過去一レベルのスランプに陥った上に、小説削除対策で江迎ちゃん戦をほとんど丸々カットしています。ごめん。
その代わり、
さて、八月八日の球磨川
簡単にルールを説明すると、メインプレイヤーはサブプレイヤーの手首につけられた爆弾を解除するため、相手が所持している鍵を奪い合うという内容だ。うわーお、シンプルでいいね。
今回も私は見学に回る。というかそうしないと後々詰む。なのでモニター越しにお兄ちゃん達の勇姿を見届けようと思う。だけど──。
「私とめだかくんを纏める意味ある!?」
「そう堅いことを言うな、
「あのー……善吉くんの件は本当に申し訳……」
「ん? 何を謝ることがあるのだ。善吉が許しているのだから、それを私が蒸し返すのはお門違いだろう」
さっぱりしてるね。それでいいのか幼馴染/「呼んだ?」/安心院なじみじゃなくて
「地の文に入りこむ事だって出来るんだぜ/うわあぁぁぁやめろやめろ地の文とかそういう事言うなバレるだろうが色々と!!」
あっぶねーなこの野郎……全部が台無しになるところだった……いやまあ、だいぶ手遅れな感じがするけど。めだかくんが訝しげに私の方見てるし。
「それにしてもめだかくん。よかったの? 善吉くんを行かせちゃって。瞳くんはまあ心配ないだろうけどさ、善吉くんは庶務戦で一回死にかけて、書記戦でジャンプスケアじみた精神攻撃で吐いて……」
「……こうして並べ立ててみると、善吉に被害を加えているのは球磨川ではなく
「惚気?」
おっと、ついうっかり口が滑ってしまった……まあいっか。
「惚気だと? いや、私と善吉がそういった関係になることはないだろうな。何せ私は……おっと、始まったか」
「あー……あれは江迎くんの
それにしたって、あそこまでの精度で植物を操れるってのは凄まじいな。善吉くんも瞳くんも一瞬で縛り上げられちまった。マイナス成長ってのは怖いね。転校して来てから三週間しか経ってないのに
だが瞳くんも負けていない。どこからか取り出した剪定ばさみで植物を全て切り揃えてしまった。なるほどこれが
おや、くじらくんが何か言いたげだな……まあ十中八九ステージとルールに関する苦情だと思うが。
「というかよー、植物園において植物を操るとか反則じゃねーのかよあれは!! なあ
「えっ私!? いやまあ、くじ引きで決めた事だし、そもそもこのルールを持って来たのは長者原くんだし、だから私を問い詰めるのは──」
「んなっ……!?」
まさかバレた!? いやそれはない!
ヤバい早く秘密だよ込んで私の動揺とみんなの記憶をなかったことに……ッ、めだかくんと纏められてたのはこのためか……!
「くじらくんにめだかくん、嵌めやがったね……! いつもの私なら即座に色々となかったことに出来てたんだけど……!」
「こうでもしておかないと、何をされるか分かったものではないのでな。故に、この中では最も貴様と付き合いの長い私が、貴様を一番近くで監視することになったのだ」
「ハッ! 確証もないのにカマかけるなんざ俺らしくもねーやり方だったがよ、マヌケは見つかったようだなああぁぁぁ!!」
くそっ、最近失言が多過ぎるぞ私のおバカ。それにしても多過ぎる気がするが……もしかして安心院さん何かやってたりする? おーい安心院さーん、サイレント・マジョリティって知ってる? 犯人だと見做すよー?
……何も言わないってことは、多分何かしてるってことだよな おい何してんだお前 どうして勝手に
いやー油断するまで長かったね。
本当はすぐにでも気を抜いている相手を乗っ取れるスキル「
これで僕も好き放題できるぜ。わっはっは。
「なんちゃって」
……紛らわしいよ。交代するなら交代するって言ってくれない? 正直マジでビビったんだけど。
いやー、悪いね。説明するのが面倒臭いから一度しか言わないよ。しばらくは僕に任せなさい。めだかちゃん達を軽ーくあしらっておいてあげる。
まあ、そういうことなら任せようかな……正直、めだかくんとくじらくんの本気の監視を抜け出すのは私には無理だ。それじゃあよろしくね。
「……そうだね。確かに僕は切れ込みを入れたよ。君の言う通りさ、くじらちゃん」
「……おい待て、
いやまあ、実際には斬り込んだけど……安心院さん、その辺をぼかして答えてるな。私じゃ思いつかなかった……
まあいっか。
「まあ僕の言っていることが信用できないというのも理解できる。何てったって裏斬り者だからね。あ、そうそう。めだかちゃんもくじらちゃんも、
次の瞬間、私達の体はいつの間にか自由になっていた……っておい安心院さん。今何しやがった。私でさえ何があったのかよく分からなかったぞ。
簡単なことさ。あらゆる束縛から抜け出すスキル「
なるほどね、抜け出すだけなら私の
それに関しても
「ほら二人とも、画面を見なきゃ。怒江ちゃんの二丁包丁を最小限の動きでかわしている善吉くんを見なくてもいいのかい? あんなの見られるの今だけだぜ」
「……まあいいさ。お前を問い詰めるのは後でも出来るからな。それより今は!
「
「いや別に暴れるつもりはねーが……お言葉に甘えて、リラックスしながら会計戦を観戦させてもらうとするぜ」
──ね? この通り、追求を逃れることが出来るってわけさ。まあたったこれだけの為に4つもスキルを使っちまうとはね。恥ずかしいったらありゃしないぜ。
1京2858兆0519億6763万3865個もスキルがあるんだから4個くらい誤差みたいなもんでしょ……何をそんなに恥ずかしがってるんだか……あとそうだ、安心院さんさっき私に「
さて、何のことやら。そんな描写は無かったと思うんだけどな。心外だぜ全く、まさか
じゃあさっき私がくじらくんを論破する方法を思いつかなかったことはどう説明しなくてもいいよ説明するんだよ。今も使おうとしたなお前。
使ったけど?
あっさりしてるなあ……もう少し粘ろうよ。何ですぐ諦めるんだ。じゃあ最初から使わなければよかったんじゃないかなって私は思うよ。
あーあー聞こえない聞こえない。お小言を聞き流すスキル「
それスキルじゃないだろ!? おい! 安心院なじみ!! 寝るな!!! 起きろおい!!!!
──こいつ、寝やがった……。
「うーん……はっ!? 寝過ごした!! 今はどういう……」
『やあ
「あれ、お兄ちゃん……ってことは、もしかしてだけど……会計戦、終わっちゃった……?」
『うん。最終的に僕も善吉ちゃんも爆発したからね、結局引き分けになっちゃった』
あーあ、何てことしてくれたんだよ安心院さん……折角の名勝負が台無しじゃねーか……。それに、江迎くんが善吉くんに惚れ直すシーンもお兄ちゃんが取り乱すシーンも見過ごしちまった。はあ……。
「で、お兄ちゃん……
『ふっ……やっぱり実の妹にはバレちゃうか。いやほら、怒江ちゃんが大怪我を負ったから、
お兄ちゃんは分かりやすく腰を直角に曲げて残念がっていた。いやまあ、そりゃあ残念だよな。
「ということは、ついにお兄ちゃんも
『怒られる覚悟? ははは、面白い事を言うね
こいつ……あいつもあいつだが、お兄ちゃんも大概だ。楽観的すぎる……ってわけでもないんだろうな、きっと。
「……やっぱり、まだ怖い?」
『……
「そっか。それでも、行くしかないよ。でも大丈夫。お兄ちゃんがどこに行っても、お兄ちゃんがどうなったとしても、私はお兄ちゃんと一緒にいるから。だから安心して行ってらっしゃい」
『
「はーい。行ってらっしゃい、お兄ちゃん」
『行ってきます、楽しみに待ってておくれ』
……行っちまったな。よし、これでもう肩肘張らずに済む。それにしても……思わぬ形で収穫を得たな。こいつは中々に嬉しい情報だ。
私が寝ている間、私はいないものとして扱われているらしい。蝶ヶ崎くんに指揮を任せていることで確信できた。私が起きていたなら、お兄ちゃんは私に指揮を任せるはずだからな。
安心院さんに勘付かれる前に。
調子を取り戻すまでにまだしばらくかかりそうです。その間は暖かい目で見守っていただけると幸いです。
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