいつらホンマ……白々しいったらありゃしない。

 

 「……まあいい、この任務はお前たち3人でいってもらう」

 

 おっとマジか。大抵の任務はソロでこなせる俺たちが3人がかりってどんな任務だよ。嫌な予感しかしねえわ。

 

 「正直荷が重いと思うが、天元様のご指名だ」

 

 うわ〜マジかよ、明らか厄ネタ案件じゃん。俺抜けてもいいかなあ、最強コンビに任せようぜ?

 

 「依頼は二つ。星漿体……天元様との適合者、その少女の護衛と──」

 

 

 

 「──抹消だ」

 

 




 アニオリで実際に新入生歓迎会やってたのちょっと笑った。

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