酒の子   作:スピリタス3世

38 / 123
この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


三十八杯目 Second Round シャルピー衝撃試験

  side アクア

 

 今日は材料力学の実験。またあのウザい准教授と会わなければいけないのだが………

 

「ようマリン、今日も可愛いな!」

「似合ってるぞ、そのワンピース!」

「本当に可愛いと思う……w」

「うるさいぞ、アンタら………っ‼︎(裏声)///」

 

 授業後すぐマリン名義の仕事のため、女装して出るハメになった。ニタニタと笑う北原、今村。そして笑いを堪える古手川にはいつも手を上げそうになる。

 

「しかし、マジで男だと分かんねえな。」

「もうチンコとっちまえよ‼︎」

「タイに行く金はあるんだろ?」

「俺の………初恋………」

「だから黙って………っ‼︎(裏声)///」

 

 もちろん野島らにも。

 

 ちなみにクラスの他の連中はマリン=アクアだと気づいておらず、久々に出席したとのことでやたらテンションが上がっている。中には盗撮する奴まで。正直嫌は嫌なんだが、注意するのもめんどくさいので放置している。

 

 

 

 そんなことを思っていると…………

 

「貴様ら、静まりたまえ。実験の時間だ。」

 

 万年准教授がやってきた。どうやらコイツは俺を見ても何も思わない様子。それはそれでどうなんだ。もっと気持ち悪がるとか、惚れるとかあるだろうが。

 

「それでは本日は………シャルピー衝撃試験を行う。」

 

 そんな准教授は何事もなく、普通に実験の説明を始めた。

 

 

 

 シャルピー衝撃試験………要はハンマーを落として試験片にぶつけさせ破壊、その後どのくらい振り上がるかを測定する実験だ。この高さから試験片の破壊に用いたエネルギーを算出する。名前の割にはえらく単純な実験だ。計算式も単純だし、今回のレポートは楽勝だろ。

 

「随分余裕そうだな、お前たち。」

 

 そんな油断しきってる俺たちを見て、ニヤニヤと話しかけてくる准教授。相変わらず気持ちの悪い笑顔なのだが、何か怪しい。一体何を企んでいるのか………

 

「そりゃそうですよ!」

「この前のテスト見たでしょう?」

「俺たちは成績優秀なんですから!」

「こんなの高校レベルの物理だぜ!」

「俺たちにはレベルが低すぎるよなぁ。」

「間違える方が難しいくらいだ!」

 

 そんなことも全く察せず、油断しまくる北原たち。

 

「ほほう、つまりこの程度の実験でミスはしない、と。」

「「「「「「勿論です!」」」」」」

「そうかそうか。」

 

 そしてそれを見て、更に笑顔になる准教授。これはマズいな。早いとこ北原たちから距離をとるか。幸い今の俺は女装中。だから女の古手川と組んでも問題ないだろう。

 

「古手川、今日は一緒に実験していい?私女子だし……(裏声)」

「私はいいけど………」

 

 ついでに色々おしゃべりでもするか。古手川とももっと話してみたかったし。ダイビングとかの話にもってけば、色んなところに行く(断じてデートではない)も可能だろう………

 

「あかねはいいの?」

 

 ちょっと待て………あかねを出すのは………

 

『ダメだよ。』ビリビリビリビリ

「あぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 くそぉぉぉぉぉ‼︎なんでだよ‼︎俺はただ准教授のイタズラから逃げたかっただけなのにぃぃぃぃぃ‼︎ついでに古手川と色々したかっただけなのにぃぃぃぃぃ‼︎

 

「では助手よ、アレをもってこい‼︎」

「「「「「アレ………?」」」」」

 

 こうして俺は、北原たちと一緒に実験を受けるハメになった。准教授は何やら道具を使うようだが、コイツに助手なんていたのか?人望のなさから、逃げられてるはずだが…………

 

 

 

 そんなことを思ってると…………

 

「座布団に重みを感じる………」

 

 目の前に信じられない人物が現れた。カミキヒカル、まさかの復讐相手だ。芸能事務所の社長で、アイを殺すようリョースケに仕向けた人物。伊豆の近くに出没したと聞いたが、まさかこの准教授の助手だったとは………

 

「…………」ニコッ

 

 しかも俺を見た瞬間に笑いやがった。この野郎、そんなに俺の女装がおかしいか……っ⁉︎ちょうどいい機会だ、殺してやる………っ‼︎

 

 

 

  

  side カミキヒカル

 

 アレが星野マリン………実物もとても美しい。まるでアイドルじゃないか。これは殺すに値するな。

 

 

 

 

  side アクア

 

 さてと、カミキヒカルを殺すか………

 

「それではこの座布団を股間に当てて………成績優秀者ならば、股間をハンマーで痛打しない高さを計算できるだろう?」

 

 殺されるのは俺だった。

 

「これもう罰ゲームじゃねえか‼︎」

「芸人でももう少し優しい機械でやるぞ‼︎」

「B小町んちんのちんちんが無くなったらどうするんだ⁉︎」

「別によかろう。全員股間(それ)を使う機会があるわけでもないし。」

「「「喧嘩売ってんのかコラ?」」」

 

 残念ながら俺には使う機会がある………のはおいといて、これはマズいな。カミキに復讐する前に殺されかねん。なんとしても守らないと‼︎

 

「試験回数は四回。一度でも試験片を破壊できなければ、単位は与えんからな。」

 

 そして、俺の班メンバーは北原、今村、山本。試験片の破壊失敗が無理ならば、日和った高さで挑戦することは落単につながる。つまり………

 

・1回目 データが無いので念のために間違いなく破壊できる高さで

・2回目 1回目のデータを元に測定誤差を考慮し、若干下げた高さで

・3回目 測定誤差のデータも考慮した高さで

・4回目 3回のデータを用いてギリギリの高さで

 

 

 1回目は確実に死ぬ‼︎

 

 

 もちろん、できるだけ後ろの方が股間を痛打する可能性は低い。だが4回目を確実に取れる保証はない。だがしかし、1回目だけは避けなければならない。となると、北原、今村、山本のうち誰かを縛り付ける他あるまい。この中だと…………フィジカルの弱い今村だな。

 

「皆、今村でいいんじゃない?(裏声)」

「何故だ⁉︎」

「三次元に興味がないからか?」

「確かに、それもあるけど………1番は3人でかかれば拘束させやすいからだね。(裏声)」

「「一理ある。」」

「無いだろ!それに星野の方がいいとは思わないのか⁉︎」

 

 奴は命乞いをしているが、問題ない。とっとと取り押さえて、さっさと股間を破壊するか…………

 

「命乞い?大人しく諦めた方が………(裏声)」

「奴は女だ‼︎だから股間にダメージなど無いだろう‼︎」

「「確かにっ‼︎」」

 

 なん…………だとっ⁉︎あの野郎、とんでもないことを言いやがった‼︎しかも周りに人がいるこの状況、否定しにくいだろうが‼︎

 

「マリンは女の子だもんなぁ〜。仕方ないもんなぁ〜w」

「いや、女でも痛いから‼︎(裏声)」

「男のチンコの痛みを知らないから言えるんだw」

「マリンちゃんだから、しょうがないよね〜w」

 

 くそっ、どうすれば………っ!いや、待てよ?女だからこそ、暴力を反対させることが出来るのでは?アイツらは童貞、その情に訴えることが出来たのなら…………

 

「皆、女の子に暴力を振るうつもり⁉︎(裏声)」

「男女平等、酒パンチ‼︎」ガッ

 

 くそっ、北原のやつ、俺に酒を飲ませてきやがった‼︎なんで持ってんだよ⁉︎くそっ、これじゃあ酔いが回る…………っ‼︎

 

 

 

 

 

 目が覚めると、俺は処刑台ことシャルピー衝撃試験に取り付けられていた。

 

「放して、アンタたち‼︎(裏声)」

「チッ!」

「目を覚ましやがったか!」

 

 とても反応が友人に対するそれではない。明らかに処刑対象への扱いだ。

 

「実験の準備を急ぐぞ‼︎」

「「はい‼︎」」

 

 

 ってそんなことを思ってる場合じゃない‼︎早くしないと死んでしまう‼︎

 

「機材準備できました‼︎」

「測定準備OKです‼︎」

 

 マズいマズい‼︎早く脱出しないと‼︎鎖をなんとか外して………くそっ、外れん‼︎

 

「よしっ、実験開始‼︎」

「やめろぉぉぉぉお前らぁぁぁぁ‼︎(地声)」

「一同、英雄に敬礼‼︎」

 

 マズい、チンコが潰れたら…………本当にマリンになっちまうじゃねえか‼︎

 

 

 

 

  side 伊織

 

 見事ハンマーはアクアの股間にヒット。やはり150°は高すぎたようだ。

 

「にしても相当な悶えっぷりだな。」

「アイツチンコでかいからな。当たり判定デカいとキツいだろ。」

「お前ら、なんでサイズ知ってるんだよ………?ただの友達………だよな?」

「「友達同士なら野球拳するだろ?」」

「しねえよ‼︎」

 

 野球拳に疑問を投げかける山本は置いといて、アクアは当たり判定がデカい。日頃はデカさが妬ましいほどだったが、今回ばかりはざまあみろという気分だ。

 

「嘘………だろ………?星野マリン………お前まさか…………?」

 

 ちなみに、何故か助手の人が異様にショックを受けていた。きっとマリンに惚れてたのだろう。残念ながらそいつは男だ。しかも酒飲んで全裸になり、チンコにスピリタスをハメるようなアホだ。

 

「君たち、彼をもう一度実験台にしなさい。」

 

 そんなことを思っていると、助手が俺たちに素晴らしい提案をしてくれた。これはこれは、受け入れるしかないな。

 

「「「喜んで‼︎」」」

 

 こうしてマリンもといアクアはまたすぐ死ぬハメになった。

 

 

 

 

 

  side アクア

 

 俺は2度の死刑の後、友人を次々とシャルピー衝撃試験で殺害した。本当は4回までなのだが、准教授に無理を言って5回目をやり、ちゃんと人数分殺した。マジで痛かったんだからな。お前らもちゃんと味わえよ。

 

 そして、俺の復讐すべき相手はまだいる。

 

「教授、俺たちが間違っていました!」

「実験舐めてすんませんでした、教授!」

「俺たちに材料力学を教えて下さい‼︎」

 

 まずは准教授、コイツは正しい答えを知ってるから、先端におもりでもつけてずらしつつ、ダメージを増やせばいいだろう。

 

 そしてもう1人…………

 

「何?僕の純情を弄んだ女装家君………?」

 

 カミキヒカルだ。因縁の野郎がまさかこんなくだらないところに現れるとはな。これは好都合だ。

 

「僕は彼ほど馬鹿じゃないからね。帰らせてもらうよ。」

「させるかぁ‼︎」

「暴力ね、そういうのはどうなのかなぁ⁉︎」

 

 咄嗟に出した俺の拳をカミキは避ける。しかし本命はこれじゃない‼︎もう片方の手から放たれる………

 

「オラァ‼︎」

「くそっ、この匂いは………スピリタスっ‼︎」

 

 酒‼︎更には酔った一瞬の隙を狙い………

 

「くらえっ、呪具‼︎」

「お前、こんなものを鼻にはめて、どうするつもり………っ⁉︎」

『あかね、俺有馬とデートしてくる。』

『は?何言ってるの、アクアくん?』ビリビリビリビリ

「あがががががが‼︎」

 

 あかねからもらった盗聴器付きイヤリングを鼻につけ、電流を流す。こうして俺はスピリタスと電流の二段構えでカミキヒカルを気絶させ、シャルピー衝撃試験に取り付けることに成功した。あとは簡単な話。

 

「無駄だね、マリン君。僕はおもりを付した後の高さも知ってるから。」

「無駄なのはお前の喋りだ。お前がなんと言おうと、俺がおもりつきで180°にすればいいだけの話だからな。」

「なん………だとっ⁉︎」

 

 相手は動けないんだから、一思いに殺してしまえばいい。こうしてカミキヒカルは、300gのおもりを高さ73cmから落とした衝撃と同じくらいのダメージを、股間で受けることになったのだった。




お久しぶりです。更新が遅くなってすいません。今後もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。