タグに「曇らせ」を追加しました。
そんなに仕事はさせません。
あと過去一でメタい発言多いです。
私は校舎の上から、めだかくんたちに向けて意味のない虚言を繰り返す善吉くんを眺めていた。
「俺は本当に関門を全部突破して──」だとかなんとか言っていたけど、めだかくんたちは困惑するだけで、誰も善吉くんの言い分なんて信じていなかった。
私が、斬り変えたから。
「
「……そんなこと、分かってるよ。私が一番
私は声がした方を振り返る。そこにはやはり、左腕が
「それにしても、
「違う。エゴじゃない。
「よく言ったもんだぜ、君にとって都合のいいように斬り変えたくせに。神様ごっこは楽しいかい?」
「楽しいわけないじゃん。私だってこんなことしたくないよ、善吉くんが悲しむところなんて見たくない」
「だったら──
……なんだ、何が言いたい? 一体何がしたいんだろう、
そんな風に考えていたら、善吉くんがめだかくんにぶん殴られているのが見えた。よし、これで元通りだ。
元の展開通りに。
「露骨にホッとした表情を浮かべたね。まあ僕としてもこの展開は望ましい。そのために五人の
「うん、だろうとは思ってたよ。だから私は、その考えを読み取って──」
「本当かい? 場を
「……それに関しては、ぐうの音も出ないよ。言い訳の一つすらない。それも全部、
「ふうん、
……? さっきから含んだ事ばかり言っているけど、本当にどうしたんだろう。万が一にも勘付かれることはあり得ないし……。
「それで、僕の質問には答えてくれないのかな? どうして君は善吉くんの記憶だけ残しているんだい?」
それは……。
「それはね、
「あー、そういうのいいから。僕も意地悪なことを聞いたからね、いやーごめんごめん。自分の罪悪感の捌け口として善吉くんがちょうどよかっただけなんだろう?」
ちがう。
断じて違う。
「違っ、いや、そうじゃなくて」
「君は
「昔から? えっと、いや、私は
「すっとぼけんなよ。もう手遅れなんだから」
はあ、手遅れ……手遅れ?
「『
ぐッ……なんだ、これ……動けない……!? 息も、できない……!!
「君のスキル『
「ッハァッ、げほっ……
舌を噛み斬っちまえば万事OK!!
「──ァう、いっァ 絶叫 ッッ!!」
……あれ?
「おいおい困るよそんなことされちゃあ。一応僕達は少年誌のキャラクターなんだぜ? 今頃これを読んでる子供達は泣いてるよ」
「ッハっ、
「スキルを無効化するスキル『
どうする? どうする!? ああもう最悪だどうすればいい!? 死ねよ、死んでみろ、死んじまえ!!
「あーあ、可愛いお顔が涙と血でめちゃくちゃだ。ちょっと待ってなさい……よし、これで
「……だったら、もう一回舌を──」
「
舐めやがって、私だってやる時はやれるんだ、見てろ──見てろよ。
見てろ、今から。そう、今から……。
──また、
「……できないならやらなくていいんだぜ。そんなに何回も痛々しいことをやられても困るんでね」
「私っ、私は……」
「いやいいよ。自分で舌を噛み切るのなんて、精神をだいぶ削るだろうしね。だからここからは、僕が言いたいことを一方的に話すだけにしよう」
「…………」
「あのねえ
「…………」
「それを君は、あっちを斬ったりこっちを斬ったり。めちゃくちゃに掻き回してくれたね」
「…………」
「君は世界を好きなように書き換え──もとい、斬り変えたけれど、やるなら最後までやりきって欲しいと、僕は苦言を呈さざるを得ないな」
「…………」
「例えば、そうだな。初期の頃に『黒神めだかは杵築
「…………」
「他にもまだまだ沢山あるぜ。『
「…………」
「それに……僕との出会い方。あれだって捏造されてる。大方僕に何かを隠したいからそんなことをしてるんだろうけど、今となってはそれも無駄足だったね」
「…………」
「君はさ、どうして僕に隠し事をするのかな。どうして僕から逃げようとするのかな。球磨川
「…………」
「もう隠し事なんてしなくてもいいんだぜ? だって、ほら。僕は怒ってるわけじゃない。君がどういう考えで動いているのか知りたかっただけなんだから」
「…………」
「『
「…………」
「ちなみに言っておくが、僕はきみの知識について、結構前から知ってたぜ。
「…………」
「さて、僕が言いたいことは大方言わせてもらったが……そんなに泣かないでくれよ、僕が悪いことしてるみたいだろ──いや、違うな」
「…………」
「『おーよしよし、泣かないでおくれ
「…………」
「だからそんなに泣くなよ。そこまでして僕を助けたいのかい? 君は元々存在しないんだから、君が動かなくてもどうにかなることだろう?」
「…………」
「そういえば、
「…………」
「それで、ええと……そうそう、君は無計画すぎるって話だったね。もっと思慮深く、綿密に話の道筋を作るべきだったんだよ、君は」
「…………」
「ストーリーはめちゃくちゃ、設定の数々は破綻して矛盾を抱える結果に。当初自分が思い描いていた展開からは大きく逸れてしまい、出来上がったのはもはや構想とは別物の何かだ」
「…………」
「それもまあ、お手本が無かったからこそなんだろうね。手本が無かったからこそ、手間を惜しまず、手当たり次第に出来ることをやるしかなかった。それなら僕が手本を見せてあげよう。人の動かし方を教えてやるぜ」
「…………」
「ところで、そうだ。僕は君が勝手に作り出した設定の中で、一つだけ結構気に入ってるのがあってねえ。それだけはまあ、なかなかに高く評価しているんだぜ」
「…………」
「負安心モードだったっけ? そんな名前のやつだよ。僕と
「…………」
「ああ、そうそう。合体した時に君の心を読んでね。それで気が付いたんだよ。あれはファインプレーだったぜ」
……私の、せいだ。
私が無闇にストーリーに関わろうとしたせいで、
……どうしよう。どうしよう。
どうすればよかったんだろう。
どこで間違えたんだろう?
いっつもこうだ。
何かしようとすると、何もかも間違えてる。
私なりに頑張って、物語をより良くしようとしたのがいけなかったのかな。それとも、
もうわかんない。
何がしたかったのか。
なんで今まで生きてきたのか。
どうして今になって『ああすればよかったな』が浮かぶんだろう。いっつもそうだ、終わってからの方がいい案が出る。
生徒会にしがみつかなければよかった。
生徒会戦挙になんて関わらなければよかった。
時計台の戦いに参加しなければよかった。
生徒会副会長代理になんてならなければよかった。
善吉くんやめだかくんと知り合わなければよかった。
キャラを作らないで、凡人のままでいればよかった。
お兄ちゃんなんて知らなければよかった。
そしてなにより。
校舎の上には、五人の人間と
人外の外見は──白髪と黒髪が混ざり合った、身長は150cm半ば程の、巫女服と制服を折衷したかのような衣服を纏った少女だった。
「ッ──
「……つくづく、自分の低脳さに反吐が出るね。時計台で、彼女にあんなことを言わなければ……」
「そんな……どうして
「彼女とは、いつか殺し合ってみたいと思っていたんだけどね。残念だ」
「…………」
「まあまあ、そんなに暗い顔すんなよ、名瀬ちゃん、真黒くん、江迎ちゃん、宗像くん、半袖ちゃん。僕はあの子に手本を見せてやるだけだぜ?」
人外──
「まあそこで見てなよ。
「僕にとって若造ひとり
「曇らせ」なのでいつかは晴れます。
というか、絶対に晴らします。
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