未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
五十杯目 ぶらり電車旅
side 伊織
パスポートを持ち帰るために、俺はフリルやケバ子と一緒に帰省することになった。
「これ、伊織だけで良くない?」
「良くないよ。私たちは常に3pする運命なんだから。」
「しないって、この変態‼︎///」
「もっと罵って、愛菜///」
「伊織、窓開けて〜。」
「外に捨てられても私は絶対ついていくから‼︎」
フリルは相変わらず変態フルスロットル。対してケバ子はすげえ嫌そう。仕方のないことだろう。この間に至っては何故かケバ子の帰省に着いてきたし。俺も何故か巻き込まれたけど。
ちなみにフリルは恰好が何故かやたら気合入っている。まるで結婚の挨拶にでも行くかのよう。
「何、伊織?もしかして私の服気になる?」
「気合い入りすぎてな。」
「そりゃ、結婚の挨拶に行くからね。」
「えっ⁉︎///」
「は⁉︎」
本当なのかよ‼︎そうなったら候補は俺じゃねえか‼︎色々飛び越えすぎじゃないのか⁉︎
「私と伊織と愛菜と栞の4人。いい家族じゃない?」
どうやら俺だけじゃなかった。
「何言ってんの⁉︎///」
「微塵もよくねえ‼︎」
どうやらコイツは昔の一夫多妻制を再現させようとしてるらしい。いや、男が俺だけにとどまるとは思えないから、多夫多妻制だろう。そんなの大人になったヤリサーとなんら変わらないじゃねえか‼︎そんなの羨ま………なんでもない。
「とりあえず一旦、駅弁にビールで落ち着こうか。」
「落ち着けないわよ‼︎」
「そこはスピリタスじゃないんだな。」
「私も一応TPOは知ってるから。」
それはさておき、俺たちは車内で優雅に駅弁&ビールタイムをすることになった。
今日の駅弁ははらこ飯。鮭の煮汁で炊いたご飯の上にほぐした鮭の身といくら醤油を乗せるという、鮭バージョンの親子丼だ。宮城の郷土料理で有名である。前にフリルがロケ弁で食べた時に好評だったのと、九州出身のケバ子が遠い地の郷土料理に興味を持ったことが合わさって、これになってる。
「んんん〜、美味しい〜♪」
「ビールと飲むの最高だなぁ‼︎」
「やはりはらこ飯。はらこ飯は全てを解決する。」
大人気なくはしゃぐ俺とケバ子に対し、大人っぽく満足するフリル。こうして黙っていると美人なんだがなぁ。
それにしても、駅弁とビールは合うなぁ。なんだか気持ちよくなってきたぞ………って、ふらついちまった。
「大丈夫〜、伊織?」
「いや、なんか酔ったみたいで。」
「ビールだけで?」
「ああ。」
ケバ子にも不思議がられた。確かに俺がビール如きに酔うはずがない。しかも飲んだ割には量も減っていない。おかしい、一体どういうことだ…………?
気になって横を見ると…………
「あっ、目が合ったね。好きだと気づいた?」コポコポ
フリルがビール缶の中にスピリタスを注いでいた。
「お前のせいかよ‼︎」
「酔わせて結婚の言質を取ろうとしたんだけどな〜。」
「怖いこと言うな‼︎」
「気づかないのもどうなの?」
「いや、意外と飲みやすいんだ、これが。」
どうやらこの女は相当強からしい。怖………っ。
「酔っ払って帰省はマズいよな〜。」
「とりあえず私、お水買ってくるよ!それでも飲んでて!」
「ありがとう、ケバ子。」
「愛菜、一緒に買いに行こう。」
「フリルと2人っきりになると何されるか分からないから嫌!」
「そんな…………」
ちなみに最近フリルはずっとケバ子に警戒されている。そりゃそうだ。ずっとセクハラしてるんだもの。
残されたフリルと2人で話をしてると………
「Verdammt! Sie w
「Sie kein Idiot! Sie muss eigen Hakama tragen!*2」
外国人が大声で叫び合う声が聞こえた。しかも何やら言い争ってる様子。
「喧嘩かな?」
「だな。外国語っぽいけど、フリル分かるか?」
「いや、分かんない。」
「了解。とりあえず周りの迷惑だし、軽く注意くらいしておくか。」
「行ってらっしゃい。」
とりあえず、俺が注意をしに行くと…………
「Sie wird uns hassen‼︎*3」
「Du nimmst mir die Worte aus dem Mund‼︎*4」
そこには2mを超える大柄で、コスプレの女装をしたドイツ人男性が2人もいた。それはそれはあまりにも悍ましく、近寄ってはいけない未知の何かだと、俺は本能で悟った。だから………
「どうしたの、伊織?」
「フリル、言及するな。アレには関わらない方がいい。」
「でも………」
「よせ、帰ってこられなくなる。」
フリルを黙らせた。このままではコイツの命も危ないからな。
とりあえず、黙って息を潜めていれば静かになる。アクアだって浮気中に黒川に見つかりかけた時も、こうしてやり過ごしたって言ってた。ちなみにまだバレていない浮気は半分くらいあるらしい。だから俺もアイツを見習って、こうしておこう。
そう思っていると、
「「……………」」
予想通り静かになった。
「ホントだ。」
「ほらな?」
こういうのは、とにかく耐えたらいける。一応確認のために、様子でも見ておくか…………
「「ヒンニュウ…………ステータス……」」
「えっ…………?」
そこには、ケバ子に祈りを捧げる例の怪物どもがいた。奴らは第二形態へと進化していたのだ。その鍵はどうやらケバ子だったらしい。こうなっては仕方ない。助からないケバ子を置いて、この場から離れるとするか………
「どうしたの、伊織?」
「いいか、フリル。俺たちは2人できた。他にツレはいない。いいな?」
「本当に何が起きてるの?」
「とりあえず、俺は腹が痛いからトイレに…………」ポンッ
ん?肩に手が………?一体誰が………?
「This is my lover‼︎」
「「Ann⁉︎」」
その正体はケバ子だった。しかもあろうことか、怪物どもの怒りを呼んでしまった。
「Das kann nicit ihr Freund sein, oder?*5」
「Wenn sie keine Jungfrau mehr ist, kann sie keine Magie mehr wirken!*6」
「待て待て待て‼︎」
マズい、このままだと俺が殺される‼︎
「Stop‼︎ Her lover is me‼︎」
「「フリルっ⁉︎」」
お前は余計なこと言うなよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎
「「Ahhhhha‼︎」」
しかも何故か奴らは泣き始めたし‼︎なんで感動してんだよ‼︎百合ならいいのか‼︎不知火フリルは中身俺より変態なのに‼︎くそっ、こんな時に耕平がいれば、アイツらの思考と嗜好を読めるのに………っ‼︎
そんなことを思ってると、
「「HaHaHaHa‼︎」」
「Er hat die Alkoholvertra¨glichkeit eines Japaners!*7」
「「HaHaHaHa‼︎」」
俺のテーブルにあったビールと水を見て、それをバカにしたような気がした。この瞬間、俺とフリルは堪忍袋の緒が切れた。
「ハッ、何言ってるか分からんが上等だよ、外人さんよぉ‼︎」
「私たちPaBは他の何で負けても………」
「「酒だけは負けられねえんだよ‼︎(ないわ‼︎)」」
こうして、俺&フリルvs外人2人との飲酒勝負が始まった。
だがしばらくして…………
「くっ…………」
「これ、思ったよりキツいね………っ!」
「「Hahahaha‼︎」」
俺とフリルは苦戦し始めた。この感じ、寿みなみの時とはまた別種の…………
そんなことを思ってると、
「ナニしてるノ‼︎」バシン‼︎
「「ガッ………‼︎」」
なんと後ろから可憐な女の人が現れて、男2人の頭を思いっきり引っ叩いたのだ。
「コノ2人、ホントにアタマ悪くテ‼︎ホラ、アヤマって‼︎」
「「スミマセン………」」ずる………ずる………
そして、瞬く間に男2人を連れて謝罪した後、どこかへ行ってしまった。男2人を従えるその強さは凄まじく、まるでアクアの浮気を制裁する鬼神黒川のようだった。
「あの女の人、エッチな身体してた。」
「アンタホントにアホね………」
そんな彼らをよそに、フリルはいつも通り欲情していたのだった。