TSした上に『負完全』の妹   作:Minus-4

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 今回はかなり頑張りました。
 けどスマホで書いたので、パソコン版だと文章が崩れるかもしれません。なので閲覧はスマホ推奨です。

 それともう一つ、謝罪をします。
 善吉くんと宗像先輩のバトルは原作と全く変わらなかったので泣く泣くほとんどをカットしました。原作の大幅なコピーで小説が消えるかもしれないので……本当にすいません。ジャンププラスで原作が読めるので、善吉くんの勇姿はぜひそちらでお願いします。

 その代わりに、どこかで善吉くんのいいところを増やそうと思っています。これで何とか許して欲しいです。

 更に更に、今回最後にアンケートがあります。
 まあちょっとしたことなんで気軽に投票お願いします。




第10箱「だから殺す」

 

 

 さて、肝心の地下二階……つまりは枯れた樹海(ラストカーペット)の宗像(むなかた)形(けい)くんについてだが……ここで本題に入る前に、豆知識を一つ。まあ殆どの人が知っているだろうが。

 

 宗像くんの検体名である枯れた樹海(ラストカーペット)から、彼の本質を知ることができると言う話はあまりにも有名だからな。まあ一応、分かりやすく説明しよう。

 

枯れた樹海。

↓

木が全て枯れている。

↓

つまり全ての木が死んでいる。

↓

死んでいる木は殺すことができない。

↓

殺す木が無い。

↓

殺す気が無い。

 

 これすごいよな。大量殺人犯みたいな説明を最初にしておきながら、本当はだーれも殺してなんかいないし、結局良い人だった宗像くんにピッタリの検体名だと個人的には思ってる。気づいた時には痺れたね。

 

 ……とはいっても! 今から会う宗像くんは普通に敵キャラだし、普通にめだかくんの首を切ろうとする。しかも騙し討ちで……許せねえな……いや、実戦なんだからそこを咎めるのも違うか。

 

 しかしまあ、女の子の髪の毛を切るのだけはいただけない。女の命だからな、顔と髪は。だから私がこの階でやる事があるとすれば、まあめだかくんの散髪を防ぐことくらいだろう。

 

 この階は善吉くんの見せ場だし、あれは善吉くんでなければ成し得ないことだ。私みたいなオリキャラが出しゃばるのも違うだろう。そうと決まれば!早速それっぽい感じに演技しようか。

 

「……えっと、地下二階に、日本庭園?」

 

「俺たちって今、階段降りてきたよな? それが何で日本庭園──っていうか兼六園みたいな場所に?」

 

「……庭園というより、これは一種のビオトープだな。目的は不明だが、これもフラスコ計画の一端なのであろう。気圧や光量などを調整して屋外を再現しているようだ」

 

「……それが分かっているなら、早く後ろの扉を閉めてくれないかな」

 

 うわー……これが生の宗像くんかあ……想像してたより15倍はカッコいい! 高千穂くんもワイルドで良かったけど、宗像くんは気怠げな感じがすごくいい! みんな違ってみんな良いね、持ち味活かしてて!

 

「見ての通り、僕は今作業中で忙しいんだ。悪いけどこの階の視察は後にしてほしい。別に僕は君たちと争うとか、そんな野蛮なことは考えてないからね、素通りして次の階にでも行ってくれ」

 

「……まあ、そういうことならこの階は素通りさせてもらうとするか」

 

 ……よし、動くべきはめだかくんが振り返ったタイミング。そこで宗像くんはめだかくんの首元に刀を振り下ろすはずだ。幸いなことに宗像くんは武器の扱い自体は素人みたいなものだし、無刀取りでどうにかな──。

 

「杵築ッ! 避けろ!!」

 

へ? 狙いは私?

 

 


 

 

 宗像は当初の予定から外れ、めだかではなく雪に向け刀を振った。理由は『何(・)と(・)な(・)く(・)放(・)っ(・)て(・)お(・)く(・)と(・)ま(・)ず(・)い(・)気(・)が(・)し(・)た(・)。だ(・)か(・)ら(・)殺(・)す(・)』。

 

 しかし、宗像の思惑は叶うことは無かった。めだかが雪を庇ったからではない。善吉が刀を蹴り飛ばしたからでももちろんない。

 

「へえ、良い刀使ってんじゃん。見る目あるね!」

 

「なっ……!? 杵築のやつ、まさか背(・)を(・)向(・)け(・)た(・)ま(・)ま(・)無(・)刀(・)取(・)り(・)し(・)や(・)が(・)っ(・)た(・)の(・)か(・)!?」

 

「ん? あれれ、君は普通(ノーマル)だって聞いていたんだけど、情報が間違っていたのかな?」

 

「いんや、間違ってないよ。今やったのは普通の無刀取りさ。た(・)だ(・)し(・)! 高(・)千(・)穂(・)く(・)ん(・)の(・)物(・)真(・)似(・)は(・)し(・)た(・)け(・)ど(・)!」

 

(((十分に異常(アブノーマル)じゃん!)))

 

 善吉、阿久根、喜界島の三人は脳内でのツッコミを抑えきれなかった。それもそうだろう、外れている異常(アブノーマル)の物真似ができるのであれば、物真似している方も外れているとしか言いようがない。

 

「それにしても、僕はご覧の通り暗器使いだからさ、武器の隠し方には自信があったんだが……よく気づいたね、素直に賞賛を送ろうと思う」

 

「そりゃどーも! 『俺達に興味がない』とか言っておきながら、や(・)け(・)に(・)杵(・)築(・)の(・)方(・)を(・)気(・)に(・)し(・)て(・)た(・)のが気になったもんでね! 念のため気を張っておいたんだよ」

 

「うん、まあ僕は高千穂とは違って殺(・)す(・)人(・)間(・)だからね。何となく厄介そうな奴から殺していこうかと思ったんだ」

 

 右脳・左脳曰く、宗像の初殺人は5歳の頃。人間を見ると殺すことしか考えられない性格破綻者。生まれついてのシリアルキラー。それが彼、『枯れた樹海(ラストカーペット)』の宗像形……らしいが、残念ながらそれすらも間違っていると言わざるを得ない。

 

「……人を無差別殺人犯みたいに言わないでよ、傷つくな。僕は理由なき殺人者じゃない、僕(・)は(・)理(・)由(・)あ(・)り(・)き(・)の(・)殺(・)人(・)者(・)だ(・)」

 

 

「僕は今作業中だ」

「だから殺す」

 

「君たちの相手をしている暇はない」

「だから殺す」

 

「通せんぼしない」

「だから殺す」

 

「僕は争いが嫌いだ」

「だから殺す」

 

「黒神さんをメンバーに引き入れるつもりはない」

「だから殺す」

 

 

「楽しみにしていた
「今日はとても 

 映画の封切りが近い」
天気がいい」

「だから殺す」
「だから殺す」

 

「携帯電話の電池が
「昼ごはんが  

 切れそうだ」
おいしかった」

「だから殺す」
「だから殺す」

 

「昨日の夜は  

「特に何もない」
いい夢を見た」

「だから殺す」
「だから殺す」

 

 

「全ての道がローマに通じるよう           

 僕にとっては全ての現象が殺人に通じるだけなんだよ」

 

 

「ちなみに理事長からは    

君たちを絶(・)対(・)に(・)殺(・)さ(・)な(・)い(・)よ(・)う(・)

   言いつけられているんだ」

 

「だから殺す」

 

 

 ──あまりに異常。雲仙冥利、高千穂仕種、都城王土……今まで出会ったどの異常(アブノーマル)よりも異(・)常(・)に(・)狂(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)。

 

 これほどまでに狂っているというのに、間違えようなどない程の狂人のはずなのに、会(・)話(・)が(・)成(・)立(・)し(・)て(・)し(・)ま(・)う(・)ということが、逆に善吉たちの恐怖感を煽った。

 

 故(ゆえ)に、この場で最も効率的に動けるであろう人間、或いは人外である黒神めだかが戦おうとしたのは必然であり、当然のことであった。

 

「……雪、私の後ろに下がっておれ。いくら貴様が刀の扱いに長けているとはいえ、殺人剣を活人剣で退けるのは些(いささ)か骨が折れるだろう。もっとも、骨折している私が言っても説得力がないかもしれないがな」

 

「駄目だよーんめだかちゃん。自分でも説得力がないって分かってるんなら、怪我人は大人しくしとかなきゃ!」

 

「ッッッ!?!?!?」

 

 戦闘まで秒読みという所で飛び込んできて、めだかの胸を後ろから豪快に揉みしだいたのは、彼女の兄である、自称『変態』こと黒神(くろかみ)真黒(まぐろ)その人であった。

 

 なお、直後乱神モードになっためだかによって一瞬でぶん殴られた。当然の報いである。

 

「真黒さん、どうしてここに……?」

 

「愚問だな善吉くん。妹あるところに兄ありさ。妹のピンチを見学しに来ない兄は兄じゃない!」

 

「……そーすか」

 

(『助けに』じゃねーとこがこの人らしいよな……)

 

「それよりしばらくは乱神(そのまま)でいることだ、めだかちゃん。気休めだけど怪我の回復が多少は早まるよ」

 

 真黒はめだかにトレーナーストップをかける。兄としても、トレーナーとしても、ここで無理をして無駄な疲労を積み重ねるのは容認できなかったからだ。

 

 そして真黒は、雪の方を向きながら突然にっこりと笑った。雪はいきなり微笑まれたので困惑している。

 

「それにしても、まさか君がここにいるとはね、杵築雪ちゃん……いや、こう呼んであげたほうがいいかな?」

 

(……まさか、観察されただけでバレたか……?もしそうなら、使(・)わ(・)な(・)き(・)ゃ(・)い(・)け(・)な(・)く(・)な(・)る(・)け(・)ど(・)……)

 

「全国の剣道道場を回って試合で勝利し続け、あまりの強さに大会は出禁、世界中のどの剣道団体よりも君一人の方が強いせいで、どの団体にも属していない孤高の剣士。剣と名の付く全ての競技の下(もと)で常勝……で、合ってるかな? 『天剣無法(デモンズソードアート)』の杵築雪ちゃん」

 

「杵築お前、そんなデビルかっけぇ異名持ってんの!?」

 

「………………はずかしいからやめて……」

 

雪は、本日何度目か分からない赤面を晒す羽目になった。

 

 


 

 

 いや……マジでさ、ほんとに恥ずかしいよ。ほんとに何なんだよ『天剣無法(デモンズソードアート)』って。何で中3の頃の私はこの異名を受け入れてたの? 少しでも疑問には思わなかったの? 厨二病なの?

 

 しかももう『剣と名の付く全ての競技の下(もと)で常勝』じゃないし。めだかくんに……じゃなくて生徒会に負けたから。

 

 やめろ善吉くん、目を輝かせて「デビルかっけえ!」って騒ぐのはやめて。喜界島くん、可哀想な私を慰めてくれ。

 

「ふう……おちつく……」

 

「あの……えーっと……?」

 

「よし、落ち着いた」

 

 喜界島くんいい匂いだったな。たまに吸わせてもらうか……で、真黒くんだが……マジで良かった、暴かれたのが黒歴史の方で。バ(・)レ(・)た(・)の(・)が(・)本(・)名(・)だ(・)っ(・)た(・)ら(・)ゲ(・)ー(・)ム(・)オ(・)ー(・)バ(・)ー(・)だ(・)っ(・)た(・)。

 

「……黒神さんが出ないんだったら、僕は誰を殺せばいいんだ?」

 

 おっと、宗像くんの事を完全に忘れてた。うーん……流石にここで私が出しゃばるわけには行くまい。何てったって善吉くんの見せ場だし……これ前も言った気がするな。

 

「君の相手、君の相手ねえ……杵築ちゃんに相手してもらうってのが今の状況だと一番手っ取り早いんだが……それをやっちゃうとど(・)ち(・)ら(・)か(・)が(・)死(・)ぬ(・)ま(・)で(・)終(・)わ(・)ら(・)な(・)い(・)だ(・)ろ(・)う(・)か(・)ら(・)ね(・)。行けるね?善吉くん」

 

「──はい、行けます!」

 

「んっ! よく言った!」

 

 きゃー、善吉くんカッコいい! 一瞬で覚悟を決めるところとかもう本当に漢って感じだよね! 今こういう事言うと怒られそうで怖いけど!

 

 めだかくんは反対しているが……やはり原作通りの流れになりそうだな。まあここは善吉くんに任せるしかないからね。私にできる事もない。大人しく宗像くんがどうやって暗器を隠し持っているのか観察しよう。

 

「女子を庇(かば)って前に出るなんて、君はきっと優しい子なんだね。とても仲良くなれそうな気がするよ。だから殺す」

 

「やってみろ限界野郎。俺は殺されたくらいじゃ死なねえよ!」

 

 うひゃー感動! 原作の名シーンに立ち会えてるよ私! んふふ、こんな事は夢にも見なかった……ん? どしたの真黒くん。私に何か話すことでも?

 

「いや何、君はどうやらめだかちゃんの友達らしいじゃないか。だったらこの僕が一つ! 君にアドバイスをくれてあげようと思ってね」

 

「はあ……あくまで私は普通(ノーマル)なんですけど……まあ他人のアドバイスを聞くっていうのも剣道で強くなるコツですし、アドバイスお願いします」

 

 ぺこり。人から親切にされた時は素直に感謝して頭を下げておいた方がいい。誰でも簡単にできる処世術の一つだ。

 

「うん、礼儀正しくて実に結構! それじゃ早速一つだけアドバイスをあげよう」

 

 ごくり……真黒くんからの強くなるためのアドバイス……一体どんなのが来るんだ……? すっごい緊張する……!

 

「過ぎた謙遜は正直見ていて腹が立つものだよ」

 

「……ぅえ? えっと、他には……?」

 

「いや? 無いけど。一つだけって約束だしね」

 

「……えっと、めだかくんはどう思う?」

 

「私もお兄様と同意見だな。正直言っていつまで隠すのだろうと思っていた。雪、貴様どう考えても普通(ノーマル)ではなく異常(アブノーマル)の方だろう。ついさっき高千穂三年生の真似をしていたので確信した」

 

 いやいやいやいや、そんな事はないから……本当にないから。マジでないから。本気でないからそれだけは!!

 

「ふむ、頑固だね。ともすればめだかちゃんや善吉くんにも匹敵する頑固さだ……よし、そこまで言うなら! 僕が偶然持っていた六つのサイコロを振ってもらおうか!」

 

「…………いや、その、えっと……あの」

 

「ささ、やましいことなんて万に一つも無いだろう? さあさあ、振ってごらん?」

 

 ……もうここまで来たらしょうがない。誤魔化すのも限界そうだし、腹括(くく)ってさっさとサイコロ振るか……えいっ。

 

「……どうしたのかな? サイコロを受け取ってくれたし、振ってくれるものと思ったんだが……」

 

「も(・)う(・)振(・)り(・)ま(・)し(・)た(・)」

 

「えっ? いやいや、だって地面にはサイコロなんて一つも……」

 

「私がサイコロを振るとね、消(・)え(・)る(・)ん(・)で(・)す(・)よ(・)、サ(・)イ(・)コ(・)ロ(・)が(・)。振ろうとした瞬間に、跡形もなく。痕跡の一切を残さず、世界から消えるんです。昔から、ずっとそうでした」

 

「……それは」

 

「……まあ、そ(・)う(・)い(・)う(・)こ(・)と(・)で(・)す(・)。私は、杵築雪は、生(・)ま(・)れ(・)て(・)こ(・)の(・)方(・)一(・)度(・)も(・)良(・)い(・)結(・)果(・)を(・)残(・)せ(・)た(・)例(ためし)が(・)な(・)い(・)ん(・)で(・)す(・)よ(・)」

 

「中学の頃、道場破りを繰り返していたのは……」

 

「当時の私にできた精一杯の抗議です。『私はこんなに強いぞ、試合に出さないと剣道界の損失だぞ』っていう……ま、子供みたいな理由ですよ。だ(・)か(・)ら(・)箱(・)舟(・)中(・)学(・)に(・)転(・)校(・)し(・)た(・)ん(・)で(・)す(・)。そこには私より強い奴がいるって噂を聞いて」

 

「そこで、めだかちゃんと善吉くんに出会った、と……そういうわけだね」

 

「はい、まあ……そうです。それで、転校初日にめだかくんに勝負を挑んだら、軽くあしらわれて、善吉くんが荒れてた私のことを心配してくれて……ああ、ここにいれば、私は普通に、普通の人間なんだなって実感できて……」

 

 と、そこまで話した途端、真黒くんは私のことを抱きしめてきた。こういうこと、真黒くんは妹以外にしなさそうなイメージだったんだけど。

 

「……すまなかった、辛い事を思い出させただろうね。散々学園一の名トレーナーを名乗ってきた僕だったが、どうやらまだまだだったらしい」

 

「……あまりこういうのは、妹……めだかくん以外にやらない方がいいと思いますけど。ほら、めだかくんの顔見てくださいよ、かなり渋い顔してますって」

 

「いやなに、元はと言えば、辛い事を思い出させたのは私の一言が発端なわけだし……雪、すまなかった」

 

「いやいや! 別に気にしてないから平気だって!」

 

「あと、お兄様が女子に触れ合っているのを見ると色々な意味で不安になる」

 

「ははっ……まあ確かに僕は変態だからね、その心配も無理はないだろう……それと杵築ちゃん。全ての女子は僕にとって妹だからね、これはノーカンだ」

 

「まあ、真黒くんがそれで良いなら良いんですけど……」

 

「……さて、杵築ちゃん。ここまで散々酷い事を言っておいてなんだが、それでもやはり、僕はこう言わざるを得ない。こ(・)こ(・)か(・)ら(・)先(・)は(・)生(・)半(・)可(・)な(・)覚(・)悟(・)で(・)踏(・)み(・)込(・)ん(・)で(・)い(・)い(・)領(・)域(・)じ(・)ゃ(・)あ(・)な(・)い(・)。さて、君はどうする?」

 

「……そんなの」

 

 そんなの、既に決まっている。

 

「覚悟は、決まりました、今。めだかくんも、善吉くんも、阿久根くんも、喜界島くんも、みんな自分にできる限りのことを頑張ってるんです。ここまで来てまだ逃げているようなら、きっと私は永遠にこのままだ」

 

 

「──そんなの、絶対に嫌だ!!」

 

 

「……うん、よく言った、よくぞ言ってくれた! 覚悟が出来たのなら、僕から今度こそ、とびっきりのアドバイスを贈らせてもらおう! 遠慮するな! 君はまだ、何にでもなれる!」

 

「はいっ!」

 

 杵築雪はこの瞬間、『普通(ノーマル)』を捨てた。

 

 


 

 

 いやー、柄にもなく熱くなっちゃったよ……と、ここで一つ謝罪しなければならない事がある。それは……。

 

「いいや終わりだよ。お前は既に限界だ」

 

 ……私がたらたら昔のことを話してる間に、善吉くんの滅茶苦茶カッコいいシーンを見逃しちまったってことだ……いや、本当にごめんなさい、真黒くんも私のせいで長時間拘束してしまった。

 

 いやまあ、概(おおむ)ね原作通りだったし、私がいたことで何か変化があったとかでもないから、この後も原作通りに進むんだろうが……もう一つ、困った事があるんだよな……。

 

 私はこの世界でとある場面で結果を残すために、様々な角度からのアプローチを試みようとしてたのだけど……その一環でマ(・)イ(・)ナ(・)ス(・)十(・)三(・)組(・)に(・)も(・)入(・)ろ(・)う(・)と(・)思(・)っ(・)て(・)た(・)ん(・)だ(・)よ(・)な(・)。

 

 ……この後生徒会のみんなを裏切るの、すっごい気が引けるんだけど……しかも覚醒イベントみたいなことを、善吉くんが命懸けてる間にやってたのに……。

 

 ……どうしよう。

 

 






 どう考えても異常(アブノーマル)なのに普通(ノーマル)自称し続けてるのもなんか変だよねって事で、こういうことになりました。

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