酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


四十杯目 Fourth Round 潜入大作戦 Part1

  side アクア

 

 慌ただしい1年生前期も終了し、いよいよ夏休みがやってきた。2ヶ月という長期休暇。前世の頃は散々遊び倒したが、今世ではそうもいかない。星野アクアとしての仕事と、星野マリンとしての仕事。その両方を適度にこなす必要があったため、思ったよりも忙しい夏休みとなっていた。

 

 

 そんな中夏休みが始まって1週間が経ち、俺たちは違和感を覚えるようになった。

 

「なぁ今村、一部の先輩ら変じゃないか?」

「変なのはいつものことだろ。」

「いや、そうじゃなくて。」

 

 まず、体力バカであるはずの先輩が弱っていた。エナドリ片手にフラフラと歩く姿は、まるで生まれたての子鹿のよう。

 

 次に、一部のゴツい先輩らが急激に痩せ始めた。肉がすっかり削ぎ落とされ、残ったのは骨と皮だけ。

 

 そして極め付けは…………

 

「寿、今日飲み会やるんだが………」

「すまん、今日は無理だ。」

 

 寿竜次郎が飲み会を断った事だ。

 

 

 

 俺たちはこの異常事態の原因を究明すべく、緊急作戦会議を開いた。

 

「この異常事態の原因を究明しようと思うんだが………」

「「異議なし。」」

 

 メンバーは俺、今村、あかね、有馬。ルビーは古手川をダイビング映画の撮影見学に連れ出してるため不在。吉原は帰省。そして北原は何故か不知火と一緒に吉原の実家に向かったため不在だ。

 

「異常事態って………アクアくん大袈裟な………」

「何も分かってないわね、黒川あかね。」

「飲み会来ないくらい普通じゃないの、かなちゃん?」

「いや、これはかなりの異常事態だ。」

「あの人らにとって、飲み会は生活の一部だからな。」

 

 あかねだけは事の深刻さを分かってない様子。

 

「例えばお前が、」

 

 それを察した今村が分かりやすく説明するみたいだ。

 

「星野アクアを飼っていたとする。」

「例えがおかしいだろ⁉︎」

「そうね、飼い主はあかねじゃなくて私だし。」

「そういう問題じゃねえ‼︎」

「おかしい、確かにな。例えじゃなくて実話だし。」

「違えよ‼︎」

 

 コイツに期待した俺がバカだった。有馬もバカな事言ってるし。俺があかねの尻に敷かれてるわけ………ねえだろ?

 

 まあいい、ここは俺が代わりに説明するか………

 

「話が逸れたが………例えばあかね、お前が犬を飼ってたとして………」

「その犬がご飯を食べなくなるレベルって事?」

「その犬が息をしていなかったら………?」

「そんなレベルの話なの⁉︎」

 

 ようやく事の深刻さを分かってくれたようだ。

 

 という事で、俺たちは原因を究明する事にした。

 

「とりあえず、俺に考えられる原因を挙げてみた。

①病気

②スゴイ病気

③ヤバい病気

④性病  」

「落ち着け今村、4つ挙げてるぞ。」

「私には一つに見えるけど………」

「奇遇ね、私もよ。」

 

 寿竜次郎はモテる。それ故に色んな女との経験も多いだろう。聞くところによると彼女が居ない*1上に、バーテンでバイトしてるとのこと。閉店まで潰れてた女を持ち帰るなど容易だろう。

 

「でもこの間、こんなやりとりをしてたから病気じゃないと思う。」

 

 そんな事を思ってると、名探偵あかねが推理をしてくれた。

 

『随分痩せたな、寿。』

『ああ。週にたったの10時間でこれだよ。』

 

 確かに、これなら病気じゃなさそうだ。

 

「週に10時間………?」

「何かのダイエットのようだな。」

 

 会話の内容からして、むしろ健康的になってそう。しかし、それがこの異常事態に繋がるか………?

 

「私分かったかも!ダイエットしてるから、お酒も控えてるのかな?」

「アンタホントバカね。お酒飲めば吐いて痩せられるでしょ。」

「バカなのはかなちゃんでしょ⁉︎そんな危険な痩せ方したらダメ‼︎」

「「「危険…………?」」」

「私には3人の方が異常事態に見えるけど…………」

 

 あかねはどうやらまだPaB度が足りない様子。後でたっぷり酒を飲ませてやるか。

 

 

 

 

 そんな事を思っていると…………

 

「「「よう、お前ら…………」」」

 

 死にかけの寿と他の先輩らがやってきた。明らかにダイエットじゃないのが見てとれる。

 

「先輩ら、何してたんだ?」

「まさか、3人で盛り合って………っ⁉︎」

「違えよ耕平。最近選択の特別講義で忙しかっただけだ。」

「「なるほど………」」

 

 なんだ、選択の特別講義か。研究室体験とかいうヤツだな。恐らくブラックな研究室に配属されたのだろう。医学部は研究室よりは研修医の方が地獄なため俺はそんなに経験してないが、同期の理学部の奴はヤバかったな。家帰るの夜2時とか言ってたっけ。ならば先輩らのやつれ方にも納得がいく。

 

「そういやお前らも同じ学科だったよな?」

「一応機械工です。」

「俺も。」

「なるほどな。だったら見学に来てみないか?」

 

 そして、見学の提案。これは恐らく地獄への誘いだろう。いずれ手伝わさせて酷使しようというのが見てとれる。

 

「今から教授に顔覚えてもらえば、配属の時有利だし………」

「単位落としそうな時も助けてもらえるかもしれないぞ。」

「行きます‼︎」

「なんだか大変ね。」

「今度研究者の演技する時の参考にします!」

 

 それを知らない今村は嬉々としている。絶対こき使われるのが確定しているのに。有馬は全くピンときていない様子。そりゃそうだ。知らない世界の話だもの。あかねは好奇心と向上心が旺盛なのはいい事だが、やはり地獄を知らずに答えているみたい。お前ら、残念だったな。俺は仕事を盾に、悠々と断らせてもらうか………

 

「すまん、俺は仕事が忙しいからパスで………」

「………ちなみに有馬と黒川………」

「「はい?」」

 

 先輩らが有馬とあかねにコソコソ話しかけている。一体何を………?

 

「………星野を連れてきたら、長期間寝食を共にできるぞ………」

「「連れて行きます‼︎」」

 

 おい、このクソ野郎‼︎何しれっとヤバい事言ってるんだ⁉︎コイツらに俺を拉致させるとか、人の心が無いのか⁉︎早く逃げないと、確実に死ぬ‼︎

 

「すまん、用事を思い出した………」ガッ

「行かせないわよ、あーくん?」

「研究室デート、しよ?」

「ついでにそのまま死んでくれぇ‼︎」

 

 くそっ、あっという間にあかね達に捕まってしまった………。強すぎだろ、コイツら………。こうして、俺は地獄の研究室に連行されたのだった。

 

 

 

 

 辿り着いた先は、通称ホワイト研。なんでも学生から人気らしい。ブラック臭がするのに、人気あるなんて事があるのか?疑問の答えは、すぐに分かった。

 

「ようこそ、右代宮(うしろのみや)研究室、通称ホワイト研へ‼︎」

「「()()しか合ってねえぇぇぇぇぇ‼︎」」

 

 例のクソ准教授の研究室だった。ブラック過ぎて、鍛えられた学生が企業からの評判がいいのだろう。だから就活でも上手くいく。最悪のシステムだ。思わず今村と声が合っちまったよ。

 

「先輩、ここにどれくらい泊まるんですか?」

「週に一回………」

「週一でアクアくんとお泊まり………///」

「家に帰れる。」

「「えっ?」」

「「クソかよぉぉぉぉ⁉︎」」

 

 しかも週一でしか帰れない。地獄のエンドレスナイトの幕開け………

 

 いや、待てよ?ここは例の准教授の研究室なら………奴に復讐が出来るはずだ。しかも週六でほぼ居られる。またとない機会じゃねえか‼︎

 

「そういや教授、例の助手は……?」

「貴様は助手が大好きだよな?安心しろ、今日の夜10時くらいに来るぞ。」

「ありがとうございます。」

 

 よしっ、これで確実に仕留められる。待ってろよ、カミキヒカル‼︎今日がお前の命日だ‼︎

*1
ブッキーとmemちょの関係は本人たち以外誰も知らない




memちょの過去編見て、本作とめちゃくちゃ相違が出てしまい困惑しておりまする。
どうしよう………
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