青い春、死の境界   作:ニゴリエース

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 アニメ二話も大変良かったですねえ……そんなわけで続きです、どうぞ


懐玉-③

 

 

 俺は口だけ呪詛師に向き直りながら口を開く。ただぶち殺すだけじゃ足りねえよなあ……

 

 「だいたい術式の内容はわかったぜ……シンプルな射出術式だろ?自前の武器やら呪具に指向性を持たせて吹っ飛ばす、単純だがそれなりに有用な術式だ。……で、あってるよな五条」

 

 「うーん正解!いい推理力だねえ」

 

 よっしゃ!五条のお墨付きももらったし間違いないな。そして同時にこいつがマジの口だけ野郎ってこともわかった。

 

 「クソガキどもが……!黙っていれば調子に乗りやがって!……いいだろう、まずはお前から殺してやるよ、両儀のガキッ!」

 

 大物感消えるの早すぎだろ……もういいや、サクッと殺っちゃお。

 俺は眼鏡を五条に渡した上で、ナイフを取り出し、構える。目鏡をかけたままでも問題ない相手ではあるだろうが、念のためというやつだ。

 

 「死ねっ!!」

 

 「すっとろいんだよ……」

 

 空気を切り裂いて飛来する刃物の群れ。しかしそれが向かう先にはすでに俺はいない。偏差撃ちくらいできねえのかねこいつ。

 

 「すばしっこいやつめ!」

 

 当たらん当たらん、もうちっとエイムよくしてから出直してきてくれ。……まあ、瞬間火力はなかなかのものだ。準1級呪霊くらいなら労せず祓えるだろう。

 手こずるような相手じゃないが、チンピラの集まりにしては強いな。五条にぶつけてきたあたりこいつが最強格か?いやでもなあ……組織の最強格がこの程度ってどうなんだろう。仮にも『呪詛師集団Q』なんてご大層な名前がついてるわけだし、せめて1級術師レベルはあって然るべきだと思うんだが……

 ……まあいっか、殺してから考えるか。それに敵が弱いことは悪いことじゃない、むしろ好都合だ。

 

 「もういいよな?……死ね」

 

 「なっ、速っ」

 

 地面を強く蹴り瞬間的に加速、そのまま跳躍し背後をとる。呪詛師は一瞬で消えた俺を見失っているようで、反応すらできていない。……やはりこんなものか。

 

 「はっ、ひゃっ、ひあっ」

 

 「はい、御仕舞い」

 

 そのまま一息のうちに十七閃、呪詛師はまともな声を上げる間もなく()にそって十七分割され、崩れ落ちる。

 びしゃびしゃと血が吹き出し、あたり一面を濡らすものの……まあ返り血を浴びるようなヘマはしない。

 

 「うへーえっぐい、いきなりグロいもん見せるなよな……」

 

 だってぼこぼこ殴るの疲れるしー、術式は直接戦闘向けじゃないしー。解体(バラ)すのが一番楽やねんな。

 

 「はっはっは、ドンマイドンマイ。……そんじゃ、とりあえず夏油に連絡するか。護衛対象の方はあいつがどうにかしてんだろ……多分」

 

 「さーんせーい、んじゃ電話するわ。……あ、もしもし傑?そっちはどう?……片付いた?さっすがぁ」

 

 ひとまずこれでひと段落……でいいのかな?

 

 

 

▼▼▼

 

 

 

 そんなこんなで、その後特に問題もなく夏油と合流したものの、肝心の護衛対象はおねむだった。まあおもいっきり吹っ飛ばされてたし是非もないか。現在は五条が姫抱きして様子を見ている。

 

 「ちょっと夏油ー、何やってんのさー」

 

 「仕方がないだろ、確保した時にはすでにこうだったんだ」

 

 まあいきなりのことだったし合流前だったししゃあないけどさ、これでおっ死んでたら割と大問題だったよね。危ない危ない。

 

 「一応医者見せるー?」

 

 「硝子みたいに反転術式を使えたら良かったんだけどねぇ」

 

 いいよねー反転術式。俺も使えるようになりたいんだがどうもね、感覚が掴めないのよね。唯一使える硝子ちゃんに関しても──

 

 「いや無理でしょ。あいつも何言ってるかさっぱりだしなあ」

 

 

 『ヒューッとやってヒョイだよ。ヒューヒョイ。わかんない?センスねぇー』

 

 『『『いやわかんねえよ』』』

 

 

 反転術式のやり方について説明を求めた時の硝子ちゃんの反応を思い出す。硝子ちゃんも大概感覚派だよね、そういうの俺好きくない。

 それとこの時の硝子ちゃんの仕草がとても可愛らしかったことを補足しておく。

 

 そんなことを話していると、護衛対象の少女がわずかに身じろぎをした。思わずそちらに目線を向けると、そう間を空けずにパチパチと瞬きをしながら目を覚ました。

 

 「お、起きた」

 

 「オラァーッ!!」

 

 「ご、五条ーっ!」

 

 なんてことだ、五条がやられた!おのれ星漿体め!

 

 「下衆め!妾を殺したくばまずは貴様から死んで見せよ!」

 

 おおーうアグレッシブぅ。つーかなんだその古風な喋り方。

 頬を抑えてキレる五条の肩に夏油がポンと手を置き、宥める。さすが夏油、冷静な判断だぜ。

 

 「理子ちゃん落ち着いて。私たちは君を襲った連中とは違うよ」

 

 「嘘じゃ!嘘つきの顔じゃ!前髪も変じゃ!!」

 

 「…………」

 

 「ブッフォwww」

 

 ひー、お腹壊れる。前髪バカにされてキレてるの面白すぎだろwww

 仕方ない、ここは俺が一肌脱ぎますか。

 

 「んっん……まあまあ少女よ。そう言わずに落ち着きたまえよ。君に危害を加えたりはしないから、一度話そう?おr……私たちは敵じゃないからさ」

 

 フッ、決まった……

 

 「絶対嘘じゃ!だいたいお前がいちばん怪しいのじゃ!外道じゃ!外道の人でなしの目をしてるのじゃ!」

 

 …………

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いいいいいいいやああああああああああ!!!不敬いいい!!!不敬ぞおおおおおおお!!!」

 

 「お、おやめください!」

 

 星漿体の少女を雑巾絞りの刑に処していると、焦ったような声が聞こえた。とりあえず少女で遊ぶのはやめにする。

 

 「く、黒井!……ぐえっ!」

 

 潰れたような音を無視し、声の主──メイド服を着た黒髪の女性の方へ向き直る。ほうほう、こりゃまた……いいね。

 

 「お嬢様、その方達は味方です」

 

 「……黒井、何に乗っておるのじゃ?」

 

 「あ、これは前髪の方の術式です」

 

 「その呼び方、やめてもらえます……?」

 

 うはは、夏油の呼び方が前髪で固定されとるw

 

 「まあそういうなって前髪くん。なあ五条?」

 

 「俺はいいと思うぜ?なあ前髪の人?」

 

 「……2人とも……少し話そうか」

 

 お?喧嘩か?喧嘩するか?いいぜこっちもそれなりに腹立ってんだ、ここらで一発解消といこうか……!

 

 「お、おやめください!」

 

 「「「サーセンっした」」」

 

 




 バイエルさんはコノメニウーしました。悲しいね。

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