酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


第六章 第一次沖縄編
二十四杯目 初めての沖縄


  side ケバ子

 

 とうとうやってきた‼︎沖縄合宿の始まり‼︎

 

「あっつーい‼︎いかにも南国って感じ!椰子の木もあるし〜‼︎」

 

 映画やドラマで観たような景色ばかり‼︎こんなところに皆と来るなんて、本当に青春って感じ‼︎じっとしていられないほど、気持ちが昂る‼︎

 

「全く、沖縄ぐらいでテンション上がりすぎよ。」

「私はかなとは違って初めてなの‼︎」

 

 対照的に落ち着いているかな。その姿はまるで大物女優。というか私がこんな有名人と仲良くなって、一緒にいること自体が信じられない。

 

「愛菜、注目されてる。」

「ご、ごめん………でも……」

 

 思わず千紗に注意された。確かにテンション上がりすぎて、道行く人から笑われちゃった。でも…………

 

「「「「無事到着と地元ビールとの出会いを祝って、Vamos‼︎」」」」

 

 既に飲んで脱いでる人たちよりはマシかな。

 

「アレよりはマシでしょ。」

「あっちはもう他人だから。」

「ほんと、アホな連中ね。」ゴクゴク

「かなだってお酒飲んでるじゃん。」

「おっとつい。」

 

 超有名女優のはずのかなは、すっかりアル中になってしまった。あれだけ可愛らしかった子役も、今や立派なPaB会員(アル中)だ。

 

「そういやルビーとあかねは?」

「仕事あるから宮古島で合流だって。」

「かなだけ暇な感じ?」

「失礼ね。私もアンタらが泊まる貸別荘の隣で収録よ。」

「今ガチの収録見られるの⁉︎やった〜‼︎」

「残念ながら非公開よ。」

「いつも暇ってわけじゃないんだね。」

「海に沈めるわよ、千紗。」

 

 ちなみにルビーとあかねは後で合流。かなとも貸別荘に着いたら別れるので、実質有名人は途中まではアクアとmemちょ先輩だけになるのだ。流石は有名人。本当に大忙しだ。

 

「それで、貸別荘までのタクシーは来てるのか?」

「早く車に乗りたいわ。」

「いや、貸別荘まではレンタカーで向かう。」

「「えっ⁉︎」」

 

 そして、移動は当たり前のようにタクシーだと思ってる。流石は有名人。

 

「俺、免許なんか持ってないぞ。」

「私もよ。だいたい移動はロケバスかタクシーだから、自分で運転する必要無いしね。」

「そうだよな。」

「免許も無いの⁉︎」

「本当に俺たちとは感覚違うんだな。」

 

 しかも運転は自力でするものじゃないらしい。合宿費用とかも困ってなかったから、住む世界が本当に違うんだなぁ。チンスピだの、10秒で吐けるヤケ酒女だの、そういう行為しか最近は見てないから、久しぶりに新鮮な気持ちになれた。

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「というか、皆酒飲んでて誰が運転出来るんだ?」

 

 そして、アクアが当然の疑問を投げかける。確かに、皆が皆酒を飲んでしまった。すると、残り運転出来るのは…………

 

「私はまだ飲んでないけど。」

「私も!」

「私はレンタカーって知ってたから、飲んでなかったよ〜♪」

「流石です、memちょ先輩!」

 

 千紗と私とmemちょ先輩だけ。

 

「3人いるならよかったな。」

「車3台借りてたからな。」

「ラッキー!」

「ありがとな、3人とも。」

「「ど〜も〜!」」

「それじゃあ行きますかぁ〜!」

 

 ということで、私たちはレンタカーショップに向かうことになった。

 

「ちなみに、今回は後ろが広いオープンカーらしい。」

「ホントですか⁉︎」

 

 しかもなんと車はオープンカーという。これは楽しみだね‼︎

 

 

 

 

 そんなことを思いながら、レンタカーショップに着くと………

 

「じゃ、コレ乗ってくれ。」

 

 そこには2台の軽トラがあった。

 

「「「「なんでだよ⁉︎」」」」

「後ろが広いオープンカーなら、これしか無いぞ?」

「確かに後ろは広いけど⁉︎」

「オープンだけども⁉︎」

 

 これじゃあ地元で農作業してる時と変わらないじゃん‼︎大学に入って沖縄旅行とか、爽やかな青春要素盛りだくさんなのに‼︎なんで泥まみれの農作業と同じなのよ⁉︎

 

「ごめんなさい、私ATしか持ってないです。」

「私はMTあるから大丈夫です!」

 

 しかも多分私だけだよ、MT運転出来るの‼︎軽トラ1台に11人は流石に厳しいって‼︎memちょ先輩も超有名YouTuberで東京育ちだし、絶対MT持ってないでしょ…………

 

「私はMTと大型トラックとフォークリフトがあるから大丈夫〜♪」

「「「「流石です、mem(ちょ)先輩‼︎」」」」

 

 流石過ぎるでしょ⁉︎というか有名YouTuberがなんでそんなの持ってんの⁉︎企画で取ったとか⁉︎

 

「弟たちの学費稼いだ時に全部取ったのか?」

「トラックも倉庫バイトも時給良かったからね〜。」

「流石だな。」

 

 弟たちの学費まで稼いでたの⁉︎この人凄過ぎるでしょ⁉︎私もお姉ちゃんに欲しかったなぁ〜‼︎一家に一人、memちょ先輩だね‼︎

 

 

 

 

  side アクア

 

 俺は他の1年組+有馬と一緒に吉原カーで行くことになった。古手川姉と3年組はmemカーで、俺たちの先導として走っている。

 

 ちなみに運転手が吉原、助手席が古手川で、男3人と有馬が荷台だ。どうやらこの先の道路は全て私有地らしい。そんな金あんなら普通にオープンカー買えばよかったのに。

 

「案外これもいいな!」

「ケバ子の運転も全く問題ないし。」

「今度から私の専属運転手に雇おうかな?」

「かなだけに?」

「やっぱ無し。」

「え〜っ‼︎」

 

 そして、燦々と降り注ぐ日差しに晴れ渡る青空。南国の温かな風が綺麗な海からやってきて、俺の身体に当たったかと思えば、広大な緑の木々を揺らして去ってゆく。復讐ばかり考えてた頃からは、到底信じられない景色だ。

 

「あーくん、何考えてるの?私とのデートプラン?」

「警察4人の前で犯行計画立てるほどバカじゃねえよ。」

「危なかったね、2人とも。」

「もうすぐであかねに通報するところだった。」

「どうせなら清々しく死んでも良かったんだぞ?」

「墓は作ってやるからよ。」

「死んでたまるか‼︎」

「というか愛菜、アンタがデート権くれたんじゃない‼︎」

「それはだって、あの時はあかね知らなかったし……」

「知ったらひれ伏すんかコラ‼︎」

 

 そして、最近の雑な扱い。男たちからはチンスピ野郎と罵られ、女たちからは男だと思ってもらえない。復讐ばかり考えてた頃からは、到底信じられない景色だ。

 

 

 

 そんなことを思ってると、

 

「対向車が来るぞ‼︎」

「ヤバい、隠れないと‼︎」

「このシート、私は入るけどアンタらは大丈夫なの?」

「微妙だな。」

 

 対向車がやってきた。いくら私有地とはいえ、軽トラの荷台に4人は見られると怒られかねない。ここはとりあえず、シートに身を隠すか。

 

「ひぃ⁉︎」

 

 こうして、俺たちはシートの中に身を隠し、対向車は悲鳴と共に過ぎ去っていった。

 

「よしっ、問題ないな。」

「確かに今のなら、人が乗ってるようには見えないな。」

「死体を運搬している普通の軽トラにしか見えないもんな。」

「何やってんの〜⁉︎」

 

 これで大丈夫だろう。

 

 

 

 

 そんなこんなでしばらく車を走らせると、

 

「「「「着いた〜‼︎」」」」

 

 いよいよ貸別荘に到着した。

 

「俺たちはA棟だっけか。」

「そうね。今ガチがB棟だもの。」

 

 そして、ここで有馬とは一旦お別れ。

 

「おっ、かなちゃんとマリンちゃんが到着か。」

「マリンじゃねえよ、鳴嶋。」

「ケバっ子カフェ、良かったぞ。」

「姫川さん、俺のことじゃないのを祈りますよ?」

「とりあえず水着を着て写真を撮らせて欲しい。」

「ダメに決まってるだろ、不知火。」

「マリンは恥ずかしくて水着着れないタイプなの。」

「黙れ有馬。」

 

 有馬を今ガチ組に合流させた後、俺たちは自分たちの棟へと入ることになった。

 

 

 

 中に入ると、吉原が早速テンション上がってた。

 

「あの並びヤバくない⁉︎鳴嶋メルトに姫川大輝に不知火フリルに有馬かな‼︎」

「流石は映画オタクだな。」

「そういうアンタはアニメオタクでしょ。」

「男はどうでもいいが、生知火(なまぬい)フリルがヤバかったな。」

「変な言い方すんな。」

 

 吉原だけじゃなく、北原も謎にテンションが上がってた。大丈夫だと思うけど、ちょっとだけ心配だから、一応言っておこう。

 

「ちなみに今ガチの収録は非公開だからな?収録現場には行くなよ。」

「は〜い!」

「分かってるさ!」

 

 収録現場にファンが乱入して時間を取られたら、演者側も仕事が延びてイラつくからな。俺も絶対やられたくないし。

 

 

 

 皆が有名人ラッシュではしゃぐ中、ただ1人淡々と準備をしている女がいた。

 

「お前は本当にダイビングにしか興味無いんだな。」

「悪い?」

 

 古手川だ。

 

「いや、普通に接してくれるからむしろ嬉しい。」

「良かった、マリン。」

「前言撤回。マリンだけはやめてくれ。」

 

 有名になってしまったからこそ、普通に接してくれる非芸能人の存在は貴重だ。俺にとってもコイツらは普通に………いや、一部変だけど、普通の?友人として接してくれるからとてもありがたい。

 

「あと、あかねがマリンは男子部屋にしてって。」

「あかねが言わなくても普通そうだろ。」

「大丈夫?襲われたりしない?」

「襲われるわけないだろ。」

「「誰がこんなチンスピ野郎襲うか‼︎」」

「チンスピ言うな‼︎」

「千紗、マリンもといアクアは一応男だからね?」

「一応じゃない。れっきとした男だ。」

 

 ただ、もう少し丁重に扱ってほしい。

 

 そんなことを思いながら………

 

「そういや、あっちにプライベートビーチがあるって。」

「よしっ、行くか。」

 

 俺は男子部屋に行き、水着に着替える事にした。

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