なんか意図せず一ヶ月一回投稿みたいになってるんで、そろそろエンジンかけてブチ上げたいとは思ってます。
やっほー、球磨川
いやー、壮観だったね! なんてったって、女子中学生が際どいパンツを見せびらかしながら土下座してるんだもん。しかも五人も。それに展開もあまり崩さずに進められたし、良かった良かった。
……ただまあ、そうだな。一つ問題があるとするならば──やって見せた方が早いかな。試しに校庭に集まっている五人衆に挨拶してみようか。
「やあやあ中学生たち! 今日のオリエンテーション楽しみだねえ!」
「変態は近寄らないでもらえますか」
「あっ、うん……」
はい。
嫌われちゃった……。
いやおかしいでしょおあいこのはずでしょ!? だって私とお兄ちゃんは爪とか皮とか剥がれてるんだよ!? ちょっと身ぐるみ剥いだくらいで何をそんなにピリピリしてんのさ!!
「
「つってもさ、
「そうかな。まあ確かに、痛々しいのは見ていて不快だよね。復讐だったとしてもあんまり気分のいいものではないかも……それならそれで、やりようはあったと思うけどな」
「へえ、精神的に追い詰めて、なおかつ恥をかかせる方法? 今更聞いても後の祭りでしかないけど、一応聞くだけ聞いてみたいな。
「えっとね、まず下駄箱の中に虫を入れておくでしょ? 次に上履きを水浸しにして、教室の机の上に枯れたお花と遺影を置いておくの。それを本人に片付けさせれば、滑稽さのあまり、周りからはヒソヒソクスクスと──」
「それ
「あれ、バレたか」
この子、なんだか図太くなったなあ……いやまあ、
「いやそれにしたって、まさか自分がイジメられていたことさえ笑い話に──話のネタにできるまでとは。さすがにここまで強くなってるとは思わなかったよ」
「まあ、ようやく飲み込めてきたって感じだけどね。この前善吉くんに活を入れられて気づいたんだけど、ぼくのことを嫌いな人がぼくをどう言ってようと、どうでもいいかなって」
「うん、まあ……それはいい気づきだよ。やたらめったら意見を取り入れても、気が滅入っちゃうだけだからね。偉いなあ、
いやマジで、本当に偉いと思う。もし仮に私がイジメられたとして、その過去をこんなふうに笑い飛ばせるようになるだろうか。
──過去と向き合って、それでも笑い飛ばせるだろうか。
無理だろうなあ。
「
「おい財部くん、一応私ってば君の先輩なんだけど」
「お言葉ですけどね、女子中学生のパンツを斬り取って興奮するような人は先輩とは認められません!」
「まあまあ、落ち着きなよ財部くん。元はと言えば、君たちがお兄ちゃん達に攻撃したのが悪いんだよ? あんまり邪険にしないの」
「……分かりましたよ、
くそう、なんだこの格差は。
……まあ、そりゃそうだよな、こうなるよな。私はパンツを斬り取ったわけだけど、
しかもお兄ちゃんに至っては、財部ちゃんに貸してあげた学ランをぐりぐりと踏み躙られたにも関わらず、それらを全く気にする素振りを見せなかったもんだから、心が広いと思われているらしい。
加えて
そして、その二人に比べて私は、私は──女子中学生のパンツを斬り取って興奮してるだけの変態だ……。そう考えると、お兄ちゃんと
「みんな許してよぉ……あの時は本当にごめん……」
「絶対許さねえよ許しません♪」
「許すわけがないだろう」
「絶対に許さないんだから!」
「うーん、許さないかにゃー」
「皆許さないようなので許しません」
すげなく断られてしまった。
もう私は終わりだ……消えるしかない……。
「さて、おはよう諸君。改めて! 私が生徒会長の黒神めだか──なのだが、
「あー……気にしないで……ちょっと人格矯正の方法について考えてただけだから……」
「うむ、そうか。では話を続けよう。さて、貴様達の研修が始まって──」
((話続けんのかよ……というか、どうしてブルマがそんなにも似合わない!?))
校庭に集合した生徒会の面々であったが、そこではブルマが全く似合わないめだかと、柄にもなく落ち込みまくった
だが、めだかはそれら一切を気にすることなく、淡々と
「──と、いうわけだ。つまるところ、
このスピーチ聞いた善吉も、阿久根も、喜界島も、多少の差異こそあれど、考えたことはおおよそ同じだった。
言わなくてもいいことを、わざわざ馬鹿正直に口にするのが黒神めだかの在り方なのだ。依然、変わりなく。
「……さて、それでは説教臭い前置きはほどほどにして──本日の特別企画を発表するとしようか。まあそんなに緊張せずともよい。ゲームのように楽しんで行け」
めだかはそこで持っていたマイクを朝礼台の隅に置き、大きく声を張ってレクリエーションの内容を発表した。
「本日のテーマは『宝探し』! この箱庭学園を舞台に、トレジャーハンティングをやってもらおうと思う──」
──その後も説明は順調に進み、トレジャーハンティングは開始された。しかし
「んはっ!? 出遅れた!?」
やばい今何時だ!? 宝探しが始まってから何時間経った!? 最悪だこのゲーム本当に楽しみにしてたのに!!
「うわーやらかしたもう終わりだあ!! めだかくんが何かするって言ってたから昨日の夜から楽しみすぎて眠れなかったのにぃ!!」
「まあ落ち着きなよ、
「んえ? 阿久根くん……と善吉くんと、
「やっほー。昨日の夜寝てないから体調崩すんだよー。もう寝不足は『
「あ、うん、ありがとう……まあ始まったばっかりなら大丈夫か。それで、阿久根くん。今はどういう状況?」
「中学生は宝探しの景品として、俺達生徒会執行部の腕章──まあつまるところ、生徒会の役職を御所望したよ。それを阻止するためにも、俺達は中学生より先に宝を見つけなければいけない」
あー、ここは原作と変わりなしか……私と
「ちなみにだけど、
「もうちょっと早く言ってくれない?」
まずいじゃんかなり。いやまあ、最悪「
とりあえず地道にやっていくことにしよう。まずは第一関門の宝の地図からだ。めだかくんが配った学校の見取り図を裏返して──あったな、目的地を指す暗号文。
次の文を読んで解き明かし
示される場所へ向かえ。
峡谷で新たなる思想に出会
うだろう。もしも視界の外
で縫針が親子を支え始めた
ら帰れ。試み施す指を止め
て糸通しを示す姿が私の死
だ。雌の支柱獅を司る銃は
青く、紫の指の熾烈さに過
ぎず、天使も私の着物では
ない。人は仕える相手を間
違えたい。抜糸するのは着
替えたあとになりそうだ。
うん、暗号文も特に変わりはないようだ。いやー助かったね。私は暗号解くのとか謎解きはあんまり得意じゃないから、この文章から変わってたらあっけなく詰むところだった。
「さて、
「ああいや、別にいいよ。
「だってさ。どうする善吉くん?」
「……解けたんなら、先に行っとけよ。俺はなんとしても自力で解いてやる」
「というわけで、ぼく達はもうしばらく考えてみるよ。せっかくのレクリエーション、どうせなら楽しみたいでしょ?」
解いたと言った瞬間、面白いくらいに阿久根くんの表情が崩れたな……。でもごめん、本当はズルしてます。
それと、
「そっか、じゃあ
「あ、ああ……それにしても、随分解くのが早いね。惚れ惚れする頭のキレだよ、本当に」
そんなに褒めんな、照れちゃうぞ。
「それと、善吉くん。あまり女の子を待たせるんじゃない。
ひゅー、さすが阿久根くん。めだかくん曰く、勝ちを相手に譲ることに抵抗がない、ということらしいが……それだけじゃなく、本人が優しいということも理由の一つだろうね。
さて、それじゃあ行くか。
阿久根くんと
と、そんなふうに考えながら、今も校庭に
同じ一枚の紙を傍から覗き込んでいるため、距離がやたらと近くなってしまったが、まあいいだろう。不可抗力だ。
むしろ──いや、これはやめとこ。
「……
「うん。
「どうかした? じゃなくてな、解けたなら先に行ってろって。この際はっきり言わせてもらうが、この暗号を解く足掛かりすら見つけられてないからな」
善吉くんはやけに自虐的にそう言った。まあ確かに、一人だけ置いていかれるってのは中々心に来るものがあるから、気持ちはよーく分かる。
「それでもぼくは君といるよ」
「……いいから、先に行ってろって」
「いやだ。断る」
「お前はッ!!」
わお、でっかい声。剣道やってる人でもここまでの大声は出せない気がするなあ。当然ぼくにもできない。
「もう、なんだよ善吉くん。耳元でそんなに大きい声をあげられちゃうと、耳が痛くなっちゃう」
「……
──やっぱりそうだ。善吉くんはムキになると周りが見えなくなっちゃうけど、少しすれば落ち着いて、本心で話してくれる。
今だって、そうだ。きっと暗号が解けなくて焦っているのも本当だけど、ぼくのことを気遣ってくれているのだって本心なんだ。
学校にいい思い出がないぼくを、心配してくれているんだ。
「……そう。そこまで言うなら、ぼくはぼくなりに、ぼくの好きなようにこの宝探しを楽しんでみせるよ。善吉くんの言う通りにね」
「ん? おう、分かった……いやしかし、いきなりやけに素直だな」
「そうでしょう。ぼくは素直なのが一つの取り柄なんだ。昔取った杵柄ってやつだね」
「文章の上でしか分かりづらいような言葉遊びを……」
「ぼくは言葉が好きだからね。だから人と話せるってだけで、言葉を紡げるだけで、ぼくは幸せになれるんだ。それが大切な人達ならなおさらね。善吉くんとこうして話す時間も、ぼくは大好きなんだよ」
「そ、そうか……いやしかし、改めてそう口にされると照れる──じゃない! お前いつまでここに居座るつもりだ!?」
あちゃー、バレちゃった。そこまでしてぼくを何処かに行かせたいのかな。ちょっとだけショック。
「いつまでって……そりゃいつまでも、だよ。善吉くんがここを動かないのなら、ぼくもここを動くつもりはない」
「だからッ──お前は、お前なりに楽しめば──」
「いい…………は?
「だから、
ぼくがお兄ちゃんと仲直りするきっかけを作ってくれた善吉くんが、楽しめないなんてこと、あってはならない。切実に、そう思う。
「善吉くんは気づいてないかもだけどさ、ぼくは君に一番感謝してるんだよ。ぼくを助けてくれた
「でも、だからって……」
「でももだからもいらないよ。ぼくが欲しいのは善吉くんが心から楽しむことだから。友達が嬉しければ、ぼくも嬉しい」
あとは……そうだ。今のうちに勢いに乗って、これも言っておこうかな。
「善吉くんはぼくの初めての楽しみを邪魔したくなかったみたいだけど、そんなことはもう無理なんだ。とっくのとうに、手遅れなんだよ」
「そんなことはない! きっと今からだって、先に行った連中に追いつけるはずだ!」
……? いきなり何を……ああ、いや、ちょっと言葉足らずだった──というか、まだ話は終わりじゃない。ぼくがこんなことで、勝利を掴むのを諦めるもんか。
「いや、そうじゃないよ善吉くん。ぼくは別に、勝つことを諦めたわけじゃない。むしろ勝つ気満々なんだよ! これ以上ないくらいにね」
「えっ、そうだったのか……いやすまん、どうにも焦っちまって」
「いいよいいよ。ぼくにだって、焦って失敗しちゃう時くらいあるから……それこそ、夏休みまではそうだったね──それで、話の続きだけど」
ぼくは善吉くんの正面まで移動してからしゃがみ込み、目線の高さを合わせてから、その目をまっすぐ見た。逸らさずに、まっすぐに。
「ぼくの初めての楽しかった思い出は、とっくに埋まっちゃってるんだ。これ以上ないってくらいの、とっても嬉しかった思い出で──ちょっと、大事な話してるんだから顔逸らさないでよ」
善吉くんが照れて顔を逸らそうとしたので、両手で頭を掴んでこっちを向かせる。逃すもんか。
「えっと、それでね。その嬉しかった思い出っていうのは、あの戦挙戦のことなんだ。善吉くんと戦って、話し合って、仲直りした──夏休みの、戦挙戦」
「まあ……そうだな。なんだかんだで丸く収まったし、今となってはいい思い出だけどよ……」
善吉くんも、ぼくと同じように思ってくれてたんだ。また嬉しいことが増えちゃったぞ。
「だからね、その……つまりさ、箱庭学園での、楽しくて、嬉しかった思い出は、ぼくの初めての喜びは──
「んなっ!? バカお前めだかちゃんが見てる前で、そういう言い回しは──」
「めだかくんならさっきいなくなったよ。次の関門の準備をするんだってさ」
「あ、ああ……そうか、そうだな……」
なんだよ、いきなりどうしたんだ、善吉くんは。ぼくなんか変なこと言った? 正直にぼくの気持ちを伝えただけなのに。変なの。
「まあ、つまりさ。
「──だからつまり、
ようやく分かってくれたか。珍しく一生懸命になって説明した甲斐があった。
善吉くんの顔から手を離し、ぼくは立ち上がる。未だに座り込んでいる善吉くんに向かって手を伸ばした。
「さ、行こうよ善吉くん。きっと後悔させないからさ──一緒に宝探し頑張って、他のみんなの度肝を抜いてやろうぜ?」
善吉くんはぼくの言葉を聞くと、先ほどまでの険しい表情をやめ、いつもの優しい印象の笑みを浮かべ──ぼくの手を取り、一気に立ち上がった。
「あーそうかよ、そりゃあ楽しみだな! なんてったって日本一の剣士さまが『後悔させねえ』って言ってんだから! 退屈させたら承知しねえぞ、
「もちろん! やるからには本気で、目指すはてっぺん、一着のみだよ! それじゃあ暗号もそろそろ解けただろうし、目的地へレッツゴー!!」
よーっし、行くぞー!! えい、えい──あれ?
「そういえば善吉くん、暗号文解いたっけ?」
「あっ……ちょっと一瞬で解くからヒントくれヒント!!」
「えっと、えっと……ここはこうで、ここがこうなるから──」
なんていうか、締まらないなあ。だけど、こういうのがきっと「楽しい思い出」ってやつになるんだろうな。
書いといてなんですけど、ほぼ告白でしょこれ。
でも恋愛じゃなくて友愛だと思うので安心してね。
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