未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
side アクア
俺と林は昼間海を充分に堪能した後、日が暮れた頃に居酒屋にやってきた。ここは沖縄の伝統楽器、
「「かんぱ〜い!」」
そんな店で、俺たちは南国ビールで乾杯していた。
「沖縄といえば、このビールだよね。南国ビール。」
「あれっ、星野さんってお酒好きなんだ。」
「嗜む程度にね。」
嗜む程度、といっても度数96%の酒を浴びるように飲み、野球拳をして全裸になる程度だが。
ちなみにこの南国ビールは薄めだから普通に飲みやすい。簡単に言うとソフトドリンクだ。未成年でも飲んで大丈夫だろう。
そんな事を思っていると、
「こちらジーマミー豆腐とソーミンチャンプルです。」
「おお。」
「美味しそうですね。」
沖縄の郷土料理がやってきた。独特な豆腐とソーミンをメインに作られたチャンプルだ。特にチャンプルの方はコーレーグース、いわゆる島唐辛子の泡盛漬けをかけて食べるのがうまいらしい。もっとも、PaBの連中なら泡盛じゃなくてスピリタスで漬けそうだが。
「美味しそう………まさか店員さんがっ⁉︎」
「豆腐の方よ。」
ちなみに店員は男。いくら女装しているとはいえ、俺が男に興味を持つわけがない。俺が興味を持つならば、むしろお前の方だ。このいい雰囲気の店でいい雰囲気になった後、いい雰囲気のホテルでいい雰囲気のまま野球拳を楽しむとするか……………
「貴女は星野マリンに興味を持った。しかし残念だね。彼女の肝臓と倫理観と性別は既に壊れかけている。」
そんな事を思っていたら、聞き覚えのある、忌々しい女の声がした。
「疫病…………神っ‼︎」
「やあ、久しぶりだね。」
ツクヨミという偽名で活動していた、疫病神の女だ。
「誰…………です?」
「昔共演した役者さ。ツクヨミって呼んでね。」
「よ、よろしくお願いします。」
奴は林に早速話しかける。こうしてコイツが普通に人前に出てきているのが、なんだか腹立たしい。大人しく人目につかないところにいればいいのに。
「それで、私たちに何の用?」
「いや、ただ君に挨拶に来ただけさ。偶然会ったから、ね。」
「そう……………」
「にしても、ここで遊んでていいのかな?この光景を見たら、黒川あかねはどう思う?」
「さあね。」
コイツの上から目線の澄ました態度が腹立つ。しかもコイツは15の嘘で共演しているため、あかねとも知り合っている。故に今日の事をバラされかねない。彼女らはパラオにいるからしばらく処刑されないものの、帰ってきたらどうなるか分からない。死人に口なし。ここで殺しておくのがいいだろう。
「そりより随分可愛いものを飲んでるね?りんごジュースかな?」
「そうさ。これ、美味しいんだよ。」
「もしかして、お酒が弱いからそれを飲んでるのかな?可愛いね。」
「はぁ?」
「強いお酒は飲めません、だからこれを飲んでます、って言いなよ。」
「飲めるし。なめんな。」
「じゃあこれ飲んで。」
こうして、俺は疫病神をスピリタスで潰した。
「よ、よかったの…………?」
「いいの。この子とはいつもこんな感じよ。」
「そうなんだ…………」
これで、コイツは記憶が混濁。あかねにチクられる事もないだろう。疫病神だから、未成年飲酒にもならないだろうし。
side 林雪子
星野マリン、ライバルの女を酒で消した…………っ‼︎コイツ、やっぱりビッチね‼︎
ただ、このビッチが私と2人で旅行に来ている意味が分からない。一体なんなのだろう…………?
「ここからは皆さんと一緒に、カチャーシーという踊りを楽しみましょう!」
「やろうよ、林。」
「う、うん………」
とりあえず、踊りながら考えよう。彼女の目的を…………
side ツクヨミ
最悪…………星野アクアに潰された…………ただ一人旅していただけなのに……………頭痛い、超気持ち悪い…………
「あれっ、ツクヨミちゃんじゃん!何してんの?」
「ホントだ………大丈夫?」
そんな事を思いながら、店の外で項垂れていると、星野ルビーや黒川あかねたちに話しかけられた。memちょはともかく、他の3人はパラオに居たはずでは………?何故今この人たちは沖縄にいるのだろうか。
「大丈夫………だし………」
「いや、全然大丈夫じゃないでしょ。」
「とりあえずお水飲んで、ね?」
まあいい。それよりも今は復讐だ。星野アクア、私に一杯しか飲ませなかった。これは悪手だよ。君の甘さが招いた、明確な失敗だよ。君からしたら、一杯で潰れていた方が楽だったのに。
「私………お姉ちゃんたちが知りたい事を知っているよ………?」
「この期に及んで見栄張るのやめなさいよ。
「とりあえず、私たちの部屋に泊める?」
「そうしよっか。」
「さっきね、有名な女装アイドルがここで極秘デートしていてね、相手がクラスメイトの女の子だったんだ…………今はそう、あっちのホテルに向かったかな…………」
「「「なるほど…………」」」
「えっ⁉︎その流れになるの⁉︎」
残念だよ、星野アクア。君の自由はもう無いね。
side アクア
俺たちはホテルに到着した。早速受付に行ったのだが………
「予約していた部屋に急遽欠陥が見つかってしまいまして………今回はお詫びとして、こちらの豪華な別棟での宿泊となります。追加料金はお取りしませんので…………」
「ありがとうございます。」
なんとラッキーな事に、ランクが上の部屋に同じ値段で泊まれる事になった。
「なんかツイたね。」
「まさか、乱交パーティーを計画して………っ⁉︎」
「違うって。私も知らないし、これ。」
豪華な部屋で、むっつりな彼女と一緒に一夜を共にする。なんて素敵な日なんだろうか。鬼神はパラオに、その忠臣もパラオに。胡散臭い自称神をも倒し、まさに勝利のひとときだった。
そして、いよいよ私たちは別棟に足を踏み入れた。
「おお、すごい豪華………っ!」
「だね。」
一見したら、ありふれた豪華な別荘に見えた。しかし、注意深く隅々まで見たとき…………
建物中そこかしこに、奇妙な違和感が存在する事に気がついた。