酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


十七杯目 災厄

  side アクア

 

 災厄、今村耕平の襲来。どうする?生き延びる為に、最善の策は………

 

「おう、来たのか耕平。」

「今日は元気だね〜!」

「はい、たった今来ました!コイツらの命日も。」

「「くっ………!」」

 

 普段なら北原を古手川と寝た件で売って、その隙に逃げていたが………今はそうもいかない。奴はルビーに今の生活を隠すための協力者だ。

 

「で、あの子らがお前らの妹か。」

「いいや、違………」

「北原伊織の妹の、北原栞と申します。」

「俺の現状を察してくれないか、栞⁉︎」

「しょうがねえ、言うよ。アイツが俺の妹だ。」

「星野アクアの妹の、星野ルビーで〜す!」

「そうか………」

 

 流石に妹じゃないってルビーに言うのは酷すぎる。だから言い逃れはしないのだが………ん?今村が黙った……?

 

頭部は野犬に食わせるとして………」

「「なんかコイツ怖い独り言漏らしてるんだけど⁉︎」」 

 

 早速処刑方法を考え始めやがった。これはマズい‼︎

 

「まあ、俺も鬼ではない。条件を呑むなら許してやろう。」

「「………言ってみろ。」」

 

 ただ、条件を出してくれるらしい。一体俺らは何をすればいいんだ………?

 

「彼女らが俺を、『耕平お兄ちゃん』と呼んでくれたら……」

「お前は本当に気持ち悪いな。」

「早く捕まっちまえ。」

 

 前世で散々ロリコン呼ばわりされた俺でも、こんなんじゃなかったぞ。

 

「ならば死ね‼︎」ギャリィィン

 

 マズい、今村がキレてチェンソー持ち出して来やがった!このままだと死ぬ‼︎

 

「「待て、誰が断ると言った。」」

「栞、言う通りにしてやってくれ。」

「ルビーも頼む。」

「そんなの恥ずかしいです♪」

「お兄ちゃんの大学生活教えてくれたら、言ってあげる!」

「残念だよ、2人とも。」

「「兄を見捨てる気か、貴様らぁ⁉︎」」

 

 しかもルビーは交換条件に別の死を提示してきた。ふざけんな!それ言ったら実家に強制送還だろ!

 

「なので、その………耕平お兄様で。」

「…………っ!」

「助かる、栞‼︎」

「北原………2万円で頼む‼︎」

「何をだよ⁉︎」

 

 北原兄妹は助かったみたいだ。よしよし、この調子でルビーも………

 

「お兄ちゃん、まさか大学生活のことが言えないわけないよね?」

 

 ダメだ、黒い星の目してるじゃねえか‼︎これは俺が上手く話さないと………いや、待てよ?

 

 今村は妹に憧れている一人っ子のシスコンだ。つまり、むやみやたらに兄や姉がいる女を欲しているわけじゃない。大切なのは自分より歳下かどうか。寿みなみがそれを教えてくれた。そして、俺とルビーは同い年。ということは、今村とルビーも同い年。これを活かさせてもらう‼︎

 

「なぁ今村、一つ言いたいんだが………」

「どうした星野?遺言は手短に頼むぞ。」

「ルビーと俺は双子だぞ。つまりアイツはお前とタメだ。」

「そうだよ〜♪」

「なん…………だとっ⁉︎」

 

 よしっ、きた‼︎これで今村の脅威から、俺とルビーを守ることが出来る‼︎

 

「星野ルビー、………今から歳下になってくれないか?」

「「は?」」

 

 コイツは何を言ってるんだ?

 

「とりあえず、役所に行って戸籍を改ざんしてきてくれ。」

「お兄ちゃん、この人大丈夫?」

「大丈夫に見えるか?」

 

 あまりにも強引過ぎるだろ。しかも本当は前世もあるから、お前より実質歳上だぞ?こればかりは言えないけど。

 

「くそっ、現実は…………っ!なんて残酷なんだ……っ‼︎」

 

 ということで、俺は今村という脅威をルビーから引き剥がすことができた。

 

 あとはルビーだ。俺はお前を騙しきってみせる‼︎

 

 

 

 

 

  side ルビー

 

 私はここに来る前、栞ちゃんと作戦会議をしていた。

 

「栞ちゃんはお兄ちゃんをどうしたいんだっけ?」

「旅館を継がせに連れ戻したいです。ルビーさんは?」

「もしお兄ちゃんが怠惰な生活を送ってたら、実家に強制送還したい。」

「私とおおむね同じですね。」

「まあ私の方は確証無いけどね〜。」

 

 お兄ちゃんについて入ってくる噂がことごとく悪い。全裸で酒盛りしてるだの、色んなところで女装してるだの、大学構内で寝てただの。他の人からの話でも、memちょには上手くはぐらかされたものの、みなみちゃんやロリ先輩からは歯切れの悪い返事しかこない。フリルちゃんは逆に楽しそうな返事ばかりくる。そして肝心のお兄ちゃんだけど………どう見ても何か隠してる。ここは早いとこ暴かないと………っ!

 

「とりあえず、私はお昼ご飯を作ります!実家の味で郷愁にからせる作戦です!」

「分かった、じゃあ私も手伝うね!」

 

 ということで、私たちはお昼ご飯を作ってるんだけど………

 

「それにしても偉いね、2人とも。最近きちんと服を着ていて。」

「やはり人間、二日に一度は服を着ませんと。」

「俺はちゃんと着てますよ。」

「た、確かにお前は着ているな……っ!」

「そうだっけ………?」

 

 早速怪しい。つまり今までは全然服着てなかったってこと?どう考えてもろくな生活を送ってない。

 

「出来ました!」

「よしっ、持ってこう!」

 

 そして、お昼ご飯が完成。さてと、流石に食べ方は普通だと信じたい。

 

 そんなこんなで、しばらく様子を見てたんだけど………

 

「兄様、思い出しましたか?実家の味を。」

「う〜ん、どんな味だっけ?」

「はぁぁぁ?」

「酷い記憶力………」

 

 伊織君はとりあえずバカみたい。さて、お兄ちゃんは………

 

「…………っ!ぐすっ!」

 

 泣いてるっ⁉︎

 

「お兄ちゃん、どうしたの⁉︎」

「いや、あまりにも美味しくてな……っ‼︎」

「俺も栞ちゃんとルビーちゃんの手料理に感動しているぞ‼︎」

「あ、ありがとう、お兄ちゃんと耕平君!」

「ありがとうございます。ほら兄様、何か言うことは?」

「そんな泣くほどか?」

「おい兄様。」

 

 泣くほど喜んでくれたのは嬉しいけど………。正直ちょっとびっくりしている。栞ちゃんが凄いのは認めるけど、私ってそんなに凄かったっけ……?

 

「多分マリンは久しぶりにお酒の味がしなくて嬉しいだけだと思う。」

 

 凄いのはお兄ちゃんだった。

 

「何それ⁉︎」

「いや、自炊で料理酒を入れ過ぎちまってな……」

「マリン、自炊してたっけ?」

「してるしてる。お前が知らないだけでしてる。」

「千紗、コイツは夜食を自炊してるんだ。」

「そうだったんだ……」

「お兄ちゃん、それはそれで太るよ!」

「大丈夫、ダイビングしてるから。」

 

 お酒の味しかしないなら、次から量を調整すればいいのに。この兄、やっぱりバカになってる。それと、お兄ちゃんをマリンって呼ぶ人初めて見た。

 

 それはさておき、次の作戦だ!

 

「そういやアンタらいつ観光に行くのよ?この後?」

「いえ。この後は兄様の部屋のお掃除をしようかと。」

「私もお兄ちゃんの部屋掃除した〜い‼︎」

 

 お掃除大作戦‼︎こうすれば、部屋から怪しいものを発見できる‼︎お義姉ちゃんから聞いた方法だよ!

 

「いや、しなくていいだろ。」

「つーかあの部屋クソ暑いぞ?」

「だよな。マジで暑いよな。」

「いえ、暑くても大丈夫です!」

 

 ん………?なんでお兄ちゃんは伊織君と部屋の感想が共有できるの?それは一体………

 

「しかしなぁ栞。俺コイツと同じ部屋だから掃除出来ないぞ。」

「ルビーもだ。2人の部屋だから正直やめてほしい。」

「なんで同室なの⁉︎」

 

 ここってそんなに部屋無いの⁉︎ぱっと見た感じ、4つくらい店の上にもあったけど‼︎昔から仲良いならともかく、大学で出会ったばかりの人となんで同棲⁉︎

 

「まあ、それは色々あってな………」

「えっ⁉︎まさかそういう……っ⁉︎」

 

 色々って………!やっぱりあれじゃん‼︎

 

「そういうってどういうだ?」

「お兄ちゃんにはあかねお義姉ちゃんが居るのに⁉︎」

「「俺たち恋仲じゃねえよ‼︎」」

「よ、良かった〜。」

 

 びっくりした〜。変に疑うところだったよ。もしこの話が本当なら、今すぐお義姉ちゃんに通報するところだったし。

 

 さてと、次はどうしようか…………

 

「そういやルビーと栞、この後潜るんだけどさ。一緒にどう?」

 

 ロリ先輩のお誘いはダイビングという。確かここは一応ダイビングサークルだったっけ。でも噂で聞くのは、形骸化した全裸系の飲みサー。本当にちゃんとやってるか、確かめてみよう‼︎

 

「いいよ!潜る潜る!」

「私は遠慮しておきます。」

「俺のスク水貸そうか?」

「なんで持ってんだよ今村⁉︎」

「もしもしポリスマン!」

「頼む、通報しないでくれ‼︎これは未使用品だから!」

「「使用済みだったら怖過ぎるだろ。」」

 

 あれっ、栞ちゃんは乗ってこなかった。まあいいや、彼女には陸から様子を見てもらおう‼︎私は海から偵察だ‼︎

 

 

 

 

 ということで、しばらく一緒にダイビングしてたんだけど…………

 

「ここ真面目にダイビングしてるんだね⁉︎」

「失礼な。一応ダイビングサークルだぞ。」

 

 なんていうか、普通にちゃんとしてる‼︎嘘でしょ⁉︎噂と全然違うじゃん‼︎やっぱり、お兄ちゃんの変な噂は全部嘘だったのかな………?

 

 

 

 

 

  side アクア

 

 よしっ、なんとか誤魔化せてる。しかしこの後が問題だ。飲み会。俺が最も醜態を晒す可能性のある場所。なんとかここを乗り切らないと‼︎

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