酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


三杯目 部屋づくり

  side アクア

 

 北原が3日連続部屋に戻らないもんだから、流石に古手川姉が心配してた。

 

「伊織君、昨日部屋にどのくらい入ってたの……?」

「………3秒です。」

「ちなみに荷解きは………?」

「………まだです。」

「今日は荷解き終わるまで、ここに居てもらうからね。」

「奈々華さんの言う通りです。分かりました。」

 

 ちなみに俺も当然まだだ。こっちの保護者、memは案外はっちゃけてもいいっしょ的なスタンスなので、俺は怒られずに済んでいる。

 

「ということで、今日の飲み会は不参加です。時田先輩、寿先輩、mem先輩、いいですよね?」

「まあ仕方ない。」

「伊織は不参加か〜。」

「残念だよ〜!」

 

 ただ、これを利用した北原は自分の肝臓を守る動きを取る。奴がその気なら、俺も乗るしかないな………

 

「すまん、俺も荷解きがあるから………」

「アクたんはそんなことしなくていいよ〜!」

「アクたんはそんなことしなくていいぜ〜♪」

ああ?

 

 memだけじゃなく北原まで俺の肝臓を蔑ろにしやがって‼︎memは楽しんでいいよ、くらいのニュアンスだからまだしも………北原は完全にざまあみろのニュアンスだ。お前がくたばれ。

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「残念だな。今日は青梅女子大との交流会だったのに………」

 

 時田先輩が言った言葉が………

 

「奈々華さん、行かせてください‼︎」

 

 北原の服を脱がせた。

 

「お前何してんだ?」

「見て分からねえのか‼︎奈々華さんに誠意を込めてお願いしてるんだ‼︎」

「ならなんで全裸なんだよ?」

「裏表の無い誠意を表す為‼︎隠し事が無いことを示す為‼︎」

「もう少し隠せよ。」

 

 相変わらず頭の頭の悪い奴だ。ちなみにそれを見た古手川妹がゴミを見るような目で見ている。確か北原と従兄弟らしい。可哀想だな。俺だったら、ルビーが見てる前じゃ絶対こんなことしねえぞ。

 

「とりあえず、今から荷解きしてきます‼︎」

「そ、そうだね………そしたら考えてあげる………」

 

 とりあえず、北原は荷解きをするようだ。さてと、俺もしれっとこの場を離れるか………

 

「アクア、お前も手伝え‼︎俺を騙してぴえヨンの裸送りやがって‼︎」

「俺は大人気YouTuberの半裸としか言ってないが?」

「くそっ!普通あの口調ならmem先輩のだろうが⁉︎」

「俺が持ってるわけないだろ。」

「きゃ〜、アクたんのエッチ〜♪」

「お前までからかうな。」

 

 それは出来なかった。まあ、これはこれで肝臓が守られるからいいか。俺は女子大との交流会とかあんま興味無いし。本当は少しあるけど、mem経由であかねにバレたら大変なことになるし。だからこれが丁度いいだろう。

 

 

 

 ということで、俺は北原の部屋にやってきた。

 

「俺だけが合コンに行けないのは不平等だよなぁ?」

「別に行かなくていいよ。興味無かったし。」

「お前斜に構えるタイプの陰キャだろ?」

「陰キャで悪かったな。」

 

 そして、アイツのもう一つの理由が分かった。コイツ本当にクズだな。俺だけコイツに手伝わされるのも嫌だし、もう1人呼ぶか〜。

 

「ところで北原、このままだと今村だけ女子大と交流会することになるが……いいのか?」

「気づかせてくれてありがとう、アクア。危うく抜け駆けされるところだったぜ。」

 

 ということで、今村も召喚することにした。

 

 

 

 

 数分後、今村がやってきた。

 

「星野、男の半裸が送られてくるなんて聞いて無いぞ‼︎」

「その件はとっくに終わったぞ、今村。いいからさっさと北原と俺の荷解きを手伝え。」

「しれっとお前の分まで加えるな。」

 

 ということで、早速荷解きを始めることにした。

 

「んで北原、お前がこうなった原因はなんだ?」

「実はかくかくしかじかでな………」

「なるほどな。なら荷解き以外にも、プラスアルファが必要だろう。」

「確かに。」

 

 確かに、古手川姉は荷解きをしたら考えてあげる、と言った。なら荷解き以外に彼女を説得する何かが必要………今村の言う事はもっともだ。

 

「そうだ。」

「どうしたアクア?」

「お前が自立した1人の男だと、アピール出来ればいいんじゃないか?」

「んな事言われてもなぁ………」

 

 どうやら北原は不安な様子。俺も正直まだ、いい案が思いつかない。

 

「ならば俺が手本を見せてやろう。北原が1人の立派な大人の男だと分かる部屋を作ってやるよ。」

 

 だが、耕平に案があるらしい。

 

「俺も協力する。」

「ありがとう……耕平、アクア‼︎」

 

 ということで、俺は今村と一緒に、北原の部屋作りをした。まあ今村の考えだし、ミスってもアイツのせいにすればいいだろ。

 

 

 

 

  side 伊織

 

 今村と星野からLINEが来た。ついに完成した、と。よしっ、これなら奈々華さんのチェックを受けられる‼︎女子大に行ける‼︎

 

「えっ?もう荷解き終わったの?」

「はいっ!パパッとやっちゃいました!」

「流石は男の子、力があるのね‼︎」

「俺だってもう自立した大人ですから‼︎」

 

 そして、意気揚々と扉を開けた先には…………

 

 

 

 

 

 

 

 アダルトグッズまみれの部屋が待っていた。

 

「い、伊織君も……男の子………だもん……ね!///」

「違うんです、これは‼︎」

 

 最悪だ。こんな部屋一面中エロポスターだのAVだの煩悩にまみれてたら、奈々華さんに勘違いされるだろ‼︎つーか赤面して出たっちゃったし‼︎

 

「おいど畜生ども、帰ってこい‼︎」

「どうした北原、俺と星野の完璧な部屋作りが失敗したのか?」

「むしろどうしてこの部屋見せて成功すると思ったんだ、耕平‼︎」

「エロ本を見つけた母親はよく、『大人になったわね。』という反応をするだろう?」

「それは意味が全然違うんだよ‼︎」

 

 耕平は頭ポンチだし‼︎

 

「だから言っただろ、今村。俺はあれだけ止めたのに……」

「ノリノリだったじゃねえか、星野。」

「お前も共犯だからな、アクア‼︎」

「言いがかりが過ぎるな。」

 

 アクアはクズだし‼︎

 

「じゃあどうして欲しいんだ?」

「普通でいいんだよ‼︎初めて一人暮らしする大学一年生が作るような普通の部屋を‼︎」

 

 俺はただ普通の部屋を望んでただけなのに………………っ‼︎どうしてこんな事になるんだよ‼︎

 

「分かった、なら俺に策がある。」

「本当か、アクア?」

「ああ、任せとけ。」

 

 とりあえず、さっきは耕平の案だからダメだったんだ。次はアクアの案。頼んだぞ………

 

 

 

 

 下で待ってる間、俺はmem先輩と一緒にいる奈々華さんに再会した。誤解を解くなら今のうちだ‼︎

 

「奈々華さん、さっきの説明をさせてください‼︎」

「ううん大丈夫。私は気にしてないから。」

「いいえ、そういう問題ではなく‼︎」

「それにさっき色んなお友達に電話で聞いたら、伊織君くらいの男の子なら普通のことだって。」

「それ、俺の不名誉が拡散されてません?」

 

 最悪なことに、俺の部屋が煩悩まみれなのが広まってしまった。

 

「ギャハハハハ!いおりん面白いね〜♪」

「面白くないですよ!」

「大丈夫大丈夫、むしろ可愛いくらいくらいだよ〜!」

「可愛くないですって……」

「別にいおりんのこと嫌いになったりしないから、安心してね〜♪」

「ありがとうございます………」

 

 しかもmem先輩には爆笑される始末。なんとか誤解を取り戻さねば‼︎

 

「とにかく、さっきのアレは耕平とアクアの悪ふざけなんですよ!」

「あっ、そうなんだ。」

「アクたんもはっちゃけるようになったね〜。いいことだ!」

「良くないですよ。とにかく今は普通の部屋になってます!安心して下さい!」

「どれどれ〜、それなら見せてもらおっか♪」

 

 ということで、俺は再び奈々華さんとmem先輩を案内することにした。

 

 そして、再び部屋の扉を開けると…………

 

 

 

 

 

 アニオタグッズ丸出しの部屋が待っていた。

 

「どこが普通の部屋なんだぁぁぁぁぁ⁉︎」

「お〜、いおりんもアニメ好きだったんだね〜♪」

「違います違います‼︎これは誤解です‼︎」

「エッチな絵は変わってないんだね……///」

「これも違います‼︎」

 

 くそっ、星野愛久愛海め‼︎アイツを信じた俺がバカだった‼︎

 

「おいアクア、耕平‼︎出てこいや‼︎」

「どうした北原、普通の大学生の部屋だろう?」

「何が普通なんだよ、アクア⁉︎」

「これは実際の大学生の部屋を再現したんだ。そこにいる今村耕平って大学生のな。」

「コイツは普通じゃねえだろ‼︎」

「心外だな。北原はこのららこたんの魅力が分からないのか⁉︎」

「分かんねえよ‼︎」

「仲良いね〜、3人とも!」

「「「良くない(です)‼︎」」」

 

 何しれっと、俺はまともです、みたいな顔して喋ってんだよ‼︎全然まともじゃねえからな‼︎

 

「俺はな、これとは正反対の部屋を望んでるだよ‼︎」

「正反対、だとっ⁉︎」

「ならBLか………」

「性別の問題じゃねえ‼︎」

 

 コイツらを頼った俺がバカだった。今度は自分の手で、部屋を作ってみせる‼︎

 

 

 

 

  side アクア

 

 北原はどうやら俺の案も今村の案も気に入らないらしい。memと古手川を返した後、北原は作戦を説明し始めた。

 

「とにかくもう後がない。なんとかして奈々華さんの気に入る部屋を作る必要があるな。」

「あの人の気に入る部屋か………」

「そう簡単に作れたら苦労しないんだが……」

「できるできないじゃなく、やるんだ‼︎」

「会社員か、お前は。」

 

 そういや、前世でもいたな、そんな感じの奴。俺が研修医の時に無理難題ばかり言ってきたあのおっさん。懐かしい。

 

「んで、何か考えはあるのか?」

「もちろん。奈々華さんに気に入られる部屋は………ずばりこれだ‼︎」

 

 そう言って北原の言うことに従った結果…………

 

 

 

 

 古手川妹の顔写真にまみれた部屋が完成した。

 

「なあ北原、流石にこれは違うと思うぞ?」

「これはもう完全にストーカーだな。」

「いいや、これで合ってる‼︎奈々華さんならこれで理解してくれるはず‼︎」

 

 古手川姉が重度のシスコンなのには驚いたが………だからといってこれはねえだろ。いくらリョースケでもこんな部屋じゃなかったと思うぞ。俺もルビーによくシスコンって言われるけど、こんな部屋見たら速攻でぶっ壊す自信あるし。だからこれは失敗……

 

「伊織、お茶。」

「ち、千紗…………」

 

 したな。見事に古手川妹の方が現れ、北原の評価は地の底に落ちたのだった。のだが…………

 

 

 

 

 

 

「「こんな結末、望んでねえぇぇぇぇ‼︎」」

 

 なんとコイツまで俺と同じく離れに、しかも俺と同じ部屋にぶち込まれることになった。

 

「ある筈なんだよ‼︎俺のプライベートが、どこかに‼︎」

「俺の部屋をめちゃくちゃにした罰だ、星野‼︎」

「なら今村も一緒にすべきだろ‼︎」

「アイツの部屋の家賃分までは払えないからな‼︎」

「現実的な理由出すな‼︎」

 

 こうして俺のプライベートは無くなり、北原との同棲が始まったのだった………

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