大学の課題が全然終わらずピンチでしたが、何とか5,000文字書き切りました。過去一焦りましたが、何とか連続投稿継続です。よかった。
やあ。マイナス十三組に入ることにした球磨川
「……えっと、杵築
「球磨川
「そうですか、これは失礼……ということは、禊くんと君は兄妹関係にあるということでよいのですかな?」
「そういうことになりますねー。ほら、お顔も瓜二つでしょ?自慢なんです」
私は理事長室にいた。ちなみにお兄ちゃんは部屋の前でぱったり出会った半袖くんとお話してる。ついさっきまで一緒にいたんだけど、理事長の袴くんがタイマンで話したいっていうからそうしてる。
「さて……それでは
うーん、まあこの手の質問は来ると思ってたから、事前に返答は決めてある。悪者っぽく、お兄ちゃんに寄せる感じで答えればOK。
「
「……あなたも、十分に不十分……ということですか。いやはや、こんな逸材を見逃していたとは……やはり私も耄碌していた、ということでしょうな」
「いえいえ、私が本気で隠してただけですからお気になさらず」
よし、これで私もマイナス十三組行きが確定した。お兄ちゃんと同じクラス……今から楽しみだ。よーっし、頑張るぞー!!
そう息巻いて理事長室を出たが……お兄ちゃんはいなかった。代わりにそこにいたのは、食べかすを口の周りに付けた半袖ちゃんだ。もう、ダメでしょ女の子がそんな食べ方しちゃ……よし、拭き終わった。
「……杵築? 何でここに……」
「おひさ、半袖ちゃん。それともう杵築
「……まさか、さっきまであそこにいたのは……」
「そ。私のお兄ちゃん! 格好よかったでしょ?」
「…………………………そうだね」
あれ? 思ってたより反応が鈍いな……あんなにかっこいいお兄ちゃんと話せば多少は感化されそうなものだけれど……。
「ま、いいや。じゃあ
「……全部、バレてんだね。あひゃひゃ! やっぱ杵築……じゃないや、
「ありがとう! 私も半袖くんの事が大好きだぜ!」
そう言ってお互いに手を振りながらその場を後にした。後になって思ったけど、あれが俗に言う『仲が良すぎて気持ち悪い』って奴だったのかも。
翌日。
「えっと……お兄ちゃん、もう一回言ってもらってもいいかな? もしかしたら聞き間違いかもしれないからさ」
『えー? まったく
いやまあ、確かに大好きだけどさ……それにしたって、
『生徒会室に突撃して辞表を出してくるだけじゃん。そんなに難しいことじゃあないだろう?』
「お兄ちゃんにとっては簡単かもしれないけど私にとっては滅茶苦茶難しいんだよ! そこまで面の皮厚くないから!」
昨日裏切っておいて今日平然と生徒会室に突撃? 阿久根くんかめだかくんあたりに制圧されて終わりそうな気がする。それに今頃は善吉くんのお母さんである
……縫合格闘技で雁字搦めに拘束される気しかしないんだけど。
「はあ……まあお兄ちゃんの頼みだから行くけどさ……どっちにしろ、生徒会は辞めるつもりだったしね。嫌な事を後回しにするのもそれはそれで面倒臭いし……よーし逝ってくる」
『逝ってらっしゃい、
うーわ、世界一信用ならねえ応援。ま、私にとってはそれが一番極上の応援なんだけどね。
「……杵築さん、来ないね……やっぱり、本当にあの人の
喜界島は誰に向けてでもなく、一人呟く。生徒会室には
「
善吉だけは、極めて普段通りを
しかし、今そんな事を考えていてもどうにもならない。なぜなら昨日、既に決定的な一言を放ってしまったから。悪いのは善吉だ。
だから
「えー? 昨日は散々『お前は間違っている』とか言ったのに? それは今更すぎるし、虫が良すぎない?」
「「「ッ!?」」」
「やっほ。約束通り会いに来たぜ、みんな♪」
生徒会の面々が呆気に取られている間に、
「いやー、それにしても善吉くんのお母さんって若いね! 初めまして、瞳くん! 私は球磨川
「ッ……初めまして、だよね。どうして私の名前を知っているのかは知らないけれど……お兄様は元気かな?」
「ええ、そりゃあもう。今朝も昨夜も元気でしたし、多分それ以前もこれ以降もずーっと元気だと思いますよ。そういう人ですから」
と、そこまで話したところで善吉がたまらず口を挟む。世間一般で言う、いわゆる言い訳のために。
「
「それ私だけに言うの?」
「……え?」
「いや、だからさ。それ私だけに言うの? なんで? 私になら何言ってもいいと思ってない? 確かに私は球磨川禊の妹だけどさ、それ以前に球磨川
善吉は呆気に取られてしまった。だって、
「阿久根くん、君なら私の言いたい事分かるよね?」
「……さあ、俺には何が何だかさっぱり……」
「あれー? めだかくんが実の姉であるくじらくんをぶん殴った事はみんなに伝えないんだ。へー、めだかくんは特別だからね、しょうがないよね」
「ッ!? 杵築さん、君はあの時気絶してたはずだ! どうしてそれを……」
「論点ずらさないでよ。私は今、
「……やめろ、
めだかは目を瞑りながら、ため息を堪えるようにしてそう言った。一触即発の空気ではあったし、確かにそれは最善手だろう。
「もー、みんなして何なの杵築とか
だからさあ。
考えるまでもなく、言うまでもなく、
「……で、
「あーそれね、完全に忘れてた。はいこれ受け取って♪」
そう言って
「辞表……なるほど、本当にそれで……貴様はそれでいいのだな、
「うん、もちろん! こうなっちゃった以上、だらだら代理の副会長であり続けるのも不義理っつーか……不平等な事でしょ。それこそえこ贔屓ってやつさ」
「…………」
「……それも、そうだな」
「だから! これは私なりのせめてものけじめ! 球磨川
「そうか、それでは只今から生徒会の敵であるということになるし、球磨川が何を企んでいるか聞かせてもらおうか」
「ッ……めだかちゃん!
めだかは即座に改神モードになり、
「っ
「友達である以前に貴様は球磨川
「これ、私悪くないよね。先に攻撃してきたのはめだかくんの方だもんね。正当防衛だよね。このままじゃ殺されちゃうかもしれないもんね。悪くないよね。ね、私悪くないよね。悪いのは先に攻撃してきためだかくんだよね。そうだよね、みんな?」
まるで呪詛のような言葉を吐いているのに、先ほどから恨み節のような事を言っているのに、自分勝手なことしか言っていないのに、
(なんなんだ……前の杵築と、今の
善吉達がそんな事を考えているうちに、絶え間なく空間は歪んでいく。めだかが発する圧で、
「私は悪くない。私は悪くない。私は悪くない。悪いのは私の好意を裏切っためだかくんだ。だから私は悪くない」
「いいや、悪いのは貴様だ。先にこちらの信頼を裏切ったのは貴様だ。だから、私は悪くな──」
「二人ともそこまで! 喧嘩はダメ!」
一触即発の空気の間に飛び込み、二人の仲裁を買って出たのは偉大なる母、人吉瞳だった。流石の二人も、瞳を巻き込むことには躊躇があるらしく、大人しく矛を収めた。
「めだかちゃん、らしくもなく怒っちゃダメ! それに、
「……瞳くんがそういうなら、当然私としては矛を収めるつもりだけれど……めだかくんはどうする?」
「当然私も収めよう。それより……
「いやいや! 間違ってたってことを分かってくれたなら私は全然それでいーんだよ! こちらこそごめんね? 勝手に生徒会辞めることにしちゃって」
「ああ、別に構わんさ。元はと言えば私たちが無理を言って加入させたのだし、引き留めるのは
先ほどまで殺し合いにでも発展しかねない空気感だったというのに、一度お互い冷静になってしまえば、そこにいたのは二人の仲のいい女友達だった。この変わり身には、流石の生徒会メンバーも唖然としていたようだが。
「そんじゃ! これからは私はのんびり学園での生活を過ごすことにするよ! これからも頑張って! 陰ながら応援してるぜ!」
「
生徒会室には、未だ重苦しい空気が漂っていた。
こうして見ると喧嘩売りにきたようにしか見えませんよね。めだかちゃんたちの反応もやむなしな気がします。
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