TSした上に『負完全』の妹   作:Minus-4

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 タイトルはミスではないです。




第46箱「これからは俺が副会」

 

 

「急いで屋上へやって来たはいいものの……(ゆき)さん、この惨状について説明してもらえるかな?」

 

「説明も何も……めだかくんが二人をボコボコにしただけだよ。ねっ、めだかくん?」

 

「ああ、その通りだ──それで、貴様達も当然やって行くよな? 五つ以上の関門をクリアした者だけが挑めるボーナスステージ、めだ関門!

 

「ああ、なるほど……球磨川兄妹はそのめだ関門とやらに敗れ、この有様に──」

 

「いや、この二人は『めだ関門』というネーミングを笑ったから、痛めつけた

 

(((暴君だ!!)))

 

 黒神めだかの恐るべきネーミングセンス、そしてあまりの暴君ぶりに、宝探し(トレジャーハンティング)参加者一同は絶句した。

 

「ところで(ゆき)、お前はネーミングを笑わなかったのか? 見たところ無傷なようだけどよ」

 

「私が友達のネーミング笑うと思う? んなことするくらいなら腹割るね」

 

「いやいや……そこまでしなくても……」

 

「じゃあ介錯はぼくがしてあげようか。痛みは一瞬だよ」

 

(そそぎ)も悪ノリすんな──ってかお前、さっきまで目回して倒れてただろ。復帰早くないか?」

 

(そそぎ)ちゃんには『却説遣い(ブックマーカー)』があるから」

 

「ああ……そう考えると結構便利だよな、それ」

 

「ものは使いよう、ってこういうことだね。便利ってなっちゃうと、過負荷(マイナス)って呼ぶのもちょっと違うかも?」

 

 (ゆき)(そそぎ)の言葉を聞き、善吉はしばらく考え込む。が、過負荷(マイナス)の定義は今関係ないので、別のことを考えることにした。

 

 例えばそう、なぜか一人だけ治療されていない球磨川禊のこととか。

 

「ああ、お兄ちゃん? 多分今幸せな夢を見てると思うんだよね。そう言う顔だもん」

 

「多分裸エプロンで週刊少年ジャンプの表紙を飾ってる夢だよ。えっちな夢見てる時の顔だもん」

 

 そういうものなのだろうか、と善吉は再び考え込みそうになるが、やはりこれも関係ないことなので考えるのをやめた。

 

「もういいか、貴様達? 説明に入らせてもらうが、このめだ関門はあくまでボーナスステージ──まあつまりは、挑戦せずとも宝は手に入る、ということだ。ただし挑戦して失敗したら、宝は手に入らん。さて、どうする? やるか? やらんか?」

 

 話の切れ目を狙って始まっためだかの説明に、一同はざわついた。挑戦しなければ宝は手に入るらしい。皆揃って顔を見合わせ、そしてめだかの方を向き、全員が大声で答えた。

 

「やるっ!!」

 

「よかろう最高だぞ貴様達。それではボーナスステージめだ関門、『屋上PK』開催決定だ!

 

 


 

 

 その後めだかによるルール説明が(おこな)われ、左腕が自由になっている安心院(あじむ)なじみが、第七グラウンドから屋上までサッカーゴールを運んでくるというサプライズもあったが、なんやかんやあって舞台は整った。

 

 ルールは単純、ボールを蹴れるのは一人一度まで。それ以外にはない。蹴る順番すらも決まっていない。

 

 そんなルールを聞き、順番をどうするかと話し合おうとした時、一番手を志願したのは意外にも阿久根高貴だった。

 

「みんなでここに辿り着くにあたって、俺はそれくらいの貢献はしたつもりだぜ」とは彼の言であるが、誰一人としてそれに反論するものも、反抗するものもなかった。

 

 阿久根との真っ向勝負にあたって、めだかは即座に改神モードの使用を選択。ゲームだからといって手を抜くつもりはない、という意思の表明である。

 

 それを受けて阿久根は即座に行動を開始。改神モードはめだかのスキル完成(ジエンド)に基づいた、いわゆる「観察」の極致である。時間をかければかけるほど、不利になるのは阿久根の方だからだ。

 

 シュートコースを吟味すれば、その間に解析は完了する。勝ちの目は万に一つも無くなる──あるいは、億に一つも。故に、阿久根はノータイムでキックに出るしかなかった。

 

 しかしだからといって、阿久根が無策で突進したかというと、そういうわけでもない。あくまで彼は、めだかへの勝算を持って勝負に臨んでいるし、味方であるとはいえ完成(ジエンド)への対策を怠ったことはない。

 

「観察」の極致。なるほど確かに恐ろしい。だがしかし、それがどうした。見極められるのであればむしろ、こちらから見せてしまえ──魅せてしまえ。

 

 自らの敬愛する者へ背を向けて放たれたのはあまりにも鮮やかな、トルネード・ヒールキックだった。

 

 フェイントのかけらもない()()()()()()()。否、それ以下。魅せるための技で、決めるための技ではない。意表をつくための技で、見せつけるための技ではない。

 

 しかしその完成度から。あるいはその美しさから。めだかは阿久根が放ったシュートへの反応が遅れて動けない。見入ってしまって、見惚れてしまって、()()()()()()()()()

 

 完全に完成された改神モードの弱点──それは、初見の技に対して「反応」や「反射」よりも先に、「観察」を優先してしまうことだった。

 

 阿久根の放ったシュートはゴールの左上の方へと、なんの障害もなくするりと進み、そしてゴールネットを揺らす──と、いうところで。

 

 めだかは全く迷う素振りもなく黒神ファントムを使用。しかもそれは先代生徒会長日之影空洞が生徒会戦挙でやってみせた、衝撃波キャンセルによってノーダメージとなった、いわゆるちゃんとした版の黒神ファントムであった。

 

「──ちゃんとした版、参考にならないって言ってたのに、ちゃんと身につけてたんですね」

 

「まあな。とはいえ光化静翔(テーマソング)は『観察』の難しいスキルだから、今のところ私には一日()()しか使えない限度付き奥義だ」

 

「大人げな……いやまあ、これでこそめだかちゃんだとは思うが……」

 

「何を言っているのだ、善吉。()()()()を相手にしているのだから、こちらも全力でやるしかあるまい──しかし、そうだな。惚れ惚れするほど素晴らしいシュートだったよ」

 

 めだかはそう言うと、自らの手に付いた砂埃を払ってから、阿久根の方を振り向いた。

 

「これで貴様の優勝は無くなったわけだが、まあしかし、健闘に免じて副賞だけはくれてやろう。これからはいつでも好きな時にかかってこい、()()

 

「──はいっ! いつでも好きです、めだかさんっ!」

 

「黒神めだかから呼び捨てにされる」ということ。それは阿久根にとって、至上の喜びだった。

 

 阿久根はようやく、ただ全力であればよかったのだ、ということを知った。

 

「さて……次はどうする、誰が来る? 善吉か? (そそぎ)か? (ゆき)か? 喜界島会計か? それとも候補生のうちの誰かか?」

 

「……ちょっとタンマ!!」

 

「む、どうしたのだ(そそぎ)。まさか怖気付いたのでは──」

 

「いや、そうじゃなくて……ちょっとみんなと()()()()でも確かめようかなって」

 

「──ほう? まあいいだろう、好きにするといい。めだ関門に制限時間はないからな」

 

 (そそぎ)はどうやら何かを思い付き──めだかも(そそぎ)の思惑には気づいているようだが、それを黙認し──挑戦者(チャレンジャー)達は作戦会議を開始した。

 

 時間にして、およそ5分後。どうやら話はまとまったようで、全員がめだかの方へと向き合った。

 

 球磨川禊だけは、未だ倒れている。

 

「相談は終わったか? それじゃあ早速始めよう。あまり時間をかけるものでもない。それで、誰から死にたい?

 

「もちろん、ぼくから。」

 

 志願者は球磨川(そそぎ)。箱庭学園に入学して以来、この二人が相見(あいまみ)えるのは初めてのことである。

 

「死ぬ気で来いよ、(そそぎ)。私は貴様に期待しかしていないのだからな」

 

「期待が重いねえ。それじゃあ早速、応えさせてもらうとしようかな」

 

 (そそぎ)は十分な助走をつけ、勢いに乗ったまま、サッカーボールを蹴り()()()

 

(ほう、(そそぎ)のやつ、()()()()()!)

 

 (そそぎ)の蹴ったボールはゴールの中に吸い込まれるように向かっていく。しかし向かった先は、運の悪いことにめだかの守備範囲内──だったのだが。

 

 めだかの耳に入ったのは、()()()。息を吸い込む音は、まるで()()()()()()()のようで──。

 

 呼吸音のした方、つまりは左下を見る。そこには何故か先ほどまでいなかった、箱庭学園生徒会会計担当、喜界島もがながしゃがみ込んでいた。

 

「──なるほど声帯砲か、考えたな!」

 

 どうやら先ほど(そそぎ)がボールを蹴り()()()際に却説遣い(ブックマーカー)を使って、「元々そこにいた」という風に書き換えたらしい。

 

 喜界島もがなの呼吸(チャージ)は、既に完了している。

 

 

 

「わん!!」

 

 

 

 箱庭学園制圧力ランキングで堂々の3位を誇る喜界島の喉から、その肺活量を存分に活かした声の砲弾が放たれる。

 

 流石のめだかといえど、真正面、至近距離から、()()()()()()()()声帯砲を食らえばただでは済まない。故に、めだかは両手で耳を塞ぐ他なかった。

 

 反動で遠くまで吹き飛ぶめだか。その間に(そそぎ)が蹴ったボールはゴールの中へと一直線に進んで行き──。

 

「そうはさせん!!」

 

 そのままゴールネットを揺らすかに思えたが、めだかは即座に黒神ファントムCSV(ちゃんとしたばん)を使用。渾身のパンチングによってボールは弾かれた。

 

(ふう……これで4()()()か。しかしまだ1回分残っているし──待て、あれは……なるほどな)

 

 めだかは文字通り渾身の力で、ボールを吹き飛ばした。しかし息つく間もなく()()()()()()()()()()()()

 

 ()()()()()()()()()()()である。

 

「私が殴り飛ばしたボールを拾ったのは貴様だな、()()!! いつでもかかってこいとは言ったが、まさかルールは破っていないだろうな!?」

 

「まさか! 少し()()使()()()()()ですよ、めだかさん! 『蹴れるのが一度』と言われただけで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!

 

 阿久根はしてやったり、という風ににやりと笑う。それに応じてめだかも笑みを深めた。

 

「笑ってる場合じゃないですよ、黒神会長!! 私達五人のパスワークに、あなた一人でついて来られるわけが無いんですから!!」

 

 喜々津はめだかに向かってそう啖呵を切ると、シュートするフリをして、希望ヶ丘へとパスを回した。

 

「よく気が付いたな、喜々津候補生! 私がP()K()()()としか言っていないことに!!」

 

「そんなの、みんな気付いてましたって! 発案は私と(そそぎ)先輩ですがね!」

 

 そうして話しているうちにもパスは回る。希望ヶ丘から財部へ。財部から与次郎へ。そして与次郎から、()()()()()鰐塚へ。

 

「あとは私に任せろ、絶対に()()()()()()()()!!」

 

「死ぬ気で()って来い、鰐塚候補生!!」

 

 鰐塚の足から、まるでM1913 105mmカノン砲の砲弾のようにボールが放たれる。彼女はボールを自分に繋いでくれた、七人の努力を無駄にするような人間ではない。

 

 とんでもない威力、とんでもないスピード。想いの重さがそのまま球に乗って弾になり、黒神めだかの守備範囲外目掛けて突き進む。

 

 しかし相手は黒神めだか。5回目の黒神ファントムCSV(ちゃんとしたばん)を大人気なく発動し、ボールをパンチングした。しかし、あまりの威力に腕が痺れているようである。

 

 流石のめだかとはいえ、腕を押さえながらその場に立ち尽くした。しかしチームプレイはまだ終わっていないようだった。

 

 弾き飛ばしたボールを拾ったのは球磨川(ゆき)。運動神経はここにいるメンバーの中でもトップクラスである。

 

「よし、()()()()()()()()()()()()()()()。鰐塚くんたちのお陰だよ、ありがとう──それじゃあめだかくん、死合おうか

 

「くくく……そういえば(ゆき)にはバレていたか! 私が()()3()()()()()()()()()()使()()()()()()ことが!」

 

「そうでもなけりゃこんな作戦立てないって。じゃあまあ、私は剣士らしく、正々堂々真正面から相手取らせてもらおうかな」

 

 (ゆき)はボールから距離を取り、助走をつけ──途中で一度、思い出したように立ち止まり、一枚の紙を取り出した。

 

「そういえば忘れてた。これやらないと私じゃ勝てないかもしれないから、ちゃんとやんないとね」

 

「紙……なるほど読めたぞ、紙を千斬(ちぎ)って何かを()()()()()つもりだな?」

 

「あちゃーバレてら。まあそういうことだよ。ところでめだかくん──」

 

 (ゆき)は紙に手を掛け、真っ二つに斬り裂いた。

 

 

 

「──お兄ちゃんのこと、放っておいていいの?

 

 

 

 

 

ぞわり。

 

 

 

 

 

 

──酷いなあ、めだかちゃん

みんなで球蹴りして遊んでるのに

僕だけ追放(キック)するだなんて。

 

 

 

 

 

 

 気が付いた時には、既に遅い。()()()()()()()()()()()()()()()()禊の存在に気付けないのが悪い。

 

(──ッ!? まさか(ゆき)の奴、球磨川の存在感を元に戻したのか!!

 

 8月8日生徒会戦挙会計戦「火付兎」。

 禊はそこで自らの存在感を『なかったこと』にし、人吉瞳と人吉善吉の分断に成功していた。

 

 そこで『なかったこと』になっていた存在感を『斬り変えて』元に戻し、それと同時に圧倒的な負完全(マイナス)のオーラをめだかに押し付ける。

 

 結果、あまりに突飛な不快感にめだかは飛び退き、禊から距離を取った。禊の名誉のために言っておくが、別に禊が生理的嫌悪感を撒き散らしているわけではない。

 

 ちなみにだが、一番最初に(そそぎ)が足を振り斬った際、禊もついでに「却説遣い(ブックマーカー)」で復活していた。今まで倒れたフリをしていたというわけだ。

 

『おいおい、久々に本気出しただけじゃん。そんなに逃げなくたっていいんじゃないかな?』

 

「ぬかせ、ここ最近で一番気合が入った負のオーラだったぞ……! おかげで冷や汗と鳥肌が止まらん、どうしてくれる」

 

『妹と後輩に頼まれたんだ、これくらいやるさ──それよりも、めだかちゃん。ゴールがガラ空きだぜ

 

 禊の言葉に反応してめだかは(ゆき)の方を見る。するとシュートは既に放たれていたことが判明した。それに、何やら様子がおかしい。

 

 すかさずめだかは完成(ジエンド)による観察を(おこな)い、(ゆき)の体とボールにある違和感の正体を見抜いた。

 

 ()()()である。

 それも、およそ5個の。

 

 

キック力上昇のスキル『玉座を蹴る(キッキング)』球速上昇のスキル『球速果断(オーバーワーク)』弾がぶれるスキル『荒々しい足蹴(シェイクフット)』無回転のスキル『手回し無用(スリーピングスピニング)』弾道を自由に操るスキル『蹴手繰り寄せ(ホールインボール)の五個乗せだよ。これで私達の勝ちだね、めだかくん」

 

 めだかは既に黒神ファントムCSV(ちゃんとしたばん)を五回分使い切っている。身体はとうに限界を訴え、動くだけでさえやっとという感じだ。

 

 だが、しかし。それでも黒神めだかは諦めない。ただのレクリエーションだが、自らの限界を越えることに余念がない。

 

 自らが認めた者達は目の前で限界を越えた。めだかの能力を上回る作戦を立て、完璧に繋いでめだかをここまで追い詰めた。

 

 で、あれば。

 その作戦すら打ち砕き、さらなる高みに昇るだけだ。

 

「ぐっ……あああぁぁぁっっ!!」

 

「なっ、そんなバカな……!?」

 

6()()()の黒神ファントムCSV(ちゃんとしたばん)……どこまでも諦めの悪い子だぜ、めだかちゃんは』

 

 意地と根性、そして天性のセンス。めだかは今、自らの限界を打ち破り、さらなる高みへと昇り詰めた。

 

 身体は流石に限界で、もう指一本も動かせないが、これでめだかは全てのシュートを防いだことになる。完璧に、完全に、めだかの勝利が決まった──。

 

 

「えいっ」

 

 

 ──と思っていためだかを現実に引き戻したのは、つい先程めだかに向けて局所的声帯砲をぶちかました喜界島もがなが()()()()()()()()()放った声。

 

(──ッッ!! そうだ、そうではないか、喜界島会計は()()()()使()()()()()で、()()()()()()()()()()()()()!!

 

 完全に不意を打った一撃。めだかは指一本も動かせない……が、「完成(ジエンド)」でコピーした高千穂仕草の「自動操縦(オートパイロット)」で無理矢理身体を動かしてブロックした。

 

 今度こそ、めだかは完全に動けない。肉体的限界を無理矢理二度も越えた代償は大きく、かなりの激痛がめだかの身体を襲った。傷が治るまでには、少なくとも5分はかかるだろう。

 

 しかしそうなると、気になってくるのは弾いたボールが飛んでいった方向である。ゴールとは真逆も真逆。むしろゴールの真正面に向かって飛んでいったようで──。

 

「──なるほどな、そうか。そうか……貴様で詰みか、これはしてやられたな、()()

 

「ああ、そうだよめだかちゃん──俺で、詰みだ」

 

 第一回オリエンテーション『宝探し(トレジャーハンティング)』。

 優勝者、人吉善吉。

 

 


 

 

「いや、それにしても……まさか最下位から勝っちまうなんてな。それもこれも(そそぎ)が発破を掛けてくれたおかげなんだけどよ」

 

「まあそう言うな、善吉。元々は候補生達共々それ──()()()()()()()()()、そして()()()()()()()()()()()()を推し量るつもりで開催したのだから、貴様は正しいことをしたよ」

 

「そうだよ善吉くん。ぼくがやったことなんて、精々が君の手を取って、一緒に時計台を駆け上がっただけなんだし」

 

『……ところで善吉ちゃんさあ、()()はどうするんだい? ほら、副賞の()()()()()()はさ』

 

「ああ、それは……まあ俺としてはメインの『ここまでの冒険が何よりの宝物だ!』色紙だけでもいいんだが、折角だし貰っておいてやるよ」

 

『となると、僕は庶務に格下げってことになるのかな、めだかちゃん?』

 

「そうなるな。球磨川兄妹三人組で庶務ということになるが、まあ大丈夫だろう。肩書き(ポスト)が変わるだけでやることはほとんど変わらないだろうしな」

 

「何というか、感慨深いね。あの善吉クンが副会長になるとは……まあ君は()()がよく似合うよ。めだかさんの隣に立つにはピッタリだ」

 

「……あれ? そういえば(ゆき)ちゃん、どこ行っちゃったのかな? (そそぎ)ちゃん、(ゆき)ちゃんがどこに行ったか分かったりする?」

 

「えっ? いや……ごめん、分かんない。でもあの子のことだし、その内戻ってくるよ。(ゆき)ちゃん、たまにこうやってどこかに行っちゃうんだよね」

 

「なんだよ、折角俺が副会長の腕章を付けるところを見せたかったっていうのに」

 

『逆に僕は助かったなあ。善吉ちゃん贔屓の(そそぎ)ちゃんならともかくとして、僕のことがかなり好きな(ゆき)ちゃんにこんなところは見せられないからね』

 

「それなら球磨川、貴様がまた取り返せば良いのだ。善吉ならいつでも勝負を受け付けてくれるだろうしな」

 

「当然そのつもりだよ。一回ならまぐれでもぎ取った肩書きかもしれねえけどな。二回も勝てば必然だったって分かるだろ?」

 

『それもそうだね。だがまあ、三回目だってあるかもしれないぜ? ほら、三度目の正直ってよく言うし──はいこれ。お望み通り、()()副会長の腕章だ』

 

()()()()もんだよ──ってことで!!

 

 

「これからは俺が副会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

改正

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──は?」

 

 

 

 

 

人吉善吉は。

校庭のど真ん中に。

座り込んでいた。

 

 

 






 あーあ。
 善吉くん、かわいそ。

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