酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


六十杯目 変な宿

  side アクア

 

 俺たちが本日の宿、豪華な別棟に足を踏み入れると………そこには豪華絢爛なリビングダイニングがあった。部屋には開放的な大型窓に巨大なテレビ、そして柔らかなソファーと温かさを感じる木製のテーブルがあった。

 

「すごいね…………」

「まるで一軒家みたい。」

 

 そして、テーブルの上には宅飲みとかで見かけるようなおつまみやアルコールセットなどが置かれていた。ホテルのサービスにしてはかなり豪華で、ここでワンナイトをしろ、とでも言っているかのよう。よし、やってやろうじゃねえか。普通ならそう思うのだが………

 

「星野さん、この宿の間取り図だって。広くてすごいね。」

「確かにこれは凄いね。2階建てで色んな部屋もあるし、専属のビーチもある。家族連れの人とか喜びそう…………」

「どうしたの?何か不満なの?」

「いや…………」

 

 ただ一つだけ、間取りに不可解な点があった。一階、キッチンとリビングダイニングの間に、謎の空間があるのだ。最初は収納か何かの、ドアの書き忘れだと思ったのだが ………どうやらそうではない。ドア自体が無いのだ。そのため、その中には入れない。

 

「ちょっとフロント行ってくる。」

「うん…………」

 

 とりあえず、間取り図を持ってホテルの従業員に聞くか…………

 

 

 

 

  side 林雪子

 

 星野マリン、まさかこの家が乱交パーティーに不向きだと思ってるの⁉︎それともあれ、呼んだ男たちが全然来ないとか⁉︎一体何を企んでるのか…………?

 

 

 

 

  side アクア

 

 ホテルの従業員に聞いたが、どうやらよく分からないとのこと。ならば一体この空間は何なのか?設計者がいる以上、この空間は意図して作られたものなんだが………見当がつかない。仕方がないので、俺は宿に戻る途中、ある人物に協力を依頼することにした。

 

 俺の知人(てき)に、北原という奴がいる。私立大学に通うクズだ。建築やホラーには詳しくないが人の悪意には敏感なので、この意図的な謎の空間の相談にはうってつけだと考えた。

 

 ということで、俺はホテルに戻りながら、早速奴に電話をかけることにした。

 

「おう、北原。お前今暇か?」

「なんだよアクア?俺は今パラオで飲み会してるから忙しいんだ。」

「そうか、なら暇だな。今からあるホテルの間取りを送るから、見てくれないか?」

「人の話聞いてんのか⁉︎」

 

 ホテルに戻ると、俺は早速北原にこのホテルの間取り図を送り、林に声がバレるよう、また外の離れたところで北原に電話をかけた。

 

「んで、これがなんなんだよ?」

「間取り図見りゃ分かるだろ。この空間は本来必要ない二枚の壁で作られている。これがなかったらキッチンを広く使えるし、リビングダイニングとキッチンを直接繋ぐことだって出来る。でも、そうしなかった。」

「アクア、もっと俺に分かるように言ってくれ。」

「要は、この意味分からんスペースが必要だったらしいんだ。その理由をお前に相談したくてな。例えば、悪いことをするのに使うとか………」

「なるほどな………」

 

 俺の勘だが、このスペースには何か人の悪意のようなものを感じる。そうなると、常日頃から悪意の塊でしかない北原ならば、この意図が分かるだろう。

 

「それよりアクア、俺は二階の遊戯室が気になるんだが………」

 

 そんな事を思っていると、北原の頭が想像以上にアレな事が分かった。今は遊びのことなんか聞いてな…………

 

「遊戯室はどうでもいいだろ。今はこの空間をな………」

「よく見てみろよ。この部屋、窓無えぞ。」

「嘘…………だろっ⁉︎」

 

 二階の真ん中にある遊戯室。よくよく見たら、確かに窓がない。しかもちゃんと見ると、ドアの位置もおかしい。建物の真ん中に位置するこの部屋だが、ドアが南西の寝室側にしかない。しかも階段が北東にあるため、迂回するような形でないとこの部屋に入れない。

 

「しかも二重扉に備え付けトイレ…………」

 

 想像以上におかしい。

 

「アクア、これ外から見られずにエッチするための部屋か⁉︎」

「違えだろ‼︎」

 

 北原の頭も。

 

「つーかテメェ、今ラブホにいんのかよ⁉︎」

「んなわけねえだろ。仕事の男たちと一緒にいんだよ。」

「星野マリンの輪姦か…………」

「だから違えって‼︎」

 

 とりあえず、これ以上コイツに聞いても埒があかない。ひとまず部屋に戻って、林と相談するか…………

 

 

 

 

 そんな事を考えながら戻ると…………

 

「こちら、当ホテルおすすめのお酒です。」

「是非ご堪能ください♪」

「あ、ありがとうございます‼︎」

 

 仮面を被った女性スタッフ2人が林に酒を注いでいだ。くそっ、いつの間に現れたんだ………っ⁉︎というか酒って………まさかそこに毒が盛られていたり………っ‼︎

 

「林、それ貸して‼︎」

「へ?星野さん、どうしたの…………?」

 

 ギリギリ間に合った………。林が飲もうとしたコップを手に取り、俺の喉へと運ぶ。よくよく考えたら零せばよかったのだが、目の前にある酒を見るとつい癖で口の中にいれてしまった。

 

「あれ、ただのビールだ………」

「安心してください、お客様。」

「当ホテルには普通の美味しい酒しか入っていませんよ♪」

「どうしたの、星野さん?」

「いや、なんでも……………」

 

 にしても、普通の酒だ。PaBで飲むようなドギツい物でもなく、かといって毒が入って味変したような感じもしない。俺の考えすぎか………?

 

「何かを怖がってるようなので、私も毒味しますね。」ゴクッ

「えっと…………」

「ほら、大丈夫でしょう?」

「それより、晩酌後のお風呂は如何でしょう?場所は2階にあるので是非♪」

 

 にしても、この2人の声の抑揚がなんか似ているんだよな。有馬とルビーに。声自体は全然違う上に、あの2人は今パラオにいるから、ここに来る心配なんてこれっぽっちも無いけど。

 

 そりより、浴室か。広さによっては、林と2人で入れるな。そこでネタバラシしつつ、2人の夜を楽しむか…………。2階の浴室、窓の無い遊戯室、謎の空間……何か一つのストーリーが見えてくるような………いや、馬鹿げた話だ。俺の考えすぎだろう。

 

 

 

 

 そんな事を考えながら、俺は2階の浴室に向かった。階段を出て突き当たりに脱衣所があり、その奥が浴室になっている。ちなみに脱衣所の横にある廊下を歩いていくと、寝室やその先の遊戯室に行けるようになっている。あと林を風呂に誘ったが、流石に1人で入りたいからと断られた。ならば寝室か遊戯室で、だな。

 

 そう思いながら、脱衣所を経て浴室に入ると…………そこには窓がなかった。

 

「北原ぁぁぁぁ‼︎窓、ねぇぞぉぉぉぉぉ‼︎」

「どうした星野?遊戯室のことはさっき話しただろ。」

 

 慌てて北原に電話をかける。これはマズい‼︎俺の予想が当たっているならば、このホテルには悪意が潜んでいる‼︎だから今すぐここから逃げないと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アクアくん。女の子と2人で旅行って、さぞいい気分だろうね?」

 

 そう思う前に、浴室の()()()()()()()()()、中から鬼神・黒川あかねが出現した。




就活で更新がめちゃくちゃ遅れます。すいません。
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