最近遅刻気味。
気をつけないと……。
「ぐっはぁようやく食べ終わったー!! どれもこれも美味しかったぜ希望ヶ丘ちゃん!!」
「お褒めに預かり光栄です、
どうも、球磨川
希望ヶ丘くんと喜界島くんはこの関門を、中国料理における最高峰の誠意を示す満漢全席で突破した、というのはこの前も話したところだけど、問題はそれで食材が全部なくなってしまったことだ。
結果としてそれ以降の試験が不可能となったため、私たち
『いやしかし、
「え? でも
「そこまで食べてなかったような気がするけどにゃー……もしかして、あの人……」
「おそらく遠慮していたのでしょう。あの人はどうやら、自分よりも他人のことを尊重するようですし」
うーむ、やっぱそうだよなあ。私だって頑張ればそれなりに食べられるけど、
「MVPは
「おっ、なになに財部くん? 急にデレてくれるじゃない、そんなに私に感謝しちゃってるのかなあ〜?」
「……してますよ!! それがなんです!!??」
「ぁっ、えっ、と……ぅん、ありがと……」
「えっ……? あれ、禊せんぱい……
『ああ、言ってなかったっけ? この子押すくせにカウンターに弱いんだよ。しかもすぐに照れて縮こまっちゃうんだぜ、かわいいよね』
ああクソっ、財部くんたちにはバレたくなかったのに……未だに善吉くんとかとちょっと顔合わせづらいんだぞこっちは!!
「恥ずかしがりで悪いかよ!!」
「いや、悪いってことは無いですけど……」
「なんつーか、意外だにゃー……」
「ああもううるさいうるさいうるさい!! ほらさっさと行くよ与次郎くん起こせお前ら!!」
(((横暴だ……)))
なんだよもう恥ずかしいなお兄ちゃんの前で大声出させやがって。多分気にして無いだろうけど私が気にするんだよ!
「おーい、
「……あれ、さっきのは……また夢か……最近あんまり見てなかったのにな……」
『……なにこの子、寝ぼけてんの?』
お兄ちゃん、流石にそりゃどうなんだ……もうちょい言い方あっただろうに。
というか与次郎くんも与次郎くんだ。散々寝こけて私に自分の分のご飯を食べさせておいて、起きた瞬間妄言を……事情を知っているとはいえ、ちょっとムカつくぞ。
さて……行くか。そろそろこの関係の終わりも近い。
で、その後。私達一行は、飼育委員長
そして私たちは、時計塔展望室・最終関門番人、美化委員長
「マジカルアドベンチャー『魔獣退治』ねえ……しかも対峙する相手は
『ちょっと何言ってんのか分かんないな。他人に無茶振りするのは大概にしたほうがいいぜ?』
「禊先輩は黙っててください……それよりも気にするべきは、
「よほど難しい関門だ、と……そういうわけでありますな、諸先輩がた。とすると、生半可な攻撃では通用しないでしょう──それならば! ここは私が引き受けた!!」
私、お兄ちゃん、阿久根くんの会話を頷きながら聞いていた鰐塚くんは、そう言うとおもむろに拳銃を咥え、機関銃──正確にはブラウニングM2マシンガン──を二丁取り出し、こともあろうにケルベロス(がいるであろう場所)に向かって乱射し始めた。
(そんな使い方が出来る火器じゃないだろうに……! 本当にこの子は自分より弱い子がいると頼りになる!!)
(宗像先輩ばりの暗器……! ていうか鰐塚さん、あの人に色々と似てるんだよね……)
と、阿久根くんと喜界島くんあたりはそう思ってるんだろうな。だって原作でそう考えてたわけだし。
で、鰐塚くんがぶっ放しまくった結果、床は蜂の巣になってしまった。これ片付けるの大変だろうなあ。
「ここまで撃ち込んだんです、死体の確認はできませんが、
「うふふ〜、何を言ってるんです鰐塚ちゃん。ケルベロスのケルちゃんはすっごく速いんですから避けちゃいましたよ! 狙撃するなら
……まあこんな風に。廻栖野くんの関門はこういう感じで、ケルベロスを倒せだなんてどだい無理な話なんだよね。
必要となるのは想像力、そしてそれを押し通す説得力。その観点から考えれば、自分を魔法少女だと思っている与次郎くんは適任ってわけだ。
彼女はしばらくすれば、お兄ちゃんにメールで呼ばれて「間近でマジカル☆ワンダーツギハ」として戻ってくるんだけど、それまで何してよう。私はやることないなあ。
一応クリアできないことは無いんだよな。お兄ちゃんが
うーん……いやしかし、流石にそれは無いな。与次郎くんの見せ場が無くなっちゃうし、それに何より呆気なさすぎるから。
──よし、決めた。
飛ばすか。
「おい
「そうだよ、意識飛ばしてないでさ、ほら早く!」
──は?
「え、あれ……善吉くん、と、
どうする? どうする!? どうしてここに!! 善吉くんがいるんだよ!!??
……いや、
「おいおい、ひでーこと言うなよ
『命拾いしたねえ、善吉ちゃん。君がもしあのまま
「怖いこと言わないで下さいよ……現にこうしてここにいるんです、過去のことで怒るのは勘弁してもらえませんかね?」
……そうだ、そうだよ。過ぎたことを考えてもしょうがないもんな、私は、私にできることをやるだけだ。
「与次郎くんも帰って来たみたいだし、みんな行こっか。レースももうすぐ終わるだろうしね……」
「ん、どうした
「いや平気。さっさと行こう」
こうなったからには、もう早く終わらせるしかない。
ちなみにぼくと善吉くんは、第四関門を素通りできたからこんなに早く来れた。選挙管理委員会の人達は帰っちゃったみたいだったから、一番厄介な人の相手をせずに済んだのも大きい。
「……しかしまあ、十一人全員が生き残ったのは嬉しいことだけど、反面困ったことになったな。このレース、勝者は一人だけなんだが」
『もうこうなったらさ、ジャンケンで決めちゃえば? ここまで来たんだったらもう全員優勝みたいなものだろうし……ま、どうしても優勝したい人がいるって言うなら譲るさ。みんなの助けが──』
「『なければここまで来れなかった』、ですか? ここまで来てそういうこと言うのやめて下さいよ、禊せんぱい!」
「そうですよ! 第四関門なんて、あなたがいなければ絶対に突破できませんでしたし、さっきだって
『僕のおかげか……ふふっ、変な気分だ』
お兄ちゃんは財部くんや喜々津くんにもてはやされ、嬉しそうに鼻を擦りながらそう言った。そして同時に、分かったことがある。
この後、多分なんか来る。
『そんなこと、今まで言われたこともなかったな──』
そう言うと同時にお兄ちゃんは善吉くん阿久根くん喜界島くん財部くん喜々津くん鰐塚くん与次郎くん希望ヶ丘くんを螺子で床や壁に括り付け、薄ら笑いを浮かべながらこちらを振り返った。
「なっ……今このタイミングで!?」
『さて──それじゃあ行こうか、
「はあ……絶対なんかやると思ってたけど、やっぱりね──まあいっか! 行こう
「ああうん、行こう。ちなみに私はこの場にいる女子全員眼鏡キャラになってもらおうと思ってるからよろしくね。善吉くんと阿久根くんは
『それじゃあみんな! 君達の厚い友情と尊い犠牲を! 僕達は明日まで忘れない!!』
(((頼むから勝つなら
お兄ちゃんがそう言った直後、ぼく達は屋上へと向かって走り出した。ま、ぼくは場を盛り上げるために冗談言ってただけだけど……真に受けてもらえてれば嬉しいな。
で、屋上に到達したわけだが──そこにはなんと、サッカーのユニフォームを身に纏っためだかくんがいた。
「ようこそ貴様達、
『あれ、めだかちゃん……どうしてここに?』
お兄ちゃんの疑問を聞いためだかくんは得意げに微笑み、そしてその後、自信満々に宣言したのだ。
「ふふふ……何を隠そう、私がここにいるのは、関門を五個以上突破した貴様らのためのボーナスステージがあるからだ!!」
「へえ、そうなの……それで? 一体関門の名前は──」
「めだ関門」
「──えっと、いや、えっと」
「めだ関門!」
『めだかちゃん、流石にそのセンスは』
「めだ関門!!」
ダメだ、この子何がなんでも押し通すつもりだ。いやそれにしても、めだ関門? いくらなんでもこれは……。
『「ないわー……」』
「……貴様ら、後悔するなよ?」
やっべ、怒っちゃった。
道中雑だし原作崩壊しましたが、全部わざとやってるので問題ないです。
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