未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
side アクア
とりあえず、俺はベロンベロンに潰れたおっさんを見てガッカリした。
「それはこっちのセリフだ。」
「うるせえ………」
こっちはあかねが落ちてると思って心配したのに、いたのは悪い大人。無用の心配に、先ほどまでの動揺を返してほしい。
それにしても、なんだこの状況は?おっさんと2人で崖の下?意味が分からない。
「お前、携帯はあるか?俺はテントの中なんだが………」
「奇遇だな、俺もだ。」
「なら、誰かが来るのを待つしかないな。」
「………そうだな。」
そして、他の人との連絡は取れない。辺りは夜のため視界が悪い。かなり絶望的な状況だ。最悪朝までこのおっさんと2人で過ごさなきゃいけない。さて、どうしたものか………
そんなことを考えてると………
「つーかよぉ、悪ガキ……」
「なんだ?」
「飛び降りてくる前に、皆に連絡とかを考えろよ。」
「うるさい。」
おっさんに正論を言われた。確かにそれはごもっとも。俺も倒れてるのがおっさんだったなら、もっと冷静に判断できたかもしれない。
「これだけ暗くてな、お前をあかねと見間違えたんだよ。」
「マジか。」
「彼女が崖の下で倒れてたら焦るだろ、普通。」
「まあ確かにな。」
でも出来なかった。だってあかねだから。
「しかし、その歳で俺と黒川を見間違えるとは………お前も大人になったな。」
「仕方ないだろ。崖の上に靴が落ちてて、崖の下でこんな風に人が倒れてたら…………」
おっさんがやってたようにうつ伏せになり、状況を説明する。誰だってこんなのを見たら、冷静さを失うはず。
「ゆきぃぃぃぃぃぃぃ‼︎」
こんな風に。
「ノブユキ、お前も勘違いしたのか………」
「あれ、アクアとおっさん…………?」
「悪かったな、彼女じゃなくて。ところで携帯は?」
「…………忘れた。」
こうして、携帯をテントの中に忘れているノブユキが釣れた。
「どいつもこいつも酔っ払いじゃねえか。」
「最近飲んでなかったから………忘れてたっすわ〜!」
「最近……………飲んでない…………っ⁉︎」
「どうした、アクア?」
「いや、なんでもない………」
ノブユキは大学生の年齢にもかかわらず、最近お酒を飲んでないらしい。最近飲まない、なんて事象が存在するのか?どこをどうしたら、酒を回避出来るのか?教えてほしいものだ。
そんなことを思ってると…………
「きっこぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」
「「「なんでだよ⁉︎」」」
ケンゴがここにいるはずのない彼女の名前を叫びながら落ちてきた。なんで………?
「あれ、きっこは…………?」
「だれだよ、ソイツ?」
「そもそもここに居ない奴の名前を叫ぶな。」
「俺の幻覚だったか…………」
コイツ酔うと案外面白いな。きっこって誰だか分からないが、恐らく面白い女なのだろう。いい女と出会えたな、ケンゴ。
「ちなみに携帯は………?」
「……………あれっ、無い………」
「一番やべえじゃねえか。」
ということで、外部と連絡が取れない無能男4人が崖の下に集結したのだった。
じっとしてても辛いだけなので、まず俺は手元にあったライターを取り出すことにした。
「さて、火でも起こすか………」
「悪ガキ、お前喫煙者だったっけ?」
「いや、違うぞ。」
「じゃあなんでライターなんか持ってんの?」
「水の判別に使うだろ。」
「「「普通は使わねえよ。」」」
しまった!これでは俺がPaBだと………バレないか。毒水を判定する薬屋に見えるだろうな。そういや今度出演するドラマの役が、薬屋の女の子にちょっかいをかける男の役だっけ。しかも女の子なら絶世の美人と言われるほどの顔だという。せっかく久しぶりの俳優活動なのに、マリン要素があるいう残念な仕事だ。
しばらく俺たちは森の中を探し、薪等の必需品を調達しに行った。そしてしばらくし、俺たちは成果物を持って再集合した。
「俺は野生のむかご*1を見つけたぜ!」
「熊野、すげえ変なの見つけたな………」
「俺はきっこ………じゃなくて野生の
「森本、毒キノコでも食べたんか?」
「俺は野生のウイスキー*3を持ってきた。」
「星野、頭大丈夫か?」
恐らく前に来た誰かが落としたのだろうが、今はどうでもいい。スピリタスに比べてかなり弱い酒だが、喉が満たされるだけマシだろう。
そうして始まったキャンプは、思ったよりも楽しかった。ノブユキが結婚式の相談をしたり、おっさんがキノコを嫌がってむかごを食って吐いたり*4、ケンゴが彼女さんに向かって作った新曲を歌ったり、などなど。そんな中で、とうとうあかねについての話になった。
「そういやアクアは、なんで浮気するんだ………?」
「失礼な。俺は浮気なんて一度もしていない。」
「じゃあ黒川が言ってたのは………?」
「浮気というのは好きの気持ちが移る事を言うんだ。俺のは遊びで気持ちは移らないから浮気じゃない。」
「「「それは浮気だろ。」」」
俺の浮気理論は未だに受け入れられていない。何故だろうか、甚だ疑問である。
「でもお前らだって、した事くらいあんだろ?」
「「いや、全く。」」
「マジかよ………」
「…………」
ケンゴとノブユキは秒で否定する。それに対し、目線が逸れている男が1人。まあコイツが浮気性なのは予想通りだな。
「おっさんは分かるんだな。」
「………若い時は正直、俺もしてた。」
「だろうな。」
「だが結婚すると自然と出来なくなるんだ。」
「嘘つけ。」
「いや、本当だ。」
今更このおっさんの言うことなんて信じられないが…………
「結婚後に浮気をした場合、それは不倫となる。不倫は立派な不貞行為だ。つまりやると金とか色々取られんだよ。」
「まあ、それは知ってるが………」
「失うものが多すぎて、コスパ合わねえって考えになるんだ。金も信用も家族も全部飛ぶリスクを背負ってまで、出来ることが別の女とヤるだけだぞ?」
「…………なるほどな。」
そういうことか。確かに結婚後の浮気は不倫になって、慰謝料とかを取られるし仕事も減る。得られる快感に比べて、失う物が圧倒的に多いのか。ならば心に決めて誓う。一生独身でいよう、と…………
「私は最強ヨシダサオリの動きを模倣している。」
そんなことを思っていると、なんと崖の上からあかねがやってきた。嘘………だろ⁉︎
「あかね…………?」
「救助隊の人たちも呼んだし、登れる縄も持ってきました!ディレクターさんもケンゴくんもノブユキくんも安心してください!」
「「ありがとう………あかね!」」
「助かるぞ、黒川。」
「あとアクアくんは、この後ゆっくりお話ししようね。」
「嫌です。」
「断る権利は無いよ?」
「…………はい。」
こうして俺の束の間の幸せは、青鬼の到来によって瞬く間に終わったのだった。どうして俺の彼女は、こんなにも逞しくなってしまったんだ………
その後、俺たちは二日酔いの運転手による荒れ狂う船旅を経て、なんとか伊豆に戻ってきたのだった。
お久しぶりです。なんとか復活しました。久しぶりに書くと書き方忘れますね。