未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
side アクア
さてと、いよいよここが正念場。耐えるぞ北原、一緒にな。
また、先輩らとは離れた場所で、俺たち兄妹は飲んでいる。あの光景を見せられたら一発アウトだしな。男女平等酒盛り野球拳とか、普通に考えて見せられるわけがない。
さてと、俺たちは………
「それにしても北原、ウーロン茶は美味いな。」
「そうだなアクア。俺たち服も着ているし、兄として立派だよな。」
「だな。」
とりあえず普通にソフドリを飲んで、普通に服を着る。これでアイツらの目に立派な兄として映るだろう。
「いや、それ普通だよね?誇れることじゃなくない?」
「「え゛っ⁉︎」」
普通………だとっ⁉︎せっかくこっちが酒の席にも関わらず服を着て、こんなに重苦しい思いをしているのに………っ‼︎
「ルビーさん、あのウーロン茶火がつくらしいですよ。」
「どれどれ……あっ、本当だ……ってなんで⁉︎」
「可燃性なんだろ。」
「色はウーロン茶なんだから気にするな。」
「色で飲み物は区別しなくない⁉︎」
「ただし栞は飲むな。」
「それって大部分がアルコールってことですよね?」
「「気のせいだ。」」
しかもなんで栞は火がつくの知ってるんだよ⁉︎やっぱコイツ監視カメラ付けてんだろ‼︎
「もう、お兄ちゃんがお酒好きなのは分かったからさ〜。」
マズいな。これではアル中なのが隠せない。ならば奴の中の酒好きのイメージを変えさせる‼︎
「ルビー、お前が思っている酒好きと俺は違う。」
「どういうこと?」
「俺はオシャレに酒を嗜むタイプだ。ここの連中もそういう奴らが多くてな。カクテルとか混ぜていい感じに楽しむんだ。」
「すごいふわっとした言い方だね。」
これでよし。世の中にはお酒を嗜むタイプの人間もいる。現に芸能界はそういう人間も多い。そして、俺をそっち側の人間だと思わせられれば………醜態は隠せるだろう。
「ならスクリュードライバーとかある?私あれ好きなんだよね〜♪」
なるほど、スクリュードライバーだな。
「北原、作るぞ。」
「OK、アクア。」
いっちょバーテンになったつもりで作るとするか。さてさて、スクリュードライバーは………水と氷と
「お待たせ、ルビー。」
「ちょっと待て。」
ん?なんでコイツは不服そうな顔なんだ?
「どうしたルビー?」
「どうした、じゃないでしょ‼︎明らかにおかしいじゃん‼︎」
「アクア、マイナスドライバーの間違いじゃないか?」
「それか精密ドライバーとか………?」
「そうじゃないっつーの‼︎」
「兄様、星野先輩………」
どうやらルビーはお気に召さなかったようだ。
「なら変える!モスコミュールで‼︎」
なるほど、モスが苔でコミュがコミュニティーの略、つまり集団だから…………
「「マリモ‼︎」」
「何の話⁉︎全然違うんだけど⁉︎」
くそっ、違うのか………。これはマズいな。最近はスピリタスしかほとんど飲んでないからな。昔はおそらく分かったのだろう。身体が成長していくにつれ、精神の方が身体と環境に適合していく。どんどんと、「水」と「スピリタス」の境目が無くなっていく。それはつまり、ソフドリでもアルコールでも、水とスピリタスの間の度数(0〜96%)のものは区別がつかなくなってくることになる。
まあいい、ここはアプローチを変えよう。アイツらに昼飯を作ってもらったお礼にお返しをして、立派な兄を演じるか。
「それは置いといて、」
「おいとくなぁぁぁ‼︎」
「今からお前にたこ焼きを作る。」
「うちのサークルに伝わる、伝統的なたこ焼きだ。」
「えっ、それ大丈夫なの………?」
「とりあえず見てみましょう。」
「栞は料理酒の関係でダメだ。」
「そうですか………」
「たこ焼きに料理酒要る⁉︎」
さてと、PaB式たこ焼きでも作るか………
「よしっ。それじゃあ今回は簡単、PaB式たこ焼きを作ろうと思う。」
「北原、それは素敵だな。」
「作り方は簡単!たこ焼き粉を適量、卵を適量、そして水を大量に入れるぞ!」
「北原、揮発したアルコールで涙が止まらないんだが。」
「タマネギを刻んでると思って諦めろ。」
「北原、アルコールで生地が分離して、うまくたこ焼き器に流れないんだが………」
「だから早くやれと言ったのに。あとこの生地、超焦げやすいから注意な。」
そんなこんなでたこ焼きが完成した。見た目は真っ黒コゲのゲテモノ、しかもあまりの水分のなさにパサパサしている。まるで炭が燃えた後のカスが泥まみれになったかのよう。しかもこのたこ焼き、推定アルコール度数は恐らく40%を超えるだろう。
「「はい、どうぞ。」」
「なんていうか、酷いね‼︎」
どうやら評価は最低みたいだ。
side ルビー
確信した。やはりお兄ちゃんの生活はダメだ。
「「くっ…………」」
「はいは〜い!私が介抱するね〜!」
しかも潰れてmemちょに介抱されるという。
「あの、ルビーさん。見てほしい映像があるのですが………」
「どれどれ、栞ちゃん?」
更には栞ちゃんから見せてもらった映像。そこには股間に酒瓶をハメて死ぬお兄ちゃんが映っていた*1。この瞬間、私はお兄ちゃんが隠したかったものが全てわかった。
「これは帰ったら説教だね。」
「ですね。一緒に兄を連れて帰りましょう。」
そして、私の心は決まった。この兄を真人間に戻さなければ。ミヤエモンに報告して、強制送還させないと………
ということで、私はまずB小町のメンバーに話をつけることにした。
「ねえ2人とも、お兄ちゃんがこんなことになってるなんて知らなかったんだけど。説明してくれる?」
「ルビー、慣れたら普通よ。」
「慣れるな、天才子役‼︎」
どうやらロリ先輩は手遅れの様子。まあこの人はチョロいからいいとして………
「まさかmemちょまでこうなってるとは………」
意外としっかり者で信頼できるmemちょが、お兄ちゃんの惨状をずっと黙ってたことだ。なんなら彼女自身がこのサークルに2年もいることが、正直信じられない。さっきもお兄ちゃんと伊織君を見て不思議に思ってなかったし。
「ごめんね〜、アクたんに口止めされてて〜。私は別に話してもいいと思ったんだけどね〜。」
「話してもいいの、この惨状⁉︎」
どうやらmemちょも変わってしまったらしい………
「本人が楽しそうだからいいかな〜、って。ずっとアクたん苦しそうだったでしょ?だけど今は吹っ切れてさ。確かに堕落はしてるけど、友達と楽しくワイワイやれてるからいいかな〜、って思ってね!」
そして、お兄ちゃんも変わったらしい。だけど、悪い意味では無いような。
「あーくんが楽しそうなの、アンタなら分かるでしょ?」
「う、うん………まあ………」
確かに、お兄ちゃんはずっと復讐のことで頭がいっぱいだった。いつも何か考えこんでいて、心から吹っ切れたことが無かった。そんな人が後先何も考えずに、友達と楽しそうに時を過ごす。それは確かに、悪くないのかも………
「というか、アンタはまだPaBじゃないから分からないのよ、この楽しさ。」
そりゃ、私はここの人間じゃないもの。楽しさなんて分かるわけ………
「一緒に私たちと楽しも♪」
「ほら、入会届け。早く名前書きなさい。」
そんなことを思っていると、彼女らから入会届を渡された。私でも、楽しめるのかな………?楽しんでいいのかな……っ!
「でも、私仕事忙しいし………」
「喧嘩売ってんのか、コラ。」
「好きな時にたまに来るでいいからさ〜♪」
「ホント………?」
「「もちろん‼︎」」
楽しそうなお兄ちゃんの姿、そして楽しそうな皆の姿。それを歓迎するかのような、綺麗で暖かい海。前世ではダイビングで動き回るなんて、ましてやお酒を飲むなんて考えられもしなかった。それほど身体も動かなかったし、成人まで8年という月日は病弱な私にとってあまりにも長過ぎたから。だけど今は違う。こうして皆と………楽しんでいいんだっ‼︎
「分かった、私も入る!」
「やった〜‼︎」
「ようこそ。またアンタの先輩になるわね。」
「いや、同級生でいいでしょ。」
「なんだとコラ‼︎」
こうして、私はPaBに入会し、
「あっ、でも、お兄ちゃんの股間スピリタスは報告するから。それを踏まえて、更生させるところはさせるね♪」
「アンタ知ってたの⁉︎」
「股間スピリタス⁉︎何それ私知らない⁉︎」
「そういや3年生は知らなかったわね。」
お兄ちゃんを楽しませつつも、更生させることを決意した。
とはいえ、私も多忙の身。すぐに翌日栞ちゃんと帰ることに。
「どうだった、伊豆……というか伊織君?」
「知りませんよ、あんな馬鹿兄様……っ///」
「そんな寂しそうに言わなくても〜♪」
どうやら北原兄妹も前より仲良くなれた様子*2。これはいいことだ。
「おいルビー、何で俺が縛られて電車に乗ってるんだ?」
そして、私はお兄ちゃんを一旦強制送還させることにした。現状をミヤエモンに報告させるというミッションのために。
「事情聴取だよ、お兄ちゃん!」
「そうか………全裸で土下座すれば、許してくれるか?」
「もしそうしたら、本当に軽蔑するよ?」
「そうか………ならみやこさんに何て言おう………」
「洗いざらい全て吐き出すこと!いい?」
「ああ…………」
もちろん、それが終わったらPaBに帰してあげるけどね。私は優しいから‼︎
そんなことを思っていると、
「そういや、もうすぐ近くの青海女子大で学祭が行われるらしいですね。」
栞ちゃんが変なことを言い始めた。
「そうなんだ〜。」
「栞、なんでそれ知ってるんだ?俺も知らなかっんだが………」
「昨日今村先輩から魔法少女ららこたんについて熱弁されまして………。どうやらその声優さんがライブに来るみたいです。」
「ああ、水樹カヤか。」
「あの人人気だもんね〜。」
まあ、耕平君なら言っててもおかしくないか。にしても青海女子大の学祭ね〜。確か愛菜ちゃんや梓さんが通ってるんだっけ。仕事無かったら行ってみよっかな〜?
side アクア
俺の努力は失敗に終わり、帰省した先でみやこさんに白状することになった。
「で、俺をどうするつもりだ?」
「いい、朝だけはちゃんと起きて決まった時間に大学行くこと。」
「分かった。」
「あと登校前に電話して。それで起きてるか確認するから。もし無かったら1日1万円給料ピンハネ、いい?」
「マジで分かった。絶対に守るよ。」
そして、キツイ罰を言い渡された。最悪だ………
まあいいや。次の青女祭でゴローとしてはっちゃけるとするか!
というわけで、次回から青女祭になります。よろしくお願いします。