酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


四十三杯目 原始人

  side アクア

 

 運転手のおっさんが酒飲んで仕事ブッチ。このせいで、俺たちは無人島で遭難するハメになった。

 

「ど、どうしよう………」

「とりあえず、おじさんの酔いが覚めるまで待つ?」

「なら配信で盛り上げるぞ〜‼︎」

 

 女性陣は割と予想通りの反応。あかねが不安になり、鷲見が冷静に分析し、その間をmemが盛り上げる。

 

「なんだよ、仕事サボりって‼︎ずりぃ、俺もやりてえ‼︎」

「そしたらお前も悪い大人になってしまうぞ?」

 

 ノブユキとおっさんもある意味予想通りの反応だった。まあ現実には遭難じゃなくてサボりなだけだし、最悪一泊すれば二日酔いのおっさんが迎えに来てくれるということが、皆を明るくさせているのだろう。

 

 そんな中、神妙な面持ちで何かを考える男がいた。

 

「酒…………いや、まさかな。」

 

 ケンゴだった。コイツは作曲のヒントでも得ているのか?いや、そんなことは無いだろう。流石にそこまで呑気じゃないはず。とりあえず聞いてみるか。

 

「どうした、ケンゴ?何か思い当たる節でもあるのか?」

「実はこの辺(伊豆)は俺の地元なんだが………」

「マジか。」

 

 ケンゴが伊豆出身なのは初めて知った。だが、今それが関係あるのか………?

 

「いつも裸で宴を踊るが如くバカ騒ぎする大学生の集団がいてな………」

 

 なんだと…………っ⁉︎まさか、あのおっさんは………っ⁉︎

 

「その様子から、地元住民は皆原始人って呼んでるんだ。もしかしたら船の人もそこの出身かも。」

 

 間違いない………。あのおっさんはPaBのOBだ‼︎きっと久々に寄ったら昔を思い出したんだろう‼︎

 

「原始人⁉︎ヤベェ集団じゃん、それ‼︎」

「お酒飲んで裸になってるとか、怖いね。」

「噂ではこの辺はマスコミがことごとく酒で潰され記憶喪失になってるとか………原始人ならあり得るなぁ。」

 

 ノブユキに鷲見、それに悪いおっさんもPaBに恐れをなしている。これはマズい‼︎俺がもしそこに所属してるってバレたら、絶対軽蔑される‼︎

 

「あかね、mem、ちょっとこっちに来てくれ。」

「「言われなくても分かる。」」

「頼んだぞ。」

 

 幸い、memとあかねも運命共同体。地元民に原始人呼ばわりされてる集団に自分らが所属しているとか、バレたら一生の恥だからな。

 

 ということで、俺は無人島でPaBだとバレずに遭難するハメになった。

 

 

 

 

 しかし遭難といっても、時間が経てばおっさんは迎えにやってくる。だから俺たちは普通に遊ぶ事にした。ビーチフラッグに砂山崩し、ビーチバレーにぐるぐるバットと。

 

「久しぶりに遊ぶと楽しいな。」

「だな‼︎遭難してるの忘れそうだぜ‼︎」

「やっぱ無人島来て良かった〜♪」

 

 ケンゴにノブユキ、鷲見たちは普通に遊んでいる。とても俺たちがアル中だとは気づいてなさそうだ。

 

 そんなことを思ってると、

 

「よし、次は変わった遊びをしてみるか。お前らも大人だし。」

 

 プロデューサーのおっさんが何やら提案をするみたいだ。俺たちが大人。だとすると…………

 

「あかね、これは仕方のないことなんだ。」

 

 これは浮気ではないな。

 

「そっちの大人じゃないと思うよ。」ポチッ

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」ビリビリ

 

 くそっ、あかね様の判定は黒かよっ‼︎ちゃんと人妻(鷲見)には手を出さないようにしたのにっ‼︎

 

「なんだ黒川。星野は俺の予想通り浮気性なのか?」

「そうです。本当に困ってます。」

「お前に何が分かるんだよっ………!」

「いや、分かりやすいぞお前。」

 

 おっさんに知ったかぶられたのがマジで腹立つ。後でスピリタスでシバいてやるか。

 

 にしても、何のゲームを提案しようとしたんだ?

 

「俺が言いたいのはエロいゲームじゃなくてな。ロシアンマリー・ゲームだ。」

「「「「「ロシアンマリー・ゲーム?」」」」」

 

 ん?聞いたことないゲームだな。

 

「まずトマトジュースと、一つだけタバスコ入りの激辛ブラッディーマリーを用意する。」

「誰が辛いのを飲むか、ってだけか?」

「いや、違う。全員で一斉に飲んで、辛いのを引いたのが誰か当てるんだ。」

「もし当てられたらどうするんです?」

「予め罰ゲームを書いた紙を引いておき、罰ゲームを決めるんだ。」

「なるほど〜、それで当てられたらその罰ゲームをやるんですね!」

「その通り。」

 

 なるほどな。辛いのを引いた時にバレないようにする演技力と、そもそも辛いのを引かない天運。役者に必要なものが揃っているというわけか。だが、これをやるなら…………

 

「やるなら水とウォッカの方が………」ガシッ

 

 くそっ、言う前にmemに水を飲まされたっ‼︎

 

「よしよし、これでやろう〜♪」

「アクアくんも賛成してるし、大丈夫!」

「「えっ、いいのか………?」」

 

 あかねからは、PaBだとバラすなという強い視線を向けられている。しまった、つい癖で酒を入れてしまった………。反省だな。

 

「よし、それじゃあやるか。」

「「「「「オー!」」」」」

 

 ということで、ロシアンマリー・ゲームが幕を開けた。

 

 

 

 

 参加者は6人。プロデューサーのおっさんは司会兼ドリンクを作る役。正直この安全圏に身を委ねたかったが、ジャンケンで勝ったのだから仕方あるまい。

 

「よしっ、それじゃあ1回戦行くぞ〜。」

「「「「「オー‼︎」」」」」

「最初の罰ゲームは…………右隣の人に愛の告白だ。俺が書いたやつだな。」

「気持ち悪いな、おっさん。」

「うるせえ悪ガキ。こういうのじゃ定番だろ。」

 

 意外な人の意外な罰ゲームはさておき、俺が告白するのは…………

 

「ん?どうしたの、アクア?」

「いや、なんでもない。」

 

 鷲見か。色々とめんどくさいから避けたいな。そして、俺に告白する人は…………

 

「よっ!」

「マジかよ。」

 

 ノブユキなんだが‼︎なんか嫌‼︎

 

「それじゃあロシアンマリー、スタート。」

「「「「「イェーイ‼︎」」」」」

 

 とりあえず、ノブユキだけはハズレ引くな‼︎俺も色々とめんどくさいから引きたくないけど‼︎頼む頼む、当たりが来い…………っ‼︎

 

「………」ゴクッ

 

 味は普通。よかった、ハズレではないようだ。さてと、ハズレを引いたのは…………?

 

「んんんんんん‼︎わ゛だじじゃな゛い゛よ゛ぉぉぉぉ‼︎」ジタバタ

 

 めちゃくちゃ分かりやすくmemだった。

 

「それじゃあ、ハズレはだ〜れだ?」

 

mem→アクア

その他→mem

 

「なんでバレたのぉぉぉぉぉ⁉︎」

 

 ということで、mem以外の全員がmemに指を差し、その通りとなったのだった。さてと、memは誰に告白するのか………

 

「ずっとずっと前から好きだったよぉぉぉ、あかね!」

「うん!私もmemのことが好き!」

 

 あかねだった。

 

「なんか和む光景だな。」

「いい友情だぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「私も混ざりたかったな〜。」

 

 罰ゲーム、の割にはキャッキャウフフしてた。まあこの2人なら大丈夫か。変にノブユキに告白とかだったら厄介だったしな。

 

「では次は2回戦。」

 

 さてと、次だ次。今度は何が来るんだ………?

 

「罰ゲームは…………ピーマン体操を踊る。」

「えぇぇぇぇぇ⁉︎」

「あっ、私が書いたやつだ!」

「鷲見ちゃん!変なこと書かないで!」

「なんでかな〜?」

「そこを強調しないで!」

 

 まさかの鷲見が書いたやつ。しかもピーマン体操。地味に悪意がある、鷲見らしいセレクトだ。といっても、あかねを狙い撃たなきゃ意味がないがな。さてと、ここは当たりを引きたいものだ。

 

「それじゃあロシアンマリー、スタート。」

「「「「「イェーイ‼︎」」」」」

 

 さてと、俺のところに来たのは………よしよし、当たり。さてと、ハズレを引いたのは…………?

 

「「「「「……………」」」」」シーン

 

 おかしい。皆が大人しすぎる。先ほどのmemの反応を見るに、相当辛い代物のはず。それなのにこの静けさ。誰も辛そうなそぶりをしていない。ということは…………そういうことだな‼︎

 

「それじゃあ、ハズレはだ〜れだ?」

 

アクア、mem、鷲見→あかね

ノブユキ→ケンゴ

ケンゴ、あかね→アクア

 

「な、なんで分かったの皆⁉︎」

 

 やはりあかねだったか。もちろん、こういう時はあかねが引くのが一番面白いとか、そういう理由じゃない。

 

「あのレベルの辛さに耐えて平静を装えるのは、相当演技が上手くないといけない。そして、皆の職業はYouTuber、ダンサー、バンドマン、モデル、女装家、そして役者。この中で演技が上手いのは………?」

「アクアくんも役者でしょ!」

「今は演技の仕事は少ないからな。」

「もぉぉぉぉぉ‼︎」

 

 職業柄、演技が上手い人が決まっていたからだ。もちろん俺との2択にはなるだろうが、最近女装の仕事しかない人と劇団ララライの看板役者なら、後者の方が演技が上手くて当然だろう。

 

「ほらあかね、早くやりなよ♪」

「ピ………ピーマン食べたらスーパーマン!皆も踊ればピーターパン‼︎///」

「「「「オー‼︎」」」」

 

 ということで、あかねは顔を真っ赤にしながら完璧なピーマン体操を踊ってくれた。流石はあかね。有馬への憧れが溢れ出ていたな。ちゃんと録画したから、後で有馬に送っておくか。




長くなったので、ロシアンマリーを途中で区切ります。
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