未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
side アクア
いよいよ待ちに待った女子大祭。なのに俺は………
「イオリちゃ〜ん、耕ちゃ〜ん、マリンちゃ〜ん!コーヒー上がったよ〜!」
「「「かしこまり!」」」
女装してメイド喫茶で働いていた。
遡ること1日前。
「「「ケバっ子カフェ?」」」
「うん。」
俺たち*1は青女生・吉原の学科で行われる催し物を聞いていた。
「なんだ、その男心を粉砕する邪悪な単語は?」
「9番目の地獄か何か?」
「完全にネタ枠じゃねえか。」
「この間の合コンの写真見せたら乗り気になっちゃってね。」
「普通引くだろ⁉︎」
「伊達にお前の友達やってないな⁉︎」
「どうせ深夜テンションで決めたんだろ。」
「真っ昼間に決めたよ!」
「逆に心配だぞ。」
ケバっ子カフェ。合コンの時に見せたケバい仮称を身に纏い接客するという、B専向けのカフェだ。しかも少し化粧が濃い、くらいのを想像すると痛い目を見る。それくらい悍ましい代物だ。
「まあ、私はこれでカモフラージュ出来るからいいわね。」
「重曹みたいな有名人はそりゃ目立つからなぁ。」
「ナンパ避けにもなるだろ。」
しかし、それで助かる奴もいる。有馬なんかはその最たる例だ。PaBの近辺なら週刊誌の記者を酒で潰せるのでいいが、青女となるとそうもいかない。チケットがあるとはいえ、変な輩が居ないとも限らないし。
「かな、本当に手伝ってくれてありがとう!」
「いいわよ、愛菜。あーくんとのデート権さえくれたら。」
「アクアね、好きに使って!」
「おい、人の予定を勝手に決めるな。」
「「じゃあ今日が命日だな。」」
「勝手に決めるなって言っただろ。」
にしても、最近俺の扱い雑すぎないか?一応有名人だぞ?
まあいいや。ここは古手川もケバくするか。1人だけ仲間はずれも可哀想だしな。
「それはそうと、古手川も手伝ったらどうだ?ナンパ避けになるだろ。」
「それとこれとは話が別。」
「マジで頼む……千紗‼︎お前の汚い顔が見たいんだ‼︎」
「絶対に嫌‼︎」
にしても、北原の頼み方はホントバカだな。コイツはダイビングの話を振ればすぐ首を縦に振るというのに。
「青女の友達作ってダイビング誘えばいいだろ。」
「………考えてもいいけど///」
ほらな。コイツはある意味有馬以上に扱いやすい。
「でも、私だけ恥をかくのは嫌‼︎」
「お前だけじゃないだろ。有馬に吉原も居るんだぞ?」
「そうじゃなくて。」
もちろん、コイツが男たちを巻き込みたいのも承知の上だ。それに対する策は既にある。
「そういや北原は、男コンの時に浜岡の格好してなかったっけ?」
「さらばっ‼︎」
「「逃すかっ‼︎」」
まずは北原、コイツは資質も実績もある。逃すわけにはいかない。
「それと今村、手伝ってくれたら俺が水樹カヤに会わせてやる。」
「私も彼女は知ってるからね。」
「私の友達も関係者だよ〜。」
「やらせていただきます。」
次に今村。コイツは水樹カヤ目当てだ。ならば知り合い権限を活かして会わせると、餌を巻けばいいだけのこと。
「あと、ルビーはその日空いてるって言ってたから呼ぶぞ。」
「ルビー、来てくれるんだ。」
「アイドルが居ると頼りになるね!」
「ここに元アイドルが居るんだけど?」
「かな、怒らないで〜!」
次にルビー。アイツは基本多忙だが、青女祭の日はたまたま空いてたとのこと。ならば呼ばない手は無いだろう。
「それで、マリンはまた自分だけ逃げようとしてるの?」
「んなわけねえだろ。今回は仕方ないから手伝ってやるよ。」
「やった〜!マリン降臨だ〜♪」
「有馬、喜び過ぎだ。」
そして最後に俺。もちろん行く………と見せかけて、仮病で休む。これ以上女装して恥を晒すわけにはいかないからな。ルビーも兄が女装してる隣で働きたくないだろう。これは俺なりの気遣いというわけだ。
ということで、俺は翌朝目を覚ますと………
「や〜、寝てると化粧やりやすかったわ!」
「流石愛菜。これでマリンの良さが活かせる。」
「しかし、いつ見ても本当に可愛いわね。襲われないか心配だわ。」
「は…………?」
知らない天井と女3人衆が俺を待ち受けていた。ここはどこ?そしてなんでお前らが………?
「しかし北原、酒で潰して運ぶとは中々やるな。」
「コイツがやけにすんなり受け入れたから怪しくてな。念のため酒で潰して運んだんだ。」
「流石だ北原。もしかしたら仮病で休まれてたかもだしなぁ‼︎」
「お前ら殺す………っ‼︎」
くそっ、俺の考えを読まれていたのか‼︎ふざけるな‼︎これじゃあ何度も女装する変態じゃねえか‼︎こんな姿がルビーに見られたら………
「うわっ、お兄ちゃんだ!可愛い〜!」
「ルビー、今はお姉ちゃんだよ!」
「そうだね愛菜ちゃん!おはようお姉ちゃん‼︎」
「普通に受け入れるな‼︎」
見られた………。軽蔑されなかっただけマシとするか……。あと、あかねに見られなかったことも幸いだ。
俺はみやこさんにいつもの電話をした後、普通に働くことになった。
ということで、今に至る。
「マリン、コーヒー1席さんにお願い!」
「わかった。(裏声)」
「マリン、3席片付けて。」
「わかった。(裏声)」
「お姉ちゃん、一緒に運んでくれる?」
「いいわよ、ルビー。(裏声)」
「ピーマン、タベル?」
「おっ、おう。(地声)」
しかもケバい女たちに囲まれながら。前世で俺はどんな罪を犯したというんだ。ただちょっとだけ女遊びが激しかっただけなのに。ただちょっとロリコンと呼ばれただけなのに。
「え〜、これが合コンの時の伊織君と耕平君とアクア君⁉︎」
「すご〜い‼︎ぎゃはははは‼︎」
「ちょっ……ブフッ……きっこ笑い過ぎ………ブフッ……」
しかも吉原の友達兼合コンの時の化け物たちにまで笑われる始末。
「というか、星野マリンってアクア君のことだったんだ〜!」
「伊豆大にすっごい美人がいるって、青女で話題になってたよ!」
「ぎゃはははは‼︎本当に可愛い‼︎」
「私も初めて知った時びっくりしたよ〜!」
「そんなに人気なの………」
というか青女でも噂になってるのかよ。伊豆大でも消えた謎の美女って、ずっと話題になってるのに。この間なんか、最近見ないから男に拉致されたって噂まで流れてたんだぞ。ミスコンも優勝じゃなかったから、犯人は運営だのなんだの、とか。頼むからやめてくれよ。俺は男として生きたいんだから。
しかも俺と今村と北原だけ普通の化粧なせいで、ナンパが全部俺たちのところに来る。本当に気持ち悪いから勘弁してほしい。男にナンパされて嫌がる女子の気持ちが分かったよ。
ただ幸いなことに、PaBの知り合いは既に俺のこの形態を知っている。
「……やばっ、梓さんとmem先輩だ!……」
「浜岡にmem、いらっしゃい。」
「お〜、マリンだ〜!」
「伝説の復活、だね♪」
「……お前、よく普通に……」
「こっちが伊織だね!」
「いおりん、可愛い〜♪」
「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「それで、あっちがこうちんだね!」
「exactly。」
だから北原みたいなバレた時のダメージを考慮しなくて済む。まあ、ルビーにもバレたしな。みやこさんにもルビーが勝手に写真送ったし、あとバレたらまずいのは………
「なるほど、星野マリンはあの早熟のガキだったというわけか。」
監督だぁ⁉︎
「なんでいるの⁉︎(裏声)」
「居て悪いか?」
「あっ、監督!お久しぶりです!」
「memも久しぶりだなぁ。」
コイツは幼少期から俺を知っている。そんな奴が20になって女装して酒を飲み、全裸になって寝っ転がってるなんて知ったらどうなることか。
「というかアンタはB専なの?(裏声)」
「違う。このケバい集団を見て、何か映画の構想が出ないか考えててな。」
「B級コメディーしか無理でしょ。(裏声)」
「にしてもお前、女になりきってるんだな。」
「まあ、仕事だし。役者だし。(裏声)」
「流石じゃねえか。」
にしても、この子供部屋おじさんはいつも映画のことで頭がいっぱいだな。普通ケバい集団見て、映画の構想を考えるか?しかもコメディー撮るタイプじゃないだろうに。
まあいいや、これで監督にもバレちまった。後はあかねくらいか………
「野島、ここで合ってんのか?」
「そうだぞ、山本。ここがかの有名な星野マリンが働く喫茶店だ。」
「待て待て、アレじゃね?」
「おっ、本当だ。」
そんなことなかったぁぁぁぁ‼︎なんと、野島たちが来店してきたのだ。