酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


六十八杯目 シュレディンガーのチンコ

  side アクア

 

 俺がステージに出ると………

 

「続いては、なんとB小町の皆さんです‼︎」

「「「「「うぉぉぉぉぉ‼︎」」」」」

 

 今までに浴びたことがないような、野太い歓声が出迎えてくれた。春祭のミスコンの時とは比にならないくらい、圧倒的な声量。あの時はまだ無名の女の子だった。だが今は有名な女優、しかもその衝撃的なアイドルデビュー。そりゃ人が集まるわけだ。流石に緊張してきたな。こんな時は、知ってる奴らを見つけるに限るな。アイツらはどこだ………?

 

「マリンの奴、めちゃくちゃ緊張してるじゃねえか。」

「酒持ってった方がよかったか?

「ここは俺たちが人肌抜いで………」

「やめて。マリンが恥ずかしがっちゃうでしょ。」

千紗(おまえ)の中でアイツはどうなってるんだ?」

「はやく真の女の子になって欲しいと思っている。」

「千紗、頭大丈夫⁉︎」

 

 いたいた。最後列で酒瓶持って陣取る時田に寿に今村。さっきまでミスコンに出てておしゃれな吉原。そして全身青色コーデという俺推しなのが丸わかりな古手川。いつもバカ丸出しの男3人はともかく、古手川はなんて恐ろしいことを言ってるんだ?最近奇行が姉に似てきてるんじゃねえか?吉原、頼むからお前だけが頼りだ。同級生を元に戻してくれ。

 

(((………去勢、ありだね………)))

 

 おい、あかねに有馬にルビー。静かに頷くな。俺がゴローできなくなるだろうが。

 

「フリル、今回は参加者の連絡先を聞かなくて済むな。」

「うん。そのままホテルに直帰だね。」

「バカかお前は⁉︎」

 

 そして審査員席で小声で話す北原と不知火。どっちも審査員として機能しないから、是非ともクビにして欲しい。

 

 まあいいや。馬鹿どもを見てなんか落ち着いてきた。感謝する!

 

 

 

 

 そんなことを思っていると、

 

「みんな〜、今日は来てくれてありがと〜♪」

「なんと今日は、新メンバーを2人連れてきちゃいました!」

「早速紹介していくわね。」

 

 ルビー、mem、有馬の挨拶からスタートし、いよいよ自己紹介をする時がきた。最初はあかねだ。

 

「まずはこの娘から‼︎」

「えっと………劇団ララライ所属の、黒川あかねと申します‼︎この度、アイドルのお仕事もさせていただくことになりました!メンバーカラーは、黒です!どうかよろしくお願いします!」

「「「「「ひゅ〜!!!!」」」」」

 

 初々しさ全開の可愛い挨拶。一瞬で場の雰囲気を掴んだ。流石はあかねだ。舞台経験が豊富であるが故、どう見られたらウケるかに慣れている。この次に俺が挨拶しなきゃいけねえのか………。ちょっと不安だ………

 

「では続いては〜、私のお姉ちゃん!」

 

 だが、やるしかない。俺の力………見せてやる‼︎

 

「初めまして。苺プロダクション所属、星野マリンです。イメージカラーは青。妹に負けないよう、頑張ります。」

「お姉ちゃん、私も負けないよ〜‼︎」

「「「「「ひゅ〜‼︎」」」」」

 

 とりあえずルビーを使って盛り上げてみた。この感じ、意外と嫌いじゃないな。俺、アイドル向いてるかもしれない。

 

「私も負けないぞ〜‼︎」

「歳の功、見せてあげる!」

「私は負けるなんて思ってないけどね。」

 

 あかねにmemに有馬もそれぞれのキャラを意識して盛り上げる。だけど、memは歳言っていいのか?

 

「「「俺たちも負けないぞ〜〜‼︎」」」

 

 今村、寿、時田、お前らはいいんだよ。張り合えるわけねえだろうが。

 

「マリン‼︎マリン‼︎」

 

 古手川、お前どっから声出してんだよ。最早誰だか分からないレベルだぞ。

 

「この子真面目そうだけど、意外と女遊び激しいそうなんだよな〜。どう評価しようか?」

 

 おい、北原。余計な事言うな。俺の評価が落ちんだろ。

 

「分かります。私も被害者です。」

 

 おい、林。運営に集中しろ。余計なこと喋るんじゃねえ‼︎

 

「「「マジ⁉︎意外とビッチ⁉︎」」」

「「「清楚系百合ビッチ⁉︎」」」

 

 盛り上がんなし。清楚系百合ビッチってなんだよ?俺は普通に男で女好きなんだよ。前世の時から。

 

「私と同じだね。」

 

 不知火、お前は出てくんな。しかも一緒にすんな。俺は男は御免だ。

 

 

 

 そんなゴタゴタも数秒経てば落ち着き、いよいよ俺たちが歌って踊る時が来た。

 

「以上、新メンバーを加えて一曲歌います!」

「その曲は〜‼︎」

 

 さてと、いっちょやったるか‼︎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ってくれないか。」

 

 そんな事を思っていると………なんとカミキヒカルが壇上に乱入してきた。コイツ、今更何しに来たんだ?まさか俺たちに………危害を加えるつもりか⁉︎

 

「すいません、部外者は出てってくれませんか?」

「いや、一つだけ聞きたいことがあってね。」

 

 過去に色んな女を手にかけたことがあるこの男。心身に色々あったとはいえ、許していい人間じゃない。映画で告発したことの復讐を、今になってやってきたのか…………?

 

「B小町は正式にミスコンに参加してるんだろ?」

「はい、そうですが………それが何か?」

「ミスコン・男コンにおいて、芸能人は本来の性別では参加できない。でもB小町は参加できている。ということは…………」

 

 マズい、それを今言われるのは………⁉︎

 

この中に男がいる、ということだろ?」

「「「「「なにっ⁉︎」」」」」

 

 終わった…………俺の星野マリンとしてのキャリアが………。なんならアクアとしてのキャリアも終わったかもしれない。ずっと女装してた頭のおかしい役者。そんなの引かれるに決まっている。カミキヒカルの奴め、最後にこんな隠し玉を用意していたか。ああ、みんなに変態として見られるんだろうな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘だろ⁉︎この中に男が1人いる⁉︎」

「誰だか全然分かんねえぞ⁉︎」

 

 嘘だろ⁉︎なんで誰も分かんねえんだよ⁉︎

 

「パッと見背が高いマリンか?」

「いや、アレは骨格からして女だろ‼︎」

 

 骨格からして男だろうが⁉︎どこに目がついてんだよ⁉︎

 

「いや、ルビーの性格を考えれば………」

「天真爛漫なわんぱく坊主、ありだな。」

「黒川あかねかもしれねえぞ‼︎」

「なるほど、男だから恥ずかしがってたのか‼︎」

「memちょ、本名じゃないから男説。」

「確かに、Vtuberだから声も偽物説ある‼︎」

「有馬かなかもしれんぞ。」

「確かに、あの酒の飲みっぷりは男に違いない‼︎」

 

 そんな綺麗に割れることあんのか⁉︎他の4人はどう見てもちげえだろ‼︎有馬とか酒の飲み方だけじゃねえか‼︎

 

「嘘………でしょ⁉︎あかねかかなかルビーかmem先輩の中で、嘘ついてる人がいたっていうの?」

「千紗〜、お酒飲み過ぎた?」

 

 なんで古手川(おまえ)は分かんねえんだよ‼︎答え知ってるだろうが‼︎

 

「これが未解決問題、シュレディンガーのチンコか。」

「博士論文のテーマにしよう。」

 

 何かっこよく言ってんだよ‼︎確かに脱がせてみないと分からないかもしれないけど‼︎

 

「嘘…………だろ⁉︎」

 

 なんでカミキまで驚いた反応してんだよ⁉︎確かにこんなに周りの目が節穴だろうとは思わないけどさ‼︎もう少しなんか考えてこいよ‼︎

 

 

 

 

 にしても、この5人の中で何故か誰が男か分かっていない状況。何かこれを活かせはしないだろうか…………おっ、そうだ‼︎

 

「「「「…………」」」」コクッ

 

 メンバーの4人と目が合う。この状況を活かせるのは、これしかない‼︎

 

「実はもう1人メンバーが居まして………」

「それが………こちら‼︎じゃじゃん‼︎」

「は?」

 

 そうして、俺たちはカミキヒカルを指差した。この中に男がいる、その答えはお前だ‼︎

 

「新人のカミキヒカリちゃんで〜す‼︎」

「男だけどB小町に入りたかったそうよ。」

「いやいやいや、ちょっと待て‼︎違う違う違う‼︎」

「今回も彼のおかげでライブに出れました!」

「いや、だからなぁ………ガハっ‼︎」デュクシ!

 

 抵抗するカミキヒカルを目にも止まらぬ速さの手刀で気絶させるあかね。

 

「ちょっとこの子をお着替えしてきますね!」

「「「「「ええ…………」」」」」

 

 後は一旦舞台裏に運んで…………

 

「なんか余ってる服無い?」

「さっき演劇部で使ったシンデレラの衣装なら………」

「「「それだ!」」」

 

 カミキを女装させて…………

 

「はっ………!僕は一体何を………っ‼︎」

「皆さん、お待たせしました!それではカミキヒカリちゃんセンターで…………」

「「「「「サインはB‼︎」」」」」

 

 踊らせるだけだ‼︎

 

 こうして、俺は長年の宿敵だったカミキヒカルと一緒に、B小町のメンバーとして踊ったのだった。

 

 

 

 

 

  side アイ

 

 なんかヒカルまで女装してるんですけど〜⁉︎よく分かんないけど………とりあえずきゃわわ〜♡しゅき〜、結婚して〜♡

 

 なにはともあれ、アクアとヒカルが仲良さそうでよかった。ホント2人とも憑き物も取れたみたいだし!これからも天から、見守らせてもらうね‼︎





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