今回から雪ちゃんが少し吹っ切れます。
それと、沢山の評価ありがとうございます。皆さんのおかげで二次創作書けてます。
感謝。
……まあ、どちらにつくかはお兄ちゃんに遭遇するまでに考えておけばいいか。
結局あの後、話は
まあよく分からないことを言う善吉くんは放っておいて、ひとまず宗像くんと和解した私たち生徒会一行は地下三階へ到着し……動物を見て回っていた。
いや私だって変なこと言ってる自覚はある。でもパンダとかキリンとか本当にいるんだもん。だから私は悪くない。
んで、自分を見ても逃げ出さない動物に興奮しためだかくんは大いにはしゃいで喜界島くんに話しかけたんだが……喜界島くんにボロクソに言われていた。
パンダの場合。
「白黒模様が気持ち悪い。媚びたメイクを見てるよう」
コアラの場合。
「なんか灰色だしぬいぐるみチック。生き物みたいな気がしない」
キリンとゾウの場合。
「首が長いとか鼻が長いとか、キャラ付けがウケ狙いっぽくてすごく嫌」
この女……『かわいい』がまったく通じねえ!
「雪ッ! 貴様なら分かってくれるはずだ! 私の言いたいことを!」
「杵築さん! ダメだよ言うこと真に受けちゃ! こんな奴ら所詮は一発屋なんだから!」
「えー? 私は動いてるものなんでも面白く見えるんだけどなー。かわいいかわいくないは置いておいて、動物の動きって剣道に活かせそうだよね」
((こいつも
ふう、まあ冗談はここまでにして、だ。とりあえず、地下三階で遭遇する『
まず一人目。
次に二人目。
……それでこの後、阿久根くんが二人に襲われるわけだが……阿久根くんに加勢しようと思う。もう我慢するのはやめろって事らしいし、そろそろちょっとくらいはいい所見せたいしね。
「──この悪趣味な
「ハハ! そりゃ光栄だ、覚えてるなら話が早い。高貴くん、俺と取引しようぜ」
「……取引?」
「ああそうだ、取引だ。生徒会役員の中で日本語が通じそうなのはお前くらいだからな」
「えー、ちょっとそれ酷くない?」
「「ッッ!?」」
おー、驚いてる驚いてる。まあ高千穂くんの真似しながら来たからな、気付けるわけないんだけどね。
「……お前は確か、副会長代理の杵築雪だったか? いやー悪いな、今お話してんのは俺と高貴くんなんだわ……何でそんなに目を輝かせてんだお前?」
「いやだって……みんな私のこと『副会長』って呼んで『代理』は付けてくれないんだよ? だから『副会長代理』って呼ばれて嬉しくなっちゃって!」
「ふーん?」
「ッ……杵築さんッ!!」
あー、やっぱこの状況だと古賀くんは私の方に来るよね。だけど大丈夫だ。
「およ? ガードされちった」
「……そんなに焦らないでくれよ、
「ッお前……さっきの高速移動といい、たった今見せた武器を取り出す動きといい……
「んふふ、情熱的! そんなこと言うと惚れちゃうけど?」
「おー惚れろ惚れろ。俺に惚れてゾッコンになって、ついでにその体を俺に任せてくれてもいいんだけどな」
んー、まあそれも魅力的っちゃあ魅力的なんだけどな……
「誰が任せるかよ、アホが!」
そしてついでに、後ろの非常用シャッターが閉まってしまった。ねえ元破壊臣ー、これどうにかなんない?
「できないこともないが……どうやら、そこまで悠長に構えている暇は無さそうだ」
「いやーラッキーラッキー。日頃の行いが良いからか知らねえが、運良く被験体を二体も手に入れちまった。それもどうやらじゃじゃ馬の方は
……動物の匂いが濃くなってきたって事は……そろそろ来るな。さて、ここらで阿久根くんに一応聞いておかなきゃいけないか。
「阿久根くん、私は動物の方をやるからさ、古賀くんの方は任せても良い?」
「ああ、構わないよ杵築さん……ただ、終わり次第手伝ってくれるととても助かる」
「承知!」
よーっしやるぞー! 今までサボってた分、できる限りの仕事はしてやる! まさか最初に共闘するのが阿久根くんとは思ってなかったけど!
「さて……じゃ、名瀬くん。やろうか」
「おういつでも来いよ。ただし! お前の相手はかわいい動物達だがな!」
名瀬がそう叫ぶと同時に、どこからともなく現れた猛獣達が一斉に雪に襲いかかる。その牙を、爪を、力を用いて雪の肉体を引き裂くために。
しかし、所詮は猛獣。改造されているとはいえ、
「ダメだよダメダメ、全然ダメ。剣道において、考えなしに飛び掛かるってのは下の下だよ」
敵とはいえ猛獣、猛獣とはいえ動物。なまじかわいい見た目をしていることから、普通の女子であれば攻撃を
「……ハッ、おいおい、
その瞬間雪が放った技は、
「ふう……流石に本家本元に比べれば劣るけれど……それでも、猛獣相手ならこれくらいで十分だ。
「ああ最高だ、杵築雪!
「んふふ、そりゃどうも! お褒めに
「ご明察! 俺ってば頭脳労働専門の森ガールだからよ、ぶっちゃけるとこの状況からお前に対して切れる手札がねーんだよなー……
名瀬が不気味に呟いた次の瞬間、雪の立っていた床は崩壊した。阿久根と戦っていた古賀が、ライダーキック(もどき)で床を蹴り砕いたからである。結果、その場にいた四人全員が更なる地下へと侵入した。
地下四階、一見すると病院のようにも思えるその階層は、名瀬夭歌の
「ちょっと名瀬くん! 流石にこれはヤバいって!」
「俺もやべーからおあいこだよ。残念な運動神経を晒しちまったしな……高貴くん、パンツ見んなよ」
「あ、ごめん……じゃない! 杵築さん! 真下から来る!」
直後、古賀が地下六階から天井……つまりは床をぶち抜いて戻ってくるついでに、突っ立っていた雪に殴りかかった。しかしその攻撃は
「にゃはは! 勢い余って地下六階まで行っちゃった! お待たせ阿久根くん! 次はお別れの──ぐッ……ぁ……が……ッ……!?」
「刀を持ってる私に生身で近づいちゃダメだよ。『剣道三倍段』って知ってる? 私を倒したいなら空手道・柔道・合気道のうちからどれでもいいから二十四段相当の人を連れてこないと」
古賀は顔面を真っ青にしながら悶える。当然その尋常ではない様子を見た名瀬は怒りを隠しもせずに問う。
「……お前、古賀ちゃんに何しやがった」
「何したって……素手でコンクリを何枚もぶち抜くような相手に手加減できるわけないじゃん。それに手加減ってのは相手を侮辱してるってことになっちゃうからね、剣士としては到底認められない」
「だが、杵築さん……それにしたって彼女の苦しみ方は尋常じゃないと思うんだが……あの一瞬で何をしたんだ?」
「動かれると厄介なんでね、
と、雪は何でもないように言ってのけた。普通ならここで戦闘終了……となるのだが、やはり相手はどこまで行っても
「さ、名瀬くん。そんな所で突っ立ってないで、さっさと親友の治療をしてあげなよ」
「はっ、治療? んなもん必要ねーよ。それと古賀ちゃんは親友じゃねえ、
「……? 何を言って……」
「ライダーチョーップ…………あーもう、邪魔しないでよ!」
「嫌だね、断る。確かに俺は元々破壊の限りを尽くしてはいたが、かわいい後輩が壊されそうなのをみすみす見逃す男じゃない!」
「かわっ……阿久根くん、ありがとう。完全に決めたと思って油断してた」
雪は顔を赤く染めながらそう言った。「かわいい後輩」というワードのせいである。そのせいでやや弛緩した空気を再び引き締めたのは、やはり名瀬夭歌だった。
「あー残念! もう少しで最強の実験動物が手に入ってたっていうのによー、高貴くんの余計なちょっかいのせいで貴重なワンチャンスが台無しだ」
「そうか、それは残念だ。で、ここからどうするんだい、お二方? どうやら鎖骨を折っても10秒やそこらで回復する改造人間が相手となると、本当にこんなことしたくはないが、二人がかりで破壊の限りを尽くすしかなくなる」
「ハッ、まさかお前ら、俺と古賀ちゃんの策が
名瀬は「やれやれ、そんな事も分からないのかね」とでも言いたげに、目を細めてやれやれと肩をすくめ……
あまりに咄嗟のことだったので雪も阿久根も動けず、名瀬がそのスイッチを押し──そうになったその時。
「あはは! 奥の手を切るにはまだ早いだろ名瀬ちゃんとやら! 実験に焦りは禁物だぜ?」
「「「!?」」」
「はあ、やっと来ましたか、真黒くん……」
名瀬のスカートをめくってパンツをじっくり見ながら現れたのは、フラスコ計画前統括、黒神真黒その人であった。
いやー危なかったね。名瀬くんが知らないスイッチを取り出した時は焦っちまってまともに動けなかったよ。真黒くんが来てなかったらどうなっていたことやら……。
あっ、真黒くんが古賀くんに追っかけまわされてるけど……流石は
ただ、真黒くん。『かわいい女の子のスカートはめくらなきゃ失礼』はヤバすぎるよ。ヤバヤバの激ヤバだ。
おっと、名瀬くんが『後任が気になるから一人でここに来たんだろ?』と至極真っ当な見解を述べているが……残念ながら名瀬くん、いかに
「……やれやれ、これは困ったもんだ。名瀬ちゃんとやら! そりゃあ誤解も
だって、その人──。
──変態だから。
雪ちゃんの異名
『
『
『
なんか勝手にどんどん増えるんですよね。こわい。
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