ギリ間に合いませんでした。
ごめん。
『えー、それではこれより、マイナス十三組の合同ホームルームを開始します。議長は暫定的にこの僕、球磨川禊が務めますね!』
どうも、球磨川
いやーそれにしても、一応マイナス十三組ってかなりの人数がいるはずなんだが……ここまで誰も来てないと逆に面白いね。まあ学校に嫌な思い出がある人が多いんだろ、多分。
『いやーそれにしても、十三組の教室をたまり場にするというのはナイスアイディアだったよ、不知火ちゃん。おかげで教室には困らなそうだ』
「……いやあ、思いついたこと言っただけですよあたしは。あひゃひゃ!」
『……さて、
「うん、二人で間違いないよ。現生徒会長の黒神めだかくんと、前生徒会長の『
今頃はめだかくんが日之影くんに手を貸してくれって頼み込んでる頃かなあ。だとすれば日之影くんはめだかくんの誘いを断って、この教室に一人で突入してくる頃だと思うんだけど──。
「お前が球磨川だな」
──気づかなかった……いや、
「なんだ、黒神から聞いた話によればお前は今まで散々ヤベー事をしてたみたいだから、この程度でどうにかなるはずがねえと思ってたが……俺の独りよがりな思い違いだったか」
『違う違う、思い違いじゃなくて人違いさ。めだかちゃんが言ってたのは僕の方だと思うぜ、日之影くん。もっとも!
「ああそうなの? よかったぜ人違いじゃねーじゃねえかそれじゃあよ。二人ともぶちのめしてハッピーエンド! 学園には平和が戻るってわけだ」
日之影は禊を黒板に押し付けながら、拳を握ってそう言った。言うまでもなく、
『うわぁおっ、猛烈ゥ──』
「今からお前を五十回殴るからよー、五十回歯を喰い縛りなー。あせーの、
日之影は拳をぎゅっと握り込み、そして。
禊の肉体に、拳をぶち込んだ。
日之影の
「おおーっと、本気で手加減したつもりだったんだが、たったの八撃で壊れるとは黒板って奴は相変わらず脆いぜえ。もちろんお前は黒板より頑丈なんだろう? マイナス十三組、球磨川禊!」
「お兄ちゃんに何すんだ斬り刻むぞデカブツ」
「おっと残念!
突然起き上がり、背後から
「がはっ……! ちょっと、女の子のお腹本気で殴るとか……性癖歪んでるんじゃないの……!」
「斬りかかってきたのはそっちだろー? それに俺は全然本気なんかじゃないし、歪んでるのはお前らマイナス十三組の連中だよ」
「ハッ! そういう決めつけは良くないんじゃないの!? 大体私達はまだ何も……」
「
近接戦闘においては高千穂や古賀さえも凌駕すると、めだかがそう評価する日之影の戦闘能力は伊達ではない。
ただまあ、腕っぷしだけでどうにか出来るのであれば、中学の時点でめだかがケリをつけていた。
「つまりだ、俺はお前らをボコる理由がある。元英雄としては、こんな明確な学園のピンチを見過ごしておくわけにもいかねーからな。まあ泣いて謝るっていうなら考えなくも──!?」
先ほどまで気絶していたかのように見えた禊は、
『……僕はこんな風に僕を叱ってくれる人をずっと待っていたんだ』
「なっ、お前……」
『僕の間違いを命懸けで正してくれる人を心から待っていたんだ』
「…………」
『本当になんて嬉しいんだろう、お陰で目が覚めた! これで改心したぞ。ありがとう! きみには本当に感謝するよ』
「そりゃ、どうも──」
その辺の誰かに何かして
晴らすとするね』
(……おいおい黒神、
日之影の動揺も無理はない。本気ではなかったとはいえ、たったの八撃しか殴っていなかったとはいえ、それでも立ち上がってきたこともそうだが……
日之影が驚いたのは、禊が
『さて、
「あー、最高だよ最高最高……私は
先ほどまでとは、
(ッ……なるほど黒神が言ってたことはこういうことかよ! 球磨川妹は
「さっさと叩き潰しちまえばいいだけだよな!」
立ち上がったばかりの
「……少し流された? おいおい球磨川妹、お前今
「そんな事どうでもいいでしょ。ねえ日之影くん絶対私の情報仕入れてから来てるよね? そうじゃないとこんなに執拗に私を狙う理由がないもんね。
「……ああ、俺はお前達球磨川兄妹の情報を仕入れてからここに来ているさ。それこそ、ついさっき仕入れたばっかりだがよ。で、だからどうしたってんだ?」
「んふ、んふふ……やっと、やっとだよ。やっと私を見てくれる人が出てきた! やっぱり
「……お前、何を」
「……あーいや、違うか? 善吉くん達と離れた途端にこうなったって事は……別に
『
「……確かに、考えるのは後でもできるしね! よーし、何発も殴られて腹が立ってるし、私のお腹を殴った拳から順番に斬り刻んであげるよ!」
思考の海へと沈みかけていた
「……無理だな球磨川兄妹。
『……へぇ?』
「俺の
『だってさ
禊は自分と
「そうだねお兄ちゃん。ただ、お兄ちゃんの「
(な……なんだ? この場の全てが
日之影は球磨川兄妹のあまりのプレッシャーに思わず飛びずさる。このままでは
しかし球磨川兄妹が日之影に飛びかかろうとした瞬間……二つの人影が飛び出して、それぞれの肘の骨をへし折りながら床に叩きつけて押さえ込んだ。
禊の方を押さえ込んだのは
「……転校二日目にいきなり本気を出すとか勘弁してください球磨川先輩。あなた世界を滅ぼすつもりですか──いや、そのつもりなんでしょうけれど」
「おいおい妹さんよお、命拾いしたなあんた? さっきまでの感じだったら、あたし間違えて首の骨折っちまってたかもよ?」
『いやー、庇ってくれて、ついでに腕を折ってくれてありがとう蛾々丸ちゃん! 危うく全てを
「志布志くん……だよね、初めまして! そしてありがとう! 腕が折れてれば剣は振るえないもんね!」
日之影には何が何だか分からない。地面に叩きつけられて腕まで折られているのに、それでもお礼を言う奴らの心理なんて。
「……ハッ! 助けが来るだなんて意外だな!
『当然あるとも。なんたって僕達は週刊少年ジャンプの愛読者なんだぞ!』
無駄な努力・
むなしい勝利』
『それが僕達マイナス十三組のモットーだよ』
『さて、日之影くん。四対一になったけど、続ける?』
その問いに対して、日之影は即答した。
「いや、帰る。じゃあな」
途端に、日之影の姿は誰にも認識できなくなってしまい、結果教室には静寂が訪れた。
『……さ、続きをやろうか』
「そーだねー……なんか呆気なかったな」
その結果
ホームルーム、継続。
少しずつ分かってきたことも増えてきましたね。
着地点は一体どこなんでしょう。
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