酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
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今日の本誌まだ読めてないんですけど⁉︎早く読ませて下さい!


二十七杯目 毒殺

  side アクア

 

 ダイビングの筆記試験と実技練習が終わった後、俺はとんでもないことを耳にしてしまった。

 

「毒殺したらいいのか!」

「伊織、良い笑顔で何言ってるの?」

「ち、千紗⁉︎盗み聞きとは趣味が悪いぞ‼︎」

「毒殺ほどじゃないと思うけど。」

 

 北原が毒殺を企てていた。恐らく相手は俺か今村。ならば俺としても、対抗策を用意しなければいけない。

 

「mem、夕食の買い出し行ってくる。」

「今から皆で行くところだよ〜!一緒に行こ!」

「分かった。」

 

 とりあえず、俺はmemや他の皆たちと一緒に魚市場に行くことになった。

 

 

 

 

 魚市場に着くと、俺は早速目的のものを探し始めた。

 

「ねえねえあ〜くん、私とおしゃべりしよ〜♪」

 

 有馬と一緒に……えっ?

 

「有馬、お前収録どうした?」

「今日の分は終わり♪」

「そうか。なら他の人も連れてきてくれないか?」

「なんで?」

「俺が今お前と2人きりなの、あかねに丸聞こえなんだよ。」

 

 マズい、このままでは北原を殺す前にあかねに殺されちまう‼︎だから早いこと有馬をどけないと‼︎コイツは盗聴器絡みの事情を知らないはず。ならば教えるまで!

 

「それの何か悪いの?」

「このイヤリング、あかねからの盗聴器なんだよ。電流が流れるタイプの。俺が浮気すると電流が流れるんだ。」

「知ってるけど。」

 

 知っててこれかよ⁉︎

 

「知ってるなら離れてくれよ‼︎」

「い・や・だ♪」

 

 くそっ、またしてもご機嫌モードだ‼︎しかもコイツ図太いから、ずっといるつもりだし‼︎盗聴器無いならノってもいいけど、あるからダメだ‼︎

 

「あかね〜、聞いてる〜?私あーくんと、今からガチ恋始めるよ〜♪」

「始めんな‼︎」

 

 流石にあかねは電流を流してこない。八つ当たりしない分別はついているのだろう。だがどうする?このままだと、埒があかないぞ。そもそも俺は北原の毒殺のために、1人で動きたいんだ。コイツを巻き込むわけにはいかない。ならばこれしか………

 

 こうして、俺は………

 

「あーくん、どうしたの?もしかして照れてる?」

「有馬、後ろ振り向いてみ………?」

「黒川県警巡査部長の、吉原愛菜だ〜‼︎有馬かな、今から貴様を逮捕する〜‼︎」

「愛菜、声大きい………」

「げっ⁉︎」

 

 警察を呼んだ。すると、やたらノリノリな吉原と、めちゃくちゃ嫌そうな古手川がやってきてくれた。

 

「アンタら何しに来たのよ⁉︎」

「ほらほら落ち着いて〜、かな!とりあえずお水飲もっか♪」

「その水可燃性じゃない⁉︎私これからあーくんとデートなんだけど⁉︎」

「ごめん、かな。マリンは今1人で女装したい気分だから。」

「そんな気分ある⁉︎」

「無い。」

 

 悪いが有馬、少しの間だけ眠っててくれ。あと古手川、俺は女装したいって思ったこと、一度も無いぞ。ある感じじゃなく、本当に無いからな。

 

 そんなことを思ってると、

 

「そういやマリン、あかね側の盗聴器を聞くためのイヤリング持ってきた。」

「あの女、もう用意してたの⁉︎」

 

 古手川がとんでもない代物を持ってきた。まさかのあかね側を盗聴する機械である。昨日聞いたばかりなのに、もう届いたのか。まあ予め送るって決めてたのだろうな。

 

「これであかねといつでも会話できるね。」

「そ、そうだな………」

「くっそ、私がつけてやる‼︎」

「2人の惚気を年がら年中聞くことになるけどいいの?」

「やっぱ嫌‼︎」

 

 ということで、俺は呪いのイヤリング拡張パックを装備することになった。

 

 

 

 

 その後、俺はあかねと会話しながら、市場を練り歩いていた。

 

『アクアくん、これでずっとお話しできるね!』

『側から見たら、空想の彼氏に独り言呟いてるヤバい奴だぞ。やめとけあかね。』

『それは嫌だから、アクアくんが浮気しない保証が欲しいな〜。』

『身をもって示します。』

 

 しかし、毒魚っぽいのが全然無いな。未調理のフグとかあればいいのだが………

 

「えっと私は〜、」

 

 ん?あれは浜岡か。アイツは何を買うつもりなんだ………?

 

「オジサンが食べたいなぁ〜!」

 

 はぁ⁉︎魚屋のおじさんに向かって何言ってるんだ、コイツは⁉︎しかも一応太陽が出ている時間だぞ⁉︎場所もただの魚市場だし‼︎

 

『あかね、今の聞こえたか⁉︎浜岡がパパ活してるぞ‼︎』

『アクアくんの聞き間違いじゃない?疲れてるんでしょ?』

『そ、そうかもな………』

 

 きっと疲れているのだろう。昨夜は珍しく飲み会じゃなかったし。やっぱり慣れないことはするもんじゃないな。

 

 

 

 しばらく歩いていると、

 

「そうだな〜、俺は………」

 

 今度は時田に遭遇した。コイツは何を買うつもりなんだ………?

 

「浜崎の奥さんが欲しい。」

 

 人妻かよぉぉぉぉぉぉ⁉︎

 

『おい、聞いたかあかね⁉︎』

『うん、聞いたけど………?』

『あの人彼女持ちなのに、人妻に手を出そうとしてたんだぞ⁉︎』

『彼女持ちなのに女子大生と旅行しようとした人が言う?』

『その件につきましては申し訳ございません。』

 

 にしても、2回続けて聞き間違いをするとは………。らしくないな、俺。もっとちゃんとしないと………

 

 

 

 今度はしばらく歩いていると………

 

「ブッキー、アレがいいよね!」

「そうだな、mem。ここはアレだな。」

 

 一緒に買い物をする寿とmemがいた。コイツらだけは勘違いじゃないことを祈る………

 

「「肉付きの良い高校生を‼︎」」

 

 アウトォォォォォ‼︎

 

『あかね、アイツら売春してんだけど⁉︎』

『そんなことないと思うけど……』

『でも言ってたじゃないか‼︎肉付きのいい高校生って……っ‼︎』

『多分それ勘違いじゃない?』

 

 勘違い………?そんなことあるものか。今確かにこの耳で聞いたんだ。肉付きのいい高校生って。30歳が高校生に手を出すとか、どう考えても事案だろ。あかねは何をもって、勘違いだと言ってるんだ?

 

『全部魚の名前にあるんだって。』

『魚の………名前?』

『そうそう。調べると出てくるよ。』

『ちょっと調べてみる。』

 

 魚の名前か………。にしては変わりすぎだと思うけど。まずは………オジサン。スズキ目ヒメジ科。髭のある顔が特徴。本当にオジサンみたいな魚だな。次は浜崎の奥さん。キンメダイ目イットウダイ科。煮付けが美味しいらしい。確かにおばさんみたいな顔してる。そしてコウコウセイ………キツネウオの別名だったのか。

 

『確かに出てきた。』

『でしょ!』

 

 流石はあかね、よくこんなことまで知ってたな。ということは、俺が買おうとしているヤツも、何か手がかりを知ってるかもな。ただ、復讐に巻き込むわけにはいかない。ここは俺1人で、魚を買うことにするか。

 

 

 そして、俺はやってきた魚屋で………

 

「「一口で成人が昏倒するような毒魚を一匹。」」

「ねえよ、そんなもん。」

 

 まさかの北原と鉢合わせする羽目になった。

 

「北原に星野……お前ら何を買おうとした⁉︎」

「バカじゃないの⁉︎」

 

 更には、それを今村や吉原に見られる羽目になった。

 

 

 

 

 貸別荘に戻ると、俺は北原や今村と喧嘩した。

 

「人の買い物を覗き見とは趣味が悪いぞ‼︎」

「毒魚を買おうとした奴らが何を言うか⁉︎」

「絶対また何か変なこと企んでるでしょ‼︎」

「俺はお前らを守るために、北原を毒殺しようとしたんだぞ。感謝しろよ。」

「テメェふざけんな‼︎」

『アクアくん、ルビーちゃんに言っておくね。』

『待ってくれあかね‼︎また俺が事務所に再送還されちまう‼︎』

 

 また給料減ったら御免だしな。せっかくあかねは女関係以外寛容なのに、ルビーが厳しいという地獄的な状況。こういう時は有馬に頼るしかないな。

 

「有馬。」

「何、あーくん……結婚してくれるの……?ヒック……///」ぐびぐび

「いや、なんでもない。」

 

 ダメだ、もう(スピリタス)を飲んでいる。コイツは手遅れだ。いざとなった時は怒られる道連れにでもするか………

 

 

 

 その後、俺たちはペアで料理を一品作ることになった。時田と寿ペア、浜岡と奈々華ペア、今村と吉原ペア、北原と古手川ペアだ。有馬は今ガチの棟に戻ったので、俺の相手はまさかのmemとなった。

 

『頼むあかね、殺さないでくれ。』

『事情全部聞こえてるから大丈夫だよ〜!』

『良かった……』

「あかねも大変だね〜!」

「そこは俺じゃないのか?」

「アクたんが浮気するからでしょ〜?」

『本当だよ!』

『その通りですね。』

 

 とりあえずあかねからの電流は免れた。マジでこのイヤリング心臓に悪いな。一応あかねにも電流を流せるけど、俺自身への電流を避けられるわけじゃないし。なんとかしたいものだ。

 

 まああかねは置いとくとして、今は飯を作るか。

 

「で、俺たちは何を作るんだ?」

「みんな大好きお手軽おつまみ、たこわさだよ〜♪」

「なるほどな。」

 

 たこわさか。これなら調味料と称して北原を毒殺できる。例えば料理酒にスピリタスとか………

 

「ちなみに私がレシピ考えた*1から、それ通りに作ってね。」

「わかった。」

 

 は出来なかった。

 

 

 

 しばらくmemの指示に従ってると、

 

「そういや〜、アクたんはPaBに入って楽しい〜?」

 

 PaBのことについて聞かれた。まあコイツに誘われたもんだしな。ここは正直に言ってやるか。

 

「頭痛いし記憶無いし服は無いし気持ち悪いし、いつの間にか俺の扱いが雑になってる点を除けば完璧だな。」

「そっか!それは良かったね!」

「人の話聞いてた?」

「うんうん聞いてたよ〜!」

 

 コイツはどうやら酒で脳が縮んだらしい。30はまだボケ始める歳じゃないだろ。まあこのサークルに2年もいればそうなるか……

 

「でもアクたん、前に比べて楽しそうな顔増えたよね!」

「どこがだ?」

「なんかずぅ〜っと難しそうな顔してたからさ〜。」

「今はアホ面だとでも?」

「そうは言ってないでしょ〜!すごく楽しそうって意味!」

「そうか………?」

 

 まあ確かに、1人で張り詰めることは減った気がする。こんな何も考えてない馬鹿たちがいる中で、1人うだうだ悩んでるのが無駄に感じるというか、ずっと遊んでるから復讐のことを考えなくなるというか………。そもそも夜に1人部屋に篭り復讐計画を立てようとしてたのに、その夜が毎晩酒で消えて無くなっているからな。memがそう感じるのも無理はない。

 

「私はアクたんが楽しそうだから、誘って良かったって思ってるよ!」

「そうか………」

 

 俺は一体どうなんだろう………?こういう生活も、アリ………なのかな?もっと楽しんでいい……のかな?珍しくその日の夜は考え事をして、北原を殺すことも忘れ、時間が過ぎていった。

*1
なんか料理できそうなイメージあるので。母子家庭で母ちゃん倒れた後とか作ってそう。

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