青い春、死の境界 作:ニゴリエース
しばらく家入さん出せないの悲しい。
「ガキンチョの護衛と抹消ゥ〜?」
「そうだ」
「……ついにボケたか」
「春だしねえ、次期学長ってんで浮かれてるのさ」
お前らなあ……ことあるごとに煽るのやめた方がいいと思うよ?いやマジで。
「はいはいそこまで、無駄に煽るんじゃないよまったく」
「累は真面目ちゃんだからな〜。……冗談はさておき、天元様の術式の初期化ですか」
「冗談で済ますかは俺が決めるからな」
「ん?何それ」
おいおいおい、五条マジかお前。仮にも御三家の当主だろお前。それくらい知っとけよ……マジで興味ないことには興味ないのな。
「あのなあ……天元様は不死の術式を持っちゃいるが、不老じゃあない。死なねえってだけで老いはあるんだ。……俺なら殺せるけど。」
空き教室に移動しつつ、大雑把な解説をしてやることにする。どうも夏油も知ってるようだし、マジで五条はいい加減なやつだぜほんと。
「両儀、物騒なことを言うんじゃない。全く……」
げえっ聞かれてた。
「……まあただ歳食う分にゃ構わねんだけど、ある程度老化しちまうと術式が天元様を進化させちゃうんだと。人ではないより高次の存在へとな」
多分この辺の話は橙子さんあたりの方が詳しいんだろうなあ。あの人こういう話大好きだし。
「じゃあいいじゃん。かっくいー」
ほんまコイツ……
「天元様曰く、その段階の存在には意識というものがないらしい。天元様が天元様ではなくなってしまう」
呆れて閉口した俺の後を引き継ぐようにして夏油が解説を行う。というかこいつは逆に一般家庭出身のクセして知識量豊富だよな。その辺変に真面目なんだよなあ夏油。クズだけど。
「そそ、そうなっちゃうと高専なんかをはじめとした呪術界の拠点となる結界や補助監督が使う結界なんかを全部天元様に依存しちゃってる現状にとって不味いのよ。最悪天元様が人類の敵になる可能性だってあるわけだ」
「だから500年に一度、星漿体……天元様と適合する人間と同化し、肉体の情報を書き換える。肉体が一新されれば──」
「──術式効果も初期化されるから、進化は起こらないって寸法だ」
俺と夏油が代わるがわる交代しつつ、噛み砕いて説明してやる。まあこれくらいわかりやす〜い説明なら、基本面倒でものを覚えようとしない五条だって──
「なるほど、メタルグレイモンになる分にはいいけど、スカルグレイモンになられると困る。だからコロモンからやり直すって話ね?」
「ええ……まあいいやそれで」
なんかアレだがだいたいわかったようなのでヨシ!というか五条は本当にデジモン好きだなあ……
「その星漿体の少女の所在がバレてしまった……いま少女の命を狙っている輩は大きく分けて二つ。天元様の暴走による現呪術界の転覆を目論む『呪詛師集団Q』、天元様を信仰崇拝する宗教団体『盤星教・時の器の会』」
夜蛾先生がパソコンを使って説明してくれるが……なんでわざわざ別々のタブでしてるんだよ、資料作るの下手くそか?
「天元様と星漿体の同化は、二日後の満月。それまで少女を護衛し、天元様の元へ送り届けるのだ!失敗すればその影響は一般社会にまで及ぶ!心してかかれ!」
……夜蛾先生、何そのポーズ。
▼▼▼
「でもさぁ、呪詛師集団Qはわかるけど、盤星教の方はなぁんでガキンチョ殺したいわけ?」
護衛対象である少女の元へ向かう道中、自販機で買った缶コーラを飲みながら五条がそんなことを口にした。
まあ天元様を信仰崇拝している組織であることだし、星漿体の暗殺など関わりのない、むしろ護衛に回る側の立場であるように思える。ただまあ……
「盤星教が崇拝しているのは純粋な、混じりっけのない天元様だ。星漿体という不純物が天元様に混じるのは許せないのさ」
「これだから宗教は嫌なんだよまったく……というか歴史だけはあるくせに身内で回すことしか知らねえ組織はほとんどクソだ。御三家も退魔四家も。まあだから退魔四家は衰退したわけだが」
「実感のこもったコメントどうも」
というか呪術界自体が身内極まったクソ集団だしね。まあこの辺言いすぎると各方面から睨まれるから程々にしておくが。
そんな話をしながら一旦二手に分かれる。俺は五条と一緒に行動することになった。まあ手数最強の夏油は単独の方が効率いいしな。
『盤星教は非術師の集団だ、特段気にする必要はないだろう。やはり警戒すべきはQだ』
五条のもつ電話から夏油の声が聞こえてくる。まあ呪詛師の集まりだしね、たかが一宗教団体とは脅威レベルが違うだろう。まあ非術師によってたかられるのもめんどくさそうではあるが。
「まあ大丈夫でしょ、俺たち最強だし。だから天元様も俺たちを指名したんだろ?」
「ほ〜ん?その“俺たち“には俺も含まれてると自惚れちゃってもいいのかな?」
「あん?当たり前でしょ。つうか現状俺のこと殺せそうなの累くらいしかいねえし。俺たち3人で最強さ」
へえ、嬉しいこと言ってくれるじゃないの。うん、そう言ってくれると気分いいね。
『はあ……いいこと言ってるところ悪いけどね悟。それに累も。前から言おうと思っていたんだけど、一人称俺はやめた方がいい。特に目上の人の前ではね天元様に会うかも知れないわけだし。私、最低でも僕にしな。年下にも怖がられにくい」
「あ〜大丈夫大丈夫、五条はともかくとして、俺はその辺の礼儀作法は実家でよくやってるし。ガチ目上の人にゃまっとうな話し方するよ。年下に関しちゃ知らん」
「へっ、やなこった」
全くこのクソガキは……まあ夏油も変なところで真面目すぎるとは思うけどねえ。性格は普通に最悪のクソガキのくせに。
『あのな悟……まあいいや、今度話そう』
そう言って会話を打ち切る夏油。そろそろ護衛対象の少女に接触する頃だろうしな。さてどうするか──
ドオオォォォン!!
「お?」
「なんだ!?」
突如鳴り響く爆発音。夏油が入っていったマンションの一角が爆発したようだ。……ちっとまずいか?
「おーい、生きてる?」
『私は大丈夫だよ』
「ったく、これで護衛対象が死んでないことを祈るぜ……!」
「……あ」
そこで五条が何かに気づく。俺も五条の目線の先を追うと、そこには……
「チッ、夏油!マンションから女の子が!」
『わかってる!』
その返事とほぼ同時に、エイ型の呪霊に乗った夏油が少女を回収するのが見えた。これで死んでなければ一安心──
「邪気!?っとぉ!?」
瞬間、殺気を感じ取り、その場を飛び退く。その直後にかなりの数の刃物が俺のいたところを通過し、五条の眼前で停止する。
「おー、ナイス判断じゃん累、さっすがぁ」
「そういうお前は楽そうでいいな、まったく」
五条と軽口を交わしていると、刃物が飛んできた方向からパチパチと拍手の音が聞こえてくる。そちらに目をやると、クソダッセェ……訂正、個性的な格好をした人間が1人……いや、その後ろにもいるから2人だな。確認できた。おそらく呪詛師集団Qのメンバーだろう。
「素晴らしい。きみ、五条悟だろう。有名人だ。強いんだってね、噂が本当か確かめさせてよ」
……俺は?
「ねーねー俺はぁ?俺の噂なんかないの?」
「あー……確か両儀の秘蔵っ子だったっけか。君は別にどうでもいいよ、後で殺してやる」
はい殺す、マジ殺す、こいつ絶対殺す、速攻殺す。
「なあ五条ー!こいつ俺がやっちゃっていい?このド失礼な口だけ野郎マジ殺す!」
「別に構わねえよ、雑魚だし俺がやっても累がやっても誤差でしょ」
「……クソガキどもが!」
うるせークソ雑魚。刹那で
仲良し組が話してるの描くのは楽でいいね。
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