未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
side アクア
俺たちが宮古島に着くと、
「無事着いたみたいだな。」
「ようこそ、宮古島へ。」
他の先輩らが先に着いていた。どうやら先に現地入りしていたよう。まあ俺たちが別行動だったのは1年のライセンス講習のためだしな。教師役にそんな大人数はいらないとの判断だったのだろう。
そして、ここで更にメンバー追加。
「やっほ〜!星野ルビー、到着!」
「兄様がやらかさないよう、監視にきました。」
「お兄ちゃん、久しぶりやな〜!」
「みなみ、久しぶりだな。」
「妹トリオォォォォォ‼︎」
「耕平君は相変わらず元気だね〜!」
まずはルビーと栞と寿みなみ。今村御用達の妹トリオが羽田からの飛行機でやってきた。
「げっ、栞かよ………っ!」
「兄様、なんでそんなに嫌がるのです?やましいことでもあるのですか?」
「伊織はやらしいことしてたもんね。」
「フリル、変な事を言うな。」
「はぁ?」
「栞、怒るな。」
そして、今ガチの収録を終えて休みになった不知火。変に北原と仲良い影響で、栞が嫉妬する事に。
もちろん、今ガチの収録を終えたのは不知火だけではない。
「や〜、休みって最高ね!これであーくんと堂々とデート出来るわ。」
「ダメだよかなちゃん。アクアくんは私のものなんだから。」
「チッ!アンタはずっと仕事してたら良かったのに!」
「かなちゃんと違って私は忙しいの!」
「殺されたいのかしら、あかね⁉︎」
有馬もそう。時々乱入こそしてきたものの、基本別行動だった。それが収録を終えて、今日からPaBに合流。そして鬼神・黒川あかね。彼女も仕事を終えてやってきた。
「あかね、このイヤリング外していいか?」
「ダメ。一回外したらつけ忘れるでしょ、アクアくん。」
「そんな事………ねえよ?」
「思ってない感じじゃん。」
俺の行動を完璧に予想してくる。ホント美しくも恐ろしい女だ。
それはさておき、宮古島には恐ろしい伝統行事がある。その名はオトーリ。酒を使った行事なのだが、現地の人の飲みっぷりがあまりにもすごいので、宮古人お断りなんて看板を出している店もあるくらい。もしかしたらうちのサークルのことだし、現地人と合同でやる可能性もなくはない。そうなったら最後………俺の肝臓は無くなるだろうな。
そんな事を思いながら歩いていると………
『PaB関係者お断り!』
とんでもない看板が出てきた。
「「「アンタら昨日何やったんですか⁉︎」」」
「「さあな〜。」」
これで一つ分かった事がある。うちのサークルは宮古人よりヤバい。サークル単位で出禁とか聞いた事ないぞ。そんな連中が酒がヤバいで有名なオトーリをやるんだ。きっと碌な目に遭うわけがない。ここはなんとしても、宮古島を脱出しないとな。
ダイビングスポットに向かう船で、俺は1人作戦を立てていた。すると………
「浮かない顔だね、お兄ちゃん。」
「アンタ船酔いでもしたの?」
ルビーと有馬が声をかけてきた。
「いや、船酔いはしていない。」
「じゃあアレだ!お義姉ちゃんと喧嘩したとか!」
「私は喧嘩してないわよ。」
「ロリ先輩は彼女じゃないでしょ。」
「うっさいわね‼︎私が将来あかねから奪うっつーの‼︎」
どうやら俺の企みはバレていない様子。ならいいか。
「お義兄ちゃん、ルビーちゃんに何を企んでるんだ?」
「ルビーには何も企まねえよ。」
なんか今村までやってきた。コイツアホだな。俺がさりなちゃんもといルビーに何かするかっつーの。仮にも元患者で現妹。絶対にあり得ない。
「じゃあ私とイケナイ事しちゃう感じ〜?きゃ〜、アンタ変態よね〜♪///」
「そんなわけないだろ、有馬。」
「もうちょっと恥じらいなさいよ‼︎」
もちろん有馬にも何かするつもりはない。コイツは俺が推してるアイドル的な存在であって、恋愛対象じゃない。推しに手を出すのはファンとしてあってはならない事だからな。
「コイツは黒川に電流を流される定めだからなぁ。」
「そんな残酷な運命はやめてくれ。」
「それに重曹、お前が手を出したらお前まで感電するぞ。」
「あーくんと一緒に痺れるなら本望よ。」
「覚悟決まり過ぎだろ。」
「ドM極まってるね〜、先輩!」
にしても、俺があかねに敵わないという認識が、最近PaB全員の共通見解になりつつある。俺としてはそんな事無いと言いたいのに。アイツが強すぎるのが悪い。
side ケバ子
私は今伊織と一緒に、船の上から海を眺めているよ〜!
「おお〜!すげぇスピード!」
「風がすごく気持ちいいよね!」
煌びやかな南国の海を駆け抜ける爽やかな風。それを大好きな人と一緒に感じる喜び。
「ん?なんだ?」
「か、顔近いから……っ‼︎///」
急に顔を近づけられて、思わずそっぽを向いてしまう。急に彼の体温を感じるようになったから。その独特の温かさが、思わず私を高揚させる。ああ、もっと感じたい………
「これ、ノーパンならもっと爽快感出たね。」
「うるさいフリル‼︎」
はずなのに‼︎人がせっかくセンチメンタルになってるのに、この女はいつもそう‼︎
「兄様、この人大丈夫なのですか?」
「俺の友達だぞ?大丈夫なわけあるか。」
「心外だね、伊織。私はいつだって平常よ。」
「栞ちゃん、このお姉さん危ないから気をつけてね。」
「分かりました。」
「分からなくていいからね?とりあえずお姉さんとあっちに行こうか?」
「コラそこ‼︎」
ただでさえ伊織には千紗がいて大変なのに……っ!フリルまで参戦したら、それこそ私に勝ち目は無いじゃん‼︎嫌だよ、かなと一緒に失恋ヤケ酒コンビにさせられたら‼︎
「そういや耕平君、この間言ってた魔法少女ららこたん観たんだけどさ〜!」
「どうだったか、お義兄ちゃんのお勧めは⁉︎」
「ららこたん、ちょ〜良かった!あのあどけない可愛いさの中に信念を曲げない強さ!私今まで二次元には興味なかったけど、これはアリだね!」
「分かってくれたか、義妹よ‼︎」
ルビーも最近耕平と仲良くなりつつあるし!あの子元々オタっぽいところあるから、気が合うとは思ってたけども‼︎このままじゃマズいよ、私とかなだけ置いてかれる‼︎かなについてはあかねもいるから、一概には応援出来ないけど‼︎
そんな事を思いながら、私は海を眺めていた。
side アクア
神秘的で幻想的な海の中で、俺はついにある作戦を思いついた。その名も逃避行大作戦。逃亡の上で最大の難敵となり得るのがこの女、黒川あかね。恐らく逃げる俺を捕まえるのは朝飯前だろう。しかし奴は得意分野俺であると同時に、苦手分野も俺である。つまり………アレしかない。
陸に上がった後、俺はあかねを呼び出した。
「あかね、ちょっと話があるんだが……」
「なに、アクアくん?」
「奇遇だな、
「ねえ伊織、耕平。金属バットの持ち方ってこれでいいの?」
「合ってるぞ、重曹。これで奴を一思いに‼︎」
余計な連中にまで目をつけられたが、すぐにどかすか。
「先輩ら、今村と北原と有馬がオトーリから逃げようと………」
「それはいけないな。」
「大の大人が酒から逃げるなんて、恥ずかしくないのか?」
「「「貴様ぁぁぁぁぁ‼︎」」」
「俺も後で行くんで、よろしく。」
これでよし。
ということで、俺はあかねと2人きりになった。
「それで、アクアくん?私を呼び出してどうかしたの?///」
明らかに赤面しているあかね。きっと何かを期待しているのだろう。そうだ、お前は今から酒から逃れられるんだ。あのズキズキとした痛みから。あのムカムカとした二日酔いから。
「2人で行きたいところがあるんだ。」
「分かった………///」
そして、俺はあかねを連れて………
「あれ、空港…………?」
「そうだ。」
宮古島空港まで向かった。
「もしかして帰るの………?」
「美ら海水族館に行こうと思ってな。本島行きの飛行機、まだあるだろ?」
「間に合うのかな……?空港からかなり離れていたけど……」
「間に合わなかったらどっか適当なとこ泊まって明日行けばいい。」
「ほ、ホント……⁉︎///」
行き先は沖縄でも有名な水族館……ということにして本島へ。流石にいきなり羽田は怪しまれるし、もし奴らが迫ってきた時に本島から他地方に逃げる選択肢を残したい。幸い本島へはこれが最終便だから、ギリギリ乗れば奴らは今日中には来れないだろう。そう、あかねの弱点は俺。つまり俺が一緒に何かすれば、己の持つ恋心で勝手についてきてくれる。だからこそ俺の逃避行の味方になってくれるのだ。もちろんあかねとしても俺とのランデブーは悪くないはずだし、win-winの作戦だろう………
「アクアにあかね。ごめんね。今から貴方たちは私と一緒にオトーリするの。」
なんだと………っ⁉︎この声は………っ⁉︎
「み、みやこさん⁉︎」
「斎藤社長………?」
みやこさんが空港から出てきたんだけど⁉︎なに、これ、どういうこと⁉︎
「私PaBのOGでね。アンタらもいるし、久々に合宿に参加することになったわ。」
「マジ………で?」
「マジよマジ。まあアンタと違って、二日酔いの中一限に出席してたけどね。」
「嘘………だろ……」
この人、あそこのOGだったんかよ………。だからこのサークル紹介されたのか……。確かに若い男の裸見られるから入った、とか言われても不思議じゃないが………。くそっ、最初からグルだったのか‼︎
「ということで、皆でオトーリするわよ‼︎」
「は、はい‼︎」
「嫌だ………」
ということで、俺は強制送還されてしまったのだった………