酒の子   作:スピリタス3世

31 / 123
この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


三十一杯目 オトーリ Part2

  side 伊織

 

 アクアめ、実の妹すらも誑かすとか、本当に最悪な女たらしだな。

 

「栞、アクアみたいな女たらし捕まったらダメだぞ?」

「兄様よりはマシに思えますが。」

「そんなことはないだろ。」

 

 とりあえず殺しといてよかった。幸いコイツPaB最弱の酒の弱さだから、すぐ潰れるんだよな。どんな飲み会でも、いつも真っ先に脱いで寝てるか吐いて寝てるかのどっちかだし。

 

 そんなことを思っていると………

 

「伊織、ちょっと来て。」

「なんだ、フリル?」

 

 俺はフリルに呼び出されたので、一旦席を外すことにした。

 

 

 

 

 部屋の外に向かっている間、俺はフリルが何を考えているのか考えていた。一体何の用だろうか?もしかして俺に告白?いや、ないない。それじゃあなんだ?mem先輩関係?それとも一体………?

 

「みなみを脱がせるのに協力してほしい。」

 

 考えは俺と同じだった。

 

「分かった、野球拳だな。」

「その通り。ちょっと強めのお酒を飲ませながら野球拳すれば、絶対脱いでくれるはず。」

「なるほど、それであのGカップボディを拝めるわけか。」

「今はHになったらしいよ。」

「マジか、それは是非とも見たいな。」

「だね。」

「ちなみに酒には?」

「自信あり。」

「よしっ!」

  

 ということで、俺はフリルと協力して寿みなみのボインボイン参拝計画を実行することになった。

 

 

 

 まずは作戦第一段階。それは俺とみなみが仲良くなること。

 

「みなみ、紹介したい人がいるの。」

「えっ、何ぃ〜フリルちゃん?まさか彼氏〜?///」

「違う。私の新しい友達の伊織。」

「どうも、北原伊織です!よろしくお願いします!」

「ど〜も〜!うち、寿みなみ言います。あん時以来やな〜!」

「そうだな、伊豆春祭以来だな!」

「よろしゅうお願いします〜!」

 

 フリルがみなみの高校の同級生ということをきっかけに繋がる。こうして難なく2対1の構図を取れると言うわけだ。みなみは伊豆春祭でこそ会ったものの、その時はろくに会話をしてなかったからな。

 

 次に作戦第二段階。

 

「早速だけど、みなみは今日お酒飲めるの?」

「せやで!珍しく飲もうかと思っててん。お祭りみたいなもんやからな〜。」

「おお、流石。」

「ありがとな!」

「いやいや〜、うちが楽しいから飲むんやで〜!」

 

 しれっと飲酒を勧める。彼女はグラビアという仕事柄あまり飲まないらしい。ならばどんちゃん騒ぎで飲みたい気分にさせるまで。幸い元から向こうもそのつもりだったようで、ここは順調にクリアした。

 

 さてと、第三段階といこうじゃねえか‼︎

 

「みなみ、このお酒飲んでみない?甘くて美味しいよ?」

「カルーアミルクって言ってな!普段飲まない人でもおすすめだぞ!」

「おおきに〜♪」

 

 次に出すのはカルーアミルク‼︎いきなりスピリタスといきたいところだが、流石に普段あんまり飲まない層にあの水はキツい。だから甘いお酒で誘惑する作戦だ。しかもこのカルーアミルク、甘い割に度数が高い。フリル曰く、芸能界でよく男が女潰して持ち帰る時に使う酒らしい。ちなみに俺たちはあくまで野球拳をするだけ。流石に襲うのはまずいからな。安心安全というわけだ。

 

 そんなことを思ってると………

 

「でもええの?PaBの人らって、水しか飲まんのちゃうん?うちもそのつもりやってんけど………」

 

 まさかの本人から自己申告。恐らく兄から聞いたのだろう。本人も水を飲む気満々だったと。どうやら何にも知らないみたいだ。どうする?最終段階、スピリタス野球拳いっちゃう?

 

「………」チラッ

「………」コクッ

 

 フリルと目を合わせる。どうやらいったほうが良さそうだ!

 

「よし分かった!それなら水にしよっか!」

「みなみ、安心して。一緒に飲も。」

「気ぃ遣ってたんやな〜!心配せんでええで〜!おおきに〜!」

 

 さぁ、身ぐるみ剥がさせてもらおうか‼︎

 

 

 

 

 しかしその数分後、異常事態が発生した。

 

「「くっ………」」

「それにしても、久々の水は旨いな〜♪」

 

 みなみの様子が一向に変わらないのだ。俺やフリルは既に酔いが回っていて、野球拳しようにも難しい状態。だが奴の様子は変わらない。もしや、燃えない水を飲んでいるのか⁉︎

 

「みなみ………ちょっとみなみの飲んでいい?」

「フリルちゃん、ええで〜!」

「ありがと………」

 

 自信があったはずのフリルも酔っている。流石にスピリタス初心者にはキツいか。もちろん慣れている俺にもキツいが。まあここはみなみの燃えない水を飲んで、リラックスと………

 

「うぐっ………!」バタン

 

 なんだとっ⁉︎フリルが……倒れた⁉︎一体何を飲まされたんだ⁉︎

 

「だ、大丈夫、フリルちゃん⁉︎これ変なもの混ぜてもうた?」ゴクッ

「みなみ………」

「ちゃうな〜、家の飲み会で飲む水の味やな〜。」

 

 毒ではないだと⁉︎本人が今目の前で飲んで証明して見せたから、人体に害は無いと考えられる。じゃあさっきのは一体……っ⁉︎フリルはなんで倒れたんだ……っ⁉︎

 

「なあなあ、伊織君も飲んでみて〜?この水おかしないよね?」

「あ、ああ………」ゴクッ

 

 ぐっ………これはっ‼︎濃縮された………(スピリタス)の味っ‼︎ヤバいっ、意識が………っ‼︎もってかれる………っ!

 

 

 

 

  

  side アクア

 

 俺は激しい吐き気と共に目を覚ますと………

 

「あかん!2人とも死んでもうた!」

「「zzzzz」」

 

 そこには不知火と北原の死体のそばで慌てるみなみがいた。

 

「どういう……ことだ?」

「アクアくん、助けて〜!2人が〜!」

「どうせ酒飲んで潰れただけだろ。」

「せやけども〜!間違うてうちの酒飲んでもうた!」

 

 そうか、PaBに慣れてない人は慌てるか。俺たちにとってはいつもの光景すぎて、何も驚きはしないが。新入りのはずの不知火がその一部になってることにも、もはや違和感が無くなっている。ただ、間違えてうちの酒………?

 

「みなみ、お前の飲んでるヤツはなんなんだ?」

「濃縮したスピリタスやで〜!よう分からん新技術で、96%より高いの作ったらしい!」

「マジか………」

 

 特濃スピリタスかよ‼︎そりゃ死ぬに決まってるわ‼︎

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「この2人、みなみさんを酔わせて野球拳しようとしてました。」

「本当にバカな連中だなぁ〜。」

 

 栞と寿兄が状況を説明してくれた。

 

「アホだな、コイツら。」

「ですよね。本当に馬鹿兄様過ぎて笑えます。みなみさんが普段飲まないからといって、お酒に弱いとは限りませんし。」

「みなみは俺の妹だぞ?弱いはず無いだろうが。」

 

 どうやらみなみを潰して野球拳しようとしたみたいで、返り討ちに遭った様子。流石は寿の妹。酒の強さも兄譲りか………

 

「俺の妹言うても、お兄ちゃんお酒弱いもんなぁ〜。」

 

 は?

 

「そりゃまあ、家族の中ではな。」

「家の飲み会でいっちゃん先に潰れるもんな〜。」

「これでも前よりは強くなったんだぞ?」

「ホンマに〜?」

 

 嘘だろ………?兄貴より強いのかよ、コイツ。兄貴も大概おかしいのに。そりゃ2人がかりでも勝てないわけだ。

 

「ほんなら勝負だ、みなみ‼︎俺の実力を見せてやる‼︎」

「ええでええで〜♪」

 

 そうして、寿兄妹の酒対決が幕を開けた。もちろん俺がこの化け物同士の対決に混ざれるはずもなく、栞を避難させる形で2人から離れることになった。

 

 

 

 

  side 寿兄

 

 くそっ………また完敗だ………。みなみ強過ぎだろ………。久々に吐きそうだ…………。とりあえず、離れたところにあるトイレまではやってきたけど………

 

「おやおや〜、またまた介抱が必要な子がいますね〜♪」

「mem………」

 

 そんなところをmemに見つかった。なんとも恥ずかしい。

 

「そっち行くから待ってて、ブッキー!」

「ああ、すまない………」

「いいって〜!」

 

 こうして、俺は久しぶりにmemに介抱されることになった。

 

「にしても久しぶりだね〜。ブッキーが潰れたのって、1年生の冬以来じゃない?」

「かもな………」

「あの時はトッキーも梓ちゃんもよく潰れてたな〜。皆お酒に慣れたものよ!」

「お前は………いつもこうして介抱してたな………自分はあんまり飲まずに………」

「そうだっけ〜?歳くってるから忘れちゃった〜♪」

 

 俺たちも1年の頃はまだ水への耐性が今ほどなく、飲み会で潰れる事が多かった。そんな時にmemはにゅるりと現れて介抱し、寝かせてはまた他の人を介抱しに動いてくれていた。最初の頃は同級生に心配ばかりかけて大丈夫か、不安で仕方がなかった。

 

「にしても、これが最後の合宿だね〜。」

「そう………だな………」

 

 それが今となっては慣れに慣れた。いつしか自分も介抱する側に周り、水の魅力を発信する側となった。そしてもうすぐ、別れの時を迎えようとしている。

 

「私がブッキーと居られるのも、あとどのくらいかな〜?」

「そんな、悲しいこと言うなよ………」

 

 memとだって、サークルで会うことも無くなる………。もしかしたら、会わなくなるかもしれない………そんなのは………嫌だ………。いずれ大学は卒業しようとも、この先もずっと………

 

「ずっと俺と………、一緒にいてくれよ………○○……」

「急に本名呼ぶとか、ずるいよブッキ〜!///」

 

 暗い夜の中で、眩しい月明かりと可愛らしい彼女の顔に照らされながら、俺は深い眠りへとついた。

 

 

 

 

 

  side アクア

 

 地獄のような飲み会の次の日………

 

「福引?」

「引いてみようぜ、北原。」

 

 俺たちは宮古島の商店街で福引をしていた。

 

「それじゃあまずはアクア(おれ)から。」ガラガラ

 

 ものは試しに、運試しといこうか。

 

「えっと………ハズレです。ティッシュです……」

「草。夜な夜な使えよ!」

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 見事に外れた。しかもコイツの前で。最悪だ。

 

「よしっ、じゃあ次は俺の番‼︎」ガラガラ

 

 だからお前も外れろ、北原‼︎

 

「1等です‼︎おめでとうございます‼︎」

「しゃあ‼︎」

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 当たりやがった‼︎しかも1等‼︎ふざけんなよ‼︎なんでコイツが幸運なんだよ⁉︎許せねえ‼︎

 

「如月グランドパークのペアチケットをプレゼントします‼︎」

「遊園地のペアチケットだ‼︎よっしゃぁぁぁぁ‼︎」

 

 しかし、遊園地のペアチケットか〜。しかもよりにもよって、如月グランドパークの。確かここを訪れたカップルは幸せになれるというジンクスがあるらしい。あるどころか、そういうジンクスを作るために、あの手この手で結婚させようとイベントを仕掛けてくる場所だ。

 

「伊織、私は絶対に行かないからね。」

「千紗、断るの早過ぎだろ‼︎」

 

 まあ、コイツには必要ないからハズレみたいなもんか‼︎ざまあみやがれ‼︎

 

「まあいいや。これは誰かにあげるとするか〜。」

 

 ということで、せっかくの1等の景品を誰かにあげることになった。

 

「お前の両親にでもプレゼントすんのか?」

「いや。知り合いに結婚を前提にお付き合いしている人がいてな。その人にあげようと思ってるんだ。」

「そうなのか。」

 

 それにしても、伊織の知り合いにそんな人居たんだなぁ。まあいいや。その人たちが幸せになれることを祈るか。そんなことを思いながら、沖縄合宿は幕を閉じた。




推しの子勢の酒強さです!

弱:アクア ルビー カミキ 監督
中:あかね メルト 鏑木 その他多数 (ケバ子)
強:重曹 フリル 姫川 (伊織 耕平)
龍:memちょ みやえもん (時田 寿)
神:みなみ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。