酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。


第十六章 笑ってはいけない編
八十杯目 ゴロー再び


  side アクア

 

 2週間ぶりに味わうシャバの空気………なんて美味いんだ。こんなにもあかねに拘束されない生活が楽しいなんて。しかもアイツはあろうことか、盗聴器も貞操帯もつけ忘れた。これは大チャンスだ‼︎

 

「あれっ、あの人って星野アクアじゃない?」

「わ〜、本物だ〜♪かっこいい〜♡」

 

 そしてゴローにうってつけである可愛い女の子2人。

 

「一応別人なんだが………」

「「そうなんですか〜⁉︎」」

「まあ、立ち話もなんだしさ。カフェでも行かないか?」

「「はい!」」

 

 そんな2人を目にしては、カフェに行くのは自然の流れだった。

 

 

 

 

 2人とのカフェを楽しんだ後、俺は2人に別れを告げ、道を歩いていた。

 

「………久しぶりに店行くか。」

 

 2週間監禁されてた影響で、PaBには全く顔を出していない。酒そのものは有馬が来た時に飲んだが、それ以外は全く無い。更には2週間も野球拳をしてないから、服が重くて仕方がない。早く店に行って脱がないと…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「確保ぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」」

 

 な、何が起こった⁉︎背後から時田と寿兄が現れ、急に俺を拘束し始めたんだが⁉︎

 

「ちょっ⁉︎やめろお前ら‼︎離せ‼︎」

「アクア、お前は今からあるところに連れていかれることになる。」

「だからちょっとの間我慢しろ。」

「ふざけんな‼︎こっちは監禁が終わったばっかなんだぞ‼︎それなのに今度は誘拐⁉︎」

「「その通りだ。」」

「なんでだよ⁉︎」

 

 下手な女の子より監禁→誘拐されているという事実。マジで勘弁してくれ。俺はちゃんとチンコついてるんだぞ。女じゃねえんだぞ。

 

 だが、屈強な2人をどうすることも出来ず、連れて行かれるだけの運命。そうして俺は車に乗せられ、空港を歩かされ、飛行機に乗せられ………

 

 

 

 

 

「「着いたぞ、アクア。宮崎に。」」

「なんでだよ⁉︎」

「「「「お前も捕まったのか………」」」」

「なんでお前らがここに⁉︎」

「「「「俺が聞きたい。」」」」

 

 宮崎に帰ってくることになった。しかも北原に今村、野島に山本まで。全員連れてこられたとか、どうなってるんだ⁉︎

 

「では後のことは千紗ちゃんから聞いてくれ。」

「頼んだ!」

「分かりました。」

 

 しかも古手川までいる。コイツが何か仕組んだのか?まさかこの真冬にダイビング?いや、流石に無理だ。なら男5人に何かさせたいのか?とりあえず、話を聞くことにするか………

 

「では今から皆には、ある企画をやってもらうから。」

「「「「「企画………?」」」」」

 

 本当に、何をさせるつもりなんだ…………?

 

 

 

 

 

「絶対に笑ってはいけない 高千穂病院24時。」

「「「「「絶対に笑ってはいけない⁉︎」」」」」

 

 笑ったら何か罰ゲームでもあるのか⁉︎というか高千穂病院って………‼︎ゴロー時代の職場じゃねえか‼︎

 

「皆には今から24時間、病院の中で過ごしてもらう。その中でもし笑ったりしたら、お尻をこの黒い棒で叩かれるよ。」

「確かに、病院で笑うなんて不謹慎すぎるからな。」

「ケツをしばかれても仕方あるまい。」

 

 笑ったらケツバット。幸い黒い棒は柔らかそうだから、そこまでダメージは無さそうか。なんだ、大したことないな。

 

「もしや、古手川さんに叩かれるんか?」

「それはむしろご褒美だな。」

「叩くのは私じゃないよ。」

「じゃあ誰なんだ?」

「クラスの男子。」

「「「「「嫌だ‼︎」」」」」

 

 前言撤回。アイツら全力で叩いてくるじゃねえか‼︎しかも恨みを込めてくるから、尚更タチ悪い‼︎ふざけるなし‼︎しかもそれが24時間⁉︎ケツがもつわけねえだろ‼︎全く、最悪な企画に連れてこられたもんだぜ‼︎

 

 そんな事を思ってると、

 

「あと、今から病院に行くということで、皆には着替えてもらうから。」

 

 お着替えタイムになった。よく見ると俺たちの後ろには簡易試着室のようなものがあり、それぞれに名前が書いてあった。

 

「自分の名前のところに入ってね。」

「「「「「おう。」」」」」

 

 名前が書いてある。こういう時はだいたい誰かが違う服を着るんだろうな。古手川も絡んでることだし、俺だけナース服とか?ありそうで嫌だ。

 

「千紗ちゃ〜ん!」

「お姉ちゃん⁉︎」

「千紗ちゃんもお着替えタイムよ‼︎」

「私は着替えなくていいから‼︎」

「そんな事言わずに〜‼︎」

 

 まあ、古手川もナース服着てくれるならいいか。そう思って中に入ると……………

 

 

 

 

 

 そこには男物の白衣と謎の箱が置いてあった。

 

「良かった………今日は男だ………」

「「「どんな感動だよ⁉︎」」」

 

 隣の部屋から聞こえるツッコミを無視して、俺は感動していた。久しぶりに男として見てもらえる。最高だ。ただ、この箱が気がかりなんだよな〜。中に何が入っているんだか…………

 

 

 

 

 

 

 

 

・黒のカツラ

・黒で四角の細縁メガネ

・黄色のカラコン

・「アイ無限恒久永遠推し‼︎」と書かれたキーホルダー

 

 

 

 ゴローのコスプレセットじゃねえか‼︎ふざけんなよ‼︎これ入れたの絶対ルビーだろ‼︎アイツ何考えてるんだ⁉︎しかも今から行くのはあの病院だし‼︎

 

 

 

 

 ということで、俺はゴローの格好をして出てきた。

 

「アクア、どうした?」

「そのよく分からないコスプレはなんだ?」

「俺が聞きたい。」

「女装じゃねえのか?」

「そうだな。」

 

 ちなみに北原と今村と野島は既に着替えて出ていた。全員普通の医者のコスプレだ。見事に頭が悪そうで似合っていない。

 

「くそっ…………!こういうのは星野の役目だろ………っ‼︎///」

 

 そして、なんと山本がナース服を着て出てきた。控えめに言って気持ち悪く、そして最高に面白かった。

 

「「「「ぎゃは………あっ。」」」」

「笑ったらダメなのはバスからだから。」

 

 良かった、まだ始まってなかった。

 

「「「「じゃあ思いっきり笑えるなぁ‼︎」」」」

「うるせえ‼︎というか、なんで俺なんだよ⁉︎」

「山本君は元から女装って決まってたけど………」

「元から決まってた⁉︎」

「マリンは違くない?ナース服は?」

 

 山本は元から決まってたのか。確かに、こういうのにネタ枠は必要だしな。俺だったらガチの女に見られてしまうからな。

 

「お前のが似合うんだし、仕方ないだろ。」

「あかねに口説かれたって連絡しとこ。」

「それだけはやめろ。」

「とりあえず、ルビーに電話してみる。」

 

 あと、古手川も姉の力でナース服を着せられていた。似合ってるので、後で時間がある時に2人きりになっておくか。

 

『ルビー、マリンの服間違ってる。』

『お兄ちゃんはそれで合ってるよ‼︎昔その病院に居た伝説の産婦人科医、雨宮吾郎のコスプレ‼︎』

『何その地味に分かりにくいコスプレ。絶対ナース服のがいいって。』

『ごめん、千紗ちゃん。これだけは譲れないんだ。』

『そうなんだ。分かった。』

 

 というか、やっぱりルビーも絡んでるのか。この企画、絶対ろくなことにならないな。頼むから早く帰らせてくれ。

 

「まあいいや。とりあえず皆にはあのバスに乗って病院に向かってもらうから。」

「「「「「おう。」」」」」

「あと、バスに乗ったら笑うの禁止で。」

「マジか………」

「隣にこのバカどもがいて、笑うなと………」

「なんて過酷な試練なんだ………」

 

 ということで、笑ってはいけない24時が幕を開けたのだった。

 

 

 

 

 バスに乗り込むと、運転手の後ろのロングシートが俺たち用に開けられていた。なので、前から順に北原→野島→今村→山本→俺の順番で座ることになった。向かいには優先席を含めたロングシートがあり、何人か座っている。そして後ろはよくあるバスの後部座席があって、知らない人で埋め尽くされていた。恐らくエキストラなのだろう。

 

「くそっ、なんで俺が山本の隣なんだよ………」

「嫌すぎる………」

「嫌なのは俺の方だ‼︎なんで女装なんだよ⁉︎」

「「「「仕方がなかった、ってやつだ。」」」」

「うるせえ‼︎」

 

 そして、可愛らしいナース服を着た気持ちの悪い山本。頼むから視界に入らないでくれ。笑ってしまうから。

 

「……ぶっはははっ!」

 

 案の定、隣にいた今村が耐えられずに笑った。

 

デデーン『今村君、アウト。』

「しっ、しまった‼︎」

「ざまあみろだぜ。」

 

 謎の効果音と共に、古手川のアナウンスでアウトを告げられる今村。更にはバスが止まったかと思えば、黒い服を着たクラスの男子がやってきて………

 

「オラァ‼︎」バン!

「あぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ケツをしばかれた。なるほど、こうやって罰ゲームを受けるのか。なんとしても、次は笑わないようにしないとな。

 

 

 

 

 そんな事を思っていると………

 

「ちょうどいい。このバスに乗ろう。」

「フリル⁉︎」

「不知火じゃねえか。」

 

 バスに不知火が乗り込んできた。

 

「すげえ、不知火フリルだ………」

「本物だ…………」

 

 野島と山本が感動している中、俺たちはいつもの光景なのでノーコメントだった。むしろ、コイツの突拍子の無い行動に笑わされないか、警戒していた。

 

「今から仕事だから、仮眠でもしようかな。確か、アレを数えると眠りやすいんだっけ。」

 

 分かりやすいくらい大きな声の独り言に、仕掛け人だと勘づいてしまう俺。芸能経験のせいで、分かってしまうのが悲しい。だが、それが分かったとて、コイツの行動は予測できない。それが不安だ。

 

「羊を数えるのか………」

「だが、ここに羊なんていたか?」

「いねえな。」

 

 北原と野島が疑問に思う。確かに、羊の姿は全然見えない。

 

「よっと…………」

 

 そう言いながら、北原の前に立つ不知火。一体何を数えるんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちんちんが一匹。」

「「「「「ぶっ‼︎」」」」」

 

 ナニを数えてどうすんだよ⁉︎逆に寝れなくなるなろうが‼︎

 

デデーン『全員、アウト。』

 

 思わず笑っちまったし‼︎ふざけんなよ‼︎

 

「お前らのケツを合法的にシバけて最高だぜ。」

「「「「「藤原⁉︎」」」」」

「じゃあ、行くぞ。」バン!

「「「「「あぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」

 

 そして、藤原を含む黒服5人に俺たちはケツをしばかれた。くそっ、思ってる以上に痛え‼︎座るのしんどいんだが………

 

「ちんちんが二匹、ちんちんが三匹………」

「「ぎゃはは‼︎」」

デデーン『野島君、山本君、アウト。』

 

 そして、そんなのをお構いなしにぶっ込んでくる不知火。不知火に慣れてない2人は耐えられずに笑ってしまう。くそっ、俺もヤバいんだが………っ‼︎

 

「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」バン!

 

 しかも北原、野島、今村ときて、次は山本の前に立った。そして、コイツは今女装している。不知火はコイツをチンコ判定するのか………

 

「フリルち゛ゃん゛、あ゛た゛し゛はちんちんじゃないわ゛よ゛。」

 

 山本ぉぉぉぉぉ‼︎汚ねえオカマ声出すんじゃねぇよぉぉぉぉ‼︎

 

「「「「ぶっ………‼︎」」」」

デデーン『伊織、野島君、今村君、マリン、アウト。』

「「「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」」」バン!

 

 笑っちまったじゃねえか‼︎

 

「う〜ん…………ちんちんが四匹。」

「な゛ん゛で゛よ゛⁉︎」

 

 しかも結局男扱いかよ‼︎

 

「「「「ぶっ………‼︎」」」」

デデーン『伊織、野島君、今村君、マリン、アウト。』

「「「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」」」バン!

 

 マジでケツ痛え‼︎早くコイツをバスから降ろしてくれ‼︎座れなくなるって‼︎

 

「…………」

 

 しかも最後は俺の番か‼︎流石にこの見た目(ゴロー)なら男だろ…………

 

「ちんちんじゃない………」

「「「「ぶっ…………!」」」」

デデーン『伊織、野島君、今村君、山本君、アウト。』

「ふざけんな‼︎」

 

 どう見ても男だろうが⁉︎いい加減にマリン扱いはやめろ‼︎しれっと古手川もマリン呼びだしさぁ‼︎

 

「「「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」」」バン!

「星野テメェ、笑わせやがって‼︎」

「お前もだろ、山本‼︎」

「「「2人とも、殺すぞ‼︎」」」

「「笑われる身にもなってみろ‼︎」」

 

 笑っても笑われても地獄。なんだよ、このイベントは‼︎マジでふざけるなし‼︎

 

「…………」

 

 そして、俺たちの悶絶をお構いなしに運転席の方へ向かうフリル。コイツめ、また何かする気か⁉︎

 

「あなた、このまま私とホテルまで行かない?」

「断る。」

「「「「「ぶっ‼︎」」」」」

 

 だからさぁ‼︎しれっと下ネタを言うなって‼︎しかも運転手よく見たら鏑木さんじゃねえか‼︎あのおっさん何してんだよ⁉︎というか、バス運転できんのかよ⁉︎

 

デデーン『全員、アウト。』

「「「「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」バン!

「不知火、悪いがここで降りてくれ。」

「放置プレイね。分かったわ。」

「「「「「ぶっ‼︎」」」」」

デデーン『全員、アウト。』

「「「「「あぁぁぁぁぁ‼︎」」」」」バン!

 

 だからやめろって‼︎少しは俺たちのケツを労われよ‼︎全く、もう‼︎開始早々散々だ‼︎

 

 ただ、不知火はバスから降りてくれた。これでしばらくは平穏が訪れるだろう。少しは、ケツを労わってやるとするか………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう思ったのも束の間………

 

「優お兄ちゃん、お手。」

「わ、わん‼︎」

 

 御手洗の彼女と、彼女に首輪をつけられて犬のふりをした御手洗が乗り込んできた。




司会は苗字繋がりの藤原じゃなくて千紗にしました。
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