酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


四十七杯目 団結

  side 伊織

 

 俺は今耕平の家で宅飲みしていた。

 

「耕平君に伊織君、おっひさ〜!」

「スピリタス買ってきたわよ。」

 

 しかもルビーに重曹という、美女2人と共に。

 

「久しぶりだなぁ、星野。仕事忙しかったのか?」

「うん!マジでちょ〜忙しかった!」

「重曹………は聞くまでもないか。」

「殺すわよ、耕平。」

「それじゃあ皆、乾杯!」

「「「乾杯〜‼︎」」」

 

 だいぶ変わった組み合わせでの飲み会だが、これには訳がある。部室にいたのがこのメンツだったからだ。そして部室でOBを交えた飲み会をやるらしく、彼らと親交のある千紗だけが1年で参加するとのこと。そしてケバ子はフリルと2人でお出かけ、もといデート。もっともケバ子にその気は無いらしい。残念だそうだ。あかねは確か仕事だったはず。天才女優は大忙しだな。

 

 ただ、この中で居そうなはずの男がいない。

 

「そういや、あーくんはどこよ?」

「今日は部室に居なかったなぁ。」

「お兄ちゃん、今日は仕事じゃないはずなんだけどな〜。」

 

 星野アクアだ。飲み会といえばこの男?女?は欠かせない存在。自分は周りとは違うエリートオーラを出しておきながら次々と醜態を晒す様は、酒のつまみとして最高だ。

 

「とりあえず電話して呼ぶか。」

「北原、頼んだぞ。」

 

 だからこそ、電話で呼ぶほどの価値がある。

 

『も、もしもし?』

『アクア、今暇か?耕平の家で飲んでるんだが、暇なら………』

『すまん、今日は無理だ。』

 

 今日は無理?アイツが飲み会を断るなんてあり得るのか?いや、あり得ない。それじゃあ一体………

 

『………したの、アクアくん?………』

 

 電話越しに聞こえる女の声。この儚さ、間違いなく黒川あかねだ。

 

キサマ、あかねとヤってるな。』ブツッ

 

 そして刹那、アクアが電話を切る。間違いない、奴は黒だ。彼女とヤるために、今日部室に来なかったのか‼︎

 

「だとさ〜。」

「通りで今日居ないわけね〜。」

「そうならそうと言えばいいのに〜。」

「全くだ。」

「さ〜て、それじゃあ…………」

 

 さて、そうと分かればやる事は1つ。

 

焼き討ちに行くぞ。

「奴らの居場所を知る者は?」

「この星野ルビーめにお任せ下さい!」

「流石。貴女には後で褒美を取らせるわ。」

「いいか、絶対に奴に本懐を遂げさせるな‼︎」

 

 こうして、星野アクアの童貞卒業阻止大作戦が幕を開けた。

 

 

 

 

 

  side アクア

 

 危なかった………まさか奴らから電話が飛んでくるとはな。俺は今伊豆にあるあかねの家に遊びに来ている。あかねは東京以外にも別荘的な扱いとして、伊豆に一部屋借りている。しかもここはあかねと俺以外誰も場所を知らない。ヤるにはうってつけだ。

 

「どうしたの、アクアくん?」

「なんでもないぞ、あかね。」

 

 さてと、奴らからの電話も切った事だし、続きでもするか………

 

 

 

ピンポ〜ン

 

 

 

 何だと?インターフォンが鳴った?この時間は受け取り予約とか、何もしてないはず?まさかアイの時みたいな………いや、考えすぎか………

 

『星野さ〜ん、郵便で〜す!』

 

 声は知らない女の声。発言から察するに、郵便局の配達員を騙っているのか。ここはインターフォンを見て、誰かを判別するところから始まるな…………

 

『ご注文のAV200本詰め合わせセット、お持ちしましたよ〜‼︎』

「アクアくん、そんなに買ったの⁉︎」

「違う、俺じゃない‼︎」

「私でもないんだけど………」

 

 その必要はなかった。この手口、間違いなく奴らだ‼︎さっきの女声も今村の仕業‼︎

 

『すいませ〜ん、ここからだと全部入らないので開けてくださ〜い!』ゴトッ、ゴトッ

 

 しかもAVの実物まで入れやがった‼︎ふざけやがって‼︎

 

 

 

 

  side 伊織

 

 ルビーがアクアにGPSを付けてたおかげで、なんとかこの場所に辿り着いた。ここが星野マリン、あの女のハウスか………っ‼︎

 

「しかし良かったの、伊織君?秘蔵DVDなんでしょ?」

「構わないさ。俺の不幸で奴の幸福を潰せるのなら。」

「いっそ清々しいな‼︎」

「なんて気持ちのいいゲス野郎なのよ。」

 

 背に腹はかえられない。自分が不幸な目に遭ってでも、相手を不幸にする。それが俺たちの友情だ。

 

 そんなことを思っていると…………

 

「伊織、電気が消えたわ‼︎」

「まさかお兄ちゃん、強行突破する気なの⁉︎」

「どうすればいいんだ⁉︎」

 

 部屋の電気が消えた。奴め、そう来たか‼︎くそっ、対抗する手段は…………

 

「俺に任せておけ!」

 

 耕平が何やら思いついた様子。ここはコイツに任せるしかない‼︎

 

「頼んだ‼︎」

「期待してるわよ‼︎」

「お兄ちゃんのお兄ちゃんを守って‼︎」

「ああ!」

 

 ということで、俺たちは耕平を見送った。

 

 

 

 

  side アクア

 

 さてと、電気も消したし、続きをやるか………

 

「シルエットクイズ〜♪」

 

 ん?ベランダに今村?今度は何をするつもりか?

 

「これはなんでしょう?」

 

 意図はわからん。とりあえず、ヴィーナスの誕生、のポーズをとっていることだけは分かるが………

 

「答え、考える人。」

 

 お前が間違えるのかよ⁉︎

 

「今村くん、面白いね〜。」

「だ、だな…………」

 

 くそっ、あかねがちょっとずつエッチなムードから外れていっちゃうし‼︎アイツらめ、後で殺す‼︎

 

 

 

 

  

  side 伊織

 

 効果はまあまああったようだ。だがもう一押し足りないな。

 

「次に何かある奴は………?」

「私に任せなさい!」

 

 今度は重曹のターン。恋敵に先を越された恨み、どう晴らすんだ………?

 

「SNSアプリの表示名をめぐみに変更するわ!」

 

 名前の表示を変える………?コイツは一体何をしようとしてるんだ?気になったから、ベランダから中の反応でも聞いてみるか………

 

「アクアくん、次は何?」

「あかね、スパムメッセージだ。気にするな。」

「えっと………めぐみちゃんから。

 

『この前入ったラブホテル面白かったね〜♪』

『今度は違うところでもエッチしようね〜♪』

『あと、浮気しちゃダメだぞ⭐︎』

 

とりあえず死のっか。」

「待ってくれあかね!これは有馬が表示名を変えてだな……っ‼︎」

 

 なるほどな‼︎知らない女からのメッセージに見せかけたのか‼︎やるな、重曹の奴‼︎

 

「ならメッセージ履歴を見せてよ。」

「それは………っ‼︎」

「もしかしてかなちゃんとまた浮気したの?」

「ち、違う、そうじゃない‼︎」

 

 しかも元が重曹だから、彼女への浮気を晒すことも出来る。アリバイとも言えるメッセージ履歴の表示も、奴の浮気歴のせいで逆に台無しになる。一石二鳥とでもいうべきか‼︎重曹、今回の作戦に呼んで良かったぜ‼︎

 

 

 

 俺は重曹たちの元へ戻ると、

 

「流石だ重曹‼︎効果は抜群だ‼︎」

「最後はアンタが決めなさい‼︎」

「ありがとう、ロリ先輩‼︎」

 

 遂にルビーの出番となっていた。コイツは妹でありながら、何故かアクアに恋心を抱いている奴。奈々華さんの例もあるし、そんなに珍しいことじゃないが、ブラコンはブラコンだ。兄の情事は阻止したいだろう。さて、どういう作戦で行くんだ………?

 

「突撃、深掘れワンちゃん‼︎今回は初めて交わる2人のカップルをリポートしちゃうよ♪」

 

 傍迷惑この上ない‼︎大声で家の前で叫び、2人の情事を自信の冠番組の如く赤裸々にバラす‼︎なんて鬼畜なゲス乙女なんだ‼︎

 

「ピンポ〜ン‼︎あれ〜、最中かな〜⁉︎早く出てきて下さいね〜♪」

 

 星野ルビー、見直した。君は立派な星屑だ‼︎

 

 

 

 

 そんなことを思っていると…………

 

「…………」ガチャ

 

 ようやく諸悪の根源、星野アクアがドアを開けて出てきた。よくもまあ俺たちの前にノコノコと‼︎

 

「あれれ〜、なんとお兄ちゃんだ〜!」

「これはこれはびっくりだなぁ〜‼︎」

「さあ、色々と聞かせなさい‼︎」

「幸せの絶頂から転げ落ちた気持ちを、なぁ‼︎」

 

 これは奴を潰すいい機会だぜ‼︎

 

 そして、アクアが口を開く。

 

「ああ、やっと言えた。これは絶対嘘じゃない。殺してやる。

 

 告げられたのは、宣戦布告だった。

 

 こうして、俺たちはあかねも交え、朝まで地獄の飲み会(ころしあい)を開催したのだった。

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