酒の子   作:スピリタス3世

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この物語はフィクションです。
未成年の飲酒は法律で固く禁じられています。
またアルコールの強要、暴飲、
宴会での破廉恥な行為についても
それらを推奨する意図はありません。
あくまでギャグ物としてお読み下さい。
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思ったより早くネタが思いついたので書きます。


第十七章 フィンランド編
九十一杯目 スタイリッシュ作戦会議


  side アクア

 

 クリスマスも近づいてきたある日のこと。深夜の街を車で颯爽と駆け抜ける仕事人たちがいた。

 

「そろそろ目的地だね。」

 

 運び屋、mem。30年の人生を通して学んだ運転さばきは、速さの中にゆりかごのような安心感を保っており、その実力はゴールド免許という形で裏付けされていた。

 

「皆、準備はいい?」

 

 騙し屋、ルビー。天真爛漫さの中に隠し持った腹黒さは、時として牙を剥く。頭が悪そうに見えて幼い頃から口喧嘩の経験が豊富であり、言葉巧みにミッションをこなす。

 

「う、うん!」

 

 殺し屋、あかね。一見すると優しそうに見える彼女は、誰よりも冷徹な心を持つ。俺が女の子とちょっとホテルに行った途端、音も無く現れ俺を殺害する。

 

「よしっ、じゃあ行こうかしら。」

 

 そして俺は………鍵屋。数多の女性の家の合鍵を所持しており、圧倒的交際力から多数の関係を所持している。ただし殺し屋に命を狙われており、その度に殺されて蘇っている。また週四日は女装しており、本日も女装の日となっている。

 

 我ら仕事人4人。イカした音楽を流しながら、ターゲットの自宅に向けて夜の街を駆け抜けていた。

 

 

 

 

 しばらくすると、俺たちはターゲットのマンションにたどり着いた。ここからが本番だ。

 

「よっと!」

 

 運び屋MEMが巧みな車捌きで駐車する。隣や後ろとの距離を保ちつつ、枠内に正確に駐車。もちろんドアの開けやすさも完璧で、一般人との実力差は段違いだ。

 

「じゃあ鍵を開けるわよ。」

 

 続いて鍵屋マリンが該当する階へ案内し、合鍵を駆使して鍵を開ける。隣の殺し屋からの視線が恐ろしいが、今はそんな事を気にしている場合じゃない。

 

「えっと、壁の掲示物と冷蔵庫の中身から………これはチャーハンを作ろうとしていたね!」

 

 続いて騙し屋ルビーが部屋に上がり込み、冷蔵庫や壁にかかってる掲示物からターゲットが作ろうとしていたものを推測。すかさず卵を運び出し、片手で割る特技も披露した。

 

「それじゃあ………()るよ?」

 

 そして最後に殺し屋あかねが包丁を手に取り、慣れた手捌きで獲物を捌く。彼女の手によって斬られた肉やネギは細々としており、自分もこうならないか不安である。更には慣れた手つきで食材を炒め、卵とご飯を入れる。その姿はまさに、一流の殺し屋だ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他人(ひと)()で何してんのよ、アンタら‼︎」

 

 しまった、ターゲットの有馬かなが起きてしまった‼︎こうして、俺たちのチャーハン作りは失敗したのだった。

 

「何夜中に私の家に忍び込んでチャーハン作ってんのよ、アンタら‼︎」

「何って、お腹が空いたからよ。」

「ふざけんじゃないわよ‼︎というかその音楽消しなさい‼︎近所迷惑でしょうが‼︎」

「ロリ先輩もうるさいよ?」

「ビンタするぞお前‼︎あとなんで来たのよ⁉︎」

「かなちゃんから返信が無いから………」

「この時間は寝てるっつーの‼︎」

「私も歳だからNEM(ねむ)ちょだよ……」

「じゃあ来るんじゃないわよ‼︎」

 

 ただ、俺たちがこうして有馬の家に集まったのには理由がある。今すぐにB小町で作戦会議をしなければならなかったからだ。

 

 

 

 こうして、俺たちは完成したチャーハンを食べながら作戦会議をすることにした。

 

「で、何の用?」

「実は今度のクリスマスソング撮影会の時にね………」

 

 B小町では今度クリスマスソングを出すことになっている。それのPV撮影をサンタの本場であるフィンランドでやるのだ。撮影後には観光もできることから、皆楽しみにしているのだが………

 

「ミヤえもんにサプライズを仕掛けようと思ってるの!」

 

 今回作戦会議をしているのはこれが目的である。我らが苺プロの社長・斉藤ミヤコは、撮影期間中に誕生日を迎える。そのタイミングで日頃からのお礼を伝えようと画策しているのだ。特に俺とルビーにとってミヤコさんはもう1人の母親のような存在で、小さい頃からとても世話になった。

 

「なるほどね。いいんじゃない?」

「やった〜!」

「で、何をするか、よね?」

「マリたん、社長が好きそうな事ってわかる?」

「う〜ん、若いイケメンかな………」

「若いイケメンだね!」

「「「えっ?」」」

 

 とりあえずは、ミヤコさんの好きなものから考えようとしたんだが………そういや俺とルビー以外はこのこと知らないんだっけ?

 

「ミヤえもんは昔若いイケメンと再婚するために、壱護前社長と結婚したんだよ!」

「今は正直そんな願望無くなってそうだけどね。」

「へぇ〜、意外だね〜!」

「斉藤さんそんな事思ってたんだ。」

「まーちゃんみたいなものかしら?」

「私は違うわよ。」

 

 最近はそんな様子が一切無かったからな。確かに知らなくてもおかしくないか。あの人もだいぶ変わったよな。あと有馬、俺は可愛い子と再婚したいんじゃない。可愛い子と遊びたいだけだ。だから結婚なんてするつもりはない。

 

「じゃあさ、フィンランドっぽいことにする?」

「フィンランドっぽいこと?あかね、どういうこと?」

「サンタとか、トナカイとか……そんな感じ?」

「自信ない感じじゃないの。でもまあ一理あるわね。」

「でも新曲でその辺はやっちゃうんだよね〜。」

 

 それはさておき、サプライズはフィンランドに絡めて何かやるのが良さそうだ。しかし、クリスマスは今度撮影する新曲と被ってしまう。じゃあ他に何かあるか?フィンランドならではの何かが………

 

 そんな事を思っていると、

 

「じゃあ、オーロラとかどう⁉︎」

 

 MEMが別のものを言った。オーロラか。なるほどな。

 

「確かに、北極圏にあるフィンランドらしいわね。」

「ミヤえもんも喜びそ〜!」

「でも案外見慣れてるかもよ?」

 

 オーロラの幻想的な雰囲気。その中でもし感謝の気持ちを伝えられたら………。俺たちはアイドル。言葉で感謝の気持ちを伝えられ………いや、待てよ?歌と踊りなら………っ‼︎

 

「それなら、オーロラに絡めた新曲を作っちゃうのは?」

「「「「それだっ‼︎」」」」

 

 やっぱりアイドルは歌って踊ってナンボだ。見ている人を感動させ、虜にする。そして想いを伝える。俺たちならではの方法じゃないか‼︎

 

「そうと決まれば、作曲だね!」

「ケンゴきゅんに連絡してみるよ〜。」

「ミヤコさんにバレないように、秘密裏に練習しないと……」

「歌詞と振り付けはどうしようかな?」

「確かに、歌詞は自分たちで考えたいかも!」

 

 ということで、ミヤコさんへのサプライズは、オーロラをモチーフにした新曲をフィンランドで披露すること、で決定したのだった。めでたしめでたし……………

 

「ところでアンタら、チャーハン代払って帰りなさいよ。」

「「「えっ⁉︎」」」

「えっ、じゃないわよ‼︎えっ、じゃ‼︎他人ん家の食材勝手に使って作ったんだから、それくらいは出しなさいよ‼︎」

「かなちゃん、私NEMちょだから後で……zzzzzzz」

「アンタは寝るんじゃないわよ、MEM‼︎」

 

 と思ったら、有馬に金を払わされたのだった………

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