酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。



第九章 今からガチ遭難始めます編
四十二杯目 同窓会 in 無人島


  side アクア

 

 いよいよ、今ガチメンツで無人島キャンプに行く日がやってきた。

 

「アクアくん、絶対粗相しちゃダメだよ?」

「心配するな、あかね。俺は大丈夫だ。」

「例えばお酒を飲んで服を脱いだり、野球拳を持ちかけたり……」

「待ってくれ、あかね!それくらいはいいだろ‼︎」

「ダメったらダメ‼︎」

 

 あかねはいつにも増して厳しい。どうやらPaBでの俺を出しすぎると今ガチメンツに引かれると判断したのだろう。ルビーとミヤコさんに言われたのもあるだろうが。全く、そこまで心配することじゃないのにな。

 

「あかねも大変だね〜。」

「お前がPaBに誘わなけりゃ、こんな事になってないんだが。」

「そんな事…………ないよ?」

「思ってる感じじゃねえか‼︎」

 

 幸い、俺をこうした戦犯のmemも今日は一緒。しかも奴は2年もこのサークルに居続けてるから、世間常識との乖離が激しいだろう。だからまず最初にボロを出すのはコイツだ。その後でなら、いくらやらかしてもmemのせいに出来るだろう。

 

「ひとまず、皆もう船の前にいるからちゃんとしよう!」

「そうだね!」

「ああ。」

 

 ということで、俺はあかねとmemを連れて無人島行きの船へと乗った。

 

 

 

 

 船着場では、早くも3人とも着いていた。

 

「よう、お前ら。」

「ひっさしぶり〜!」

「流石アクア、両手に華だな〜‼︎」

 

 ケンゴは相変わらずクールな感じ、鷲見は元気そうだがしたたかそう、そしてノブユキは相変わらずアホそうだ。本当に変わってないな。

 

「やめろノブユキ、あかねをいたずらに刺激するな。」

「大丈夫だよ、アクアくんが二股したらすぐ分かるから!」

「怖いな〜、おい!」

 

 恐らく盗聴器のことも知らないのだろう。すぐ分かるが比喩ではないなんて、普通の人間からしたら分からないもんな。お前らの結婚指輪に盗聴器がついてるようなもんだ。

 

 そんなことを思ってると、

 

「それじゃあ皆、出発〜♪」

「「「「「おー!」」」」」

 

 memの合図と共に、俺たちは無人島行きの船に乗った。

 

 

 

 無人島はかなり近く、船に乗って1時間ちょいで着く事になった。

 

「到着〜!」

「メッさんは相変わらず元気だね〜!」

「若い子たちには負けてらんないからさ〜!」

「流石memちゃん!」

「俺らももうガキじゃないけどな。」

「20代なんて若造よ〜‼︎」

「さ、30もあまり変わらないと思うよ!」

「ありがと〜、あかね〜!」

 

 それにしても、なんかいいな。久しぶりにこういう清涼で綺麗な空間にいる気がする。普段全裸で暴れる連中と一緒にいたからか、はたまた己の利益のために人を平気で売る連中と一緒にいたからか………。騙し合い、脱がし合いの無い、穏やかで平和な空間。

 

「ああ………いい………」

「どうした、アクア⁉︎」

「急に泣き出すとか、大丈夫か?」

「あかね、なんか知ってる?」

「い、いや、何も………大丈夫、アクアくん?」

「あ、ああ。大丈夫だ。」

 

 まるで二日酔い中に味わう味噌汁のような、そんな暖かさがあった。

 

「とりあえず、テント作ろっか!」

「「「「「おー!」」」」」

 

 そんな中で作るテントは、日頃の地獄とは打って変わって、とても楽しかった。

 

 

 

 テントを作ると、俺たちは早速水着に着替える事になった。

 

「それじゃあ、女性陣はテントの中で着替えるね〜!」

「了解。」

 

 女性陣が中で着替えるみたいなので、俺たちは外で着替える事にするか…………

 

「よいしょっと………」

「「いや、待て待て‼︎」」

 

 そんな事を思いながら服を脱ごうとしたら、急にケンゴとノブユキに止められた。

 

「どうした、お前ら?なんかおかしかったか?」

「ああ。」

「ここ外だし!」

「それがどうした?外でも別にいいだろ。」

「いくら無人島とはいえ、他の人に見られたらどうする?」

「どうせ全部脱ぐんだから関係なくね?」

「待て待て、全部は脱がないだろ‼︎」

 

 2人が謎に焦っている。そんなに変な事でもあるのか?俺にはよく分からなかったが、とりあえずテントの中で着替えろ、との事だろう。ならばこうするしかないな………

 

「おいあかねたち、今から俺らもそこで着替えるぞ。」

「いや、ダメだよアクたん⁉︎」

「どうしたの、急に⁉︎本当に大丈夫⁉︎」

「アクアくん、骨何本折ればいい?」

「いや、そういうつもりじゃないから、あかね‼︎」

 

 危うくあかねに殺されかけたので、この案は没になった。

 

「本当にお前大丈夫かよ………」

「さっきから変だぞ………」

「memとあかねが普通なら、俺も普通なんだけどな………」

「「は?」」

 

 それにしても、あの2人が何も言われずに、俺だけがめちゃくちゃ言われるのが地味に腹立つ。同じPaBなら彼女らも言われて然るべきなのに。くそっ!あかねはともかく、なんでmemはボロを出さないんだ⁉︎

 

「とりあえず、男子テントを作って、そこで着替えるぞ。」

「ケンゴ、一緒にアクア連れてくぞ〜‼︎」

「おう。」

「そこまですることか?」

「「ああ。」」

 

 とりあえず、俺は仕方なく男子テントで着替える事になった。

 

 

 

 テントから出ると、そこには絶景が広がっていた。綺麗な海を背景に、砂浜を走る3人の水着美女たち。モデルで綺麗な身体の鷲見、三十路とは思えない若々しい身体のmem、そしてどんな言葉でも褒めたりないほど美しいあかね。これは俺の脳内メモリに鍵付き保存しておかないとな…………

 

 

 

 

「悪い子供は悪い大人になったみたいだね。」

 

 そんな中現れた中年男性の水着。汚らしいったら汚らしい。脳内メモリにウイルスが侵入してしまった。

 

「お前、なんでここにいるんだよ⁉︎」

 

 今ガチの時のスタッフだ。しれっとくたびれた声で、あかねたちの中に混ざってやがった。確かにコイツも今ガチメンツだが、呼んだ覚えがない。

 

「実は1人で無人島旅行に来てたら、帰りの船を無くしてな。」

 

 どうやら本人もボケが進行しているらしく、定刻になれば来るはずの帰りの船を無くしていた。

 

「酒でも飲み過ぎたか?船は時間通りに来るだろ。」

「それがな………」

 

 そう言いながらおっさんが見せたSNSには、こんな事が書かれていた。

 

『今から大学時代のサークルでガチ飲み始めます‼︎帰りに仕事あるけど、ブッチするぜ〜‼︎』

 

 ただの普通の怠惰なおっさんのSNS。これのどこが………いや、待て。この顔、さっき見たぞ………?

 

「船の運転手が酔って仕事しないだと。」

「なんだと⁉︎」

 

 その正体は、無人島へ行き来する船の運転手だった。

 

 こうして、俺たちは無人島にて、今からガチ遭難を始める事になった。

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