球磨川くんってなんか回を重ねるごとに幼い顔立ちと体型になってません? なってますよね。そうですよね。
「さて、思わぬ邪魔は入っちゃったけど斬り替えて! ここから先は幹部同士の親交を深める会といこうか!」
ハロー、球磨川
そんで今はどういう状況かっつーと、机を並べてお菓子パーティ兼作戦会議中。あっお兄ちゃん、たい焼きひとつちょうだい。カスタードの方。ありがと。あーんっ、ぶちぶち、ぐちゃ。
「んー! このたい焼きおいしー! ……ん? どしたの志布志くん、蝶ヶ崎くん、鳩が
「いえ、本当にあなたも
「本当にな。てっきりあたしは球磨川さんの妹ってだけでここに来たのかと思ってたよ」
「あはは……まあ
「ハッ、違いないね! 本当の所を言うと、あたしも直前まで迷ってたからよ!」
うーん、物騒だけどみんな笑顔で楽しそう。他人の骨を折るかどうか迷った話でここまで和気藹々とできるのはもはや才能だよな。まあ私にとってもこういう話題は新鮮で面白いけど。
「それにしても……やはり生徒会執行部は私達の邪魔をするようですね。まあ当たり前といえば当たり前ですけど」
「それなら生徒会をすり潰しちゃえばいいじゃねーか。向こうから先に仕掛けてきたんだし口実はあるだろ。あたしにやらせろよ! マイナス五秒であいつらを地面と区別つかなくしてやる」
『こらこら飛沫ちゃん、そんな乱暴なことを言っちゃあいけないよ』
「そうだよ! 確かに私は思い切りボコボコにされたけどさ、殴られたからって殴り返しちゃったら、そこからはもう殴り合いの殺し合いしかなくなっちゃうじゃん!」
『だからちゃんと話し合って分かってもらおう? 僕達のエリート抹殺計画がどれほど素晴らしいのかを!』
うひゃー、同調して
いやー、今頃志布志くんと蝶ヶ崎くんも思ってることだろうけれど……自分より
『それで……僕達の目下の目標は、大半が登校していない十三組の面々をどうするかってことだよね。よくないなー、学校は楽しい所なのに登校しないなんてもったいない!』
「……お悩みのようですね。だったらいい手がありますよ、球磨川先輩」
おっと、半袖くんが来てくれた。いやー良かった良かった。私がここにいるせいで来てくれないかと思ってたよ。さて、
半袖くんが席についてカステラを食べようとした瞬間……志布志くんの踵落としが半袖くんの頭にもろに入った。あまりの勢いにカステラは粉砕されているし、なんなら机までぶち壊れている。
「ちょっ……いきなり何をしてるんですか志布志さん!」
「え? いやほらなんか後から来たくせに偉そうでムカついたから……ごめんなさいもう二度としません許してください」
うーわ、反省の色が見えねー。やっぱ
「あのねぇ志布志さん、気持ちは分かりますが……」
「偉そうな奴ってのは、誰に何されてもしょうがないですよねえ」
蝶ヶ崎くん、見た目は大人しそうだし話し方も理知的なんだが……今この教室にいる連中の中だと一番ヤバい奴説があるからな。沸点もよく分からないし、今だって半袖くんの頭を踏み潰し続けている。
いやごめん、今の嘘。
「二人ともー、ダメじゃんクラスメイトをいじめたら!」
『それに、不知火ちゃんの食事の邪魔しちゃダメだぜ?』
「「!?」」
おー、驚いてる驚いてる。そりゃ驚くよな、
「いくらボールは友達だとはいえ、友達をボールにしちゃうのはいただけないな! それじゃあ半袖くん、いい手とやらを教えてもらおうかな!」
「……
あの後半袖くんが語った計画の概要はこうだ。
今生徒会は、私が辞表を提出したことで副会長が不在だ。故に、めだかくんが会長兼副会長ということになっている。つまり今の生徒会は
揚げ足取りみたいな理由だが、私が辞任したのは事実だし、辞任を許可したのは生徒会側だ。だから私は悪くない。
つまり、今の生徒会には「副会長不在」という明白な不備がある。なのでそこを突いて、
この校則は全校生徒の過半数による署名がなければ行使できないが、マイナス十三組は理事会と繋がっているので問題ない。生徒数の水増しなど容易に可能だ。
そしてめだかくんを解任した後、
そしてめでたく生徒会長に就任した後、
……いやえげつねーな。ありえないくらいよく出来た即死コンボかよ。それにこんな作戦決行しようものなら、私が生徒会を離れた理由がバレてしまう。まあ別にそれはいいんだけどさ。
もう決行してるしね。
「なっ……
「……なるほど、不知火と
「やっほー。ま、色々試してみたくてね。ほら、これからの社会では多角的な視点が必要になってくるって言うじゃん? だから、ね?」
まあこんなの真っ赤な大嘘だが。今はまだ目的を話すわけにもいかないからね。
『あ、そうだ。いい機会だし早速新生徒会長としてマニフェストを発表しなきゃ! えーとまずは──』
用いる飲食の取締り』
『以上八点の実現に向けて一生懸命頑張ることをここに誓います! みなさん応援してください!』
…………いやだあ〜〜〜〜。誰が嬉しくてこんなことしなきゃいけないんだよ。本当にこれでいいのかお兄ちゃん。
そのマニフェストが通ると私は素っ裸で四足歩行で人間以外の言葉を発しながら授業にも参加せずに永久的に不純異性交遊と奉仕活動に勤しまなければならないんだが。
性癖が螺子れまくった成人向けマンガかよ。一応少年誌掲載だぞ、このマンガは。私と半袖くんと……あと瞳くんはだいぶ絵面がまずいことになる。全員小学生みたいな体型だし、瞳くんに至ってはあれで母親だからな。いやまあそれ以外でも大概ヤバいが。
「それより球磨川! お前達の言う生徒会ってのは六人なのかよ! 生徒会則第2条には『生徒会は五名からなる』って書いてあるじゃねーか!」
『うん、書いてあるね。でも
「ぐっ……! マニフェストといい、強制招集権といい……球磨川、貴様という男は……どこまでマイナスなのだ……!」
ここまでやればこちらの勝ちはほぼ確定だ。ただまあ、
『あれ? どうしたのめだかちゃん。天を仰いで仰天って感じ?』
「……
ほらな、斬り返してきた。これでこそめだかくんだ。だからこそめだかくんだ。誰よりも主人公らしい主人公だ。
「そちらがルールに則って攻めてくるなら、こちらもルールに則って受けて立つまでだ、球磨川禊」
『塾則なんてカビの生えた古臭い野蛮な決まりごとが現代で通用すると思うの? たまたま手続き上撤廃されてないだけのルールなのに』
「それを言うなら貴様の出してきた使用されたことのないルールとは違い、第百五十九項には過去三度の適用実績──
完全にしてやられたね。まさか校則どころか塾則まで全部覚えてるなんて……まあ予想の範囲内だろう。だってめだかくんだし。
『原則同士が対立した場合の判断は現生徒会長に委ねられるのが原則……だっけ? あーあ、してやられたよ』
「リコールを宣言してしまった以上、私達はめだかくんに従わざるをえなくなってしまったわけだけど……当然、
「…………」
おい無視すんな。飴食うな。目ェ合わせろ……はあ、まあいいや。とりあえずここまでは問題なく進んだしな。ここからは……できることは全部やる。味方だろうが、敵だろうが、第三勢力だろうが。
「異存はないようだな。ならば規定に基づき、たった今この瞬間より新生徒会と現生徒会の決闘を開始する。生徒会選挙──否」
さて、頑張るか。
注釈6は適当に古文調にしただけなので多分文法とか間違えてます。違和感あるかもしれませんが、広い心で許してください。
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