酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


七十八杯目 暇を持て余した3年達の遊び

  side memちょ

 

 PaBを引退してはや1週間、私たち3年生はキャンパス内でばったり遭遇し、そのまましゃべっていた。

 

「ごめんね〜、新婚デート中にお邪魔しちゃって。」

「変な気を遣わなくていいからね?」

「寿、工学部にも空きコマの概念があったんだな。」

「週一日だけどな。」

 

 引退してからはトッキーや梓ちゃんとはあまり会っていない。学部が違うトッキーと大学が違う梓にゃん。サークルという場所が無くなった今、会う頻度が減るのは仕方がなかった。

 

「で、梓ちゃんはなんでうちのキャンパスにいるの?」

「新婚さんの様子を陰から見守りたくてね♪」

「見守らなくていいから!あとまだ婚約してない‼︎」

「時折陰から見てたが、順調そうだぞ。」

「勝手に見ないでよ、トッキー‼︎」

「じゃあ婚約するか。」

「ちょっと待ってブッキー!心の準備が……///」

 

 だから、久々にいじられた。恥ずかしいって〜!結婚も考えてるけどさ〜、いきなり言われたらびっくりするじゃん!

 

「それはさておき………」

「おくんだ。」

 

 そんな三十路の恥じらいはどこ吹く風というように、一瞬にして話題が変わった。

 

「最近服ばかり着ているから、疲労が溜まっててな。」

「なんで⁉︎」

 

 どうやら目の前のマッチョは服を着るのもしんどいらしい。

 

「奇遇だな。」

「その気持ち、すっごい分かるわ。」

「なんで分かるの⁉︎」

 

 どうやら私以外は皆そうらしい。

 

「だってそうだろ?今まで酒飲んで全裸で過ごしてきたんだぞ?」

「それをいきなり飲むな脱ぐなはなぁ〜。」

「息詰まるわよね〜。」

「皆大丈夫⁉︎この先、生きていける⁉︎」

「とりあえず脱いでいいか?」

「ここは大学のキャンパス!公共の場‼︎」

「でも学祭の時は脱いだだろ?」

「あの時はお祭りで、しかも人前じゃないとこだから‼︎それにここ、外だし‼︎」

「外で脱ぐのもたまにはいいんじゃない?」

「ダメったらダメ〜‼︎」

 

 この子達大丈夫かな?社会に出て、仕事中に脱ぎ出したりしないかな?そもそも就活で脱いだりしないかな?とりあえず、このままだと本当に脱いじゃいそう。なら、脱げる場所を提供するまで‼︎

 

「それじゃあ、今日は私の家で飲み会で!そこならよし‼︎」

「それはいいな。脱いでも怒られないし。」

「確かに。俺の家なら大丈夫だろう。」

「ちょっと待って?2人もう同棲してるの?」

「そうだよ!それじゃあ放課後キャンパス入口集合で!」

「「おう!」」

「えっ?あっ、うん……!」

 

 ということで、私の家で飲み会をすることになりました‼︎ぱちぱちぱち〜♪

 

 

 

  side 梓

 

 えっ?あの2人もう同棲してたの?それは知らなかったんだけど⁉︎

 

 

 

 

 

  side memちょ

 

 放課後、私たちが待ち合わせをしていると………

 

「なぁ、北原に今村。星野って最近大丈夫なんか?」

「女装して彼女同伴で授業に来て、そのまま車にぶち込まれてどこか行ってる姿しか見ないんだが………」

「ああ、アイツか。」

 

 何やらいおりんたちの不穏当な会話が聞こえてきた。アクたんに一体何があったの⁉︎

 

「あかねの家に監禁されてるだけだから心配すんな。」

「「なんでだよ⁉︎」」

「この間グルディスで決めただろ。」

「黒川家に一週間監禁って。」

「あっ、確かに。」

「逃げ出そうとして二週間に延びたけどな。」

「アイツ本当に頭悪いだろ。」

 

 えっ?アクたんがあかねの家に監禁⁉︎二週間も⁉︎しかもグループディスカッションで決まったの⁉︎何してんの、あの子たち⁉︎

 

「お待たせ〜!これで全員揃ったわね!」

 

 そして、それを聞いてなかったかのように現れる梓ちゃん。

 

「ちょっと皆聞いて〜!アクたん監禁されてるってホント⁉︎」

「そういや前に運ぶの手伝ったな。」

「千紗ちゃんから事情を聞かされた時はびっくりしたぜ〜。」

「びっくりしたぜ、じゃないでしょ‼︎」

「アクアの浮気が原因だからね。あかねから相談もされたんでしょ?」

「されたけど、そこまでするなんて思わなかったよ‼︎」

 

 あの2人本当に大丈夫かな⁉︎めちゃくちゃ心配なんだけど⁉︎事件になったりしないよね⁉︎

 

「それより早く飲も‼︎」

「「脱ぎたくて仕方ねえぜ。」」

「皆もっと気にかけてぇ〜‼︎」

 

 この3人はそんなに心配してないし‼︎もう、どんだけお酒が好きなのさ!私も好きだけども‼︎

 

 

 

 

 スーパーで買い出しをした後、私たちはいよいよ宅飲みを始めることになった。

 

「お〜、綺麗な家ね〜。」

「しかしかなり広いな。2LDK……もしや撮影部屋は別とか?」

「そうだよ〜。」

 

 私の部屋は2LDKの新築。玄関とマンションのエントランスにオートロックがついている構造で、セキュリティはバッチリだ。部屋は10畳ある2人の寝室が1つと、6畳の撮影部屋が1つ。リビングにはソファーとテーブルだけじゃなく、ブッキーの筋トレマシーンが置いてある。彼はいつもここで鍛えているよ。

 

「まあ、2人用ならこんなもんだろ。」

「お前ら、いつから同棲してたんだ⁉︎」

「それ、私も気になった。」

「先週くらいからかな?」

「大学を卒業するまではここにいて、卒業したら東京に引っ越す予定だ。」

「おお………」

「なるほどね〜。」

 

 そういや同棲の事は他の人に言ってなかったな〜。バタバタしてたし。唯一仕事の都合で社長には話したけど。ちなみにいずれマイホームも欲しいな〜、って考えてるよ。

 

 

 

 

 部屋の物色が終わった後、いよいよ飲み会が幕を開けた。

 

「それでは………盃を干すと書いて………」

「「「かんぱ〜い‼︎」」」

 

 そう言ってビールを一気に喉にかっこむ。この爽快感と刺激、久しぶり!たまらないね!

 

 そんな事を思ってると、

 

「久々の脱衣だし、ただ脱ぐだけじゃつまらないな。」

「ここは一つ………ゲームといこうか。」

 

 トッキーとブッキーたちが面白そうなことを提案してきた。

 

「おっ、いいね〜♪」

「何のゲームをするの?」

「それはな…………」

「「飲み比べだ。」」

「「お〜!」」

 

 飲み比べゲームね!同じお酒で何種類か用意して、どの銘柄か当てるやつね!企画とかで色んなお酒飲んできたから、ちょっと自信あるぞ〜‼︎

 

「じゃあ、何の飲み比べをしようか?」

「それはもちろん…………」

 

 特に私はビールが好きだから、それが来ないかな〜?

 

「「スピリタス‼︎」」

「えっ⁉︎」

 

 スピリタス⁉︎嘘でしょ⁉︎

 

「やっぱそうよね〜!」

「スピリタスって、ウォッカの中のスピリタスじゃない⁉︎」

「mem、お前はPaBで何を学んできたんだ?」

「そりゃお酒だけど………」

「その中でもスピリタスについては、深くやってきただろ。」

「ならば飲み比べるのが、集大成ってもんじゃないのか?」

「だから比べるも何も1種類しかなくない⁉︎」

「「調べたら3種類あった。」」

「嘘でしょ⁉︎」

 

 スピリタスってそんな何種類も銘柄あったっけ⁉︎いつもあの緑のラベルのやつしか飲んでないから分からないよ〜!ブッキーの家に特濃があるらしいけど、それも別ってことかな?

 

「ということで、1人のバーテンが酒を入れ、」

「3人で飲み比べる。」

「それで、外した人は1枚脱ぐってこと?」

「「そういうことだ。」」

 

 野球拳よりシビアっぽいね。ウォッカの飲み比べならまだ出来るかもだけど、その中のスピリタスってなったら流石に自信ないよ〜。

 

「りょーかい!」

「出来るかな〜?」

「それじゃあ最初のバーテンは俺だ!皆、目をつぶれ!」

「任せたぞ、寿。」

 

 ということで、スピリタスの飲み比べ脱衣大会が幕を開けた。

 

 

 

 

 しばらくして目を開けると、そこには中に水が入った三杯のコップがあった。水といっても、全部スピリタスだけど。しかももちろんストレート。

 

「それじゃあ、飲んでくれ。もちろん全部飲み干してな。」

「ああ。」

「まずはこれかな〜?」

「いただきま〜す!」

 

 右のコップは………うんうん、よく飲む水の味。とても刺激的で、喉が焼けるような水の味。真ん中のコップも………うんうん、よく飲む水の味。これもさっきと一緒。で、左のコップは…………

 

「「「ごっほ………っ‼︎」」」

 

 きっつ‼︎なにこれ⁉︎思わずむせちゃったんだけど⁉︎匂いも味も段違いでキツい‼︎これだけおかしくない*1⁉︎

 

「それじゃあ、俺の家のスピリタスはどれだ………?」

「「「一番左‼︎」」」

「正解だ。流石に分かりやすかったか。」

 

 みなみちゃんこれをガブガブ飲んでたの⁉︎凄すぎない⁉︎こりゃブッキーも潰れるって‼︎ストレートで飲むものじゃないよ〜‼︎*2

 

「あら、memだけ脱がせるような工夫はしないのね。」

「ちょっと梓ちゃん‼︎人前で変なこと言わないで///」

 

 しかも梓にゃん⁉︎どさくさに紛れて変なこと言わないで‼︎

 

「俺は正攻法しか使わないからな。」

「ひゅ〜♪」

「ブッキーも答えなくていい‼︎///」

 

 恥ずかしくなるからさ〜‼︎真顔で言わなくていいんだよ〜‼︎

 

 

 

 それはさておき、

 

「次は私がバーテンね。」

「頼んだぞ、浜岡。」

 

 次は第二ラウンドだ‼︎恥ずかしさをお酒で紛らわせていくぞ〜‼︎

 

「さて、この3つを飲み比べてちょうだい。」

 

 そして、目を開けた先には………またもや3つのコップがあった。

 

「どれどれ〜?」

 

 1番左は………うわっ、キッツ‼︎寿スピリタスじゃん‼︎真ん中は………うわっ、これもキッツ‼︎でもちょっとずつ飲み慣れてきた………?1番右は………やっぱキッツ‼︎ちょ〜酔うんだけど‼︎

 

「この中の2つが寿スピリタスで、1つが寿スピリタスのノーマルスピリタス割りよ。分かるかな?」

「スピリタスをスピリタスで割ったの⁉︎」

「これは難しいな。」

 

 しかも混ざってるし‼︎こんなの分かるかぁ‼︎とりあえず、他2人の発言を待ってから発言しようかな〜?

 

「ちなみに答えは……私に小声で話すように!」

 

 しまったぁぁぁぁぁ⁉︎これじゃあ他の人の答えを参考にできない‼︎どうしよう………ここは勘でいくか‼︎

 

「………一番右………」

「………はずれ♡………」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 外したぁぁぁぁぁぁ⁉︎これじゃあ久しぶりに飲み会で脱ぐことになるじゃん⁉︎準備はしてるけどさ⁉︎流石に恥ずかしいよ〜‼︎

 

 全員が終わったところで、答えが発表された。

 

「答えは真ん中。memちょだけ外れね。」

「なんで逆に当てられたの⁉︎」

「そりゃ、一個だけ少し飲みやすかったからな。」

「伊達にスピリタスを飲んでねえぜ!」

 

 他2人は見事正解。流石の腕前だ…………

 

「さて、次は俺がバーテンだな。」

「トッキー、頼むよ!」

 

 マズいな。このままだと、また私だけ脱ぐことになるんじゃない⁉︎それだけは勘弁したい‼︎

 

「俺は今から3種類のスピリタスを入れる。1つはノーマル、1つは寿、そして残り1つは………」

 

 そういや、3種類あるって言ってたな。あと一つはなんだろう………?

 

「スピリタス 〜ワルシャワの幻想〜 だ。」

「何その厨二病みたいなサブタイ⁉︎」

 

 ネーミングセンスどうかしてるでしょ⁉︎スピリタスにサブタイ要らないし‼︎

 

「これがそうだ。」

「うわぁ〜、本当にあるんだ〜。」

 

 確かに実在した。しかもなんかおしゃれな和風のフォントで書かれてるし………

 

「ということで、今から目をつぶれ。今回はワルシャワの幻想を当ててもらうぞ。」

「は〜い。」

 

 にしても、また別の味がするのかな〜?どうなんだろう、楽しみ‼︎

 

 

 

 そして飲んでみた結果………

 

「ごっほ………普通のと違いが分からん‼︎」

「それ。流石に難しいわ。」

「俺の家のだけ分かりやすいな………」

 

 全然分からなかった。一番左のやつは寿スピリタスだってわかるんだけど、他は無理。めちゃくちゃ同じ味がした。これは流石に難しすぎない⁉︎

 

「せーので答えてくれ。せーの。」

「「真ん中‼︎」」

「一番右‼︎」

 

 やばっ、私だけ違う‼︎これじゃあ私が脱ぎたがりの変態みたいじゃん‼︎

 

「正解は一番右だ。よく分かったな。」

「ホント〜⁉︎全然わかんなかったよ〜‼︎」

「流石ね………」

「これは無理だったな………」

 

 良かった⁉︎なんか当たったんだけど⁉︎やった〜♪

 

 

 

 さてと、最後は私がバーテンの番だ‼︎ここは畳み掛けるぞ〜‼︎

 

「で、memちょは何を飲み比べるの?」

「それはね〜、この4種類‼︎ノーマル、寿、ワルシャワの幻想、そしてノンアルコールスピリタス*3‼︎」

「「「ノンアルコール⁉︎」」」

 

 なんと、普通の水を入れちゃいます‼︎

 

「皆には飲み慣れた、ノーマルスピリタスを当ててもらいます‼︎ちなみにノンアルコールスピリタスだけはぁ〜、絶対当てたらダメ‼︎もしそれを当てたら即全裸‼︎」

「えっ⁉︎」

「「なんっ………だとっ⁉︎」」

 

 そして、これを地雷にします‼︎当たりとハズレの中に大ハズレを入れる‼︎バラエティーの鉄則だね!流石に引っかかる人はいないと思うけど………

 

 

 

 

 しばらくして、皆が飲み終わった。さあ、皆は飲み慣れた水の味、当てられるかな〜?一番左だぞ〜?間違っても、一番右のノンアルコールスピリタスを当てる人はいないよね〜?

 

「それでは〜、せ〜の!」

「「「一番右‼︎」」」

「えっ⁉︎」

 

 よりにもよって全員が大ハズレ⁉︎何してんの⁉︎皆PaBで鍛えたんじゃないの⁉︎

 

「「「ごめん、脱ぎたくなった。」」」

「ちょっと皆〜⁉︎」

 

 PaBで鍛えすぎておかしくなっただけだった。こうして、私たちは久しぶりに朝まで飲み会をしたのだった。

*1
どれもおかしいです。常人は普通のスピリタスも飲めません。

*2
普通のもストレートで飲むものじゃないです。

*3
ただの水です。非可燃性の。




スピリタス 〜ワルシャワの幻想〜 は実在します。しかもポーランドじゃなくて日本限定らしいです。
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