酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。

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僕九州人じゃないんで、酔ったケバ子の九州弁は雰囲気で書いてます。現地の人からすると違和感バリバリだと思いますが、何卒よろしくお願いします。


九杯目 男コン

  side アクア

 

 俺と10秒で吐ける天才子役有馬かなはゲロから復活した後………、

 

「うち、頑張っとうやろ?ね?ものすごく頑張っとうやろ⁉︎」

「おっ、おう………」

「確かにもの凄かったな………」

 

 北原と今村がなんかケバい女に絡み酒されていた。

 

「おう重曹、復活したのか!」

「流石はmem先輩だなぁ。」

「ホント助けられたわ………」

「俺にはなんか無いのか、クソ野郎ども。」

「「彼女持ちは黙ってろ。」」

「ちょっと‼︎アンタら人の話聞いとる⁉︎」

「「すまんすまん。」」

 

 どうやらコイツらは既に知り合いみたいだ。どうやらこの女の話を2人は聞いてたっぽい。

 

「化粧もくさアタシなりに研究して……慣れん服装もして……一生懸命ノリも合わして、なんやコールやらSoSoやらやって!映画とかドラマにゃなかったけん、そんなもん‼︎」

「あんなもの映像映えするわけないでしょ。」

「映画とかドラマっていうのは見せたいところを演出家が切り取ってるものだからな。」

「せからしか………って星野アクア⁉︎」

「そうだが。」

「コイツ彼女持ちだから諦めろ。」

「せやろなぁ………」

 

 あと、流石に俺のことは知ってるっぽい。映画やドラマには無かったとの口調から、映画やドラマを観るのが好きな人だと推測できる。自分のことを覚えてくれてるのは、素直に嬉しいな。

 

「話戻すけど………なんでアタシは皆にバカにされんといかんとぉぉぉぉ〜‼︎」

 

 それはそうと、このケバ女はどうやら努力が実らなかったらしい。とりあえず慰めとくか………

 

「その気持ち、分かるわ。」

「何よ、有馬かな⁉︎」

 

 ん?有馬がやってくれるのか?

 

「私だって一生懸命アクアに好かれようと努力したもん‼︎化粧したり好きなもの調べたりオシャレしたりで‼︎でもコイツ人のこと可愛いとかいうくせに、他の女と付き合いやがったのよ⁉︎」

「なんやそれ‼︎ホンマに許せないっちゃ‼︎思わせぶりな態度取っといて断る男とか、絶対にあり得んね‼︎アタシ彼氏いたことないから分かるっちゃ‼︎」

「私もよ‼︎本当……っに許せない‼︎」

 

 ちょっと待ってくれ。俺をダシに慰め合うな。

 

「よしっ、アクアを殺すか。」

「それしかないな。」

「俺はお前らを殺したいんだが?」

 

 俺がまた殺されるから。

 

 

 

 

 そんなことを思ってると………

 

「しかもな、最初はネタ枠でもいいと思っとった。仲良く出来るならそれで本望やと。でもあの連中、ミスコン終わって飲み会になったら………もう充分笑ったから帰っていいよって。やっぱ無理に変わろうとなんてするんやなかった………。結局私は何をしても笑われる側で、アイツらは笑う側なんや………」

 

 コイツがやけ酒してる理由が分かった。自分が頑張って仲良くしたのに、その相手には笑い物扱いされてクビ。芸人ではなく同じサークル仲間として接するべきなのに、この扱いはあんまりだ。

 

 そして、それを見た北原が………

 

「何言ってんだ?人を笑うだけ、人に笑われるだけなんねヤツいるわけないだろ。」

「だけど………っ‼︎」

「面白いモンを見せてやる‼︎」

 

 どうやら何か企んでるようだ。俺もケバ女を笑うだけの行為は好きじゃない。俺の目に黒い星が浮かぶのが、心の中でも分かるくらいの怒りが、沸々と込み上げてくるのを感じる。よし、俺も復讐に乗るか………

 

 

 そして、いよいよ男コンの時間がやってきた。浜岡がティンベルの会長にナンパされてたことを利用し、作戦開始だ‼︎

 

 

 

 

 

  side 工藤

 

 いよいよ俺の出番がやってきた。

 

「テニスサークル、ティンカーベル会長の工藤です。どうも!」

「「「キャー、工藤さ〜ん‼︎」」」

「すげえ人気だな。」

「今年も優勝はティンベルか?」

 

 俺の登場で、女どもの可愛い声援で会場が埋まる。男どもはうちの優勝を予想する。これは当たり前だ。他とはレベルが違うんだよ。

 

「対抗馬の星野アクアも芸能人だから出られないし、圧勝だろ。」

 

 そもそも芸能人の出場不可はうちのサークルが承認させたことだからな。2年前にmemちょがミスコン優勝をうちから()(さら)うところだったから。まあ、普通に考えたらこの規定は当たり前のことなんだがな。

 

「では次の方!」

 

 さてと、俺の後に出る奴か。可哀想だな………

 

「Peea a Booの今村耕平です。よろしくお願いします。」

「わ〜、かっこいい!」

「でもなんで制服?」

 

 Peea a Booだと?あの全裸バカ集団で星野アクア以外にこんな奴が居たのか………。まあいい、俺の優勝は変わらないさ。

 

 それにしてもアイツ、ステージ前方までどんどん歩いていくな。一体何をするつもりなんだ?

 

「浜岡梓さん。」

 

 今村が手を差し伸べた女は………浜岡梓。確か俺が昼にナンパした女か………

 

「ティンベルの工藤会長なんかじゃなく、俺と付き合って下さい‼︎」

「お〜っとこれは今村さん!突然の告白です!」

 

 チッ、目立ちやがって!なに勝手に人の名前使ってんだよ。

 

「………」チラッ

 

 浜岡梓が俺の方を見る。なるほどな、なら格の違いを見せてやるか‼︎

 

「いや、俺の方にお願いします。」

「なんと!工藤会長も続いて告白だ〜‼︎さあ、一体どちらを選ぶのかな?」

 

 そう言って、俺は今村と並んで、梓ちゃんの前に手を差し伸べる。もちろん、手を取るのは………

 

「……………」スッ

「工藤会長だぁぁぁぁ‼︎」

 

 やっぱり俺だよな。ここはアイツを煽ってやるか‼︎

 

「悪いね〜、こんなことになっちゃって!でもさ、人にはそれぞれのレベルがあるわけだし、君には君なりのお似合いの人がいるんじゃないかな〜?」

「お似合いの人、ねえ………」

 

 どうやら今村はショックを受けてる様子。残念、お前は井の中の蛙だったんだよ‼︎

 

「くっくっくっ………」

 

 梓ちゃんもこれには笑いを堪えられない様子。ざまあみやが………

 

「残念でした〜‼︎男ですぅぅぅぅ‼︎」

「「うひゃひゃひゃひゃひゃ‼︎」」

 

 は?どういうこと?梓ちゃんがカツラを取った瞬間、中から男が現れたんだが………

 

「いや〜、そうですか!まさかこの僕が天下のティンベル会長さんとお似合いだなんて!」

「良かったなぁ、北原‼︎お前の女装はこの人の魅力と同格らしいぞ‼︎」

「というわけでPeek a Boo1年、北原伊織‼︎ミスターコンテストに飛び入り参加します‼︎長所はこの通り、美形2人にお付き合いを懇願されるほどの美貌です‼︎」

「ちょっと工藤さん、どういうことよ⁉︎」

「「「「ギャハハハハ‼︎」」」」

 

 しかも会場が大爆笑じゃねえか‼︎ふざけんなよ、俺のことをバカにしやがって‼︎しかも今村までグルだったのかよ‼︎あと観客席の女子‼︎あれ有馬かなだろ‼︎なんでお前が俺のことそんな風に言うんだよ⁉︎まさかグルなのか⁉︎

 

「どうしたんだ、工藤。まさかこういう扱いに慣れてなかったのか?意外だな。」

「「「「キャー、星野アクアだ〜‼︎」」」」

「アクア君が出てたら、間違いなく優勝だったのにね〜!」

「ね〜!」

「あーくん結婚して〜‼︎」

「それと、俺が居ない男コンとかつまらないだろ。ということでPeek a Boo1年、星野愛久愛海。同じくミスターコンテストに飛び入り参加します。」

 

 しかも星野アクアまで現れやがった‼︎ふざけんなよ、くそっ‼︎何が意外だっつーの‼︎お前から見たら、俺はイケメンじゃないってか‼︎

 

「ち、違う‼︎これは………っ‼︎」

「あっ、そうそう会長。」

「「「もう充分笑ったんで、帰っていいですよ。」」」

 

 くそが………っ‼︎なんでこんな仕打ちを、俺が受けなきゃいけないんだよ………っ‼︎

 

 

 

 

  side アクア

 

 いよいよ伊豆春祭初日の打ち上げとなった。

 

「「「祝‼︎男コン・ミスコン二冠達成〜‼︎」」」

 

 今回は男コンが北原、ミスコンが古手川の優勝で幕を閉じた。Peek a Booとしても俺としても、最高の結果だ。

 

 そして、  

 

「あのさ………」

「「ん?」」

 

 例のケバ女が打ち上げ会場にやってきた。

 

「な、何これ?」

「見ての通り洗面器だ。」

「そうじゃなくて、私は……っ!」

「やっぱり飲むなら大勢だな。」

「突っ立ってないで座れよ。」

「な、何よ……ふふっ!私と飲みたいんならそう言いなさいよ♪」

 

 まあ、こっちはアイツらに任せて大丈夫だろう。さて、俺と有馬は………

 

「よう古手川。」

「アンタまた女誑かす気じゃ………」

「そんなわけないだろ。」

 

 古手川の方だ。

 

「お疲れ、星野さん。」

「なぁ、今村が君なら俺も君でよくないか?」

「分かった、じゃあマリンにしとく。」

「お前の中で俺は女なのかよ⁉︎」

「マリンって、一応アンタの名前の一部でしょ?何が不満なのよ、マリンちゃん♪」

有馬(おまえ)まで女扱いするな。」

 

 何故か知らんが、コイツの中では俺はずっと女らしい。

 

「あっ、ちなみに私有馬かな。なんかPaBに入ることになったからよろしく。」

「私は古手川千紗。ダイビングのことなら聞いて。他のことは知らない。」

「このサークルで初めて会ったわ、ダイビング好き。」

「仮にもダイビングサークルなのにな。」

 

 そういや、有馬と古手川は初対面だったか。北原や今村とは既に馴染んでたから気づかなかった。

 

「それで、私に何の用?」

「ミスコン優勝を祝おうと思ってな。おめでとう。」

「マリンが勝手に男コン出て失格になったから、繰り上がっただけなんだけど。」

「それはすまん。」

「アンタ、まさかわざと………」

「そんな事ない………」

「目を逸らすなぁぁぁぁ‼︎」

 

 それについては俺の狙いだ。俺の女装が優勝とか黒歴史過ぎて死にたくなるからな。だからケバ女を助ける名目で、自然に失格になったというわけ。

 

 ただ、コイツからすればいい気はしないだろう。俺たちに頼まれてミスコンに出たのに、自分のことすっぽかして他の人のために頑張ったわけだし。だから慰めに来たってわけ。ついでに北原や今村に罰と称して、面白いことを提案しにも来た。

 

「ねえ千紗、あーくん潰さない?私の失恋も兼ねて。」

「いい提案だね、かな。早速飲ませよう。」

「待ってくれ2人とも。頼むから話を聞いてくれ。」

 

 しかし、どいつもこいつも俺に殺意が高くないか?そんなに悪い事したか、俺?とりあえずそうだな………2人ともチョロいとこあるから言葉巧みに(かわ)すか………

 

「古手川、ダイビング奢ってやるからさ……」

「えっ……?」

「千紗、コイツに騙されちゃダメ。」

「分かった。」

「有馬ぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 

 出来なかった。くそっ、こうなったらヤケだ‼︎

 

「堕ちろォ、重曹女ァ‼︎」

「「星の子よ、よくお眠りなさい。」」

 

 こうして俺は意識を失った。

 

 

 

 

  side 重曹

 

 あーくんを潰した後、私は千紗と引き続き話していた。

 

「ねえ千紗、伊織たちをなんかぎゃふんと言わせたくない?」

「そうだね。かな、何かいい方法ある?」

「う〜んとね………」

 

 この学園をちょっと見てきた感じ、リア充に異常なまでに敵意を剥き出しにする連中が多いんだよね〜。そして、千紗は仮にもミスコンで優勝したわけだし………そうだ、こうしよう!

 

「皆の前だけ千紗と伊織が付き合ってることにする!」

「ええ………」

「どんだけ嫌なのよ。」

 

 どうやら千紗→伊織への感情は相当悪いらしい。

 

「大丈夫よ、付き合ってることにするだけ‼︎実際には付き合わなくていいけど、伊織は仮にも彼女持ちだから他の女と付き合えない。そしてミスコン優勝者と付き合ってるから学科の人にも目の敵にされる。どう?」

「なるほど…………」

「言うタイミングは明日のミスコンの表彰式。多分アイツら潰れたままだから、本人が知らないうちに付き合ってるってわけ。」

「なるほど、それはいいかもね。」

「よしっ、じゃあそういう方向で!」

 

 だったら、こうしてやろう。アイツ重曹って呼んできた腹いせもあるし!これでオッケーでしょ!

 

 

 

 こうして、私のPeek a Boo初日は幕を閉じた。

 

 

 

 

  side アクア

 

 伊豆春祭明けの登校日にて、俺たちは講義室に入ると………

 

「「「殺す………」」」

 

 何故かそこは殺気に満ち溢れていた。

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